2024年10月
2024年10月30日
子会社なら収益事業は無制限？
こんにちは！今日は、ある大学法人の監事さんからのご質問です。
＜Ｑ＞子会社なら収益事業は無制限？
私学法上の収益事業を行うには、所轄庁に対して寄附行為の変更の認可申請が必要です。それならば子会社を作って実質的な収益事業を行うことは自由にできると言うことですか？
＜Ａ＞
私学法では、出資会社についての制限規定はありませんが、文科省の通知※で出資会社についてしばりがあります。
※学校法人の出資による会社の設立等について（通知）（平13.6.8
13高私行第5号)
しばりの内容です。
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項目 |
内容 |
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��
出資割合の制限 |
設置する学校の教育研究活動と密接な関係を有する事業（例えば、会計・教務などの学校事務、食堂・売店の経営、清掃・警備業務など） |
左記事業を一層効率的に行うために、学校法人が出資によって会社を設立する場合には、学校法人の出資割合は出資先会社の総出資額の２分の１以上であっても差し支えないこと。 |
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学校の教育研究活動と密接な関係を有しない事業 |
学校法人の目的等にかんがみ、出資割合は原則として２分の１未満とすることが適当である。 |
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➁事業の制限 |
事業の在り方及び種類 |
「文部科学大臣の所轄に属する学校法人の行うことのできる収益事業の種類を定める件」（平12.3.27文部省告示第40号）第1条・第2条に準じて取り扱うこと。 →告示はその後改正（平20.8.20文科告第141号） |
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➂配慮事項 |
学校校法人の出資による会社設立に関して国民から不明朗、不適正等の指摘を受けることのないよう、十分に配慮すること。 |
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�し彁蚕駑爐肪躓� |
文部科学大臣への財務関係書類の届出等（私立学校振興助成法第14条第2項に基づく届出等）に当たり、学校法人の出資割合が2分の1以上の会社がある場合には、学校法人の財務状況を当該会社と関連付けて適切に把握できるよう、その出資状況や当該会社から学校法人への寄附金額等について、学校法人の計算書類に脚注として記載するとともに、当該会社の経営状況の概要が把握できる資料を添付すること。 |
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今日は、ここまでです。
2024年10月28日
損額保険の受取保険金
こんにちは！銀行出身の高校の事務長さんからのご質問です。
＜Ｑ＞損額保険の受取保険金
過日の台風の通過で校舎の一部教室で雨漏りが起こるようになってしまいました。そこで保険会社に相談したら保険金がおりることになりました。会計処理は、会社と同じですか？
＜Ａ＞
受取保険金は、会社では雑収入として損益計算書の「営業外収益」に計上しました。これは企業の損益計算書では、企業の営業活動によって発生した損益は営業損益、営業活動以外によって発生した損益は営業外損益とするからです。
学校法人会計でも損額保険金として受け取る受取保険金は、（大科目）雑収入にしますが、雑収入は教育活動収支の収入に計上することになっています。また、受取保険金は臨時的な収入として特別収支の収入にならないかと思うかもしれませんが、特別収支の科目は限定列挙されているので、特別収支の科目にもなりません。
※学校法人会計と企業会計
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学校法人会計 |
企業会計 |
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教育活動収支 |
雑収入 |
営業損益 |
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教育活動外収支 |
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営業外損益 |
雑収入 |
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特別収支 |
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特別損益 |
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今日は、ここまでです。
2024年10月25日
【法人税】高校のバザー
こんにちは！今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞【法人税】高校のバザー
高校では保護者会の協力を得て、秋にバザー（制服・体操着、各家庭の不用品）を行っています。これは、法人税の申告は必要ですか。
＜Ａ＞
学校法人が行うバザーで年１、２回開催される程度のものは、物品販売業に該当しませんので（法人税基本通達15-1-10(5))、法人税の申告は不要です。
今日は、ここまでです。
2024年10月23日
【予算書】「歳入予算」vs「収入予算」
こんにちは！今日は、高校法人の事務長さんからのご質問です。
＜Ｑ＞【予算書】「歳入予算」vs「収入予算」
学校法人の予算書は、「歳入予算」「歳出予算」というのですか、それとも「収入予算」「支出予算」というのですか？
