2024年08月21日
【改正私学法】どうするの税務申告が間に合わない？
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】どうするの税務申告が間に合わない？
令和6年度の計算書類は、令和7年5末までに確定させます（改正私学法附則4条第1項）。ですが、令和7年度の計算書類は令和8年6月までに確定されることに私学法で変わりました。法人税と消費税の税務申告は、従来から5月までに行っています。どうしたら良いでしょうか？
＜Ａ＞
法人税や消費税の確定申告期限に関しては、法人税については「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請」を、消費税については「消費税申告期限延長届出手続」を行うことで、申告期限を延長することができます（法人税の最大延長期間：２か月、消費税の最大延長期間：１か月）。
この申告延長した場合でも納付期限は延長できませんが、予納（見込納付）の申出を行うことで納付期限までに作成された計算書類案等を元に、理事会承認を待たずに見込みの納付を行い、確定申告時に納税額を調整していただくことは可能です。心配な場合は、国税庁ホームページや最寄りの税務署、顧問税理士さんに確認すると安心できるでしょう。
なお、改正後の私学法では、計算書類等の理事会承認期限について会計年度終了後３か月「以内」との期限を設けているのみですので、�＿�正私学法における監査の対応スケジュールなどを踏まえ、学校法人の判断により５月末までに理事会承認をしていただき、これまで通り５月末までに申告、納付いただくこと、�⊂綉�のとおり予納や申告延長のご対応をいただくことは可能です。
※参考：「私立学校法の改正について（2024.7.8版）」p213
今日は、ここまでです。
2024年08月19日
【改正私学法】理事会と評議員会の同日開催はできるの？
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会と評議員会の同日開催はできるの？
改正私学法の下では、理事会と評議員会を同日に開催できるのでしょうか？
＜Ａ＞
定時評議員会とその他の評議員会の場合で分かれます。
１．
定時評議員会と理事会の同日開催
＜結論＞不可能です。
＜説明＞定時評議員会については、理事会の承認を受けた計算書類・事業報告書を定時評議員会の招集通知に際して提供する必要があり（改正法105条１項）、招集通知は評議委員会の１週間前までに行う必要があります（改正法70条４項）。また、（理事会で承認した）計算書類及び事業報告書並びにその附属明細書を定時評議員会の１週間前の日から備え置く必要があります（改正法106条１項）。そのため、決算にかかる理事会と、決算について意見聴取を行う定時評議員会については、同日開催は不可能です。
２．
その他の評議員会と理事会の同日開催
＜結論＞可能です。
＜説明＞その他の理事会・評議員会については、理事会については招集期間を短縮できること、評議員会は全員の同意があれば招集手続を経ることなく開催することができることから、必要な手続きがなされていれば、理事会・評議員会の同日開催や、評議員会終了後にすぐに理事会を開催することは可能です。
参考：「私立学校法の改正について（2024.7.8版）」p168
今日は、ここまでです。
2024年08月15日
【改正私学法】監事と会計監査人の会計監査の関係は？
こんにちは！今日は、ある大学法人で改正私学法のご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】監事と会計監査人の会計監査の関係は？
監事の財産監査と会計監査人の会計監査は、どのような関係になるのでしょうか？
＜Ａ＞
会計監査人を置く学校法人の場合、計算関係書類及び財産目録に関する会計監査は会計監査人が行い（改正私学校施行規則34条)、監事は、会計監査人による会計監査の方法及び結果の相当性などを監査することになります（改正私学法施行規則35条)。監事と会計監査人の連携や監査重点事項の策定などにより、監事及び会計監査人による監査機能の実効性を確保することが重要になります。
参考：「私立学校法の改正について（2024.7.8版）」p215
※会計監査人の会計監査と監事の財産監査
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会計監査人設置学校法人（改正私学法104条） |
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会計監査人の会計監査 |
監事の財産監査 |
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計算関係書類及び財産目録に関する会計監査は会計監査人が行う（改正私学校施行規則34条) |
監事は、会計監査人による会計監査の方法及び結果の相当性などを監査する（改正私学法施行規則35条) |
＜発展＞
改正私学法の104条に監事の財産監査と会計監査人の会計監査との定めがあります。
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（計算書類等の監査等） 第104条 計算書類等は、文部科学省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 ２ 前項の規定にかかわらず、会計監査人設置学校法人においては、計算書類及びその附属明細書については、文部科学省令で定めるところにより、監事及び会計監査人の監査を受けなければならない。 ３ 前2項の監査を受けた計算書類等は、理事会の決議による承認を受けなければならない。この場合において、当該承認は、監査報告（会計監査人設置学校法人にあつては、会計監査報告を含む。次条第1項及び第106条において同じ。）の内容を踏まえて行うものとする。 |
この104条の解説は、松坂先生の逐条解説私立学校法（2024.3学校経理研究会）p649-651を引用（5は加工あり）させていただきます。
監事の監査と会計監査人の監査の関係については以下の通り。
１ 会計監査人設置学校法人においては、公認会計士等会計の職業的専門家である会計監査人が計算書類等の会計監査を行うことを前提に、監事は、その会計監査人が行った会計監査の方法とその結果の相当性について監査意見を形成することとなる。一般に会計事務の専門家ではないことも多い学校法人の監事には、会計基準や公認会計士協会による実務指針を踏まえた会計処理を適正に監査することには相当の困難さを伴うものであり、であればこそ、特に規模の大きな学校法人においては、会計監査人を置くことを義務づけることにより、公認会計士等が専門的知見と実務経験に基づき、独立かつ公正不偏の立場から、職業専門家としての正当な注意を払って適切な監査手続を実施していくこととされているのである。
