2024年04月08日
【改正私学法】外部理事について
こんにちは！今日は、ある大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】外部理事について
寄附行為の改定を進めていますが、令和7年4月施行の改正私学法では、外部理事について何か変更はありますか？
＜Ａ＞
いわゆる外部理事は、学校法人の役員及び職員等以外の者のことをいいます。
現行法では、外部理事は1人以上となっています。
改正法では、１人以上必要となっていますが（改正法31条�賢�）、大臣所轄学校法人等は、2名以上必要となりました（改正法146条��）。
＜もっと詳しく＞
個別条文の説明は、松坂先生の逐条解説私立学校法第4版（暫定版）P267の力を借ります。まず改正法31条�賢�の説明です。
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四 理事にいわゆる外部理事が必ず含まれなければならないとしたことについては、平成16年改正において追加されたものであるが、その趣旨は、国民や社会に対する説明責任、意思決定プロセスの透明性の確保等の観点から、学校法人外の意見を積極的に反映しつつ、運営を監督することができる仕組みを整えるところにあるとされている。 この外部理事については、平成16年改正時においては「選任の際現に当該学校法人の役員又は職員でない者」とのみされていたが、令和5年改正ではこれらの者に加えて、「子法人役員（子法人（学校法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定めるものをいう。以下同じ。）の理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監杳役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。）及び子法人に使用される者」についても、外部理事としては扱われないことを新たに規定したところである。 |
次に改正法146条��の解説です。逐条解説P869〜870
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�恭杏�理事の数の特例（第1項関係） 三 学校法人に外部理事を置く目的は、国民や社会に対する説明責任、意思決定プロセスの透明性の確保等の観点から、学校法人外の意見を積極的に反映しつつ、運営を監督することができる仕組みを整えるところにある。大臣所轄学校法人等においては、その事業規模や区域の大きさから、より国民や社会に対する説明責任を果たすべきであることから２人以上とするものであり、また、大臣所轄学校法人等の場合には、その規模から理事の数が本法で定める最低基準の「５人以上」と比べて多くなることが通常であり、外部理事の割合の点からも「２人以上」が相応しいと考えられたところである。 |
改正私学法の関連条文です。
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（理事の資格及び構成） 第31条 ‥‥‥ ４ 理事には、次に掲げる者が含まれなければならない。 一 当該学校法人の設置する私立学校（２以上の私立学校を設置する学校法人にあつては、そのいずれか１以上の私立学校）の校長（学長及び園長を含む。第36条第3項第3号において同じ。） 二 その選任の際現に当該学校法人の役員及び職員並びに子法人役員（子法人（学校法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定めるものをいう。以下同じ。）の理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。）及び子法人に使用される者のいずれでもない者 ５ 理事が再任される場合において、当該理事がその最初の選任の際現に当該学校法人の役員及び職員並びに子法人役員及び子法人に使用される者のいずれでもなかつた場合についての前項の規定の適用については、当該理事をその再任の際現に当該学校法人の役員及び職員並びに子法人役員及び子法人に使用される者のいずれでもない者とみなす。 （理事の構成及び報告義務の特例） 第146条 大臣所轄学校法人等については、第31条第4項第2号に掲げる者が理事に2人以上含まれなければならない。 |
＜今日のまとめ＞
外部理事について
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趣旨 |
国民や社会に対する説明責任、意思決定プロセスの透明性の確保等の観点から、学校法人外の意見を積極的に反映しつつ、運営を監督することができる仕組みを整えるところにあるとされている。 |
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人数 |
現行法 |
改正法 |
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1人以上必要 |
１人以上必要（31�賢�） |
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大臣所轄学校法人等は、2名以上必要（146��） （趣旨）事業規模や区域の大きさから、より国民や社会に対する説明責任を果たすべきである。また、大臣所轄学校法人等の場合には、その規模から理事の数が本法で定める最低基準の「５人以上」と比べて多くなることが通常であり、外部理事の割合の点からも「２人以上」が相応しいと考えられた |
今日は、ここまでです。
2024年04月05日
修学旅行費預り金の流動・固定表示
こんにちは！今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞修学旅行費預り金の流動・固定表示
修学旅行の預り金は、従来から負債の部に計上していますが、これを流動と固定にわかるべきか悩んでいます。どう考えたら良いですか？
＜Ａ＞
修学旅行費預り金の会計処理は、「修学（研修）旅行費預り金の会計処理及び監査上の取扱いについて」（学校会計委員会報告第24号昭53年）に定めがあります。ここでは、次のようになっています。
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1
．会計処理と表示例 (2)
表示例 ロ．貸借対照表の科目 修学（研修）旅行費預り金は、固定負債又は流動負債に区分して表示する。修学（研修）旅行費預り金として収納した金銭は、当該行事のみに支出する資産であるため通常の支払資金と区分して例えば（小科目）
「修学（研修）旅行費預り資産」として表示することが適当である。 |
さて、修学旅行費預り金の流動と固定の分類について２つの考え方があります。
（１）
流行負債と固定負債に分ける
貸借対照表日後1年を超える期間にわたり生徒、児童から預かる修学旅行費であるか否かにより流動負債と固定負債に分類します。これは、上記委員会報告第24号の考え方です。学校法人会計基準「別表第三 貸借対照表記載科目（第33条関係）」の考え方と同じです。
（２）
流動負債に計上する
次は、実務で割と見られる会計処理です。
預り金が要求払いの性格を有する（保護者の希望により修学旅行の参加希望がなければ返金するという意味）ところから、全額を「流動負債」に計上することも考えられます。この方法は、昭和56年に今の私学事業団の前身の団体が公表物で紹介した会計処理方法です。
まとめ：修学旅行費預り金の会計処理
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会計処理 |
根拠等 |
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原則：流動負債と固定負債に分ける |
委員会報告24号（昭和53年） |
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認容：流動負債に一括計上する |
昭和56年に今の私学事業団の前身の団体が紹介した会計処理 |
今日は、ここまでです。
2024年04月03日
【監査】訴訟事件等に関する回答書について
今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【監査】訴訟事件等に関する回答書について
会計監査の一環で弁護士さんへ「訴訟事件等に関する回答書」を依頼するのですが、上長に説明するために参考になる資料はありますか？
＜Ａ＞
まず、顧問弁護士さんへの質問書の様式は、「確認及び顧問弁護士への質問に関するQ&A（学校法人委員会研究報告第25号）」にあります。
この質問書に意義については、「訴訟事件等に係わるリスク管理体制の評価及び弁護士への確認に関する実務指針（監査委員会報告第73号）」に詳しく説明があります。
今日は、ここまでです。
2024年04月01日
補助活動収入とは？
こんにちは！今日は、ある短期大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞補助活動収入とは？
補助活動がピンときません。説明してください。
＜Ａ＞
補助活動収入は、基準の別表第一、第二に説明があります。
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補助活動収入 |
食堂、売店、寄宿舎等教育活動に付随する活動に係る事業の収入をいう。 |
もうひとつ文科省の付随事業と収益事業通知にも説明があります。ここでは、「補助活動は、主として在学者を対象とするものであり、学校法人会計基準第5条に定める「食堂その他教育活動に付随する活動」は、補助活動を指す。なお、教職員及び役員が当該活動の対象者に併せ含まれても良い。」とあります。図表にすると
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補助活動の対象者 |
・主として在学者 ・教職員及び役員が当該活動の対象者に併せ含まれても良い |
それともう一つ参考情報としては、会計士協会の学校法人委員会の研修報告第30号Q6にも説明があります。
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補助活動事業としては、次のような事業が一般的に挙げられる。 |
(l) 食堂、売店、寄宿舎等の事業 (2) 税務上は収益事業と考えられるが、寄附行為で収益事業として定めていない事業 (3) 学校教育のカリキュラムの中では取り扱われていない本質問のような教育補完事業等（公開講座、課外講座等の収入） |
このあたりを参考にして補助活動事業を理解して下さい。
今日は、ここまでです。
2024年03月29日
学費の減免は、理事会制定規程で？！
こんにちは！今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞学費の減免は、理事会制定規程で？！
学校では、一部の学業やスポーツの優秀な生徒には、授業料の減免をしています。この授業料の減免については、理事会制定の授業料減免規程が必要と聞きました。どういう意味でしょうか？
＜Ａ＞
授業料の金額は、学則に定めがあり理事会で承認されています。そして、学校法人と生徒・保護者との在学契約の内容には、学則の内容が含まれています。ここで授業料の金額は、法人の最高意思決定機関である理事会で決められているので、授業料を減免すると言う学則の例外事項もまた理事会で決めると言う理屈です。もし校長決裁で、授業料の減免を決めてしまうと、理事会の決定を無視して教育現場で授業料の金額を変えてしまうことになってしまします。このように法令遵守の考え方からすると授業料の減免は、理事会制定規程によることが綺麗です。
今日は、ここまでです。
2024年03月27日
【文科省】寄附行為作成例（2024.3.5版）公表される！
こんにちは！今日はニュースです。今月上旬、文科省の寄附行為作成例が改定されました。おおきな変更はないようです。8月版（初版）、11月版（第2版）と数えると今回は第3版になります。理事会のスケジュールに寄附行為の改正案が見られるようになってきました。
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公表元 |
内容 |
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文科省 |
・寄附行為作成例（文部科学大臣所轄学校法人向け）（令和6年3月5日大学設置・学校法人審議会（学校法人分科会）決定）
(PDF:435KB) •寄附行為作成例（都道府県知事所轄学校法人向け）（令和6年3月5日版） (PDF:425KB) |
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宮城県 |
令和5年10月から12月に学校法人向けの説明会を実施しました。 （説明資料、寄附行為標準例条項対比表、等） |
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東京都 |
私立学校法改正関係（令和7年4月1日施行） |
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神奈川県 |
令和6年2月14日及び15日に開催の標記説明会の資料 |
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長野県 |
更新日：2024年3月29日 |
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鳥取県 |
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長崎県 |
今日は、ここまでです。
2024年03月25日
スキー合宿（実験実習料収入）の返還金
こんにちは！今日は、ある大学でのご質問です。
＜Ｑ＞スキー合宿（実験実習料収入）の返還金
当大学では、選択科目のスキー合宿が今年度は中止になりました。すでも徴収したスキー合宿参加費は実験実習料収入して計上しているのですが、スキー合宿が中止になったので参加費を返金することになりました。会計処理は、どうなりますか？
＜Ａ＞
実験実習のスキー合宿を学生生徒等納付金収入として徴収したものの、合宿中止に伴う参加費の返金については、基本的に役務の提供を行っていないものと考えられるので、奨学費支出にはしないで、実験実習料収入を減額することになるでしょう。
今日は、ここまでです。
2024年03月22日
財産目録と除却済グループ償却資産
こんにちは！今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞財産目録と除却済グループ償却資産
当高校では、机・椅子などはグループ償却していますが、耐用年数経過後は除却処理していて教育研究用機器備品には計上されていません。財産目録ではどうなりますか？
＜Ａ＞
グループ償却を採用している場合において、これらの資産に償却完了後も備忘価額を付しておく必要はありません。その資産の廃棄時における会計処理の煩雑さを回避するため、耐用年数経過時に会計上除却処理することになっています。通常、財産目録は貸借対照表数値ももとに作成しますので、財産目録に償却済のグループ償却資産は出てきません。
ただ、学校としては会計上除却処理をしたグループ償却資産でも現品があるのであれば、資産管理台帳（簿外管理台帳）などで現物管理は必要になるでしょう。
（関連：研究報告第20号3-5）
今日は、ここまでです。
2024年03月18日
【改正私学法】評議員の割合規制？
こんにちは！ある高校法人で寄附行為の改定作業を始めました。今日は、そこでのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】評議員の割合規制？
改正私学法では、評議員の割合規制が出てきますが、よく整理できません。
＜Ａ＞
寄附行為作成例には、直接出てきませんが、評議員の割当規制は大切です。全般的なことを言うと、理事を選任する人事権、評議員を選任する人事権については、学校法人に経営に関わることで極めて重要です。今日は、特に評議員の人事に関するご質問です。
理事会の場合の割合規制は、「他の理事のいずれかと特別利害関係を有する理事の数は、理事の総数の１／３
まで」（改正私学法37条7項）というものがありました。今回は評議員の構成で、割合を問われるものですが、根拠条文は改正法62条5項にあります。
