2024年07月
2024年07月31日
【改正私学法】評議員の特別利害関係人の就任制限
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】特別利害関係人の就任制限
評議員は、他の2人以上の評議員と特別利害関係を有してはならない（改正法62条4項)｡何だかピンときません。図解で説明して下さい。
＜Ａ＞
62条4項は、評議員は、他の1人の評議員とは特別利害関係があって問題ないのですが、2人以上との間で特別利害関係があることは認められないことになりました。
これを図解すると下記のようです。
2024年07月29日
【ﾆｭｰｽ】新学校法人会計基準（公開草案）のパブコメ募集開始！
今日は、ニュースです！
本日から新しい学校法人会計基準の公開草案のパブコメ募集が始まりました。新基準の全体像が明らかになりました。↓↓
学校法人会計基準の一部を改正する省令案等のパブリックコメント（意見公募手続）の実施について
取り急ぎ 今日は、ここまでです。
2024年07月28日
【改正私学法】理事長の報告義務について
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事長の報告義務について
改正私学法39条では、「毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上」理事長は職務の執行状況を理事会に報告しなければならないことになりました。私どもの高校法人の場合は、従来からの流れで3月の予算理事会と6月の理事会で理事長から報告しようと思うのですが、「四月を超える間隔で」とあるので、やっぱり駄目でしょうか？
|
（理事の報告義務等） 第39条 第37条第5項の規定により学校法人の業務を執行する理事長、代表業務執行理事及び業務執行理事は、毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 ２ ‥‥ |
＜Ａ＞
「毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上」いうのは、会計年度単位で考えるのがポイントで、6月と3月なら9ヶ月くらい間隔が空いているので問題ないでしょう。
参考：文科省 私立学校法の改正について（2024.7.8版）p119
|
Ｑ２：「毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上」とは、会計年度内でのみの制限であり、例えば５月と２月に実施することは可能か。
【令和5年12月12日追加】 Ａ２：可能です。 |
今日は、ここまでです。
2024年07月26日
【改正私学法】理事会や評議員会のオンライン参加の可否？
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会や評議員会のオンライン参加の可否？
改正私学法の理事会や評議員会のオンライン参加は、どう扱われていますか？
＜Ａ＞
理事会へのオンライン参加は改正私学法42条4項で、評議員会へのオンライン参加は改正私学法76条5項で認められています。オンラン参加の場合、理事会の実際の開催場所にいなくとも双方向に意見交換を円滑に行うことができる環境を容易に確保することが必要になります。
また、文科省の私立学校法の改正について【令和6年7月8日更新】に綺麗に整理された説明がありますので加筆して引用します。
１．理事会のオンライン参加（p18）
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現行 |
改正後 |
|
法令の定め無し ※但し、寄附行為作成例(R3.4.13版)19条1項や文科省通知（令和3年6月25日付3高私行第3号）でオンライン出席が可能なことを明示していた |
寄附行為の定めるところにより、書面又は電磁的方法により議決に参加可能（42条4項） ※書面開催による決議は不可、オンライン開催による決議は可 |
参考：理事会及び評議員会の運営及び議事録の取扱い並びに学校法人寄附行為作成例の改正について（通知）令和3年6月25日付3高私行第3号より
ウェブ会議、テレビ会議、電話会議等の方法により、各出席者の音声が即時に他の役員に伝わり、適時的確な意見表明が可能であるなど、出席者が開催場所に一堂に会するのと同等の相互に十分な議論を行うことができる環境が確保されていると認められる場合には、理事会の開催場所以外の場所にいる役員についても、理事会に出席しているものと取り扱って差し支えないこと。また、開催場所以外の場所からの出席者については、その出席方法を当該理事会の議事録に明記すること。
２．評議員会のオンライン参加（p19）
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現行 |
改正後 |
|
法令の定め無し |
寄附行為の定めるところにより、書面又は電磁的方法により議決に参加可能（76条5項） ※書面開催による決議は不可、オンライン開催による決議は可 |
今日は、ここまでです。
2024年07月24日
【改正私学法】はっきり知りたい「寄附行為の電磁的記録」とは？
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】はっきり知りたい「寄附行為の電磁的記録」とは？
改正私学法の23条で寄附行為を電磁的記録で作ろうと思っています。この電磁的記録についておしえて下さい。
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（寄附行為の認可） 第23条 ‥‥ ４ 寄附行為は、電磁的記録（電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして文部科学省令で定めるものをいう。以下同じ。）をもつて作成することができる。 |
＜Ａ＞