＜Ａ＞
国や地方自治体の予算では、「歳入」と「歳出」という用語が使用されていますが、学校法人の予算書では、一般には「収入予算」「支出予算」を使います。
なぜかと言うと学校法人会計基準では、「歳入」「歳出」と言う文言は使わないで「収入」「支出」と言っています。学校法人会計の世界では、学校法人の予算と言うと古い資料で「学校法人の予算制度に関する報告（第1号〜第4号）について（学校法人財務基準調査研究会）」が出てきますが、ここでも「支出予算」という言い方をしています。会計士協会も「収入予算」「支出予算」という言い方をしています※東北地方太平洋沖地震による災害に関する学校法人監査の対応について（H23日本公認会計士協会会長通牒)。
今日は、ここまでです。
2024年10月21日
入学選抜試験の経費の教管区分について
こんにちは！今日は、ある学校会計の研修会でのご質問です。
＜Ｑ＞入学選抜試験の経費の教管区分について
私学事業団の月報私学のQ&Aで「入学選抜試験に直接要する」費用を教育研究経費としていますが？どうしてですか？
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月報私学（2020.12.1第300号）P3 インターネット出願にかかる費用 Ｑ４ 受験生募集から入学試験受付手続きまでの処理にＷｅｂ出願システムを導入しています。このシステム利用料について、教育研究経費としてよいでしょうか。 Ａ４ 募集広告から入学願書受付までの諸費用は募集に要する経費であるため、管理経費とすることが妥当とされており、Ｗｅｂ出願システムでも同様に「管理経費（支出）」として処理する必要があります。 ただし、Ｗｅｂ出願システムにおいては複数の機能を有することが考えられ、受験票の印刷など入学選抜試験に直接要する機能を有し、機能の割合等で明確に按分できる場合は、費用の一部を「教育研究経費（支出）」として処理することも考えられます。 |
＜Ａ＞
基準別表第一では、「教育研究経費支出」の説明で「教育研究のために支出する経費（学生、生徒等を募集するために支出する経費を除く。）をいう。」としています。つまり、学校会計では学生生徒の募集経費は、管理経費支出になるわけです。
ですが、この募集経費については、文部省通知（雑管118号）で追加説明があり、『「学生生徒等の募集のために要する経費」には、入学選抜試験に要する経費は含まないものとすること。』としています。
このため、今回の私学事業団のＱ＆Ａの入学選抜試験に要する経費を教育研究経費（支出）としているのでしょう。
※まとめ
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学生生徒の募集経費→ |
管理経費 |
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入学選抜試験の経費→ |
教育研究経費 |
今日は、ここまでです。
2024年10月10日
【ﾆｭｰｽ】「セグメント情報の配分基準（たたき台）」公表される！
今日は、ニュースです。この度、「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ」から「学校法人会計基準のセグメント情報における配分基準について（たたき台）」が公表されました。ワーキンググループは、あり方検討会の下にある組織で、主に「セグメント情報における配分基準（「経済実態をより適切に表す配分基準」）」を検討するために設けられました。↓↓
学校法人会計基準の諸課題に関するワーキンググループ（令和5年度〜）
学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ
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回 |
日時 |
話題 |
開催 |
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第1回 |
3月13日(水) |
1.本ワーキンググループの運営について 2.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 3.本ワーキンググループのスケジュールについて 4.学校法人会計基準の在り方に関する検討会 報告書について |
済 |
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第2回 |
4月10日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査について 3.本ワーキンググループのスケジュールについて |
済 |
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第3回 |
5月29日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査（アンケート及びヒアリング）の結果3.大学等と病院・診療所 4.国立大学附属病院における教員人件費等の会計処理 |
済 |
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第4回 |
7月17日（水） 15:00〜18:00 |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.セグメント情報における配分基準 3.「経済実態をより適切に表す配分基準」の導入に向けた準備期間 4.各私立学校関係団体へのヒアリング |
済 |
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第5回 |
９月２日（月） 15:00〜18:00 |
1.各私立学校関係団体へのヒアリング |
済 |