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（評議員の資格及び構成） 第62条 ‥‥‥‥ ５ 評議員の構成は、次の各号のいずれにも該当するものでなければならない。 一 第3項第1号に掲げる者である評議員の数が評議員の総数の３分の１を超えないこと。 二 理事又は理事会が評議員を選任する場合において、当該評議員の数が評議員の総数の２分の１を超えないこと。 三 役員又は他の評議員のいずれかと特別利害関係を有する者並びに子法人役員及び子法人に使用される者である評議員の数の合計が評議員の総数の６分の１を超えないこと。 |
↓もう少し話し言葉で言うと
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１ 職員である評議員は、評議員の総数の１／３を超えてはならない。 ２ 理事、理事会が選任する評議員は、評議員の総数の１／２を超えてはならない。 ３ 役員や他の評議員と特別利害関係を有する者、子法人役員、子法人に使用される者である評議員は、評議員の総数の１／６を超えてはならない。 |
個別に確認していきます。
■割合規制１：職員評議員の数は、評議員総数の１／３まで。
現行法では、極端な話、評議員の１号から３号評議員まで、全員が職員を言うことも可能でした。しかし改正法では、職員１／３ルールが導入されました。意外と影響が大きそうです。
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評議員会 職員評議員 ● ● ● ←１／３までならＯＫ。 他の評議員 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 |
■割合規制２：理事、理事会が選任する評議員の数は、評議員総数の１／２まで
この割合規制の趣旨は、評議員会には基本的に理事会を監視監督することが期待されるために、監視される理事・理事会（理事会側）の影響割合を評議員総数の１／２以下としました。
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評議員会 理事・理事会が選任した評議員 ● ● ● ● ● ←１／２までならＯＫ。 他の評議員 〇 〇 〇 〇 〇 ←充て職評議員に注意！ |
気になるのは、充て職の評議員です。事務長が寄附行為に従って充て職で評議員になりました。この場合、事務長の選任を理事会が行っていれば、理事・理事会が選任した評議員（●）になります。ちょっといやらしい言い方になりますが、理事会の息のかかった評議員は、半分までと覚えておくとイメージが湧きます。理事サイド評議員１／２ルールです。逆から言うと評議員の半数は、学外者と言っても良いでしょう。
■割合規制３：役員や他の評議員と特別利害関係を有する者、子法人役員、子法人に使用される者である評議員は、評議員の総数の１／６を超えてはならない。
ただし、附則2条2項に、１／３とする経過措置があります。
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評議員会 図解困難のため略 |
今日は、ここまでです。
2024年03月15日
【改正私学法】評議員は充て職で選任して大丈夫？
こんにちは！ある高校法人で寄附行為の改定作業を始めました。今日は、そこでのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】評議員は充て職で選任して大丈夫？
改正私学法では、理事は理事選任機関で選出して充て職は認められません。評議員の選任方法では、充て職方式が大丈夫のようです。本当ですか？根拠はありますか？
＜Ａ＞
改正私学法では、評議員の選任は寄附行為の定めによります。評議員選任機関の設置は法定されていないので、寄附行為で「充て職」の定めをすれば評議員は「充て職」で選任できるという理屈です。
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（評議員の選任等） 第61条 評議員は、当該学校法人の設置する私立学校の教育又は研究の特性を理解し、学校法人の適正な運営に必要な識見を有する者のうちから、寄附行為をもつて定めるところにより、選任する。 ２ 評議員の選任は、評議員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮して行わなければならない。 ３ 学校法人と評議員との関係は、委任に関する規定に従う。 |
例えば、「事務長は評議員になる」と充て職方式を寄附行為に定めても全く問題はありません。ただ、少し注意点もあり、従来の充て職と少し異なります。と言うのは例えば、3月末に事務長から外れても評議員任期の終期が6月の定時評議員会の時までになります（改正法63条第1項）。これは、理事や監事、評議員の任期は、自身が担当していた年度の総決算である定時評議員会まで責任を持ってその任務を全うすべきとの考え方から、「定時評議員会の終結の時」に任期の終期が固定されました。ですから、もし3月末に評議員を終了する場合は、寄附行為に定めを追記しておくことが必要になります。例えば、「事務長の地位を退いたときは評議員の職を失うものとする。」と言う感じです。
また、充て職でも職員評議員にマイナーチェンジがありました。従来は、「卒業生で現在は学校の教職員」の場合は、「職員評議員」にも「卒業生評議員」にもなることができましたが、改正法では、職員評議員にカウントされることになりました。つまり、改正法の卒業生評議員は「外部の卒業生評議員」のみになります。
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（評議員の資格及び構成） 第62条 第31条第1項各号に掲げる者は、評議員となることができない。 ２ 被解任役員は、解任に係る学校法人の評議員となることができない。 ３ 評議員には、次に掲げる者（第2号に掲げる者にあつては、当該者がある場合に限る。）が含まれなければならない。 一 当該学校法人の職員 二 当該学校法人の設置する私立学校を卒業した者で年齢25年以上のもの（前号に掲げる者を除く。） （以下、略） |
今日は、ここまでです。
2024年03月13日
【改正私学法】理事長、代表業務執行理事、業務執行理事とは
こんにちは！ある高校法人で寄附行為の改定作業を始めました。今日は、そこでのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事長、代表業務執行理事、業務執行理事とは
寄附行為作成例には理事長の他に代表業務執行理事や業務執行理事と言う理事が出てきました。どういう理事ですか？
＜Ａ＞
改正私学法では、理事長の他に代表業務執行理事や業務執行理事と言う理事が出てきます。条文でいうと37条です。
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（理事長、代表業務執行理事及び業務執行理事） 第37条 学校法人には理事長一人を置くものとし、寄附行為をもつて定めるところにより、理事のうちから、理事会が選定する。 ２ 学校法人は、寄附行為をもつて定めるところにより、代表業務執行理事又は業務執行理事を置くことができる。 ３ 代表業務執行理事は、寄附行為をもつて定めるところにより、理事（理事長を除く。）のうちから、理事会が選定する。 ４ 業務執行理事は、寄附行為をもつて定めるところにより、理事（理事長及び代表業務執行理事を除く。）のうちから、理事会が選定する。 ５ 理事長、代表業務執行理事及び業務執行理事は、次項から第八項までの規定に従い、学校法人の業務を執行する。 ６ 理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理する。 ７ 代表業務執行理事は、寄附行為をもつて定めるところにより学校法人を代表し、理事会の定めるところにより理事長を補佐して学校法人の業務を掌理する。 ８ 業務執行理事は、理事会の定めるところにより、理事長を補佐して学校法人の業務を掌理する。 ９ 理事長及び代表業務執行理事の学校法人を代表する権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 |
まず、無理やり図解すると下記の感じです。理事長や代表業務執行理事、業務執行理事の３者は学内理事で、学校法人の業務執行機関です。代表業務執行理事は、従来の言葉で言うと副理事長、専務理事。業務執行理事は業務理事と言ったところです。
※１ 新しい理事会構成のイメージ
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理事会 |
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学内理事 |
学外理事（外部理事） |
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・理事長 ・代表業務執行理事 ・業務執行理事 |
・（普通の）理事 ※１人以上必要（31条4項2号） 大臣所轄学校法人等は、2名以上必要（146条1項） |
もう一つサブノート的に、理事長、代表業務執行理事、業務執行理事を表形式で対比してみます。
※２ 理事長・代表業務執行理事・業務執行理事の対比表
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設置 |
代表権 |
職務 |
人数 |
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理事長 |
必須 |
あり〇 |
業務を総理 |
１人 |
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代表業務執行理事 |
任意 |
あり〇 |
理事長を補佐して 学校法人の業務を掌理 |
複数人可 |
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業務執行理事 |
なし× |
今日は、ここまでです。
2024年03月11日
【改正私学法】理事長職務代行者がなくなった？
こんにちは！ある高校法人で寄附行為の改定作業を始めました。今日は、そこでのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事長職務代行者がなくなった？
改正私学法には理事長職務代行者の規定が見当たりません。どうなったんですか？
＜Ａ＞
令和7年4月施行の改正私学法では、理事長職務代行者の規定がなくなりました。文科省の説明資料に同じような設問があります。↓
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私立学校法の改正に関する説明資料（令和5年12月12日更新） p109 Ｑ９：これまでと同様、理事長に事故があるとき又は理事長が欠けたときに備えて、理事長職務代行者を選任することは可能か。【令和５年１２月１２日更新】 Ａ９：本改正では、理事の職務から「理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う」旨の規定を削除するとともに、理事長は理事会において選定することとし、理事長又は代表業務執行理事のみが学校法人の代表権を有することとしました。そのため、理事長が欠けた場合には速やかに理事会を開催して理事長を選任する必要がありますが、理事長に事故があるときに、理事長の内部的な職務を行う者をあらかじめ定めておくことは可能であり、例えば以下のように規定することが考えられます（ただし、この規定により新たに代表権を付与することはできないため、代表権の行使については、寄附行為で定められた範囲内で代表業務執務行理事が行う必要があることに留意してください）。 「理事長に事故があるときは、あらかじめ理事会において定めた順位に従い、代表業務執行理事又は業務執行理事がその職務（理事長に事故があるときに当該職務を行う者が別に定められている職務を除く。）を行う。」 |
今日は、ここまでです。
2024年03月08日
【改正私学法】理事会の割合規制って何？
こんにちは！ある高校法人で寄附行為の改定作業を始めました。今日は、そこでのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会の割合規制って何？
理事会の割合規制について教えて下さい
＜Ａ＞
寄附行為作成例には、直接出てきませんは、理事会の割合規制はとても大切です。理事の人事にかかわるものだからです。
さて、「理事会の割合規制」と言う言い方が、一般的かどうかはわかりませんが話を進めます。改正私学法では、改正私学法31条（理事の資格及び構成）第7項では、「７ 他の理事のいずれかと特別利害関係を有する理事の数は、理事の総数の三分の一を超えてはならない。」と定めています。ガバナンスの観点から、同じ属性を持った理事は、理事総数の１／３以内にすると言う趣旨です。
例えば、理事の定数１０人の学校法人で、２つの創業家が残っていて、Ａ家から夫婦（特別利害関係人）、Ｂ家から親子（特別利害関係人）となった場合は、特別利害関係人が理事の４人となります。ところが、改正私学法では特別利害関係者は１０人×（
１／３）＝３．３３人まで、つまり３人までしか認められないので私学法違反と言うことになってしまいます。
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理事会の割合規制（１／３ルール）に引っかかる場合 ・Ａ家 ● ●（夫婦） ・Ｂ家 ■ ■（親子） ・その他 〇 〇 〇 〇 〇 〇 |
今日は、ここまでです。
2024年03月06日
【改正私学法】理事会議事録の賛否は個人名まで！！
こんにちは！ある高校法人で寄附行為の改定作業を始めました。今日は、そこでのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会議事録の賛否は個人名まで！！
改正私学法では、議事録の賛否は個人名まで書くことが望ましいと聞きました。何かあったのですか？
＜Ａ＞
おそらく改正私学法43条第4項に関係すると思われます。改正私学法43条第4項では、「議事録に異議をとどめなかった理事は、賛成したものと推定される」ことになりました。
例えば、理事会決議に従って業務を進めた結果、学校法人や第三者に損害が生じた場合は、賛成した理事個人に対して損害賠償請求がなされる可能性があります。もし、議事録に反対者として名前が書かれていない場合には、その理事は議案に賛成していたものと推定されることになりました。
今日は、ここまでです。
2024年03月04日
【改正私学法】理事会の権限が強化された？？
こんにちは！ある高校法人で寄附行為の改定作業を始めました。今日は、そこでのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会の権限が強化？？
改正私学法では、ガバナンスが重視されていると聞きましたが、理事会の権限自体はが強くなったとも聞きました。本当ですか？
＜Ａ＞
改正私学法では、理事会の権限が強くなったと言うよりも法定の決議事項が増えました。改正私学法36条3項の事項を中心に他にも理事会の法定決議事項があります。これらは理事長や常務理事会で決めるものではないので、そういう意味では理事会の権限が強くなりました。
また、寄附行為で定めることですが、理事専任機関（理事＝経営者の人事権）をどの機関が持つかということがとても経営に影響があります。今日は、あくまでも理事会の法定決議事項の話です。
理事会の法定決議事項を箇条書きでまとめてみます。実務でご利用になる場合は、改正私学法の原文を御確認ください。青字は重要と思われる法定決議事項について事務局が勝手に色付けしました。
■改正私学法−理事会の法定決議事項■
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根拠条文 |
理事会の法定決議事項 |
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改正私学法 36条3項 |
��
重要な資産の処分及び譲受け（1号）※ ��
多額の借財（2号）※ �９残垢修梁召僚斗廚別魍笋鮹瓦�職員の選任及び解任（3号） ←これ重要。学内現場の人事権 �そ召燭觧�務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止（4号） �テ睇�統制システムの整備（5号） �ν住撒擇啝�業計画の作成又は変更（6号）※ ←これも重要。将来の方向を決めること。 ��役員及び評議員に対する報酬等の支給基準の策定又は変更（7号）※ ��
収益事業に関する重要事項（8号）※ ��前各号に掲げるもののほか、学校法人の業務に関する重要事項（9 号）←ちょっと抽象的だが重要 |
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その他 |
��理事長の選定←理事長の人事権 ��補償契約の内容決定（96条1項） ��役員や会計監査人のために締結する保険契約の内容決定（97条1項） ��寄附行為の変更（108条1項）※ ←実務で重要。寄附行為は学校法人の根幹 ��解散（109条l項）※ �姐臺察�126条1項）※ |
今日は、ここまでです。
2024年02月26日
補正予算のタイムリミット
こんにちは！今日は、ある地方の高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞補正予算のタイムリミット
補正予算を組みのですが、最終リミットはいつですか？
＜Ａ＞
予算については、収入は確保すべき収益、支出は許容される支出額が示されています。
予算は理事長が作成の責任者で、決定は寄附行為の定めによりますが通常は、理事会決議になっています（なお改正私学法では理事会の決議事項になりました。新法36条��6号）。もちろん評議員会の諮問事項です。
さて、補正予算が必要な場合の作成リミットですが、予算書は年度単位で作られてることから年度末、つまり3月31日が予算書を作成し理事会で決定するタイムリミットになります。
今日は、ここまでです。
2024年02月19日
令和5年奥能登地震への義援金
こんにちは！今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞令和5年奥能登地震への義援金
当高校では、私学の団体を通じて令和5年奥能登地震の義援金を支出することになりました。支出の科目はどうしたら良いでしょうか？
＜Ａ＞
学校会計の法規集※では、大科目「管理経費（支出)」の中の小科目「震災義援金（支出)」等で表示することが適当であるとなっています。ただ、これはある程度の金額の場合で、金額が僅少な場合は、渉外費や雑費で支出することもあるでしょう。
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※「東北地方太平洋沖地震による災害に関する学校法人監査の対応について」（平23.3.30 日本公認会計士協会 会長通牒 平成23年第２号） �啓腓箸靴独鏈卉楼奮阿粒惺史／佑坊犬觧�項 【予算の補正】 14．平成22年度の補正予算書の作成 被災地以外の学校法人において予算外の義援を行う場合、予算の流用、予備費の使用で対応できないときは、補正予算書を作成するよう助言する。なお、義援金は寄付金の性格を有することから、理事会等の決議が必要になる場合があることに留意する。 【支出の会計処理等】 15．義援金の支出 義援金の支出は、私学団体又は日本赤十字社や災地の地方公共団体等を通じて、又は学校法人に直接行うケース等があるが、金額が多額となる場合には、大科目「管理経費（支出)」の中の小科目「震災義援金（支出)」等で表示することが適当である。 なお、支出部門が特定できない場合には、寄付金の性格にかんがみ、「学校法人」部門に計上することもできよう。また、食料品や備品を購入して寄付した場合には当該購入金額により同様の処理をすることとなる。 |
今日は、ここまでです。
2024年02月08日
【改正私学法】令和7年4月からの情報公開
こんにちは！ある大学でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】令和7年4月からの情報公開
令和7年4月施行の改正私学法では、決算書や事業報告書の情報公開はどうなりますか？
＜Ａ＞
令和７年４月施行の改正私立学校法では、学校法人等（学校法人＋準学校法人）は学校法人会計基準に基づき会計処理を行うことが明記され（101条）、ガバナンス掛上の観点から、学校法人会計基準の根拠が私立学校法に位置づけられることを受け、ステークホルダーへの情報開示を主な目的とする基準として整備することが必要となりました。
また、各会計年度に係る計算書類、附属明細書及び財産目録は備置き及び閲覧の対象となり、特に社会的影響の大きさや高等教育機関であることなどを考慮し文部科学大臣所轄学校法人等は何人も閲覧請求が可能とされ、インターネットによる公表を求める特例規定が定められました。その他の学校法人等は利害関係人及び債権者に閲覧請求権があり、公表については努力義務とされています。
最後に図表で情報公開を幅広く拾ってみます。
※私立学校法の改正について（2023-12-12版）p59より
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※赤字は現行からの変更点 |
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大臣所轄学校法人等 |
その他の学校法人 |
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備置き |
閲覧 |
公表 |
備置き |
閲覧 |
公表 |
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寄附行為 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
努力義務 |
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計算書類 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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会計帳簿 |
○ |
▽ |
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○ |
▽ |
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事業報告書 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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附属明細書 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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監査報告 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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会計監査報告 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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財産目録 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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役員・評議員名簿 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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報酬等の支給基準 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
努力義務 |
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理事会の議事録 |
○ |
□ |
|
○ |
□ |
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評議員会の議事録 |
○ |
◇ |
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○ |
◇ |
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▽：評議員、会計監査人のみ
△：評議員、債権者、在学生その他の利害関係人のみ
□：評議員、役員の責任を追及するため裁判所の許可を得た債権者
◇：評議員、債権者
2024年02月06日
【今更ですが】経費の教管区分
こんにちは！今日は、各学校でよく質問される経費の教管区分の内容です。
＜Ｑ＞【今更ですが】経費の教管区分
今更ですが、経理の教育と管理の区分ははっきりしません。特に主たる使途の判断では分けられない経費があります。ルールはどうなっていますか？
＜Ａ＞
経費の教管区分は基準で求められています。ただ、基準の説明はざっくりとした定義しかありません。基準は昭和46年4月に施行されました。
基準別表第一
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大科目 |
備考 |
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教育研究経費支出 |
教育研究のために支出する経費（学生、生徒等を募集するために支出する経費を除く。）をいう。 |
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管理経費支出 |
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ただ、これだけでは経費の教管区分の判断基準としては粗すぎて会計処理ができません。そこで、この年の11月に文科省が通知を出しました。「教育研究経費と管理経費の区分について（報告)」について（通知）（昭46.11.27雑管第1l8号)です。ここでは、の「次の各項に該当することが明らかな経費は、これを管理経費とし、それ以外の経費については主たる使途に従って教育研究経費と管理経費のいずれかに含めるものとする。」としました。
しかしながらこれでもまだ経理の教管区分の解釈がはっきりしないので、今度は会計士協会が解釈資料「教育研究経費と管理経費の区分に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第30号)」を公表しました。ここでは、Ｑ１で
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通知の文言は、次のように解釈するのが妥当である。 （１）通知の報告別紙に限定列挙されている１から７までの各項に該当することが明らかな経費は必ず管理経費（支出）とする。 したがって、１から７までに列挙されている経費で、例えば光熱水費のように教育研究用及び管理用の双方に関連しているものについては、それぞれ直接把握するか、その使用割合など合理的な配分基準によって按分する。 （２）１から７までに列挙されていない経費、例えば私学団体関係費のようなものは、その主たる使途に従って教育研究経費（支出）か管理経費（支出）のいずれかに処理する。 |
経理の教管区分のおおまかなフローチャートです。
基準（昭46.4）‥‥具体的な説明なし
↓
雑管118号（昭46.11） ‥7つの管理経費を定め、残りは主たる使途で判断
↓
研究報告30号 ‥‥共通費は、直接把握か合理的な配分基準で按分
今日は、ここまでです。
2024年02月05日
【情報公開】内訳表のネット公開
こんにちは！今日は、大学の方からのご質問です。
＜Ｑ＞【情報公開】内訳表のネット公開
大学法人は決算書や事業報告書をホームページで公開していることが多いですが、学校別の収支まで公開している学校法人はどの程度ありますか？
＜Ａ＞
私学事業団の公表物（※）によると大学法人で学校別の収支、具体的には事業活動収支内訳表や資金収支内訳表をホームページで公開している割合は、約２０％です。
※日本私立学校振興・共済事業団「｢令和３年度 学校法人のガバナンス体制に関するアンケート｣報告大学・短期大学・高等専門学校法人-令和3年10月調査（令和４年９月）P141
今日は、ここまでです。
2024年02月01日
【ﾆｭｰｽ】「在り方検討会報告書」公表される！！！
こんにちは！今日は、ニュースです。
昨日（2024年1月31日）に文科省より「学校法人会計基準の在り方に関する検討会（令和5年度）」の最終報告書が公表されました。私学法版学校法人会計基準の方向性を示す報告書です。この報告書は、令和7年4月より私立学校法に位置づけられる新しい学校法人会計基準の在り方について、令和5年6月以降、9回にわたって検討を行った検討会での検討結果をとりまとめたものです。ただ検討会では、施行まで準備期間を十分に確保する点から、大幅な取扱いの変更は困難であることを踏まえて、検討する改正内容は、改正私立学校法の施行のために最低限必要な内容となっています。簡単に言うと私学法緊急対応のためにひとまず「マイナーチャンジ」すると言うイメージです。
令和6年1月31日
同時に、在り方検討会の第6回（令和5年10月20日開催）から第9回（令和5年12月20日開催）の議事録がまとめて公表されました。議事録の公表まで時間がかかったことから各委員（団体代表）の意見調整に苦労したことが推察されます。
今日は、ここまでです。
2024年01月30日
【広場へのご質問】校内バザーとＰＡＴ会費
こんにちは！今日は、1月28日（日）に広場にご質問をいただきましたのでコメントいたします。
＜Ｑ＞校内バザーとＰＡＴ会費
中古制服販売手数料の表示につきまして質問があります。
卒業やサイズアウト等の理由により発生しました各家庭の中古制服について、学校側が寄付(回収)を募り、回収した制服を校内バザーを開催し在校生へ販売、売上金をPTA会費へ加えたい、という企画提案が上がっています。
中古制服販売価格を学校側が設定し、売上金をPTA会費(学校徴収金)として計上することは可能になりますでしょうか。或いは、補助活動収入、雑収入のどちらかで処理することが適切なのでしょうか。
＜Ａ＞
会計は、取引事実を会計帳簿に反映するだけですので、取引内容をはっきりと判断する必要があります。
今回は、「卒業やサイズアウト等の理由により発生しました各家庭の中古制服について、学校側が寄付(回収)を募り、回収した制服を校内バザーを開催し在校生へ販売」とありますので、校内バザーの主催は、学校のように読めます。そうするとバザーの売上は、管理責任のある学校で計上されます。
収入科目は、学校実務では、（大科目）付随事業収入（小科目）補助活動収入か（大科目）雑収入（小科目）その他の雑収入に２つがあります。明確な判断基準はないのですが、金額が僅少の場合はその他の雑収入にしている学校が多いように思います。
そしてバザーの売上収入は、ＰＴＡ会費とは言いづらい収入ですので、事後的に学校からＰＴＡへ福利費のような科目で支出することになるでしょう。
ご参考になれば幸いです。
2024年01月25日
昭和の図書館の冊数基準（大学設置基準）
こんにちは！今日は、ある大型書店の方からのご質問です。
＜Ｑ＞昭和の図書館の冊数基準（大学設置基準）
以前、大学の設置基準では図書の冊数が決められていたとこのことですが、本当ですか？
＜Ａ＞
本当です。
＜少し説明＞
図書及び学術雑誌の冊数及び種類数については、大学設置基準（昭和31年文部省令第28号）の旧第40条に規定がありました。この規定は、昭和45年文部省令第21号、昭和50年文部省令第40号及び昭和57年文部省令第第1号によりそれぞれ一部改正され、平成3年文部省令第24号により廃止されました。 参考：レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
と言うことで、昭和の本を見てみます。横書きがわかりやすいので「大学設置基準の研究」（1983年財団法人東京大学出版会）P328に学設置基準（最終改正昭和50年12月25日同第40号）の昔の40条がありました。
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第40条 大学は，授業科目の種類に応じ，次の各号に掲げる冊数及び種類数の図書及び学術雑誌（マイクロフイルムによるものを含む．以下同じ.）を系統的に整理して備えるものとする． 一 一般教育科目に関する図書 人文，社会及び自然の各分野についてそれぞれ800冊以上，合計3000冊以上 二 外国語科目に関する図書1の外国語について1,000冊以上 三 保健体育科目に関する図書300冊以上 四 専門教育科目に関する図書及び学術雑誌