改正法では、寄附行為は電磁的記録で作成することができることになりました。ただ、電磁的記録のもっと具体的な説明がないとなんとなく心配です。この文章は、どこかで見たことがあると思っていたら学校教育法34条の電子教科書の説明と同じようです。
それと改正私学施行規則5条に追加説明があります。
|
（電磁的記録） 第5条 法第23条第4項（法第152条第6項において準用する場合を含む。）の文部科学省令で定めるものは、電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体（電磁的記録に係る記録媒体をいう。以下同じ。）をもつて調製するファイルに情報を記録したものとする。 |
そうすると、電磁的記録とは、だいたいですがパソコンで作りハードディクスやＳＳＤ等に保存したデータ類を言うのがわかります。もう少し書いてみると、
・パソコンやスマートフォンで作成し、ハードディスクに保存された文書、画像、動画などのデータ
・ＣＤ、ＤＶＤ、Blu-rayなどの光ディスクに記録されたデータ
・ＵＳＢメモリ、ＳＤカード、ＳＳＤなどの記憶装置に記録されたデータ
・サーバーに保存されたデータ だいたいこんな感じでしょうか。
そうは言っても各学校法人では、おそらく紙版の寄附行為を作ることになるでしょう。
また、改正私学法施行規則が公表される前の説明ですが、松坂先生の逐条解説（2024.3版）p216〜217に改正法23条の丁寧な解説があります。
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Ｖ電磁的記録による寄附行為の作成（第4項関係） 一 第4項では、寄附行為が「電磁的記録」をもって作成できることを規定している。 二 「電磁的記録」について本項では、「電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの」と定義している。この定義は民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律第2条第4号等と同様である。 三 「電磁的記録」により作成する場合について、文部科学省の所管する法令の規定により民間事業者等が行う耆面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令（平成17年文部科学省令第31号）第4条では、「民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は電磁的記録媒体をもって調製する方法により作成を行わなければならない」と規定している。 「電磁的記録」は、通常、電子計算機（パソコン等の機器）によって作成されるとともに、ハードディスク（ＨＤＤ）やソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）、ＵＳＢメモリ、コンパクトディスクやフロッピーディスクなどのディスクや磁気テープ等のほか、いわゆる「クラウド」を含む「電磁的記録媒体」に保存されるものであり、人が知覚するためには電子計算機（パソコン等の機器）の画面に表示するものである。具体的には、媒体そのものでも記録された情報の内容それ自体でもなく、「媒体上に情報として使用し得る（一定の手順によって読み出すことができる）ものとして、情報が記録・保存された状態にあるもの」をいうものである。 |
今日は、ここまでです。
2024年07月22日
【改正私学法】理事・監事・評議員の任期
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事・監事・評議員の任期
改正法の理事・監事・評議員の任期についてのルールをおしえて下さい。
＜Ａ＞
理事・監事・評議員と個別に見ていきます。
１．理事の任期
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現行法 |
改正法 |
|
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は４年まで）（32� � |
＜ポイント＞
�� 理事の任期は寄附行為の必要的記載事項です（23条��5号)。
�� 寄附行為で定める理事の任期は、寄附行為で定める期間（４年以内）以内に終了する会計年度の最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする（32条� 法�→つまり実際の理事の任期は、2年、3年、4年と綺麗な丸まった数字の年数にはならない。
�� しかも、理事の任期は、監事や評議員の任期より長くできない（32条�◆法�（同じ期間は、セーフ）
理由：理事の任期の期間について監事や評議員の任期を越えられないこととするのは、監事による監杳の実効性を高めるためには監事の地位の安定と経営からの独立性の確保を図ることが重要であり、また監事の職務への習熟には一定の期間を必要とするものであることから、任期について長期化を図ることとしたものである。評議員の任期についても同様である。（参考：松坂先生逐条解説四訂版・暫定版P274）
２．監事の任期
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現行法 |
改正法 |
|
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は６年まで）（47� � |
＜ポイント＞
�� 監事の任期は寄附行為の必要的記載事項です（23条��5号)。
�� 寄附行為で定める監事の任期は、寄附行為で定める期間（６年以内）以内に終了する会計年度の最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする（47条� 法�→つまり実際の監事の任期は、4年、5年、6年と綺麗にまるまった数字の年数にはならない。
�� しかも、理事の任期より短くできない（32条��)｡