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第6回 |
10 月２日（水） 15:00〜17:00 |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 |
済 |
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第7回 |
11 月 13 日（水） |
セグメント情報における配分基準の検討��（予定） |
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第8回 |
12 月 18 日（水） |
まとめ案の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に最終報告 |
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第9回 |
2025年2月2日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
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第10回 |
2025年3月12日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
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今日は、ここまでです。
2024年10月09日
令和6年度決算の会計基準は？
こんにちは！今日は、大学の財務担当理事からのご質問です。
＜Ｑ＞令和6年度決算の会計基準は？
令和6年度の決算は、現行の学校法人会計基準で決算をするのですか？それとも令和7年4月施行の改正学校法人会計基準で決算をするのですか？どちらですか？
＜Ａ＞
令和6年度の決算は、現行の学校法人会計基準で行います。改正基準の附則2条にも書いてあります。
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改正学校法人会計基準 附則 （施行期日） 第1条 この省令は、令和7年4月1日から施行する。 （経過措置） 第2条 この省令による改正後の学校法人会計基準の規定は、令和7年度以降の会計年度に係る会計処理並びに計算書類（貸借対照表及び収支計算書をいう。）及びその附属明細書並びに財産目録の作成について適用し、令和6年度以前の会計年度に係るものについては、なお従前の例による。 |
今日は、ここまでです。
2024年10月07日
改正学校法人会計基準の概要
こんにちは！今日は、大学の財務担当理事からのご質問です。
＜Ｑ＞改正学校法人会計基準の概要
9月30日に公表された令和7年4月1日施行の改正省令、改正学校法人会計基準の概要について教えて下さい。
＜Ａ＞
【改正の趣旨】
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私立学校法の一部を改正する法律（令和5年法律第21号）により、補助金の適正配分を主な目的として私立学校振興助成法に位置づけられていた学校法人会計基準は、ガバナンス強化の観点から、ステークホルダーへの情報開示を主な目的とする基準として、私立学校法に位置づけられたことを踏まえ、各種規定を整備する。 |
【改正のポイント】
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１．計算書類及び附属明細書 |
学校法人が作成しなければならない各会計年度に係る計算書類、附属明細書は次のとおりとする。 計算書類 ◼貸借対照表 ◼事業活動収支計算書 ◼資金収支計算書 ◼資金収支計算書に基づき作成する活動区分資金収支計算書 附属明細書 ◼固定資産明細書 ◼借入金明細書 ◼基本金明細書 （※）改正前の学校法人会計基準により作成を求めていた「事業活動収支内訳表」「資金収支内訳表」「人件費支出内訳表」は、、学校法人会計基準から削除のうえ、私立学校振興助成法に基づく書類と位置付けた。 |
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２．注記事項 |
計算書類には、次に掲げる事項を注記することとする。 �―斗廚焚餬彿�針 �⊇斗廚焚餬彿�針の変更 �８魂曾�却額の累計額の合計額 �つЪ�不能引当金の合計額 �ッ簡歡鷆〇饂困亮鑪犁擇啌� �Υ靄楸睫ち汎�高 ��第４号基本金に相当する資金を有していない場合、その旨及び対策 �┘札哀瓮鵐半霾� ��重要な偶発債務 ��子法人に関する事項 ��学校法人の出資による会社に係る事項 ��関連当事者との取引 ��学校法人間の財務取引 ��重要な後発事象 ��前各号に掲げるもののほか、財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項 |
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３．財産目録 |
財産目録の作成基準として、内容、区分、金額、様式等を規定することとする。 |
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４．会計監査人非設置知事所轄学校法人に関する特例 |
改正前の「知事所轄学校法人に関する特例」の内容を維持しつつ、会計監査人を設置する知事所轄学校法人は特例を適用しないこととする。 |
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５．その他 |
•「セグメント情報」は、大臣が所掌する大学、短期大学、高等専門学校はそれぞれ独立した収支が見えるようになる。 •「子法人に関する事項」は、改正私立学校法を踏まえて、子法人に対するガバナンス強化の観点から設けている。 |