備考 この表に掲げる学部以外の学部において備えるべき図書及び学術雑誌の冊数及び種類数については，当該学部に類似するこの表に掲げる学部の例によるものとする． （昭45文令21．昭50文令40・一部改正） |
今日は、ここまでです。
2024年01月22日
【NEWS】在り方検討会（第５回）議事録公開される！
今日は、ニュースです。この度、文科省より「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」(令和5年度)(第５回)の議事録が公表されました。第5回の検討会が2023年9月26日(金) 開催でした。
第5回【開催日時：令和5年9月26日(金曜日) 14時〜17時】
今日は、ここまでです。
2024年01月19日
【改正私学法】権利義務理事について
こんにちは！今日は、ある学校法人の評議員会でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】権利義務理事について
改正私学法では、権利義務理事の制度が導入されると聞きました。どう言うことでしょうか？
＜Ａ＞
権利義務理事とは、その人の権利と義務が、退任したにもかかわらず、新たに理事が選任されるまで、引き続き残存することを意味しています。改正私学法では、34条第1項で「その退任した理事は、新たに選任された理事（同項の一時理事の職務を行うべき者を含む。）が就任するまで、なお理事としての権利義務を有する。」と定められています。権利義務理事は、すでに一般社団財団法75条や社会福祉法45条の6では織り込まれています。また、改正私学法で同じ要領で権利義務監事（50条第1項）、権利義務評議員（65条第1項）も定めています。
今日は、ここまでです。
2024年01月17日
【改正私学法】ぴったりにならない理事の任期！
こんにちは！今日は、ある学校法人での評委員会でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】ぴったりにならない理事の任期！
新しい私立学校法では、理事に任期はどうなっているのですか？
＜Ａ＞
改正私学法32条では、理事に任期は寄附行為で定めることになっており、その期間は４年以内となっています（法32条第1項）。注意点は、仮に４年と言ってもピッタリ４年間ではありません（後述）。実際の任期は、４年±数か月となります。
また、理事の任期に係る期間は、監事・評議員の任期に係る期間を超えてはいけないことになっています。（法32条第２項）
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改正私学法 第32条 理事の任期は、選任後寄附行為をもつて定める期間以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する第69条第1項の定時評議員会の終結の時までとする。この場合において、寄附行為をもつて定める期間は、４年以内とする。 ２ 前項の規定により理事について寄附行為をもつて定める期間は、第47条第1項の規定により監事について寄附行為をもつて定める期間及び第63条第1項の規定により評議員について寄附行為をもつて定める期間を超えてはならない。 ３ 第1項の規定は、寄附行為をもつて、任期の満了前に退任した理事の補欠として選任された理事の任期を当該退任した理事の任期の満了する時までとすることを妨げない。 |
ポイント
・理事の任期は、寄附行為で定め、上限は４年以内（法32� 法�
・理事の任期を､監事･評議員より長くすることはできない（法32�◆法�
・理事の任期は、ぴったり２年、ぴったり３年、ぴったり４年にはナカナカならない。
→終期が定時評議員会の終結のときに固定されるので。
（理由：理事に任期は、自身が担当していた年度の総決算である定時評議員会まで責任を持ってその任務を全うすべきとの考え方から、「定時評議員会の終結の時」を任期の終期に固定しました。定時評議員会は改正私学法で登場する新用語で、６月に開催されると予定される決算評議員会のこと）
＜少し実務を補足＞
具体的に、文科省の寄附行為作成例を見てみます。
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寄附行為作成例 第 10条（理事の任期） （理事の任期） 第 10 条 理事の任期は、 選任後 4 年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。ただし、
任期の満了前に退任した理事の補欠として選任された理事の任期は、 前任者の残任期間とすることができる。 2
理事は、 再任されることができる。 |
簡単な例で理事の任期の終期を確認してみます。
先の寄附行為作成例の学校法人が、令和７年6月20日に理事を選任した場合。寄附行為が読みづらいので、読みやすい単位の文節に区切って確認していきます。
先の寄附行為作成例の学校法人が、令和７年6月20日に理事を選任した場合。寄附行為が読みづらいので、読みやすい単位の文節に区切って確認していきます。
・まず「選任後４年以内に終了する会計年度」とは？
→令和７（8年3月31日に終了）、８（9年3月31日に終了）、９（10年3月31日に終了）、１０年度（11年3月31日に終了）のこと。
・「そのうち最終のもの」とは？
→当然、令和１０年度のこと。
・「最終（令和１０年度）のものに関する定時評議員会」とは？
→令和１０年決算が提出される評議員会のことなので｡令和１１年６月頃に開催される予定の定時評議員会。
実務では、文科省の説明資料p35を読み解いて下さい。大切な図表です。↓（図表が隠れる場合は、出典元を御覧ください）
今日は、ここまでです。
2024年01月15日
【改正私学法】理事・評議員の兼職禁止
今日は、ある学校法人の評議員会でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事・評議員の兼職禁止
改正私学法では、理事と評議員の兼務が禁止されたそうですか、本当ですか？また、どうしてですか？
＜Ａ＞
令和7年4月施行の改正私学法では、理事と評議員の兼職が禁止されました（改正私学方31条第3項）。これは、執行する者（理事）と執行を監視・監督する者（評議員）が同じでは、ガバナンスは働かないと考えられたためです。
＜少し説明＞
１．現行法の説明
現行法では、理事と評議員の兼職が１名以上必要でした（現行私学方38条第1項3号）。いわゆる評議員理事が最低限必要とされています。実務では、多くの理事が評議員を兼任しています。
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（役員の選任） 第38条 理事となる者は、次の各号に掲げる者とする。 一 当該学校法人の設置する私立学校の校長（学長及び園長を含む。以下同じ。） 二 当該学校法人の評議員のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者（寄附行為をもつて定められた者を含む。） 三 前二号に規定する者のほか、寄附行為の定めるところにより選任された者 |
２．改正私学法
理事と評議員の兼職が全面的に禁止されました（改正私学法31条3項）。改正私学法が、理事と評議員の兼職を禁止したのは、執行する者（理事）と執行を監視・監督する者（評議員）が同じでは、ガバナンスは働かないと考えられたためです。学校法人の業務執行を理事会と理事が行い、業務執行する理事会の監視・監督を評議員会・評議員が行うと役割分担当明確にしようとしたのです。
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（理事の資格及び構成） 第31条 …… ３ 理事は、監事又は評議員を兼ねることができない。 …………… |
理事と評議員の兼職者について具体的にどのように処理するかについては、学校法人の判断に任せられ、理事とすることも評議員とすることも可能です。寄附行為変更の際の経過措置として定めておくことが考えられます。評議員の地位にある者が理事は、理事か評議員のどちらかを辞任することもあるでしょう。
３．そうは言っても
改正私学法では、理事と評議員の兼職は禁止されましたが、現行法の理事と評議員の兼職のメリットもありました。例えば、諮問機関である評議員会の意向を的確に理事会に反映されることができたり、経営側の理事と職員評議員がお互いに意見交換ができたり、情報交流のメリットもありました。
このためでしょうが、国会の付帯決議では、理事会と評議員会の情報交流を勧めています。
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国会の附帯決議 衆議院・文部科学委員会附帯決議 ５．理事・評議員が出席する理事会・評議員会を定期的に開催し、積極的な意見交換をするなど活性化の工夫 |
４．兼職解消のリミット
理事と評議員の兼職が禁止されるのは、改正私学法が施行される令和７年４月ではなく、これから改正私学法施行後最初の定時評議員会（令和7年6 月頃の評議員会） 終結後です。この、令和７年度の定時評議員会終結の時を境に、理事と評議員の兼職「必須」が兼職「禁止」にガラッと変わります。
今日は、ここまでです。
2024年01月05日
【NEWS】在り方検討会（第4回）議事録公開される！
今日は、ニュースです。この度、文科省より「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」(令和5年度)(第4回)の議事録が公表されました。第4回の検討会が2023年8月29日(火) 開催でした。
第4回【開催日時：令和5年8月29日(火曜日) 14時〜16時】
今日は、ここまでです。
2023年12月28日
【文科版】「私立学校法の改正について」が便利！！
こんにちは！いつの間にか文科省の私学法サイトが充実されていました。時折、確認すると役立ちます。
役立つサイト↓
私立学校法の改正について（令和5年改正）-文部科学省
個別にみると↓
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項目 |
内容 |
使い方例 |
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法律本文 |
縦書きなのでちょっと読みづらい。 |
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説明資料 |
・私立学校法の改正に関する説明資料（2023.12.12更新） 【動画】 |
改正私学法の全般がわかる。 |
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寄附行為作成例 |
・寄附行為作成例（文部科学大臣所轄学校法人向け）（2023.11.16大学設置・学校法人審議会（学校法人分科会）決定） ・寄附行為作成例（都道府県知事所轄学校法人向け）（2023.11.16版） ・寄附行為に必ず記載しなければならない事項（必要的記載事項）一覧 【動画】 |
大学法人は必須。 |
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内部統制 |
最近、公表されたばかり |
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準備・手続(todoﾘｽﾄ) |
確かに便利なチェックリスト |
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寄附行為スケジュール |
文科所管法人は、３つのグループに分かれて申請。 |
今日は、ここまでです。
2023年12月27日
【ﾆｭｰｽ】在り方検討会第9回資料が公表される！
こんにちは！今日は、ニュースです。
昨日、在り方検討会の第9回配布資料が公表されました。配布資料によると年明け以降、私立学校の特性を踏まえつつ、セグメントの配分基準及びその他検討が必要な事項を検討することを目的に、「学校法人会計基準の在り方に関する検討会について」（令和5年5月18日 令和6年1月〇日一部改正 高等教育局長決定）3.(3)）に基づき、「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」の下に、ワーキンググループ「（「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ」と称する。）を設けることになったようです。つまり今後は、在り方検討会 → 諸課題検討ワーキンググループ
学校法人会計基準の在り方に関する検討会 スケジュール
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回 |
日時 |
議題 |
開催 |
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第1回 |
6月8日 (木) 13:30〜15:30 |
1.座長の選出 2.学校法人会計基準の改正の方向性等について 3.財務情報に関する基本的な考え方について 4.その他 |
済 |
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第2回 |
6月27日(火) 15:00〜17:00 |
1.前回の議論について 2.計算書類の体系について 3.セグメント情報の在り方について 4.その他 |
済 |
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第3回 |
7月14日(金) 10:00〜12:00 |
1.セグメント情報の在り方について 2.附属明細書の内容について 3.その他 |
済 |
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第4回 |
8月29日(火) 14:00〜16:00 |
1.附属明細書の内容について 2.注記事項の充実について 3.その他 |
済 |
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第5回 |
9月26日(火) 14:00〜17:00 |
1.前回までの継続協議事項について(セグメント情報の在り方、附属明細書) 2.財産目録の内容について 3.会計基準の特例について 4.その他 |
済 |
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第6回 |
10月20日(金) 14:00〜17:00 |
1.前回までの継続協議事項について(セグメント情報の在り方、附属明細書) 2.財産目録の内容について 3.会計基準の特例について 4.私学法監査の範囲について 5.助成法に基づく書類提出・監査の範囲について 6.その他 |
済 |
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第7回 |
11月21日(火) 14:00〜17:00 |
1.会計基準の特例について 2.私学法監査の範囲について 3.助成法に基づく書類提出・監査の範囲について 4.注記事項について（子法人注記） 5.セグメント情報の検討まとめ・配分基準の検討スケジュールについて 6.全体のまとめ 7.その他 |
済 |
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第8回 |
11月30日(木) 14:00〜16:30 |
1.セグメント情報の検討まとめ・配分基準の検討スケジュールについて 2.注記事項について （子法人注記 3全体のまとめ 4.私学法監査の範囲について 5.助成法に基づく書類提出・監査の範囲について 6.その他 |
済 |
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第9回 |
12月20日(水) 14:00〜15:30 |
1.全体のまとめ 2.学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループについて 3.その他 |
済 |
今日は、ここまでです。
2023年12月26日
2023年12月25日
【ﾆｭｰｽ】文科省「内部統制システムの整備について」を公表
今日は、改正私学法関係のニュースです。学校法人では寄附行為改正の話題を聞くことが増えてきました。