３．評議員
|
現行法 |
改正法 |
|
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は６年まで）（63� � |
＜ポイント＞
�� 評議員の任期も寄附行為の必要的記載事項となっている(23条��8号)。
�� 評議員の任期は、寄附行為で定める期間（６年以内）以内に終了する会計年度の最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする（63条� 法�→つまり実際の評議員の任期は４年、５年、６年と綺麗にまるまった数字にならない。
�� しかも寄附行為で定める評議員の任期は、理事の任期より短くできない（32条��)。
会計監査人もおまけでみておきます。
４．会計監査人
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現行法 |
改正法 |
|
規定なし |
任期は、選任後一年以内に終了する会計年度に関する定時評議員会の終結の時までとする。 定時評議員会において特段の決議がされなかったときは、当該定時評議員会において再任されたものとみなす。（82） |
＜ポイント＞
�� 会計監査人の任期は寄附行為で定めるのではなく法定されている。すなわち、１年以内に終了する会計年度に関する定時評議員会の終結の時までとなっている（82条� 法�
�� 会計監査人は、別段の決議がない場合は、再任されたものとみなす（82条�◆法�
※ざっくりとしたまとめです。
|
�〕�事の任期 |
寄附行為の定め |
最長４年 |
|
�� 監事に任期 |
同上 |
最長６年 |
|
�� 評議員の任期 |
同上 |
最長６年 |
|
�� 会計監査人の任期 |
私学法で法定 |
約１年 |
今日は、ここまでです。
2024年07月20日
【休憩室】今日から夏休み！！
こんにちは！学校が夏休みに入りました。広場も夏休みに入ります。
夏休みは、7月20日（土）〜9月1日（日）の44日間の予定です。学校での出来事は、不定期で書いていきます。
2024年07月19日
【新基準関係】ワーキンググループ
今日は、ニュースです。この度、「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ」の議事録（１回〜３回）が公表されました。ワーキンググループは、あり方検討会の下にある組織で、主に「セグメント情報における配分基準（「経済実態をより適切に表す配分基準」）」を検討するために設けられました。↓↓
学校法人会計基準の諸課題に関するワーキンググループ（令和5年度〜）
学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ
|
回 |
日時 |
話題 |
開催 |
|
第1回 |
3月13日(水) |
1.本ワーキンググループの運営について 2.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 3.本ワーキンググループのスケジュールについて 4.学校法人会計基準の在り方に関する検討会 報告書について |
済 |
|
第2回 |
4月10日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査について 3.本ワーキンググループのスケジュールについて |
済 |
|
第3回 |
5月29日(水)
|
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査（アンケート及びヒアリング）の結果3.大学等と病院・診療所 4.国立大学附属病院における教員人件費等の会計処理 |
済 |
|
第4回 |
7月17日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に報告 |
済 |
|
第5回 |
９月２日（月） 16:00〜18:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）に対する各団体への集中ヒアリング（予定） |
|
|
第6回 |
10 月２日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準の検討��（予定） |
|
|
第7回 |
11 月 13 日（水） |
セグメント情報における配分基準の検討��（予定） |
|
|
第8回 |
12 月 18 日（水） |
まとめ案の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に最終報告 |
|
|
第9回 |
2025年2月2日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
|
|
第10回 |
2025年3月12日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
|
今日は、ここまでです。
2024年07月18日
私立学校の設置者が学校法人である理由とは？
こんにちは！今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。
＜Ｑ＞私立学校の設置者が学校法人である理由とは？
私立学校の設置者は原則学校法人ですが、どうしてでしょうか？
＜Ａ＞
現行私立学校法の条文から確認です。
|
（定義） 第２条 この法律において「学校」とは、学校教育法第1条に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。 ２ この法律において、「専修学校」とは学校教育法第124条に規定する専修学校をいい、「各種学校」とは同法第134条第1項に規定する各種学校をいう。 ３ この法律において「私立学校」とは、学校法人の設置する学校をいう。 第3条 この法律において「学校法人」とは、私立学校の設置を目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。 |