したがって、監事は、会計監査人による監査の方法又は結果について「相当でない」と認めたときに、その旨及びその理由を監査報告に記載することとなる。
2
しかしながら、監事が会計監査人による会計監査の結果を鵜香みにしてよいということではなく、監事の職務として当然に計算書類に記載された財産等の状況が適正であるかどうかについて自ら検証しなければならない。監事の職務は会計監査（決算監査）に限定されるものではなく、業務監査と一体として行われるものであることから、監事（特に常勤の監事）は、その常勤性を生かして、日々の業務の中で受けた理事や職員からの報告や説明を踏まえ、法人の財産等の状況について自らの判断を行った上で、会計監査人による会計監査の結果との間で重要な齟齬がないかどうかを確認することが求められているのである。
すなわち会計監査人に期待される会計的専門知識による監査手続を単に繰り返すのではなく、監事の独自の視点により監査を行うことが期待されているのであり、監事と会計監査人が役割分担をしながら計算書類等の監査という作業を行うこととなるものである。
3
また、監査の事項によっては、学校法人の業務に精通している監事が行うことが、独自に重要な意味を持つ場合もあるものと考えられる。例えば、学校法人の出資による会社に係る事項や関連当事者との取引の状況等に関する計算書類への注記などが、事実に基づき適切に監査されているかどうかの監査など、業務の実態を知る監事だからこそ期待できる監査があるのである。
4 このように、監事は、会計監査人の行った監査結果について、自らが掌握している経営実態についての認識及び自らが実施した計算書類の監査結果との間で評価の異なる重大な問題はないかどうかを判断する。併せて、会計監査人が公正な態度で独立の立場を保持し、職業専門家として適切な監査を実施しているか、その監査の方法を監視、検証することで、計算書類の適正性が担保されることとなる。
5
これらの監査の手順については、概ね次のような手順となるものと考えられる。
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��
会計監査人 |
・会計監査人は、計算書類及びその附属明細書を監査し、会計監査報告を作成し、監事及び理事にその内容を通知する。 ・また、会計監査人は、その独立性や法令遵守等、職務の遂行に関する事項についても、監事及び理事に通知する。 |
↓
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��
監事 |
・監事は、会計監査報告を受領した日から1週間以内に、監査報告を作成し、その内容を理事及び会計監査人に通知する。 |
↓
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��
理事 |
・理事は、会計監査報告及び（監事の）監査報告を踏まえて、理事会において計算書類等について決議による承認をする。 |
今日は、ここまでです。
2024年08月13日
【改正私学法】どうして財産目録が会計監査人の監査対象書類なのか？
こんにちは！今日は、ある大学法人で改正私学法のご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】どうして財産目録が会計監査人の監査対象書類なのか？
令和7年度から会計監査人制度が導入されましたが、どうして会計士の監査対象に財産目録が入ったのですか？
＜Ａ＞
新しい会計監査人の監査対象書類は、�〃彁蚕駑燹並濕畋仂班週擇喙�支計算書)、��計算書類の附属明細書、��財産目録（貸借対照表に対応する項目に限る｡）になります（改正私学法86条1項、改正私学法規則24条)。条文チェックです。
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改正私学法 |
（会計監査人の職務等） 第86条 会計監査人は、第5節の定めるところにより、第103条第2項に規定する計算書類及びその附属明細書並びに財産目録その他の文部科学省令で定めるものを監査する。 2 ‥‥ |
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改正規則 |
（会計監査人が監査する書類） 第24条 法第86条第1項（法第152条第6項において準用する場合を含む。）の文部科学省令で定めるものは、財産目録（貸借対照表に対応する項目に限る。）とする。 |
さて、ご質問の回答にぴったりの設問が文科省の「私立学校法の改正について（2024.7.8版）」p188にあります。引用します。
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私立学校振興助成法においては、財産目録は作成・所轄庁への提出等の対象とはなっておらず、監査の対象とはなっていませんでした。 会計監査人の監査は、ステークホルダーへの説明責任の観点から、学校法人が開示する財務書類が適正に作成されているかどうかを確認するものです。財産目録は、私学法の規定により作成・開示される書類であることから、今回監査対象に加えることにしました。監査の対象については、財産目録に記載する項目のうち、財務情報に対応する部分として貸借対照表に対応する項目に限ります（改正後の私立学校法施行規則第24条）。なお、公益法人や社会福祉法人においても、財産目録は監査対象となっています。 |
今日は、ここまでです。
2024年08月09日
【改正私学法】子法人とは何か？
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】子法人とは何か？
改正私学法には、子法人が出てくると聞きました。あまり聞き慣れない法人ですが、どのような法人ですか？
＜Ａ＞
「子法人」とは、簡単に言うと以下のものです。
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子法人 |
例 |
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��
当該学校法人が、意思決定機関における議決権の過半数を有する法人 |
・子会社、関連会社 |