今般の私立学校法改正により、大臣所轄学校法人等においては内部統制システムの整備義務があり（改正私学法第148条第1項）、その基本方針を理事会で決定しなければならないことになります（同法36条3項5号）。また、大臣所轄学校法人等以外の学校法人においても、各学校法人の実情に応じ、内部統制システムを整備することが望まれます。文科省は、先週、「内部統制システムの整備について」を公表しました。ここでは、内部統制を「学校法人が、その活動を健全かつ効率的に運営するための仕組みのこと」と説明しています。
内部統制システムの整備について (PDF:901KB) PDF
※改正私学法（令和7年4月施行）
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（理事会の職務等） 第36条 理事会は、全ての理事で組織する。 ２ 理事会は、次に掲げる職務を行う。 一 学校法人の業務を決定すること。 二 第39条第1項に規定する業務執行理事等その他の学校法人の業務を執行する理事の業務の執行を監督すること。 三 この法律の他の規定により理事会の決議を要する事項について決議すること。 四 前3号に掲げるもののほか、この法律の他の規定により理事会が行うこととされた職務 五 前各号に掲げるもののほか、寄附行為をもつて定めるところにより理事会が行うこととされた職務 ３ 理事会は、学校法人の業務に係る次に掲げる事項の決定を理事に委任することができない。 一 重要な資産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 学校法人の設置する私立学校の校長その他の重要な役割を担う職員の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 理事の職務の執行が法令及び寄附行為に適合することを確保するための体制その他学校法人の業務の適正を確保するために必要なものとして文部科学省令で定める体制の整備 六 予算及び事業計画の作成又は変更 七 第100条第1項に規定する報酬等の支給の基準の策定又は変更 八 収益を目的とする事業に関する重要事項 九 前各号に掲げるもののほか、学校法人の業務に関する重要事項 ４ 理事会は、前項第1号、第2号又は第6号から第8号までに掲げる事項についての決定をするときは、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならない。 （体制の整備及び中期事業計画の作成等） 第148条 大臣所轄学校法人等は、第36条第3項第5号に規定する体制を整備しなければならない。 ２ 大臣所轄学校法人等は、事業に関する中期的な計画（第4項において「中期事業計画」という。）を作成しなければならない。 ３ 前項の場合における第36条第3項及び第4項の規定の適用については、同条第3項第6号中「事業計画」とあるのは、「事業計画並びに第148条第2項に規定する中期事業計画」とする。 ４ 大臣所轄学校法人等（文部科学大臣が所轄庁である学校法人に限る。）は、事業計画及び中期事業計画を作成するに当たつては、学校教育法第109条第2項（同法第123条において準用する場合を含む。）に規定する認証評価の結果を踏まえなければならない。 |
今日は、ここまでです。
2023年12月20日
ＰＢＬ教育技法とは？
あるにちは！今日は、ある大学の学校評価で出てきた話題からです。
＜Ｑ＞ＰＢＬ教育技法とは？
＜Ａ＞
ＰＢＬは「Problem-Based Learning」の略語で、「問題解決型学習」を意味します。この教育技法は、実際の問題を解決することを通じて、学習者が主体的に学び、知識やスキルを身につけることを目指しています。PBL教育技法は、アクティブラーニングの手法の1つです。
「Problem-Based Learning」を直訳すると、「問題に基づく学習」と言うことで「問題解決型学習」と訳されています。
今日は、ここまでです。
2023年12月19日
【ﾆｭｰｽ】「私立学校法の改正に関する説明資料（令和5年12月12日更新）
こんにちは！今日は、ニュースです。この度、文科省の「私立学校法の改正について」が改定されました。前回は8月1日版で、今回は12月12日更新版です。
「私立学校法の改正に関する説明資料（令和5年12月12日更新）（PDF:3.8MB）」
主な変更点です。
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主な変更点 |
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P83 |
Ｑ４：理事選任機関として、全ての理事及び全ての評議員から構成される「理事・評議員協議会」を編成し、理事に加えて評議員の選任も同機関にて一括して行うことは可能か。もし可能な場合、運営上何か留意すべき事項は想定されるか。 なお、上記の方法が可能である場合、理事・評議員協議会の構成員に全ての評議員が含まれることから、理事選任の際に必要な評議員会への意見聴取を省略することは可能か。
【令和５年１２月１２日追加】 Ａ４：ご提案の方法で理事及び評議員の選任を一括して行うことは可能であると考えます。運営上の留意点として、当該機関における実際の決議において、複数の評議員が欠席し、理事が過半数を占める状況の中で評議員が選任された場合には、理事又は理事会が選任する評議員が２分の１を超えているものとして改正後の法第６２条第５項第２号に違反する可能性がありますので、評議員が理事の数を超えている状況を担保して頂くことが望ましいものと考えます。 また、当該理事選任機関には評議員が全員含まれているとはいえ、評議員会とは異なる機関ですので、理事を選任する場合には、改めて評議員会の意見を聴く必要があるものと考えます。 |
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P84 |
Ｑ５：理事選任機関構成員の任期について、寄附行為作成例では「○年」と明記している。理事選任機関の構成員を「理事から○名、評議員から○名」等と規定した場合、当該構成員が理事、評議員を退任した後（理事、評議員としての資格を失った後）も、理事選任機関構成員の任期中であれば、理事選任機関の構成員として考えて良いか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ５：このケースの場合、理事、評議員としての資格を失った後、理事選任機関の構成員であり続けるかどうかは、各学校法人の判断となります。どちらの扱いになるのかを明確にするため、寄附行為等に明示しておくことが考えられます（例：「理事選任機関の構成員は、理事又は評議員を退任した場合であっても、理事選任機関の構成員にとしての地位は失わないものとする」）。 |
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P94 |
Ｑ９：理事長と当該学校法人の職員とは特別利害関係（当該者の使用人）にあたるのか。
【令和５年１２月１２日追加】 Ａ９：理事長個人が当該職員と直接雇用契約を締結しているわけではなく、当該職員が単に学校法人と雇用関係にあるだけであれば、「当該者の使用人」に該当せず、特別利害関係にはあたりません。 |
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P97 |
Ｑ５：理事の任期が一律ではない場合、理事の任期が評議員の任期を超えてはならないという要件はどのように判断されるのか。
【令和５年１２月１２日更新】 Ａ５：任期が最も短い評議員の任期が、任期が最も長い理事の任期以上となっている必要があります。 |
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P100 |
Ｑ４：理事に欠員を生じた場合の措置としての「なお理事としての権利義務を有する」には、「理事長、代表業務執行理事、業務執行理事」としての権利義務は含まれるか。
【令和５年１２月１２日追加】 Ａ４：ここでいう、理事としての権利義務とは、あくまでも理事としての権利義務にとどまり、「理事長、代表業務執行理事、業務執行理事」としての権利義務は含まないものと考えていますので、それらの者が任期満了又は辞任により退任した場合には、速やかに理事会を開催して後任者を選定すべきと考えます。 |
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P102 |
Ｑ３：理事に委任することができない事項のうち、「多額の借財」とあるが、この金額はどのように決まるのか。法人が自ら決めるのか、資産規模に応じて決まるものなのか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ３：「多額の借財」に該当するかどうかは、当該借財の額、学校法人の総資産及び経常収支差額等に占める割合、当該借財の目的、学校法人における従来の取り扱い等の事情を総合的に考慮して判断することになると考えます。 |
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P106 |
Ｑ３：理事長の選定について、理事が変更になった都度、選定を行う必要があるのか。又は理事長の任期を理事会で定めることになるのか。
【令和５年１２月１２日追加】 Ａ３：理事長以外の理事会のメンバーが変更になった場合には理事長を選定し直す必要はありませんが、理事長の理事としての任期が終了した場合には、当該理事が理事として再任された場合であっても、再度理事会において理事長の選定を行う必要があります。 理事長の任期を定めるかどうかは各学校法人の判断になりますが、定める場合には寄附行為において定めることになると考えます。なお、理事長の任期を定めた場合であっても、上記のとおり、理事長の理事としての任期が終了した場合には、理事長の任期が残っていたとしても、再度理事会において理事長の選定を行う必要があります。 |
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P107 |
Ｑ６：「代表業務執行理事」や「業務執行理事」とは何なのか。理事長以外に学校法人を代表する者を置かない場合には代表業務執行理事を置かない判断も可能なのか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ６：代表業務執行理事と業務執行理事は、理事長以外に学校法人の業務を行う理事のことであり、代表業務執行理事は、理事長以外に学校法人の代表権を有する理事になります。代表業務執行理事を置かないことも可能ですが、理事長に事故があるときに理事長以外の者が代表権を行使することができるようにするためには、代表業務執行理事を置くことができるようにしておく必要があります。 |
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P108 |
Ｑ８：代表業務執行理事の職を行う者として「常務理事」という名称を使用することは可能か。その場合、登記は必要か。【令和５年１２月１２日更新】 Ａ８：業務執行理事や代表業務執行理事を法人内で「副理事長」「常任理事」「専務理事」「常務理事」などと呼称することは可能ですが、あくまで法人内の呼称の整理になるため、寄附行為において、当該職が法律上のどの職に該当するかについて、明示する必要があります。なお、制度改正後は、理事長及び代表業務執行理事に該当する者については登記が必要となります。 |
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P109 |
Ｑ９：これまでと同様、理事長に事故があるとき又は理事長が欠けたときに備えて、理事長職務代行者を選任することは可能か。【令和５年１２月１２日更新】 Ａ９：本改正では、理事の職務から「理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う」旨の規定を削除するとともに、理事長は理事会において選定することとし、理事長又は代表業務執行理事のみが学校法人の代表権を有することとしました。そのため、理事長が欠けた場合には速やかに理事会を開催して理事長を選任する必要がありますが、理事長に事故があるときに、理事長の内部的な職務を行う者をあらかじめ定めておくことは可能であり、例えば以下のように規定することが考えられます（ただし、この規定により新たに代表権を付与することはできないため、代表権の行使については、寄附行為で定められた範囲内で代表業務執務行理事が行う必要があることに留意してください）。 「理事長に事故があるときは、あらかじめ理事会において定めた順位に従い、代表業務執行理事又は業務執行理事がその職務（理事長に事故があるときに当該職務を行う者が別に定められている職務を除く。）を行う。」 |
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P110 |
Ｑ１０：現在、副理事長と常任理事との役職を設けており、それぞれ制度改正後の代表業務執行理事と業務執行理事と同様の職務を行っている。これらの者が制度改正後も同様の職務を行うこととしたい場合、令和７年４月１日に理事会において代表業務執行理事と業務執行理事として選定し直す必要があるのか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ１０：現在の副理事長と常任理事が理事会において選定されており、それぞれの業務範囲も理事会で定められている場合には、令和７年４月１日に代表業務執行理事と業務執行理事として選定し直す必要が必ずしもあるわけではなく、令和７年４月１日から施行される寄附行為において「副理事長をもって私立学校法第３７条第３項の代表業務執行理事とする」などといった旨の規定を設けることで足ります（代表業務執行理事の代表権の範囲を寄附行為に定める必要があることにご留意下さい。）。 他方、副理事長と常任理事が常任理事会で選定されている場合や、その業務範囲を理事長が定めているような場合には、改正法施行後に、改めて、理事会において選定及び業務範囲の決定を行うことが望ましいと考えます。 |
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P112 |
Ｑ２：「毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上」とは、会計年度内でのみの制限であり、例えば５月と２月に実施することは可能か。
【令和５年１２月１２日追加】 Ａ２：可能です。 |
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P119 |
Ｑ１：第４３条第３項の「文部科学省令で定める署名又は記名押印に代わる措置」とは何か。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ１：いわゆる電子署名について文部科学省令で定める予定です。 |
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P132 |
Ｑ１：監事は理事会及び評議員会に出席義務があるが、理事選任機関が理事会や評議員会であった場合、これらの理事選任機関である理事会や評議員会が、その開催回の議題が理事選任だけの場合にも監事には出席義務が課せられるのか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ１：理事選任機関が理事会や評議員会である場合には、理事会・評議員会の職務として理事の選任を行うことになりますので、監事には出席義務があるものと考えています。 |
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P139 |
Ｑ２：評議員に含めなければならないものとして「当該学校法人の設置する私立学校を卒業した者で年齢２５年以上のもの」とあるが、ここでいう「当該学校法人の設置する私立学校」には、旧設置校（設置者変更や廃止等により現時点では設置していない学校）の卒業生を含めてもよいか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ２：卒業生を評議員に選任することとした趣旨は、学校法人が教育機関を設置する主体であることから、その教育を受けた者を経営に参画させることを通じて、その教育活動の成果を反映させようとしたところにあると考えられます。 そのような趣旨を踏まえた場合には、廃止された学校の卒業生は含まれると考えられますが、設置者変更によって既に別の学校法人が設置することとなった学校の卒業生は、設置者変更先の学校法人が設置する学校の卒業生と扱われ、設置者変更元の学校の卒業生には含まれないと解される可能性が高いものと考えます。 |