私学法2条3項や3条から私立学校法の設置者は、学校法人とすることが読み取れます。ただ、その解説は学校会計の法規集では、対応できないので松坂先生の逐条解説私立学校法三訂版p13を参考にします。
私立学校の設置主体を原則として学校法人に限定した趣旨は、私立学校の設置者には、それにふさわしい永続性、確実性、公共性が必要であると考えられたところにあります。
以下は、関連する参考情報です。
・また、私立学校法制定時において、幼稚園の設置主体について当分の間経過的特例（例えば個人立幼稚園）を認めた趣旨は、これが整備充実の途上にあるものであり、学校法人に限定して質的な充実を図るよりは、むしろ設置主体の限定を置かないことにより、その量的な普及を期待したところにあります。
・平成18年6月（2006.6）の学校教育法の一部改正までは、盲学校、聾学校及び養護学校についても学校法人によって設置されることを要しないものとされていました。
・なお、私立専修学校の設置主体については学校教育法第127条で「必要な経済的基盤を有すること」等の要件を定めていて、これらの要件を満たす者であれば設置することができます。
・私立各種学校については設置主体について私学法では特に規定はありません。
・平成14年（2002）に制定された構造改革特別区域法において特区制度が設けられました。この特区制度では、従来学校法人によって設置されなければならないこととされていた私立学校について、株式会社又は特定非営利活動法人（大学及び高等専門学校以外の学校に限る。）が設置することが可能となりました。
今日は、ここまでです。
2024年07月16日
基本金の取崩しの具体的な内容
こんにちは！専修学校法人の経理の方からのご質問です。
＜Ｑ＞基本金の取崩しの具体的な内容
第1号基本金の取崩しについて基準31条1項1号を読んでいるのですが、「その諸活動の一部又は全部を廃止した場合」の文章が抽象的でよくわかりません。具体的に教えて下さい。
|
（基本金の取崩し） 第31条 学校法人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める額の範囲内で基本金を取り崩すことができる。 一 その諸活動の一部又は全部を廃止した場合 その廃止した諸活動に係る基本金への組入額 二 その経営の合理化により前条第1項第一号に規定する固定資産を有する必要がなくなつた場合 その固定資産の価額 三 前条第1項第二号に規定する金銭その他の資産を将来取得する固定資産の取得に充てる必要がなくなつた場合 その金銭その他の資産の額 四 その他やむを得ない事由がある場合 その事由に係る基本金への組入額 |
＜Ａ＞
この取り扱いは、平成17年の基準改正で行われました。当時の文科省通知では、「「諸活動の一部又は全部の廃止」とは， その設置する学部，学科等の廃止，定員の減少等の学校規模の縮小や，奨学事業等の基金事業の縮小又は廃止が該当するものであること。」と説明があります（平17.5.13 17文科高第122号）。
そして、「諸活動の一部又は全部の廃止」に該当した場合には、｢その廃止した諸活動に係る基本金への組入額｣を基本金の取崩対象額とすることになります。
より具体的なことをざっくりとですがお話すると、通常年の学校の場合には、取り壊した建物付属設備、除却した機器備品・図書などの多くが基本金の取崩し対象額になってきます。
今日は、ここまでです。
2024年07月12日
奨学費の割合
こんにちは！今日は、ある研修会終了後、大学法人の方からのご質問です。
＜Ｑ＞奨学費の割合
大学法人では、大学・短大・高校・中学を設置しています。奨学費について他校の平均値を知りたいのですが、情報があれば教えて下さい。
＜Ａ＞
私学事業団の「今日の私学財政」を利用しての回答です。奨学費の割合は、事業活動収入を100とした場合の奨学費の割合です。
奨学費の構成割合（奨学費÷事業活動収入）
参考：今日の私学財政
|
部門 |
H30年度 2018年度 |
Ｒ元年度 2019年度 |
Ｒ2年度 2020年度 |
Ｒ3年度 2021年度 |
R4年度 2022年度 |
|
大学（医 歯 系 大 学 を 除 く） |
3.1% |
3.2% |
7.4% |
5.8% |
6.0% |
|
短大 |
3.3% |
3.7% |
9.0% |
8.2% |
8.5% |
|
高校 |
4.3% |
4.5% |
4.1% |
4.1% |
4.1% |
|
中学校 |
2.1% |
2.1% |
2.5% |
2.3% |
2.3% |
なお、2020年度より大学部門・短大部門には、給付型奨学金の支出を行うことになったために奨学費の割合が高くなっています。
今日は、ここまでです。
2024年07月10日
計算書類の承認権限者は誰？
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞計算書類の承認権限者は誰？
決算書は、理事長が作成の責任者ですが決算書の確定は誰がするのですが？
＜Ａ＞
現行法では、私学法に定めがありません。ですから決算書の確定は、寄附行為で定めるのが望ましいと考えられます。でも、もし寄附行為に定めが場合は、私学法の一般原則に従って考えて理事会決議で決定することになるでしょう。
なお、改正私学法では、計算書類は理事会決議で確定させることになりました（改正私学法104条��）。
ちなみに予算書の取り扱いも同じです。改正私学法では、理事会の決議事項になりました（改正私学法36条��6号）
※図表：早わかり
|
|
現行法 |
改正私学法 |
|
計算書類の決定 |
寄附行為の定め |
理事会決議（104条��） |
|
予算書の決定 |
寄附行為の定め |
理事会決議（36条��6号） |
今日は、ここまでです。
2024年07月08日
予算書の修正