参考：・学校法人会計基準の一部改正等について（通知）（令6.9.30 ６文科高第1045号）
今日は、ここまでです。
2024年10月04日
【ﾆｭｰｽ】学校法人会計基準公表される！！！
今日は、ニュースです。情報入手が遅れました。とうとう2025年4月施行の「学校法人会計基準」が官報で公表されました。
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【省令】 |
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【告示】 |
・文部科学大臣を所轄庁とする学校法人に係る私立学校振興助成法施行規則第2条第4号に掲げる所轄庁が定める書類（文部科学132） |
文科省の通知など
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【通知】 |
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・令和７年度以降の私立学校振興助成法施行規則第２条第４号に 掲げる所轄庁が定める書類について（通知）（令6.9.30 ６文科高第1046号）※下記に記載 |
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【パブコメ関係】 |
***************【通知の文字起こし１−1045通知】***************
６文科高第１０４５号
令和６年９月３０日
各文部科学大臣所轄学校法人理事長
各都道府県知事 殿
文部科学省高等教育局私学部長
浅 野 敦 行
学校法人会計基準の一部改正等について（通知）
このたび、別添のとおり、「学校法人会計基準の一部を改正する省令（令和６年文部科学省令第28号）」（以下「改正省令」という。）及び「私立学校振興助成法施行規則（令和６年文部科学省令第29号）」（以下「私学助成法施行規則」という。）が令和６年９月30日に公布され、令和７年４月１日から施行されます。
これらの省令の趣旨及び内容の概要等は下記のとおりですので、事務処理上遺漏のないようお取り計らい願います。また、各都道府県知事におかれては、所轄の学校法人及び私立学校法（昭和24年法律第270号）第64条第４項の法人に対して周知されるようお願いします。
なお、これらの省令の施行のために必要な通知等については、今後、随時発出することとしています。
記
第一 学校法人会計基準の一部を改正する省令（令和６年文部科学省令第 28 号）
１．改正の趣旨
私立学校法の一部を改正する法律（令和５年法律第 21 号。以下「改正法」という。）により、補助金の適正配分を主な目的として私立学校振興助成法（昭和 50 年法律第 61 号）に位置づけられていた学校法人会計基準（昭和 46 年令第 18 号）は、ガバナンス強化の観点から、ステークホルダーへの情報開示を主な目的と
する基準として、私立学校法に位置づけられたところである。これに伴い、所要の 改正を行うものである。
２．改正の概要
(1)学校法人（改正法による改正後の私立学校法（以下「改正私立学校法」という。） 第152条第5項の法人を含む。以下第一において同じ。）は、学校法人会計基準に従い会計処理を行い、会計帳簿、計算書類及びその附属明細書並びに財産目録を作成すること。ただし、改正私立学校法第19条第１項の事業に関する会計（以下「収益事業会計」という。）については、計算書類及びその附属明細書に代えて、貸借対照表及び損益計算書を作成すること。（第１条第２項関係）
(2)学校法人の成立の日における貸借対照表は、学校法人の成立の日における会計帳簿に基づき作成すること。（第15条関係）
(3)学校法人が作成しなければならない各会計年度に係る計算書類は、貸借対照表、事業活動収支計算書、資金収支計算書及び活動区分資金収支計算書とすること。（第16条関係）
(4)改正省令による改正前の学校法人会計基準（以下「旧基準」という。）において貸借対照表の脚注として記載することとされていた重要な会計方針等については、計算書類の注記事項とするとともに、注記事項としてセグメント情報及び子法人に関する事項を追加したこと。また、平成17年５月13日付け17高私参第１号「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について（通知）」及び平成25年９月２日付け25高私参第８号「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について（通知）」を踏まえ、重要な偶発債務、学校法人の出資による会社に係る事項、関連当事者との取引の内容に関する事項、学校法人間の財務取引及び重要な後発事象を注記事項としたこと。（第40条関係）
(5)旧基準において附属明細表として規定されていた固定資産明細表、借入金明細表及び基本金明細表は、各会計年度に係る計算書類の附属明細書と位置づけ、それぞれ固定資産明細書、借入金明細書及び基本金明細書とすること。（第41条関係）
(6)計算書類の様式を改めるとともに、附属明細書の様式を定めたこと。（第22条、第31条、第38条、第39条第２項、第42条関係、第１号様式〜第７号様式関係）
(7)財産目録は、当該会計年度末現在（学校法人が成立した日における財産目録は、当該学校法人が成立した日）における全ての資産及び負債につき、その名称、数量、金額等を詳細に表示すること。（第43条関係）
(8)財産目録の作成に当たり、当該学校法人の収益事業会計に対する投資とこれに対応する収益事業会計の資本との相殺消去その他必要とされる事業相互間の項目の相殺消去をすること。（第44条関係）
(9)財産目録の様式を定めたこと。（第47条関係、第８号様式関係）