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��
当該学校法人の役職員等が、意思決定機関の構成員の過半数を占めている法人 等 |
・Ａ学校法人の役職員がＢ学校法人の理事会と評議員会の過半数を占めている |
次は、きちんとした説明です。子法人は、私学法31条4項2号に、「子法人（学校法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定めるものをいう。）」と出てきます。具体的には、私学法施行規則11条に説明があります、
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子法人 ※学校法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定める法人 |
一 当該学校法人又はその1若しくは2以上の子法人が意思決定機関における議決権の過半数を有する他の法人 |
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二 意思決定機関の構成員の総数に対する次に掲げる者の数の割合が100分の50を超える他の法人 |
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イ 当該学校法人の役員、評議員又は職員 |
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ロ 当該学校法人の１又は２以上の子法人に係る子法人役員又は子法人に使用される者 |
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ハ 当該学校法人又はその１若しくは２以上の子法人によって当該構成員に選任された者 |
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ニ 当該構成員に就任した日前５年以内にイ、ロ又はハに掲げる者であつた者 |
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今日は、ここまです。
2024年08月07日
【改正私学法】内部統制システムの構築
こんにちは！今日は、ある大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】内部統制システムの構築
改正私学法で必要とされる内部統制システムについて教えて下さい。
＜Ａ＞
大臣所轄学校法人等では、改正私学法で内部統制システムの整備が求められましたが、実際は、各学校がこれから整備を進めていくような状況です。
１．内部統制システムの整備が理事会決議事項
改正私学法では、大臣所轄学校法人等は、理事会に内部統制システムの整備が義務付けられました（改正法148条1項)。具体的には、理事会で決議しなくてはならない事項は、内部統制システムの体制そのものではなく「整備」についてですので、いわゆる基本方針を決議すれば足りると考えられます。そして、大臣所轄学校法人以外の学校法人では、内部統制システムの整備は法定されていませんが、法人の実情に応じて整備することが望しいとされています。
私学法では、内部統制と直接言わないで第39条3項5号に規定する体制＝「理事の職務の執行が法令及び寄附行為に適合することを確保するための体制その他学校法人の業務の適正を確保するために必要なものとして文部科学省令で定める体制」。短く言うと「学校法人の業務の適正を確保するために必要な体制＝内部統制」を整備しなければならないことを規定しました（148条1項)。会社法の大会社でも内部統制の整備が義務付けされており、私学法にも導入された形です。社会福祉法人でも一定規模以上の法人には先行して内部統制システムの構築が法定されています（社会福祉法45条の13第4項・5項）。
大臣所轄学校法人等では、内部統制システムの整備は理事会の決議事項ですが（改正法148条1項）、評議員会の諮問にはなっていません。それと事業報告書には、内部統制システムを整備しているときはその内容と運用状況の概要を記載することになりました（改正施行規則29条2項）。
２．具体的な内部統制システムとは
さて、内部統制システムの具体的な内容は、改正私学法施行規則13条に11項目が明示されています。先行している社会福祉法施行規則2条の16も11項目です。
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（学校法人の業務の適正を確保するための体制） |
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��
理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 |
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��
損失の危険の管理に関する規程その他の体制 |
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��
理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 |
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��
職員の職務の執行が法令及び寄附行為に適合することを確保するための体制 |
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��
監事がその職務を補助すべき職員を置くことを求めた場合における当該職員に関する事項 |
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��
�イ凌Π�の理事からの独立性に関する事項 |
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��
監事の�イ凌Π�に対する指示の実効性の確保に関する事項 |
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��
理事及び職員が監事に報告をするための体制その他の監事への報告に関する体制 |
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��
�┐諒鷙陲鬚靴深圓�当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 |
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��
監事の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 |
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��
その他監事の監査が実効的に行われることを確保するための体制 |
より詳細な内部統制システムの情報は、文部科学省「内部統制システムの整備について」が役に立ちます。
少し無理して図解してみました。
今日は、ここまでです。
2024年08月05日
【改正私学法】財産目録vs財産の一覧
こんにちは！今日は、改正私学法の財産目録についてのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】財産目録vs財産の一覧
もしかして改正私学法では、財産目録の名称が変わりましたか？
＜Ａ＞
あまり目立ちませんが、改正私学法では、ビックリな名称変更がありました。従来、学校法人で財産目録を作る場合は、大きく２つありました。一つは、学校法人設立時の財産目録、それと毎年、5月末までの作る財産目録でした。
2025.4.1施行の改正私学法では、細かいことを言うと設立時に必要な財産目録の名称が「財産の一覧」に変わっています。具体的には、改正私立学校法施行規則3条2項1号、6項、7項、44条2項、48条3項は「財産の一覧」との表現に変更されています。
図解すると
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従来の私学法 |
改正私学法 |
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��
設立時の財産目録 |
��
設立時の「財産の一覧」 |
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��
毎年作る財産目録 |
��
毎年作る財産目録 |
きっとこれから地味な話題になることでしょう。
今日は、ここまでです。
2024年08月01日
【文字起こし】新学校法人会計基準（案）！！！
こんにちは！今日は、新省令案（新学校法人会計基準の公開草案）の文字起こしをしてみました。
また、7月30日の午前中にパブコメの問い合わせ先の「文部科学省高等教育局私学部参事官付 電話：03-5253-4111(内線2539)に電話をして、綺麗な文章の新省令案の入手をお願いしてみました。回答は、できたらパブコメに追加で掲載してくれるとのことでした。アップロードまで数日かかるそうです。
それでは、まず新省令案です。学校法人会計基準の一部を改正する省令案 です。新旧対照表の形式です。省令案の変更部分に下線が付いています。
次は、広場の事務局が文字起こししてみた省令案です。事務局の手入力なので誤植があると思いますが、随時推敲していきます。（2024.8.4推敲）
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○文部科学省令第 号
私立学校法の一部を改正する法律（令和5年法律第第21号）の施行に伴い、並びに私立学校法（昭和24年法律第270号）第101条、第102条第1項、第103条第1一項及び第2二項並びに第107条第1項（これらの規定を同法第152条第6項において準用する場合を含む。）の規定に基づき、学校法人会計基準の一部を改正する省令を次のように定める。
令和六年 月 日
文部科学大臣 盛山 正仁
学校法人会計基準の一部を改正する省令
学校法人会計基準（昭和46年文部省令第18号）の一部を次のように改正する。
次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線を付し又は破線で囲んだ部分をこれに順次対応する改正後欄に掲げる規定の傍線を付し又は破線で囲んだ部分のように改め、改正前欄及び改正後欄に対応して掲げるその標記部分（連続する他の規定と記号により一括して掲げる規定にあっては、その表記部分に係る記載）に二重傍線を付した規定（以下「対象規定」という。）は、その標記部分が同一のものは当該対象規定を改正後欄に掲げるもののように改め、その標記部分が異なるものは改正前欄に掲げる対象規定を改正後欄に掲げる対象規定として移動し、改正前欄に掲げる対象規定で改正後欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを削り、改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを加える。
目次
第1章 総則（第1条−第5条）
第2章 会計帳簿
第1節 総則（第六条）
第2節 資産（第7条−第10条）
第3節 負債（第11条）
第4節 基本金（第12条−第14条）
第3章 計算関係書類
第1節 総則（第15条・第16条）
第2節 貸借対照表（第17条−第22条）
第3節 事業活動収支計算書（第23条−第31条）
第4節 資金収支計算書（第32条−第39条）
第5節 計算書類の注記（第40条）
第6節 附属明細書（第41条・第42条）
第4章 財産目録（第43条−第47条）
第5章 会計監査人非設置知事所轄学校法人に関する特例（第48条−第50条）
第6章 放送大学学園に関する特例（第51条）
附則
第1章 総則
（学校法人会計の基準）←1項、2項、4項、5項は新設
第１条
私立学校法（以下「法」という。）第101条に規定する基準について、この省令の定めるところによる。
2 第3条に規定する学校法人（「法152条第5項の専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人を含む。以下「学校法人」という。」は、この省令の定めるところにより会計処理を行い、会計帳簿、計算書類（貸借対照表及び収支計算書をいう。）及びその附属明細書並びに財産目録を作成しなければならない。
3 学校法人はこの省令に定めのない事項については一般に公正妥当と認められる学校法人会計の慣行に従わなければならない。