こんにちは！今日は、ある幼稚園法人さんからのご質問です。
＜Ｑ＞予算書の修正
今年度の当初予算は3月の理事会で承認されました。5月には決算書が理事会で承認されました。そこで、資金収支予算書の前年度繰越支払資金や事業活動収支予算書の前年度繰越収支差額を確定値に置き換えても大丈夫ですか？
＜Ａ＞
少し硬めの回答例になりますが、当初予算の数値を勝手に変えることはできません。予算書に決算の確定値を織り込む場合は、正規の手続きは補正予算書を作り理事会決議を受ける必要があります。又は、3月の予算理事会の際に5月に決算の確定値が決まりしだい、予算書を確定値に置き換える決議を取っておけば、5月の決算確定をもって当初予算の資金収支予算書の前年度繰越支払資金や事業活動収支予算書の前年度繰越収支差額を確定値に置き換えることができたでしょう。
今日は、ここまでです。
2024年07月05日
【新基準関係】ワーキンググループ
今日は、ニュースです。この度、「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ」の資料が公表されました。ワーキンググループは、あり方検討会の下にある組織で、主に「セグメント情報における配分基準（「経済実態をより適切に表す配分基準」）」を検討するために設けられました。↓↓
学校法人会計基準の諸課題に関するワーキンググループ（令和5年度〜）
学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ
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回 |
日時 |
話題 |
開催 |
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3月13日(水) |
1.本ワーキンググループの運営について 2.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 3.本ワーキンググループのスケジュールについて 4.学校法人会計基準の在り方に関する検討会 報告書について |
済 |
|
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4月10日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査について 3.本ワーキンググループのスケジュールについて |
済 |
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5月29日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査（アンケート及びヒアリング）の結果3.大学等と病院・診療所 4.国立大学附属病院における教員人件費等の会計処理 |
済 |
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第4回 |
7月17日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に報告 |
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第5回 |
９月２日（月） 16:00〜18:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）に対する各団体への集中ヒアリング（予定） |
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第6回 |
10 月２日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準の検討� 瞥縦蝓� |
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第7回 |
11 月 13 日（水） |
セグメント情報における配分基準の検討�◆瞥縦蝓� |
|
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第8回 |
12 月 18 日（水） |
まとめ案の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に最終報告 |
|
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第9回 |
2025年2月2日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
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第10回 |
2025年3月12日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
|
今日は、ここまでです。
2024年07月03日
【改正私学法】監事の改正ポイント
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】監事の改正ポイント
寄附行為の変更案を作っています。監事制度について、改正私学法ではどう変わりますか？
＜Ａ＞
下記図表で説明します。
|
項目 |
改正前【現行法】 |
改正後【改正法】 |
|
基本的性格 |
定めなし |
学校運営その他の学校法人の業務又は財務管理について識見を有する者（45��） |
|
主な職務等 |
�ヽ惺史／佑龍般魁∈盪困両�況、 理事の業務執行の状況の監査 ��監査報告の作成 �Ｉ埓宜坩拇�の理事会等への報告 �ね�事会、評議員会の招集の請求 �ネ�事の不正行為等の差止め |
同左（521号、53� �56�´◆�57、58� � |
|
�ν�事会への出席、意見 |
�ν�事会、評議員会への出席、意見（55） |