(10)会計監査人非設置知事所轄学校法人（都道府県知事を所轄庁とする学校法人のうち会計監査人を置かないものをいう。）は、徴収不能引当ての特例、基本金組入れに関する特例及び計算書類の作成に関する特例の対象とすること。（第48条、第49条、第50条関係）
(11)その他、所要の改正を行うこと。
３．施行日等
改正省令は令和７年４月１日から施行し、改正省令による改正後の学校法人会計基準（以下「新基準」という。）の規定は、令和７年度以降の会計年度に係る会計処理並びに計算書類及びその附属明細書並びに財産目録の作成について適用すること。令和６年度以前の会計年度に係るものについては、なお従前の例によること。（改正省令附則第１条、第２条関係）
４．私立学校法施行規則の一部改正
私立学校法施行規則（昭和25年文部省令第12号）の一部改正により、会計監査報告の内容に、次に掲げるものを加えること。（改正省令附則第３条、私立学校法施行規則第34条第１項関係）
私立学校法施行規則第34条第１項第２号の意見があるときは、事業報告書及びその附属明細書並びに財産目録（私立学校法施行規則第24条に規定する貸借対照表に対応する項目を除く。）の内容と計算関係書類の内容又は会計監査人が監査の過程で得た知識との間の重要な相違等について、報告すべき事項の有無及び報告すべき事項があるときはその内容
第二 私立学校振興助成法施行規則（令和６年文部科学省令第 29 号）
１．制定の趣旨
改正法附則第19条による改正後の私立学校振興助成法（以下「改正助成法」という。）第14条第３項及び第４項により、監査報告及び所轄庁への書類提出に関する規定について、文部科学省令に委任されたところである。
これに伴い、各種規定を整備するものである。
２．概要
(1)改正助成法第14条第２項の監査を行う公認会計士又は監査法人は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならないこととすること。ただし、公認会計士又は監査法人が公正不偏の態度及び独立の立場を保持することができなくなるおそれのある関係の創設及び維持を認めるものと解してはならないとすること。（第１条第２項関係）
�‥�該学校法人の理事、監事及び職員
�△修梁掌�認会計士又は監査法人が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者
(2)改正助成法第14条第４項の規定による所轄庁への書類の提出は、次に掲げる書類を添付してすること。（第２条関係）
� 〇�業活動収支内訳表
�◆〇餠蘯�支内訳表
�� 人件費支出内訳表
�ぁ／遊鑒饂拿估睫�表が私学助成法施行規則第５条の定めるところにより作成されているかどうかに関する公認会計士又は監査法人の監査報告その他の所轄庁が定める書類
(3)(2)��、��及び��について、記載方法等を規定すること。なお、記載方法等は旧基準において規定されていた内容を引き継ぐこと。（第３条、第４条、第５条関係）
３．施行日
私学助成法施行規則は令和７年４月１日から施行し、私学助成法施行規則の規定は、私学助成法施行規則の施行の日以後に開始する会計年度に係る改正助成法第14条第１項の補助金を受ける学校法人について適用すること。私学助成法施行規則の施行の日以前の会計年度に係る改正助成法第14条第１項の補助金の交付を受けた学校法人の貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類、収支予算書及び監査報告書の作成及び届出については、なお従前の例によること。（附則第１条、第２条関係）
別添資料
【別添１】学校法人会計基準の一部を改正する省令（令和６年文部科学省令第28号）
【別添２】私立学校振興助成法施行規則（令和６年文部科学省令第29号）
【別添３】学校法人会計基準の一部を改正する省令（令和６年文部科学省令第28号）等の概要
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【本件担当】 文部科学省高等教育局私学部参事官付財務調査係 電話：03-5253-4111（内線 2539） メールアドレス：sigsanji@mext.go.jp |
***************【通知の文字起こし2−1046通知】***************
６文科高第１０４６号
令和６年９月３０日
各文部科学大臣所轄学校法人理事長
各都道府県知事 殿
文部科学省高等教育局私学部長
浅 野 敦 行
令和７年度以降の私立学校振興助成法施行規則第２条第４号に
掲げる所轄庁が定める書類について（通知）
このたび、私立学校法の一部を改正する法律（令和５年法律第 21 号）による改正後の私立学校振興助成法（昭和 50 年法律第 61 号）第 14 条第４項の規定に基づき、文部科学大臣を所轄庁とする学校法人が文部科学大臣に提出する書類のうち、令和６年９月
30 日に公布された私立学校振興助成法施行規則（令和６年文部科学省令第 29 号）第２条第４ 号に掲げる「所轄庁が定める書類」について、文部科学省告示第
132 号（以下「本告示」 という。）をもって別添のとおり定められたのでお知らせします。ついては、下記の点を
十分御留意のうえ、事務処理上遺漏のないようお取り計らい願います。
各都道府県知事におかれましても、私立学校振興助成法施行規則第２条第４号の規定 に掲げる所轄庁が定める書類について、本告示を参考としつつ、適切にお取り計らいく ださい。
なお、本告示の施行のために必要な通知等については、今後、随時発出することとし ています。
記
第一 本告示の概要
文部科学大臣を所轄庁とする学校法人に係る私立学校振興助成法施行規則第２条第４号に掲げる所轄庁が定める書類は、人件費支出内訳表が同令第５条の定めるとこ ろにより作成されているかどうかに関する公認会計士（公認会計士法（昭和 23 年法律第 103 号）第 16 条の２第５項に規定する外国公認会計士を含む。）又は監査法人の監 査報告とすること。