4 計算書類のうち貸借対照表については、前2項の規定によるほか、金融商品取引法施行令（昭和40年政令第321号）第1条第2号に掲げる証券、若しくは発行しようとする学校法人であって、当該証券もしくは証書を発行し、若しくは発行しようとし、又は同令第1条の3の4に規定する権利を有価証券として発行し、若しくは発行しようとする学校法人であつて、当該証券若しくは当該証書又は当該権利について金融商品取引法（昭和23年法律第25号）第2条第3項に規定する募集又は同条第4項に規定する売出しを行うもの（次項において「有価証券発行学校法人」という。）にあつては、有価証券発行学校法人の財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則（平成19年文部科学省令第36号）の定めるところにより作成しなければならない。
5 計算書類のうち収支計算書については第2項及び第3項の規定によるほか、有価証券発行学校法人にあっては、損益計算書、純資産変動計算書、キャッシュフロー計算書及び附属明細表に分けて、有価証券発行学校法人の財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の定めるところにより作成しなければならない。
（会計の原則）←旧基準2条にほぼ同じ。附属明細書・財産目録を追加
第2条 学校法人は次に掲げる原則によって会計処理を行い、計算書類及びその附属明細書（以下「計算関係書類」という。）並びに財産目録を作成しなければならない。
一 財政及び経営の状況について真実な内容を表示すること。
二 全ての取引について、正規の簿記の原則によつて正しく記帳された会計帳簿に基づいて計算関係書類を作成すること。
三 財政及び経営の状況を正確に判断することができるように必要な会計事実を計算関係書類に明確に表示すること。
四 採用する会計処理の原則及び手続き並びに計算関係書類及び財産目録の表示方法については、毎会計年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。
（収益事業会計）←内容的には、旧基準3条と同じ。
第3条 法第19条第1項の事業（以下「収益事業」という。）に関する会計（以下「収益事業会計」という。）にかかる会計処理及び計算関係書類の作成は、一般に公正妥当と認められる企業会計の原則に従って行わなければならない。
2 収益事業会計については、前2条、前項及び第4章の規定を除き、この条例の規定は、適用しない。
（総額表示）←旧基準5条と同じ
第4条
計算書類に記載する金額は、総額をもつて表示するものとする。ただし、預り金に係る収入と支出その他経過的な収入と支出及び食堂に係る収入と支出その他教育活動に付随する活動に係る収入と支出については、純額をもつて表示することができる。
（金額の表示の単位）←新設
第5条
計算関係書類及び財産目録に記載する金額は、1円単位をもって表示するものとする。
第2章
会計帳簿
第1節
総則
（会計帳簿の作成）←新設
第6条 法12条第1項の規定により学校法人が作成すべき会計帳簿に付すべき資産、負債及び基本金の価額その他会計帳簿の作成に関する事項については、この章の定めるところによる。
2 会計帳簿は書面または電磁的記録をもって作成するものとする。
第2節 資産
（資産の評価）←旧基準25条に同じ
第7条
資産の評価は、取得価額をもつてするものとする。ただし、当該資産の取得のために通常要する価額と比較して著しく低い価額で取得した資産又は贈与された資産の評価は、取得又は贈与の時における当該資産の取得のために通常要する価額をもつてするものとする。
（減価償却）←旧基準26条に同じ
第8条
固定資産のうち時の経過によりその価値を減少するもの（以下「減価償却資産」という。）については、減価償却を行なうものとする。
２ 減価償却資産の減価償却の方法は、定額法によるものとする。
（有価証券の評価換え）←旧基準27条と実質同じ
第9条
有価証券については、第7条の規定により評価した価額と比較してその時価が著しく低くなつた場合には、その回復が可能と認められるときを除き、時価によつて評価するものとする。
（徴収不能額の引当て）←旧基準28条と実質同じ
第10条
金銭債権については、徴収不能のおそれがある場合には、当該徴収不能の見込額を徴収不能引当金に繰り入れるものとする。
第3節 負債
（負債の評価） ←新設
第11条 負債については、次項の場合を除き会計帳簿に債務額を付すものとする。
2 退職給与引当金のほか、引当金については、会計年度の末日において、将来の事業活動支出の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該会計年度の負担に属する金額を事業活動支出として繰り入れることにより計上した額を付すものとする。
第4節 基本金
（基本金）←旧基準29条と同じ
第12条
学校法人が、その諸活動の計画に基づき必要な資産を継続的に保持するために維持すべきものとして、その事業活動収入のうちから組み入れた金額を基本金とする。
（基本金への組入れ）←旧基準30条と同じ
第13条
学校法人は、次に掲げる金額に相当する金額を、基本金に組み入れるものとする。
一 学校法人が設立当初に取得した固定資産で教育の用に供されるものの価額又は新たな学校（専修学校及び各種学校を含む。以下この号及び次号において同じ。）の設置若しくは既設の学校の規模の拡大若しくは教育の充実向上のために取得した固定資産の価額
二 学校法人が新たな学校の設置又は既設の学校の規模の拡大若しくは教育の充実向上のために将来取得する固定資産の取得に充てる金銭その他の資産の額
三 基金として継続的に保持し、かつ、運用する金銭その他の資産の額
四 恒常的に保持すべき資金として別に文部科学大臣の定める額
２ 前項第二号又は第三号に規定する基本金への組入れは、固定資産の取得又は基金の設定に係る基本金組入計画に従い行うものとする。
３ 学校法人が第1項第一号に規定する固定資産を借入金（学校債を含む。以下この項において同じ。）又は未払金（支払手形を含む。以下この項において同じ。）により取得した場合において当該借入金又は未払金に相当する金額については、当該借入金又は未払金の返済又は支払（新たな借入金又は未払金によるものを除く。）を行つた会計年度において、返済又は支払を行つた金額に相当する金額を基本金へ組み入れるものとする。
（基本金の取崩し）←旧基準31条と同じ
第14条 学校法人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める額の範囲内で基本金を取り崩すことができる。
一 その諸活動の一部又は全部を廃止した場合 その廃止した諸活動に係る基本金への組入額
二 その経営の合理化により前条第1項第一号に規定する固定資産を有する必要がなくなつた場合 その固定資産の価額