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P144 |
Ｑ３：評議員の任期が一律ではない場合、理事の任期が評議員の任期を超えてはならないという要件はどのように判断されるのか。【令和５年１２月１２日更新】 Ａ３：任期が最も短い評議員の任期が、任期が最も長い理事の任期以上となっている必要があります。 |
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P195 |
Ｑ３：資格・構成に関する要件を満たさない者の経過措置として、「令和７年６月頃の定時評議員会終結のときまでに選解任する」旨が示されているが、計算書類の作成期限が、会計年度終了後３か月となるのは、令和７年度からであり、令和６年度の決算書類の作成期限は、従来どおり令和７年５月末までとなっている。 この場合、令和７年４月以降最初に開催される５月末の評議員会を臨時評議員会と位置づけ、同年６月に開催する評議員会を、定時評議員会と位置づけることを寄附行為で定めてもよいか。【令和５年１２月１２日更新】 Ａ３：ご指摘のとおり、令和７年度については決算の仕組みが従来どおりとなるため、御質問のような対応をされることについては問題ありません。 一方で、定時評議員会を令和７年６月に開催する場合、決算報告のためだけに、令和７年５月に旧法に基づく評議員会を開催することが、法人によっては負担となる可能性が考えられます。 このため、令和６年度の計算書類については、令和７年５月中に理事会の承認を受け、５月中に評議員に郵送やメール等の方法で報告すれば、正式な評議員会への報告、意見聴取は、６月に開催する定時評議員会において行うことも可能とします。 |
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P197 |
Ｑ５：計算書類等の理事会承認期限が毎会計年度終了後３ヶ月以内となったが、法人税、消費税の納付期限が５月末となっている。６月に理事会を開催するのでは計算書類等の確定が納付に間に合わない問題が発生する。この点についてどのように考えればよいか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ５：確定申告期限に関して、法人税については「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請」を、消費税については「消費税申告期限延長届出手続」を行うことで、申告期限を延長することができます（法人税の最大延長期間：２か月、消費税の最大延長期間：１か月）。 上記申告延長した場合でも納付期限は延長できませんが、予納（見込納付）の申出を行うことで納付期限までに作成された計算書類案等を元に、理事会承認を待たずに見込みの納付をしていただき、確定申告時に納税額を調整していただくことは可能です。制度や手続き等の詳細は国税庁ホームページまたは最寄りの税務署へお問い合わせください。 なお、改正後の私学法では、計算書類等の理事会承認期限について会計年度終了後３か月「以内」との期限を設けているのみですので、�＿�正私学法における監査の対応スケジュールなどを踏まえ、学校法人の判断により５月末までに理事会承認をしていただき、これまで通り５月末までに申告、納付いただくこと、�⊂綉�のとおり予納や申告延長のご対応をいただくことは可能です。 |
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P198 |
Ｑ６：組合等登記令第３条第３項において「資産の総額の変更の登記は、毎事業年度末日現在により、当該末日から三月以内」となっていることと関連して、現行私学法第４６条「毎会計年度終了後２月以内に、決算及び事業の実績を評議員会に報告」することから、改正私学法第１０３条第２項においては「毎会計年度終了後３月以内に計算書類等を作成」と改められたため、６月末までに資産の総額の変更登記をおこなえるよう、定時評議員会の日程を定める、という理解でよろしいか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ６：法人として前年度末資産総額を示す財産目録を作成するのは理事会であり（財産目録の「作成」は、理事会承認を持って完了）、評議員会には報告となります（理事会議決→評議員会報告）。 法的な公示力等を生じさせるという登記の性質を踏まえると、財産目録の備え置き・閲覧が開始されるタイミングと合わせ、評議員会報告が終了してからの登記とすることが望ましいと考えます。 |
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P203 |
Ｑ１：改正私学法第１０３条第４項では、計算書類等の１０年間の「保存」義務について定められている一方、同第１０６条第１項では、計算書類等の（定時評議員会の日の１週間前の日から）５年間の「備置き」義務が定められている。この「保存」と「備置き」の違いをご教示いただきたい。また、同第１０３条第３項では、計算書類等を電磁的記録をもって作成できるとされていますが、「保存」と「備置き」も電磁的に行う、又はインターネット上で公表することで差し支えないか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ１：「保存」は倉庫等で単に保管しておくこと、「備置き」は主たる事務所等において利害関係者等の請求があれば容易に閲覧させ又は謄本等を交付することができる状態で保管することを意味します。 計算書類等を電磁的記録をもって作成している場合、原本の「保存」「備置き」も電磁的に行うことができると解されますが、インターネット上で公表することをもって「保存」「備置き」に代えることはできません。 |
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P205 |
Ｑ１：報酬等の支給の基準について、内容に変更が無い場合であっても、毎会計年度毎に作成しなければならないのか。
【令和５年１２月１２日更新】 Ａ１：内容に変更がない場合には、理事会において報酬基準の内容を確認した旨と確認した日付を記載した書類を作成・公表すれば足りるものと考えます。なお、その際の記載箇所や記載ぶりの詳細については、各学校法人のご判断で決定いただくものと考えています。 |
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P228 |
Ｑ６：令和６年度中に３年の任期で監事を常勤として選任した場合、令和７年４月１日時点で新たな寄附行為に定められた方法で再度常勤として選定し直す必要はあるか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ６：改正法施行前に監事を常勤として選任していた場合、改正法における「常勤」と同様の態勢で職務に従事しており、選定方法も改正法施行後の寄附行為に定める方法と同じ方法で行われている場合には、再度常勤監事として選定し直す必要はないものと考えます。ただし、改正法における「常勤」とは異なる態勢で職務に従事している者を単に「常勤監事」と呼称していた場合や、当該常勤監事の選定方法が改正法施行後の寄附行為に定める方法と異なる方法で行われていた場合には、再度常勤監事として選定し直す必要があるものと考えます（なお、常勤監事の設置義務は令和７年度の定時評議員会の終結の時から発生しますので、令和７年４月１日時点で選定する必要は必ずしもありません）。 |
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P254 |
Ｑ４：現行法下で在任している職指定（充て職）の理事は、令和７年度に開催される定時評議員会の終結をもって、何ら手続きを要せず、任期終了ということでよいか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ４：寄附行為の定め方にもよりますが、法律上は、職指定（充て職）の理事であっても、令和７年度に開催される定時評議員会の終結の時に当然に理事を退任することになるわけではなく、これらの者のうち理事の資格及び構成の要件を満たす者の任期は、従来の任期又は令和９年度の定時評議員会の終結の時のいずれか早い時までになります。 |
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P263 |
Ｑ７：改正法施行前に選任する理事・監事・評議員について、現在の寄附行為に基づき任期を付すと、任期の終期が令和９年度に開催される定時評議会の終結の時を超えてしまう場合であっても、任期満了日は令和９年度に開催される定時評議員会の終結の時までではなく現在の寄附行為に基づく任期の満了日とすべきか。その場合、令和９年度に開催される定時評議会の終結の時に解任又は自主的に退任いただくという理解でよいか。
【令和５年１２月１２日追加】 Ａ７：御質問のとおり、現在の寄附行為に基づく任期満了日としていただくことになります。また、改正法が施行されることにより、これらの者の任期は自動的に令和９年度に開催される定時評議会の終結の時までに短縮されることになりますので、解任や自主的な退任ではなく、任期満了での退任という整理となります。なお、以上のことについては、選任の際にお伝えし理解を得ておいていただくことが望ましいと考えます。 |
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P264 |
Ｑ９：改正法施行の際に在任している役員・評議員については、理事選任機関の概念がないと考えるが、解任する権限を有する主体はどこになるのか。【令和５年１２月１２日更新】 Ａ９：改正法施行の際に在任している理事・評議員の解任権者は、寄附行為変更の際の附則で定めることが考えられます。また、監事の解任権者は評議員会となります。 |
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P264 |
Ｑ１０：制度改正前に付されていた理事長の任期について、制度改正後はどのように扱ったらよいか。理事長の任期は継続するのか。【令和５年１２月１２日追加】 Ａ１０：理事長の任期については、改正後の私学法では特に規定が設けられておらず、どのように扱うかは各学校法人の判断になります。制度改正前に付されていた理事長の任期を制度改正後も継続することも可能です（ただし、理事長である理事の理事としての任期が終了した場合には、その時点で理事長としても退任することになることにご留意ください）。 |
今日は、ここまでです。
2023年12月18日
【改正私学法】理事の構成（特別利害関係理事）
今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事の構成（特別利害関係理事）
現在の当法人の理事は下記のとおりですが、改正私学法が施行されると同じ現状の理事構成は、法律違反になってしまうと聞きました。どう言うことですか？
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理事名 |
備考 |
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Ａ理事長 |
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Ｂ理事 |
Ａ理事長の息子 |
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Ｃ理事 |
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Ｄ理事 |
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Ｅ理事 |
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＜Ａ＞
改正私学法では、理事の特別利害関係は、改正私学法37条第7項で、理事総数の３分の１までとなっています。理事が5人の場合は、１／３は約１．７人となり２人の特別理解関係理事は認められません。１名までです、
特別利害関係とは、新しい概念です。説明は、改正私学法36条�Δ如崙段麺�害関係（一方の者が他方の者の配偶者又は三親等以内の親族である関係その他特別な利害関係として文部科学省令で定めるものをいう。）」とあります。
もし学校法人でＡさんとＢさんが理事を続けるためには、理事を１名増やして６名にしなくてはなりません。そこで、1名辞任する。又は理事を６名に増やす。そうすると６名の１／３は２名なので、Ａさん、Ｂさんとも理事として残ることができます。
おまけに理事の構成チェックリストをつけておきます。
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（１）監事、評議員との兼職禁止（31条��） |
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（２）設置する学校の校長を含むこと（31条�ぃ厩罅� |
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（３）外部理事を含むこと（31��2号）（大臣所轄学校法人は２人以上（146� 法� |
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（４）他の２人以上の理事、１人以上の監事又は２人（経過措置期間中は３人）以上の評議員と特別利害関係を有していないこと（31条�Α� |
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（５）他の理事と特別利害関係を有する理事の数は、理事の総数の１／３を超えていないこと（31条�А謀� |
参考：私立学校法の改正について（2023.8.1版）p26
今日は、ここまでです。
2023年12月15日
【ﾆｭｰｽ】「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」第7回・第８回配布資料公開される
こんにちは！今日は、ニュースです。
昨日、「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」の第７回（令和5年11月21日開催）と第８回（令和5年11月30日開催）の配布資料が公表されました。
そして、追加の日程で第９回（令和5年12月20日 全体まとめ�◆砲�行われるようです。
【審議会情報】
学校法人会計基準の在り方に関する検討会(令和5年度)(第7回) 配布資料
学校法人会計基準の在り方に関する検討会(令和5年度)(第8回) 配布資料
学校法人会計基準の在り方に関する検討会 スケジュール（案）
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回 |
日時 |
議題 |
開催 |
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第1回 |
6月8日 (木) 13:30〜15:30 |
1.座長の選出 2.学校法人会計基準の改正の方向性等について 3.財務情報に関する基本的な考え方について 4.その他 |
済 |
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第2回 |
6月27日(火) 15:00〜17:00 |
1.前回の議論について 2.計算書類の体系について 3.セグメント情報の在り方について 4.その他 |
済 |
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第3回 |
7月14日(金) 10:00〜12:00 |
1.セグメント情報の在り方について 2.附属明細書の内容について 3.その他 |
済 |
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第4回 |
8月29日(火) 14:00〜16:00 |
1.附属明細書の内容について 2.注記事項の充実について 3.その他 |
済 |
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第5回 |
