2011年11月

2011年11月28日

【寄付金】寄付金と寄附金の違い

疑問こんにちは!これは知人の税理士先生からいただいたご質問です。

 

<Q>学校会計では、「寄付金」と「寄附金」が混在しているようですが、両者はどこが違うのですか。

 

<A>

論より証拠で、学校会計の法規集をみてみました。

(1)寄附金を使うグループ…私立学校法、法人税法

   学校法人の設立や運営の法規にあたり私立学校法は「寄附金」を採用している。例えば、私立学校法の施行規則2条2項2号には、設立時の寄附行為認可手続きの必要書類に「寄附申込書」とあります。

   収益事業の課税で登場する法人税法も「寄附金」を採用している。

(2)寄付金を使うグループ…学校法人会計基準

   学校法人会計基準は、本文・別表・様式を含めて「寄付金」で統一されている。

(3)寄附金も寄付金も使うグループ…文科省の通知、学校法人委員会報告(日本公認会計士協会)

  文科省の通知、学校法人委員会報告(日本公認会計士協会)は「寄附金」も「寄付金」も使っている。ただ、使い方を文脈でみてみると、私立学校法や法人税法に関する内容を説明する場合は「寄附金」、学校法人会計基準の内容に関する説明に関しては「寄付金」を使っているようである。ただ、一部混在もみられた。

 

 以上から、私立学校法、法人税法のような法令用語では原則「寄附金」、学校法人会計基準にみられるような会計用語になると原則「寄付金」になっていると整理するとわかりやすいです。ここでは、学校法人会計基準は有名な文部省令で本来は法律のグループですが、整理のために会計グループとして区分しました。

 なお、私立学校法は、法令用語なので「寄附行為」(私学法30条など)と言い「寄付行為」とは言いません。

 

余談ですが、寄附行為については、法人の設立行為と学校法人の根本規則をさす場合の2ケースがあります。このあたりは、お恥ずかしい話、たまにとまどうことがあります。立法の際に、法人の設立行為を表す寄附行為は「設立行為」、根本規則は「寄附行為書」とわけてほしかったと思うことがあります。



kaikei123 at 07:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ■■ 収入/寄付金収入 

2011年11月21日

【報酬】役員の社会保険料の表示

役員報酬こんにちは!今日は専修学校の理事の方からのご質問です。

 

<Q>本年度から新理事長に変わりましたが、新理事長の社会保険料を学校負担分があります。この場合は、表示科目はどうなるのでしょうか?

 

 

<A>

 役員報酬は、人件費(大科目)の役員報酬(小科目)ですが、人件費支出内訳表をみると役員報酬には、本務教員や本務職員の場合と異なり、その細分科目が示されていません。

 ですから、計算書類では、役員報酬(支出)に含まれて、支給される役員報酬に合算されて表示することになります。



kaikei123 at 07:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) □□ 支出/人件費 

2011年11月14日

【資産】「有価証券」勘定の不思議??

有価証券こんにちは梶間です。最近は、原稿を執筆していてご無沙汰してしましました。

今日は、税理士の先生からのご質問です。

 

<Q>学校会計では、学校が有価証券を持つ場合、貸借対照表の様式では、固定資産にも流動資産にも「有価証券」があります。企業会計なら固定資産の有価証券は「投資有価証券」なのではないでしょうか??

 

<A>

学校法人会計基準には、流動資産と固定資産にある有価証券の区別についての解説はありません。

 そこで、一般の会計原則に戻り企業会計をみてみると、有価証券は、「売買目的有価証券と一年以内に満期到来する有価証券」とあり、投資有価証券はそれ以外ということになります。

 では、学校会計の実務はどうかというと、有価証券の流動・固定分類は、保有目的の長短で区分しています。

 

 なぜ、投資有価証券がないかといえば、学校法人は公共性の高い教育研究事業を実施する法人であることから、有価証券の運用は元本の確実性を考えて安全サイドを重視し、「投資」と想定していなかったと考えられます。学校法人では、長期的な資金の運用はしても投資はしないのが前提です。だから、長期保有の資金を固定資産の部の「有価証券」と記載科目を指定し「投資有価証券」としなかったと考えられます。



kaikei123 at 23:27|PermalinkComments(1)TrackBack(0) ★ 有価証券