|
|
− |
��理事が評議員会に提出しようとする議案等の調査（54） |
|
|
− |
※子法人に対する調査権を明記（53��） |
|
|
定数 |
２人以上 |
２人以上（18��） |
|
任期 |
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は６年まで）47� � |
|
選解任方法 |
評議員会の同意を得て理事長が選任 |
評議員会の決議（45� �48� � |
|
主な構成の 要件 |
�〕�事、評議員、学校法人の職員との兼職禁止 |
��
理事、評議員、学校法人の職員、子法人役員（監事、監査役等を除く）、子法人職員との兼職禁止（31��、46�◆� |
|
��
理事親族の就任禁止（通知事項） |
�■運涌幣紊陵�事、他の監事又は２人以上の評議員と特別利害関係を有していないこと（46��） |
|
|
常勤監事 |
定めなし |
一定の要件に該当する大臣所轄学校法人等においては、常勤監事の選定義務化（145� � |
今日は、ここまでです。
2024年07月01日
【改正私学法】理事会・理事の改正ポイント
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会・理事の改正ポイント
寄附行為の変更案を作っています。理事や理事会は、改正私学法でどう変わりますか？
＜Ａ＞
下記図表で説明します。
１．理事会
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項目 |
改正前【現行法】 |
改正後【改正法】 |
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位置付け |
基本的に意思決定・執行機関 |
基本的に意思決定・執行機関 |
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主な職務等 |
��学校法人の業務等の決定 |
��
学校法人の業務等の決定（36��１号） |
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��
理事の職務の執行監督 |
��
理事の職務の執行監督（36��2号） |
２．理事
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項目 |
改正前【現行法】 |
改正後【改正法】 |
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基本的資格 |
基本的に意思決定・執行機関 |
基本的に意思決定・執行機関 |
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主な職務等 |
��
学校法人の業務等の決定 |
��
学校法人の業務等の決定（36��1号） |
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��
理事の職務の執行監督 |
��
理事の職務の執行監督（36��2号） |
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基本的資格 |
定めなし |
私立学校を経営するために必要な知識又は経験及び学校法人の適正な運営に必要な識見並びに社会的信望を有する者（30� � |
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定数 |
５人以上 |
５人以上（18��） |
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任期 |
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は４年まで）（32� � |
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選解任方法 |
寄附行為の定めるところ |
理事選任機関が選解任（選任の際あらかじめ評議員会の意見聴取が必要）（30�´◆�33� � |
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主な構成の要件 |
��
設置する学校の校長を含む |
��
設置する学校の校長を含む（31�ぃ厩罅� |
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��
評議員を含む |
− |
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��
外部理事を含む |
��
外部理事を含む（大臣所轄学校法人等においては２人以上）（31��2号、146� � |
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��
各役員の親族は各１人まで |
�Ｂ召裡何涌幣紊陵�事、１人以上の監事又は２人以上の評議員と特別利害関係を有していないこと（31�Α� |
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�ぁ擲箙腟�制】他の理事と特別利害関係を有する理事の数は、理事の総数の１／３を超えないこと（31�А� |
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その他 |
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・理事会において、理事長、代表業務執行理事、業務執行理事を選定（・解職）（37� 銑ぁ� ・理事会への職務報告義務（年２回以上、大臣所轄学校法人等は年４回以上）（39� �146�◆� |
今日は、ここまでです。