三 前条第1項第二号に規定する金銭その他の資産を将来取得する固定資産の取得に充てる必要がなくなつた場合 その金銭その他の資産の額
四 その他やむを得ない事由がある場合 その事由に係る基本金への組入額
第3章 計算関係書類
第1節 総則
（成立の日の貸借対照表）←新設
第15条 第103条第1項の規定により作成すべき貸借対照表は学校法人の成立の日における会計帳簿に基づき作成するものとする。
（各会計年度にかかる計算書類）←旧基準4条（計算書類）のリニューアル版
第16条 法第103条第2項の規定により学校法人が作成しなければならない各会計年度に係る計算書類は次に掲げるものとする。
一 貸借対照表
二 次に掲げる収支計算書
イ 事業活動収支計算書
ロ 資金収支計算書及び資金収支計算書に基づき作成する活動区分資金収支計算書
第2節
貸借対照表
（貸借対照表の内容）←新設
第17条 貸借対照表は、当該会計年度末現在における全ての資産、負債及び純資産の状態を明瞭に表示するものとする。
（貸借対照表の記載方法）←旧基準32条と同じ
第18条 貸借対照表には、資産の部、負債の部及び純資産の部を設け、資産、負債及び純資産の科目ごとに、当該会計年度末の額を前会計年度末の額と対比して記載するものとする。
（減価償却資産の表示方法）←ほぼ旧基準34条3項
第19条 減価償却資産については、当該減価償却資産に係る減価償却額の累計額を控除した残額を記載するものとする。ただし、必要がある場合には、当該減価償却資産の属する科目ごとに減価償却額の累計額を控除する形式で記載することができる。
（金銭債権の表示方法）←ほぼ旧基準34条4項の修正版
第20条 金銭債権については、徴収不能引当金の額を控除した残額を記載するものとする。ただし、必要がある場合には当該金銭債権の属する科目ごとに徴収不能引当金の額を控除する形式で記載することができる。
（貸借対照表の記載科目）←旧基準33条のリニューアル版。旧版では別表第三
第21条 貸借対照表に記載する科目は、別表第一の通りとする
（貸借対照表の様式）←旧基準35条のリニューアル版。旧版は第七号様式
第22条 貸借対照表の様式は、第一号様式の通りとする。
第3節
事業活動収支計算書
（事業活動収支計算書の内容）←旧基準15条とほぼ同じ内容。多少、文言をリニューアル
第23条 事業活動収支計算書は、当該会計年度の次に掲げる活動に対応する事業活動収入及び事業活動支出の内容を明瞭に表示するとともに、当該会計年度において第12条及び第13条の規定により基本金に組み入れる額（以下「基本金組入額」という。）を控除した当該会計年度の諸活動に対応する全ての事業活動収入及び事業活動支出の均衡の状態を明瞭に表示するものとする。
一 教育活動
二 教育活動以外の経常的な活動
三 前二号に掲げる活動以外の活動
（事業活動収支計算の方法）←ほぼ旧基準16条
第24条 事業活動収入の計算は、当該会計年度の学校法人の負債とならない収入について行うものとする。
2 事業活動支出の計算は、当該会計年度において消費する資産の取得価額及び当該会計年度における用役の対価に基づいて行うものとする。
3 事業活動収支計算は、前条各号に掲げる活動ごとに、前2項の規定により計算した事業活動収入と事業活動支出を対照して行うとともに、事業活動収入の額から事業活動支出の額を控除し、その残額から基本金組入額を控除して行うものとする。
（勘定科目）←ほぼ旧基準17条
第25条 学校法人は、この節の規定の趣旨に沿つて事業活動収支計算書を作成ため必要な勘定科目を設定するものとする。
（事業活動収支計算書の記載方法）←旧基準18条と同じ内容
第25条 事業活動収支計算書には、第23条各号に掲げる活動ごとに事業活動収入の部及び事業活動支出の部を設け、事業活動収入又は事業活動支出の科目ごとに当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。
（事業活動収支計算書の記載科目）←旧基準19条と同じ内容
第26条 事業活動収支計算書に記載する科目は、別表第二のとおりとする。
（当年度収支差額等の記載）←旧基準20条と同じ内容
第28条 第23条各号に掲げる活動ごとの当該会計年度の収支差額（事業活動収入の額から事業活動支出の額を控除した額をいう。以下同じ。）は、事業活動支出の部の次に予算の額と対比して記載するものとする。
2 当該会計年度の経常収支差額（第23条第一号に掲げる活動の収支差額に同条第二号に掲げる活動の収支差額を加算した額をいう。以下同じ。）は、同号に掲げる活動の収支差額の次に予算の額と対比して記載するものとする。
3 当該会計年度の基本金組入前当年度収支差額（経常収支差額に第23条第三号に掲げる活動の収支差額を加算した額をいう。以下同じ。）は、同号に掲げる活動の収支差額の次に予算の額と対比して記載するものとする。
4 当該会計年度の基本金組入額は、基本金組入前当年度収支差額の次に予算の額と対比して記載するものとする。
5 当該会計年度の当年度収支差額（基本金組入前当年度収支差額から基本金組入額を控除した額をいう。以下同じ。）は、基本金組入額の次に予算の額と対比して記載するものとする。
（翌年度繰越収支差額）←旧基準21条と同じ内容
第29条 当該会計年度において次に掲げる額がある場合には、当該額を加算した額を、翌年度繰越収支差額として、翌会計年度に繰り越すものとする。
一 当年度収支差額
二 前年度繰越収支差額（当該会計年度の前会計年度の翌年度繰越収支差額をいう。）
三 第14条の規定により当該会計年度において取り崩した基本金の額
（翌年度繰越収支差額の記載）←旧基準22条と同じ内容
第30条 翌年度繰越収支差額は、当年度収支差額の次に、前条の規定による計算とともに、予算の額と対比して記載するものとする。
（事業活動収支計算書の様式）←旧基準23条と同じ内容。旧は第五号様式。
第31条 事業活動収支計算書の様式は、第二号様式のとおりとする。
第4節
資金収支計算書
（資金収支計算書の内容）←ほぼ旧基準6条（資金収支計算書の目的）と同じ
第32条 資金収支計算書は、当該会計年度の諸活動に対応する全ての収入及び支出の内容並びに当該会計年度における支払資金（現金及びいつでも引き出すことができる預貯金をいう。以下同じ。）の収入および支出の顛末を明瞭に表示するものとする。
（資金収支計算の方法）←旧基準7条と同じ