第二 施行日等
本告示は令和７年４月１日から施行し、令和７年度に係る書類の提出から適用する こと。令和６年度の貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類に添付す る公認会計士又は監査法人の監査報告書については、なお従前の例によること。
第三 文部科学大臣を所轄庁とする学校法人が文部科学大臣に届け出る財務計算に関
する書類に添付する監査報告書に係る監査事項を指定する等の件（平成 27 年文部 科学省告示第 73 号）の廃止
文部科学大臣を所轄庁とする学校法人が文部科学大臣に届け出る財務計算に関する書類に添付する監査報告書に係る監査事項を指定する等の件（平成27年文部科学省告示第 73号）は、廃止すること。
別添資料
【別添１】文部科学大臣を所轄庁とする学校法人に係る私立学校振興助成法施行規則 第２条第４号に掲げる所轄庁が定める書類（令和６年文部科学省告示第 132 号）
【本件担当】 文部科学省高等教育局私学部参事官付財務調査係 電話：03-5253-4111（内線 2539） メールアドレス：sigsanji@mext.go.jp |
別添１
◯文部科学省告示第132号
私立学校振興助成法施行規則（令和6年文部科学省令第29号）第2条第4号の規定に基づき、文部科学大臣を所轄庁とする学校法人に係る私立学校振興助成法施行規則第2条第4号に掲げる所轄庁が定める書類を次のとおり定める。
令和6年9月30日
文部科学大臣 盛山 正仁
文部科学大臣を所轄庁とする学校法人に係る私立学校振興助成法施行規則第2条第4号に掲げる所轄庁が定める書類文部科学大臣を所轄庁とする学校法人に係る私立学校振興助成法施行規則第２条第４号に掲げる所轄庁が定める書類は、人件費支出内訳表が同令第５条の定めるところにより作成されているかどうかに関する公認会計士（公認会計士法（昭和23年法律第103号）第16条の2第5項に規定する外国公認会計士を含む。）又は監査法人の監査報告とする。
附則
（施行期日）
１ この告示は、令和７年４月１日から施行し、令和７年度に係る書類の提出から適用する。
（文部科学大臣を所轄庁とする学校法人が文部科学大臣に届け出る財務計算に関する書類に添付する監査報告書に係る監査事項を指定する等の件の廃止）
２ 文部科学大臣を所轄庁とする学校法人が文部科学大臣に届け出る財務計算に関する書類に添付する監査報告書に係る監査事項を指定する等の件（平成27年文部科学省告示第73号）は、廃止する。
（文部科学大臣を所轄庁とする学校法人が文部科学大臣に届け出る財務計算に関する書類に添付する監査報告書に係る監査事項を指定する等の件の廃止に伴う経過措置）
３ 令和６年度の貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類に添付する公認会計士又は監査法人の監査報告書については、なお従前の例による。
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今日は、ここまでです。
2024年10月03日
【法人税】幼稚園の制服等の販売
こんにちは！今日は、ある短期大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【法人税】幼稚園の制服等の販売
当法人では幼稚園を設置しており、入園時に制服・体操着・上履を販売をしていますが、これは法人税法上の収益事業にならないんですか？
＜Ａ＞
幼稚園であっても，法人税法上の物品販売業に該当すれば法人税法上の収益事業に該当しますが、次の項目については，昭和58年６月３日直法２−７で収益事業に該当しないことになっています。
今回の入園時の制服や体操着や上履の販売は、下記表の２（５）から、制服の「仕入原価＋所要の経費をプラスした程度の価格」での販売であれば、法人税上の収益事業に当たらないことになります。それ以外の場合であれば、収益事業に該当します。
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事業内容 |
収益事業・非収益事業区分の判定 |
備考 |
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1絵本・ワークブックの頒布 |
非収益事業 |
法人税基本通達15−1−10（(宗教法人、学校法人等の物品販売)）の（2）の「教科書その他これに類する教材」の販売に該当し、非収益事業となる。 |
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2次のような物品の頒布及びあっせん （1）はさみ、のり、粘土、粘土板、へら等の工作道具 （2）自由画帳、クレヨン等の絵画製作用具及びノート、筆記用具等の文房具 （3）ハーモニカ、カスタネット等の楽器 （4）道具箱 （5）制服、制帽、スモック、体操着、上靴 |
収益事業。ただし、物品の頒布のうち原価（又は原価に所要の経費をプラスした程度の価格）によることが明らかなものは非収益事業 |
法人税基本通達15−1−10（(宗教法人、学校法人等の物品販売)）の（3）及び（4）により収益事業となるが、原価による物品の頒布は、非収益事業とすることができる。 |
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3園児のうち希望者を対象として行う音楽教室のための教室等の席貸し |
非収益事業 |
法人税法施行令第5条第1項第14号（(席貸業)）のかっこ書により非収益事業となる。 |
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4園児に対し課外授業として実施する音楽教室の開設 |
収益事業 |
法人税法施行令第5条第1項第30号（(技芸教授業)）により収益事業となる。 |