9月26日(火) 14:00〜17:00 |
1.前回までの継続協議事項について(セグメント情報の在り方、附属明細書) 2.財産目録の内容について 3.会計基準の特例について 4.その他 |
済 |
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第6回 |
10月20日(金) 14:00〜17:00 |
1.前回までの継続協議事項について(セグメント情報の在り方、附属明細書) 2.財産目録の内容について 3.会計基準の特例について 4.私学法監査の範囲について 5.助成法に基づく書類提出・監査の範囲について 6.その他 |
済 |
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第7回 |
11月21日(火) 14:00〜17:00 |
1.会計基準の特例について 2.私学法監査の範囲について 3.助成法に基づく書類提出・監査の範囲について 4.注記事項について（子法人注記） 5.セグメント情報の検討まとめ・配分基準の検討スケジュールについて 6.全体のまとめ 7.その他 |
済 |
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第8回 |
11月30日(木) 14:00〜1630 |
1.セグメント情報の検討まとめ・配分基準の検討スケジュールについて 2.注記事項について （子法人注記 3.全体のまとめ 4.私学法監査の範囲について 5.助成法に基づく書類提出・監査の範囲について 6.その他 |
済 |
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第9回 |
12月20日 |
全体まとめ�◆�←追加の検討会 |
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さて、今回、大切そうなのは第8回配布資料です。
●学校法人会計基準については、↓
「資料3 「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」報告書（案） (PDF:1.2MB) PDF」です。
事務局がパッと見た印象としては、私立学校法の新学校法人会計基準（改正私学法101条）は「ステークホルダーへの情報開示が目的」なのですが、今回の会計基準（案）は、良い悪いは別にして各団体の希望が考慮されすぎていて「気づかいだらけの会計基準（案）」の感じになっています。ステークホルダーへの情報公開の財務資料としては、特に前進はないように感じます。教育の現場では「スティーデント・ファースト」という教育への熱意をよく聞くのですが、会計基準（案）に関しては、スティーデント・ファーストになっている感じを受けません。
●会計監査については、↓
「資料4 改正私立学校法等に基づく私立学校法監査の範囲、私立学校振興助成法監査の範囲及び提出資料（修正案）
(PDF:524KB)」
今日は、ここまでです。
2023年12月13日
大学にいる学校保健師とは？
こんにちは！今日は、ある大学の学校評価の会合で出た話題からです。
＜Ｑ＞大学にいる学校保健師とは？
大学の保健室のいる学校保健師は、養護教諭とどう違うのですか？
＜Ａ＞
小学校、中学校、高校の保健室には「養護教諭」がいますが、養護教諭は直接授業を持ちませんが教員です。学校教育法に出てきます（学教法37条など）。
他方で大学・短大・専門学校の保健室にいる学校保健師は、看護師さんで必ずしも教員資格を持っていません。学校保健師になるには、国家資格である「看護師免許」と「保健師免許」の両方が必要です。学校保健師は、法律上の名称ではありません。
小学校、中学校、高校の養護教諭は、「保健室の先生」ですが、学校保健師さんの場合は、先生と言うよりも「保健室の看護師さん」です。
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養護教諭 |
学校保健師 |
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イメージ |
保健室の先生 |
保健室の看護師 |
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必要な資格 |
養護教諭一種免許・二種免許 |
看護師免許＋保健師免許 |
＜発展＞
学校教育法には、養護教諭の設置義務が出てきます。ちょっと無理して図表化しました。
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学教法の原則 |
認容等 |
公立学校の必置義務 |
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幼稚園 |
置くことができる（27条） |
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小学校 |
置かなければならない（37条） |
当分の間諭を置かないことができる（学教法附則7条） |
公立学校では必置（義務教育学校標準・高校標準法） |
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中学校 |
置かなければならない（49条で37条準用）。 |
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高校 |
置くことができる。（60条） |
置くよう努めなければならない（高校設置基準） |
今日は、ここまでです。
2023年12月11日
大学のＴＡとは？
今日は、大学の学校評価の会合での話題からです。
＜Ｑ＞大学のＴＡとは？
大学のＴＡについて教えてください。
＜Ａ＞
大学のＴＡとは、Teaching Assistantの略称で、ティーチングアシスタントです。大学では略称のＴＡと呼ぶことが多いように思います。もし直訳すれば教育補助者でしょうか。授業の補佐役です。
文科省の説明では、「ティーチング・アシスタント（ＴＡ）は、優秀な大学院学生に対し、教育的配慮の下に、学部学生等に対するチュータリング（助言）や実験、演習等の教育補助業務を行わせ、大学教育の充実と大学院学生のトレーニングの機会提供を図るとともに、これに対する手当ての支給により、大学院学生の処遇の改善の一助とすることを目的とした制度。」とあります。 ティーチング・アシスタント（TA）について
そうは言っても、個人的な感想ですが、ＴＡの時給は２０００円以下が多く割と安いように感じます。
もう一つ大学事典を見ておきます。
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大学事典p659 ティーチング･アシスタント Teaching
Assistant：TA 教育補助業務を行うし大学院学生｡TAと略される。ＴＡ制度の目的は、教育的配慮の下に優秀な大学院学生に対し、学生に対する助言や実験･演習等の教育補助業務を行わせ、大学教育の充実と大学院学生の訓練の機会提供を図るとともに、これに対する手当ての支給により、大学院学生の処遇改善の一助とすることである。 1968年(昭和43)に国際基督教大学において大学院博士課程在籍者が非常勤助手として採用されたことが、日本の大学における初期のTA制度とされている。1992年(平成4）からは文部省によってTA経費が計上され、多くの大学においてTA制度が普及することになった。1998年には北海道大学がTAを対象とした研修を開始し、TAを対象としたハンドブックも作成した。アメリカ合衆国の大学のTA制度が起源とされているが、アメリカのTAは単独で授業を担当するなど、日本のTA制度とは異なる点もある。なお、教育補助業務を行う学部学生はSA(スチューデント･アシスタント)と呼ばれる。 中井俊樹 |
今日は、ここまでです。
2023年12月08日
ジャーナルとは何か？
こんにちは！今日は、ある大学の学校評価で出てきたワードです。
＜Ｑ＞ジャーナルとは何か？
ジャーナルとはなんですか？
＜Ａ＞
ジャーナル（Journal）とは、主として研究者の執筆した論文を掲載する学術雑誌のことです。学術ジャーナル、学術誌とも言われてます。ジャーナルには、学問分野や専門領域に応じて多くの種類があります。ジャーナルに投稿される論文は、査読と呼ばれる過程でその分野の専門家によって評価されます。査読によって、論文の水準や研究の価値が判断され、ジャーナルに掲載されるかどうかが決まります。ジャーナルに掲載された論文は、研究者の業績として認められ、その分野の知識の発展に寄与します。一般書店に置かれることはあまりない。
学術雑誌には、様々な分野のものがあります。例えば、生命科学系で有名なものとしては、Nature、Science、 Cellという3大誌があります。物理学の専門誌としては、フィジカル・レビューが最も権威があるとされています。また、日本においては、J-STAGEが日本の学術ジャーナルを発信するオンラインプラットフォームとして提供されています。
ジャーナルは、紙媒体と電子媒体の両方で提供されることが多いです。ただし、近年はインターネットの普及に伴い、電子媒体での提供が増えており、多くのジャーナルがオンラインで閲覧可能になっています。電子媒体での提供には、論文の検索や閲覧が容易になるという利点があります。
ジャーナルを読むには、いくつかの方法があります。だいたいの区分けです。きちんとした区分けではありません。
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大学図書館には、多くのジャーナルが所蔵されています。図書館に足を運び、紙媒体のジャーナルを閲覧することができます。また、図書館が提供する電子ジャーナルサービスを利用して、オンラインでジャーナルを閲覧することもできます。 |
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➁オンラインデータベース |
多くのジャーナルは、オンラインデータベースを通じて提供されています。学術機関や研究機関に所属している場合は、所属機関が契約しているデータベースを利用して、オンラインでジャーナルを閲覧することができます。例えば、学術雑誌を提供するオンラインデータベースとして、ＣｉＮｉｉやＪ−ＳＴＡＧＥはここに入る。 |
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➂出版社のウェブサイト |
多くの出版社は、自社のウェブサイト上でジャーナルを提供しています。出版社のウェブサイトにアクセスし、購読料を支払うことで、オンラインでジャーナルを閲覧することができます。例えば、エルゼビア（出版社）のサイトで、ネイチャーやサイエンスを読む。 |
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�ぅ�ープンアクセスジャーナル |
近年、オープンアクセスジャーナルが増えています。オープンアクセスジャーナルは、誰でも無料で閲覧することができるジャーナルです。オープンアクセスジャーナルのウェブサイトにアクセスし、オンラインでジャーナルを閲覧することができます。Ｊ−ＳＴＡＧＥはここにも入る。 |
今日は、ここまでです。
2023年12月06日
少額重要資産と通常の有形固定資産の相違
今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞少額重要資産と通常の有形固定資産の相違
学校法人会計で、少額重要資産と通常の有形固定資産の違いがわかりません。相違を教えてください。
＜Ａ＞
まず、少額重要資産とは、学校法人の性質上基本的に重要な資産であるかどうか、第二に常時相当多額(多量)に保有することが目的遂行上必要とされる資産であるかどうかを基準として判断されます。少額重要資産の例としては、机、椅子、書架、ロッカーなどが挙げられます。（参考：「基本金設定の対象となる資産及び基本金の組入れについて（報告)」について（通知）昭49.2.14文管振第62号）
ですから固定資産計上基準が１０万円の学校の場合、生徒用の椅子3脚（単価2万円）を購入した場合に消耗品費6万円にしないで少額重要資産として教育研究用機器備品6万円を資産計上します。
このように、少額重要資産と通常の有形固定資産の違いは、少額重要資産は、学校運営上必須の資産であり、取得価額の単価が一定以下である場合に該当します。
今日は、ここまでです。
2023年12月04日
【改正私学法】令和6年度の決算書の作成期限はいつまで？？
こんにちは！今、各学校で改正私学法対応の話題が盛んに行われています。そこで学校で話題になっているテーマや注意点を思いつくまま拾っています。今日は、大学法人の総務の方からのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】令和6年度の決算書の作成期限はいつまで？？
令和7年4月施行に改正私学法では、決算書の作成期限は6月末までとなるそうですが、そうすると令和6年度の決算書の作成期限は令和7年6月末で良いのですよね？
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改正私学法 （計算書類等の作成及び保存） 第103条 学校法人は、文部科学省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 ２ 学校法人は、毎会計年度終了後３月以内に、文部科学省令で定めるところにより、各会計年度に係る計算書類等を作成しなければならない。 ３ 計算書類等は、電磁的記録をもつて作成することができる。 ４ 学校法人は、計算書類を作成した時から10年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 |
＜Ａ＞
令和6年度の決算書の作成期限は、従来の2月ルールのままで作成期限は令和7年5月末です。次の令和7年度の決算書の作成期限から3ヶ月ルールが適用され作成期限が令和8年6月末となります（改正法附則第４条第１項）。※附則（令和5年5月8日法律第21号）
文科省さんの説明では、決算書の作成期限を延ばしたのは「会計監査人による会計監査は、理事会承認前の計算書類及び財産目録について行うことを予定していることから、当該監査期間を確保するため、書類の作成期限（理事会承認の期限）を現行より１か月延長する」と説明しています。令和6年度は、まだ会計監査人制度が始まっていません。ですから令和6年度の決算書の作成期限は、従来どおりの5月末となったのでしょう。
※まとめ：決算書の作成期限
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決算年度 |
作成期限 |
つまり最終期限 |
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令和６年度決算 |
５月末まで （２ヶ月ルール） |
令和７年５月末日 |
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令和７年度決算 |
６月末まで （３ヶ月ルール） |
令和８年６月末日 |
今日は、ここまでです。
2023年12月01日
大学の健康診断
今日は、大学の学校評価の会合での話題からです。
＜Ｑ＞大学の健康診断
大学では、学生の健康診断は必須なのですか？
＜Ａ＞
大学生でも学校保健安全法13条で健康診断を受けることになっています。加えて学則などの細則規程で健康診断を定めている学校もあります
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（児童生徒等の健康診断） 第13条 学校においては、毎学年定期に、児童生徒等（通信による教育を受ける学生を除く。）の健康診断を行わなければならない。 ２ 学校においては、必要があるときは、臨時に、児童生徒等の健康診断を行うものとする。 |
ここで「児童生徒等」は、2条➁で「２ この法律において「児童生徒等」とは、学校に在学する幼児、児童、生徒又は学生をいう。」とあるので大学生が含まれます。ただ、学生が健康診断を受診しない場合の罰則規定は見当たりません。
大学の健康診断については社会人学生が会社で既に健康診断を受けていたら等の疑問がわいてきます。大学の健康診断については、下記のサイトが上手にまとめていたので、参考にしてください。
今日は、ここまでです。
2023年11月29日
自動販売機の設置料収入の表示
こんにちは！今日は、ある高校法人の経理の方からのご質問です。
＜Ｑ＞自動販売機の設置料収入の表示