第33条 資金収入の計算は、当該会計年度における支払資金の収入並びに当該会計年度の諸活動に対応する収入で前会計年度以前の会計年度において支払資金の収入となつたもの（第37条第1項において「前期末前受金」という。）及び当該会計年度の諸活動に対応する収入で翌会計年度以後の会計年度において支払資金の収入となるべきもの（第37条第1項において「期末未収入金」という。）について行なうものとする。
２ 資金支出の計算は、当該会計年度における支払資金の支出並びに当該会計年度の諸活動に対応する支出で前会計年度以前の会計年度において支払資金の支出となつたもの（第37条第2項において「前期末前払金」という。）及び当該会計年度の諸活動に対応する支出で翌会計年度以後の会計年度において支払資金の支出となるべきもの（第37条第2項において「期末未払金」という。）について行なうものとする。
（勘定科目）←旧基準8条にほぼ同じ
第34条 学校法人は、この節の規定の趣旨に沿つて資金収支計算書を作成するため必要な勘定科目を設定するものとする。
（資金収支計算書の記載方法）←旧基準9条と同じ
第35条 資金収支計算書には、収入の部及び支出の部を設け、収入又は支出の科目ごとに当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。
（資金収支計算書の記載科目）←旧基準10条と同じ内容。旧基準は別表第一だった
第36条 資金収支計算書に記載する科目は、別表第三のとおりとする。
（前期末前受金等）←旧基準11条と同じ内容
第37条 当該会計年度の資金収入のうち前期末前受金及び期末未収入金は、収入の部の控除科目として、資金収支計算書の収入の部に記載するものとする。
2 当該会計年度の資金支出のうち前期末前払金及び期末未払金は、支出の部の控除科目として、資金収支計算書の支出の部に記載するものとする。
（資金収支計算書の様式）←旧基準11条と同じ内容。旧基準が第一号様式だった
第38条 資金収支計算書の様式は、第三号様式のとおりとする。
（活動区分資金収支計算書の記載方法等）←旧基準14条の2と同じ
第39条 活動区分資金収支計算書には、資金収支計算書に記載される資金収入及び資金支出の決算の額を次に掲げる活動ごとに区分して記載するものとする。
一 教育活動
二 施設若しくは設備の取得又は売却その他これらに類する活動
三 資金調達その他前二号に掲げる活動以外の活動
2 活動区分資金収支計算書の様式は、第四号様式のとおりとする。
第5節 計算書類の注記←ほとんど新設。旧基準34条の大幅改定版
第44条 計算書類には次に掲げる事項を注記しなければならない
一 引当金の計上基準その他の計算書類の作成に関する重要な会計方針
二 重要な会計方針を変更した時は、その旨、その理由及びその変更による増減額
三 固定資産について減価償却累計額を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該資産の減価償却額の累計額の合計額
四 金銭債権について徴収不能引当金を直接控除した残額のみを記載した場合には、徴収不能を引当金の合計額
五 担保に供されている資産の種類及び額
六 会計年度以後の会計年度において基本金への組入れを行うこととなる金額
七 当該会計年度の末尾において第13条第1項第4号に掲げる金額に相当する資金を有していない場合には、その旨及び当該資金を確保するための対策
八 セグメント（学校法人を構成する一定の単位を言う）情報
九 重要な偶発債務
十 子法人に関する事項
十一 学校法人の出資による会社に係る事項
十二 関連当事者との取引の内容に関する事項
十三 学校法人間の財務取引
十四 重要な後発事象
十五 前各号に掲げるもののほか、財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項
第6節 附属明細書
（附属明細書の記載方法等）←新設。一号は、旧基準4条三号をリニューアル
第41条 法第103条第2項の規定により作成すべき各会計年度にかかる計算書類の附属明細書は次に掲げるものとする
一 固定資産明細書
二 借入金明細書
三 基本金明細書
2 前項の附属明細書は当該会計年度にかかる会計帳簿に基づき作成しなければならない。
3 第1項の附属明細書には、当該会計年度における計算書類の内容を補足する重要な事項を表示しなければならない。
（附属明細書の様式）←旧基準36条の書き直し
第42条 次の各号に掲げる附属明細書の様式はそれぞれ当該各号に定めるものとする。
一 固定資産明細書 第5号様式
二 借入金明細書 第6号様式
三 基本金明細書 第七号様式
第4章 財産目録
（財産目録の内容）←新設
第43条 法第107条第1項第1号に掲げる財産目録は、当該会計年度末現在（学校法人が成立した日における財産目録は当該学校法人が成立した日）における全ての資産及び負債につき、その名称、数量、金額などを詳細に表示するものとする
（内部取引）←新設
第44条 財産目録の作成にあたっては、当該学校法人の収益事業会計に対する投資とこれに対応する収益事業会計の資本との相殺消去その他必要とされる事業相互間の項目の相殺消去をするものとする。
（財産目録の区分）←新設
第45条 財産目録は、貸借対照表の区分に準じて資産額と負債額とに区分表示するものとする。
2 資産額にかかる項目は次に掲げる項目に区分するものとする。ただし、第3号に掲げる項目は学校法人が収益事業を行う場合に限り表示するものとする。
一 基本財産（学校法人の設置する学校法人に必要な施設及び設備またはこれらに要する資金をいう。）
二 運用財産（学校法人の設置する私立学校の経営に必要な財産を言う。）
三 収益事業会計資産（収益事業に必要な資産を言う。）
3 負債額にかかる項目は、次に掲げる項目に区分するものとする。ただし第三号に掲げる項目は学校法人が収益事業を行う場合に限り表示するものとする。
一 固定負債（別表第一における大科目「固定負債」に計上する負債を言う。）
二 流動負債（別表第一における大科目「流動負債」に計上する負債を言う。）
三 収益事業会計負債（収益事業に必要な負債を言う。）
（財産目録の金額）←新設
第46条 財産目録の金額は、貸借対照表に記載した金額と同一とする。
（財産目録の様式）←新設
第47条 財産目録の様式は、第８号様式の通りとする。
第5章 会計監査人非設置知事所轄学校法人に関する特例
（徴収不能引当ての特例）←旧基準38条のリニューアル版
第48条 都道府県知事を所轄庁とする学校法人（会計監査人を置くものを除く。以下会計監査人非設置知事所轄学校法人という。）（高等学校を設置するものを除く。次条において同じ。）は、第10条の規定にかかわらず、徴収不能の見込額を徴収不能引当金に繰り入れないことができる。