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5スクールバスの運行 |
非収益事業 |
教育事業そのものに含まれるものであり非収益事業となる。 |
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6給食 |
非収益事業 |
学校給食法等の規定に基づいて行う学校給食の事業に準ずるものであり非収益事業となる。 |
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7収益事業となる事業であっても、当該事業がその幼稚園の園児（その関係者を含む。）を対象とするもので実費弁償方式によっていると認められるものについては、法人税基本通達15−1−28（(実費弁償による事務処理の受託等)）と同様、税務署長の確認を条件として非収益事業とすることができる。 |
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今日は、ここまでです。
2024年10月02日
幼稚園の経営状況
こんにちは！今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。
＜Ｑ＞幼稚園の経営状況
幼稚園は、私学助成園だとか幼稚園型認定こども園だとかいくつかの経営形態がありますが、最近の経営状況はどのような感じですか？
＜Ａ＞
幼稚園の経営状況については、2024年8月発刊の私学事業団の今日の私学財政を利用しての回答です。事業活動収支計算書で事業活動収入の合計を100とした場合の構成比率で経営形態別の経営状況をみてみます。
○設置区分別の事業活動収支計算書（令和4年度）
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設置区分 |
幼稚園 (私学助成園) |
幼稚園 (施設型給付) |
認定こども園 (幼稚園型) |
認定こども園 (幼保連携型) |
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集計部門数 |
2,859園 |
1,099園 |
1,076園 |
1,683園 |
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園児数 |
460,761人 |
103,067人 |
131,440人 |
257,883人 |
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専任教職員数 |
42,331人 |
13,173人 |
18,548人 |
42,298人 |
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教 育 活 動 収 入 |
学納金 |
47.3 |
8.8 |
10.5 |
10.2 |
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手数料 |
0.2 |
0.4 |
0.3 |
0.2 |
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寄付金 |
0.6 |
0.5 |
0.4 |
0.2 |
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経常費的補助金 |
34.2 |
74.1 |
76.8 |
78.9 |
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付随事業収入 |
11.1 |
7.7 |
6.6 |
5.9 |
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雑収入 |
3.6 |
2.8 |
2.7 |
2.3 |
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教育活動収入計 |
97.1 |
94.2 |
97.3 |
97.8 |
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教 育 活 動 支 出 |
人件費 |
62.8 |
62.1 |
61.8 |
63.3 |
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経費 |
33.1 |
27.8 |
28.9 |
29.5 |
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(うち減価償却額) |
(8.1) |
(6.3) |
(7.1) |
(7.9) |
|
|
徴収不能額等 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
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教育活動支出計 |
96.0 |
89.9 |
90.6 |
92.9 |
|
|
教育活動収⽀差額 |
1.1 |
4.3 |
6.7 |
4.9 |
|
|
事業活動収入 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
|
事業活動支出 |
97.0 |
91.0 |
91.5 |
94.0 |
|
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差引 |
3.0 |
9.0 |
8.5 |
6.0 |
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参考：令和5年度版 今日の私学財政（幼稚園・特別支援学校編）p18
今日は、ここまです。