当高校では、自動販売機を設置して業者より場所代を年６万円受け取っています。この６万円は、「（大科目）雑収入（小科目）その他の雑収入」で良いでしょうか？
＜Ａ＞
自動販売機を設置して業者より場所代として受け取る年６万円は、（大科目）雑収入（小科目）施設設備利用料（収入）になるでしょう。
施設利用料収入の定義は、学校法人会計基準にはありません。ただ、常識的に考えると学校が所有している物を貸し出したり、学校が借りている物件を貸し出した場合に施設設備利用料を使います。グラウンドの貸出、空き教室の貸出、他にも自動販売機の設置の場所代も通常は、施設設備利用料収入を使っています。
今日は、ここまでです。
2023年11月27日
【改正私学法】大臣所轄学校法人等とは？
こんにちは！今、各学校で改正私学法対応の話題が盛んに行われています。そこで学校で話題になっているテーマや注意点を思いつくまま拾っています。今日は、高校法人の経理の方からのご質問です。
＜Ｑ＞大臣所轄学校法人等とは？
改正私学法の大臣所轄学校法人等がよくわかりません？
＜Ａ＞
やはり原文。改正私学法をみてみます。
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（大臣所轄学校法人等の定義） 第143条
この章において「大臣所轄学校法人等」とは、文部科学大臣が所轄庁である学校法人及びそれ以外の学校法人でその事業の規模又は事業を行う区域が政令で定める基準に該当するものをいう。 |
これを図解にすると、大臣所轄学校法人には２つがあります。
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大臣所轄学校法人等 |
Ａ 文部科学大臣が所轄庁である学校法人 |
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Ｂ それ以外の学校法人で、事業の規模又は事業を行う区域が政令で定める基準
に該当するもの |
Ｂの基準は、「改正私立学校法について」（2023.8.1更新）p21によると、知事所轄学校法人で、大臣所轄学校法人と同等の扱いとする基準については、以下（１）かつ（２）を満たすこととする予定
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両方を満たす |
（１）収入（※１）10億円又は負債20億円以上 ※１ 事業活動及び収益事業による経常的な収入の額（計算方法は施行規則で定める予定） |
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（２）３以上の都道府県において学校教育活動を行っていること（※２） ※２ 例えば、３以上の都道府県に学校を設置している、広域通信制高等学校を設置している等 |
ただし、注意点はもう一つあり、Ｂ法人の所轄庁はあくまでも都道府県知事になります。それでは、今日のまとめです。
※今日のまとめ
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新用語 |
意味 |
所轄庁 |
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大臣所轄学校法人等 |
Ａ大臣所轄学校法人 |
文科大臣 |
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Ｂ一定規模の知事所轄学校法人 |
都道府県知事 |
今日は、ここまでです。
2023年11月24日
最近の学校法人委員会について
こんにちは！今日は、ある大学でのご質問です。
＜Ｑ＞最近の学校法人委員会について
最近の会計士協会の学校法人委員会の活動は、何をやっているのですか？
＜Ａ＞
日本公認会計士協会が学校法人委員会に諮問している事項は、公表分で次の４つですが、他にも新・学校法人会計基準（改正私学法101条）対応を急ピッチで進めているはずです。何と言っても「あり方検討会」（学校法人会計基準の在り方に関する検討会）の最終回が今月の30日の予定ですから。
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1
．令和5年の私立学校法等の改正を踏まえ、学校法人における私立学校法監査に関する実務指針を検討されたい。 |
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2．令和5年の私立学校法等の改正を踏まえ､学校法人又は施設型給付に移行した幼稚園等における私立学校振興助成法監査に関する実務指針等の見直しを検討されたい。 |
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3．学校法人又は施設型給付に移行した幼稚園等での会計及び監査に閨する実務指針等について、令和5年の私立学校法等の改正及び学校法人会計基準の見直しを踏まえた廃止、適合修正等を検討されたい。 |
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4．都道府県知事所轄学校法人の監査に係る諸問題のうち都道府県共通の課題について検討されたい。 |
（出典：会計監査ジャーナル2023.12 p112）
今日は、ここまでです。
2023年11月22日
【ﾆｭｰｽ】「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」第６回配布資料公開される
こんにちは！今日は、ニュースです。
昨日、「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」の第６回（10月20日開催）配布資料が公表されました。昨日は、第7回在り方検討会の開催日でもありました。今月末の11月30日は、もう最終回の第8回在り方検討会です。
【審議会情報】
・学校法人会計基準の在り方に関する検討会(令和5年度)(第6回) 配布資料
学校法人会計基準の在り方に関する検討会 スケジュール（案）
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回 |
日時 |
議題 |
開催 |
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第1回 |
6月8日 (木) 13:30〜15:30 |
1.座長の選出 2.学校法人会計基準の改正の方向性等について 3.財務情報に関する基本的な考え方について 4.その他 |
済 |
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第2回 |
6月27日(火) 15:00〜17:00 |
1.前回の議論について 2.計算書類の体系について 3.セグメント情報の在り方について 4.その他 |
済 |
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第3回 |
7月14日(金) 10:00〜12:00 |
1.セグメント情報の在り方について 2.附属明細書の内容について 3.その他 |
済 |
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第4回 |
8月29日(火) 14:00〜16:00 |
1.附属明細書の内容について 2.注記事項の充実について 3.その他 |
済 |
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第5回 |
9月26日(火) 14:00〜16:00 |
1.前回までの継続協議事項について(セグメント情報の在り方、附属明細書) 2.財産目録の内容について 3.会計基準の特例について 4.その他 |
済 |
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第6回 |
10月20日(金) 14:00〜16:00 |
1.前回までの継続協議事項について(セグメント情報の在り方、附属明細書) 2.財産目録の内容について 3.会計基準の特例について 4.私学法監査の範囲について 5.助成法に基づく書類提出・監査の範囲について 6.その他 |
済 |
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第7回 |
11月21日(火) 14:00〜16:00 |
・全体のまとめ➁ |
済 |
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第8回 |
11月30日(木) 14:00〜16:00 |
・予備日 |
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今日は、ここまでです。
2023年11月21日
【改正私学法関係】文科版・寄附行為作成例の一部改正
こんにちは！今日は、ニュースです。文科省の寄附作成例の一部改正版が公開されました。ただ、広場の事務局では修正箇所がどこか追いついていません。
・寄附行為作成例（文部科学大臣所轄学校法人向け）（令和5年11月16日大学設置・学校法人審議会（学校法人分科会）決定） (PDF:423KB) PDF
・寄附行為作成例（都道府県知事所轄学校法人向け）（令和5年11月16日版） (PDF:414KB) PDF
今日は、ここまでです。
2023年11月20日
【改正私学法】会計監査人の選任方法
こんにちは！今、各学校で改正私学法対応の話題が盛んに行われています。そこで学校で話題になっているテーマや注意点を思いつくまま拾っています。今日は、大学法人の経理の方からのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】会計監査人に選任方法
令和7年4月施行に改正私学法では、大学法人では会計監査人を置くことが必要になりますが、選任手続きはどのようなイメージになりますか？
＜Ａ＞
大学法人では現在私立学校振興助成法監査を依頼している公認会計士や監査法人を会計監査人にする場合も、改めて評議員会決議による選任手続きを行います。
具体的に会計監査人の選任手続きを端的に言うと、「監事が議案決定」→「理事が議案提出」→「評議員会が決議」の順で行われます。
特に会計監査人や監事の選任は、最終的に評議員会が単独で議決できる事項になっている点が特徴的です。
＜少し説明＞
１．会計監査人の選任方法
会計監査人の最終的な選任は、評議員会の決議で行います（改正私学法80条��)。
評議員会には、理事会が決定した議案を理事が提出するのですが（法70条�↓�)、理事が提出する会計監査人の選任議案の内容は、監事の過半数の合意によって決定することになりました（法84条�´�)。
既に、ほとんどの大学法人では私立学校振興助成法の公認会計士等の監査を受けていますが、この会計士さんが、そのまま改正私学法の会計監査人となるわけではありません。私学法の手続きでは、評議員会によって会計監査人に選任される必要があります。
・会計監査人は､公認会計士又は監査法人でなければならない。
・欠格事由が､私学法と公認会計士法に定められている。
２．会計監査人の任期
評議員会で選任された会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する会計年度に関する定時評議員会の終結時までとなっています（法82条��)。そして、選任評議員会において、再任しない旨の決議がなされない限り、会計監査人は次の年度もそのまま学校法人側の会計監査人候補に再任されます（法82条��)。つまり学校側から見ると会計監査人の候補者決定は、ちょっと自動更新的とも見える面があります。実務は、このあと毎年、学校法人と会計監査人側の監査契約の協議となってきます。
今日は、ここまでです。
2023年11月17日
【改正私学法】東京都版の寄附行為作成例
こんにちは！今日は、知事所轄学校法人向けのニュースです。
東京都では、2023年10月31日に所管する学校法人と準学校法人の理事長宛に「私立学校法改正・寄附行為作成にかかる説明会の実施並びに東京都知事所轄学校法人向けの寄附行為作成例（暫定版）及び解説資料の送付について（通知）」を発出しました。
都が所轄する学校法人向けにはYoutubeの限定動画説明があるのですが（全部で2時間弱）、一般向けには下記の２つの資料がインターネットで公開されました。ここでは一般向け資料の紹介です。
(2)資料2：「私立学校法改正・寄附行為作成にかかる説明会」解説資料 PDF
都が暫定版と言っているのは、今後文部科学省等による政省令交付・告示等の後、確定版を掲載すると言うことです。何だか親切です。
さてまだ、資料を精読して読み込めていないのですがパットと見で気になって点を４つだけメモしておきます。
１．
理事の人事権（第８条 理事の選任）
今回の改正私学法の一番の重要テーマの理事は誰が決めるかという理事選任機関の記載部分です。理事の人事権と言うか実質的に学校法人の経営権の決定の部分です。改正私学法では、理事選任機関で理事を決定しますが、理事選任機関の例の一番初めに「例１：理事会を理事選任機関とする場合」が紹介されています。文科省の寄附行為作成例では見られなかった記述です。文科省版は、一番目が評議員会でした。東京都さんは実情を考慮した記載例に感じます。
あとは、会計よりの話を３つです。
２．「予算及び事業計画の作成又は変更」の決議（20条��2号）
文科省の寄附行為作例と同じく「予算及び事業計画の作成又は変更」は理事会の２／３以上と特別決議の要件を必要としながら、東京都も「【備考】・第２号から第６号に規定する事項を特別決議としないことも可能。」としています。この予算理事会の決議は、迅速確実な学校運営のために普通決議の１／２にしたいものです。
３．
都への決算書の提出期限
（監事の職務）第29条の備考欄に『【備考】「毎会計年度終了後３月以内」とありますが、東京都への決算書類提出については、内容に大きな変更がないため、現行同様の６月上旬を提出期限とする予定です。』とあります。知事所轄学校法人（大臣所轄学校法人等を除く）では、会計監査人を設置しないこと及び円滑な補助金の執行行政のために決算書の提出をほぼ従来どおりとしたのでしょう。筋の通った行政指導です。
また、関連して定時評議員会の開催について、「（開催）40条」の【備考】欄では『【備考】・「毎会計年度終了後３月以内」とありますが、都への決算書類の早期提出にご協力いただきたく、できるだけ６月上旬を目途とした定時評議員会開催をお願いいたします。』としています。
４．ネットでの決算書公開が文科版より少し後退？ ※（公告の方法）第 69 条
文科省版の寄附行為作成例では計算書類はインターネット公開しなければならないとしていますが（76条）、東京都版では公開する計算書類などに（ ）がついています。つまり、計算書類のネット公開を強制していません。ここは良し悪しは別にして文科版よりもネットによる計算書類の公開については少し後退した感じです。
もっとも文科版の寄附行為作成例でも東京都版の寄附行為作成例でも前文で「（注）この作成例は、一般的な例であるから学校法人のそれぞれの特殊事情を考慮して、画一的に取り扱うことのないように留意するものとする。」として各学校法人の自主性を重んじていますので、文科版のように寄附行為を定めても特に問題がありません。
今日は、ここまでです。
2023年11月15日
制服の販売手数料の表示
今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞制服の販売手数料の表示
高校では、新入生は制服を最寄りの指定百貨店で購入します。後日、この百貨店から売上の一定パーセントが販売手数料として学校に入金されます。この販売手数料の表示は、雑収入で良いでしょうか？
＜Ａ＞
制服の販売手数料収入は、学校会計では補助活動収入に計上することになっています（実務指針22号）。雑収入ではありません。
＜少し説明＞
学校が生徒のために経営する食堂や売店や寮、スクールバス、制服の販売など教育に付随する活動を付随事業と言っています。そして学校がこれらの事業での売上や業者から販売手数料をもらう場合、表示科目は補助活動収入に計上することになっています。
※
|
補助活動事業に関する会計処理及び表示並びに需杳上の取扱いについて（学校法人委員会実務指針第22号） ‥‥‥ 1
．会計処理及び表示 ‥‥ (1)総額表示 総額表示による場合は、例えば、売上高、販売手数料等は「（大科目）付随事業収入・収益事業収入−（小科目）補助活動収入」として、受取利息は「受取利息・配当金収入」として表示するものとする。 |
今日は、ここまでです。