（基本金組入れに関する特例）←旧基準39条のリニューアル版
第49条 会計監査人非設置知事所轄学校法人は、第13条第1項の規定にかかわらず、同項第4号に掲げる金額に相当する金額の全部又は一部を基本金に組み入れないことができる。
（計算書類の作成に関する特例）←旧基準37条のリニューアル版
第50条 会計監査人非設置知事所轄学校法人は、第16条及び第41条第1項の規定にかかわらず、活動区分資金収支計算書又は基本金明細書（高等学校を設置するものにあっては、活動区分資金収支計算書に限る。）を作成しないことができる。
第6章 放送大学学園に関する特例←新設
第51条 放送大学学園は、この省令の規定にかかわらず、放送大学学園に関する省令（平成15年文部科学省令第39号）の定めるところにより、会計処理を行い、会計帳簿、計算書類及びその附属明細書並びに財産目録を作成するものとする。
別表第一 貸借対照表記載科目（第21条関係） （略）
別表第二 事業活動収支計算書記載科目（第27条関係） （略）
別表第三 資金収支計算書記載科目（第36条関係） （略）
第一号様式（第22条関係） （略）
第二号様式（第31条関係） （略）
第三号様式（第38条関係） （略）
第四号様式（第39条関係） （略）
第五号様式（第42条関係） （略）
第六号様式（第42条関係） （略）
第七号様式（第42条関係） （略）
第八号様式（第47条関係） （略）
附則
（施行期日）
第1条 この省令は、令和7年4月1日から施行する。
（経過措置）
第2条 この省令による改正後の学校法人会計基準の規定は、令和7年度以降の会計年度に係る会計処理並びに計算書類（貸借対照表及び収支計算書をいう。）及びその附属明細書並びに財産目録の作成について適用し、令和6年度以前の会計年度に係るものについては、なお従前の例による。
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今日は、ここまでです。
2024年07月31日
【改正私学法】評議員の特別利害関係人の就任制限
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】特別利害関係人の就任制限
評議員は、他の2人以上の評議員と特別利害関係を有してはならない（改正法62条4項)｡何だかピンときません。図解で説明して下さい。
＜Ａ＞
62条4項は、評議員は、他の1人の評議員とは特別利害関係があって問題ないのですが、2人以上との間で特別利害関係があることは認められないことになりました。
これを図解すると下記のようです。
2024年07月29日
【ﾆｭｰｽ】新学校法人会計基準（公開草案）のパブコメ募集開始！
今日は、ニュースです！
本日から新しい学校法人会計基準の公開草案のパブコメ募集が始まりました。新基準の全体像が明らかになりました。↓↓
学校法人会計基準の一部を改正する省令案等のパブリックコメント（意見公募手続）の実施について
取り急ぎ 今日は、ここまでです。
2024年07月28日
【改正私学法】理事長の報告義務について
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事長の報告義務について
改正私学法39条では、「毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上」理事長は職務の執行状況を理事会に報告しなければならないことになりました。私どもの高校法人の場合は、従来からの流れで3月の予算理事会と6月の理事会で理事長から報告しようと思うのですが、「四月を超える間隔で」とあるので、やっぱり駄目でしょうか？
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（理事の報告義務等） 第39条 第37条第5項の規定により学校法人の業務を執行する理事長、代表業務執行理事及び業務執行理事は、毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 ２ ‥‥ |
＜Ａ＞
「毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上」いうのは、会計年度単位で考えるのがポイントで、6月と3月なら9ヶ月くらい間隔が空いているので問題ないでしょう。
参考：文科省 私立学校法の改正について（2024.7.8版）p119
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Ｑ２：「毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上」とは、会計年度内でのみの制限であり、例えば５月と２月に実施することは可能か。
【令和5年12月12日追加】 Ａ２：可能です。 |
今日は、ここまでです。
2024年07月26日
【改正私学法】理事会や評議員会のオンライン参加の可否？
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会や評議員会のオンライン参加の可否？
改正私学法の理事会や評議員会のオンライン参加は、どう扱われていますか？
＜Ａ＞
理事会へのオンライン参加は改正私学法42条4項で、評議員会へのオンライン参加は改正私学法76条5項で認められています。オンラン参加の場合、理事会の実際の開催場所にいなくとも双方向に意見交換を円滑に行うことができる環境を容易に確保することが必要になります。
また、文科省の私立学校法の改正について【令和6年7月8日更新】に綺麗に整理された説明がありますので加筆して引用します。
１．理事会のオンライン参加（p18）
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現行 |
改正後 |
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法令の定め無し ※但し、寄附行為作成例(R3.4.13版)19条1項や文科省通知（令和3年6月25日付3高私行第3号）でオンライン出席が可能なことを明示していた |
寄附行為の定めるところにより、書面又は電磁的方法により議決に参加可能（42条4項） ※書面開催による決議は不可、オンライン開催による決議は可 |
参考：理事会及び評議員会の運営及び議事録の取扱い並びに学校法人寄附行為作成例の改正について（通知）令和3年6月25日付3高私行第3号より
ウェブ会議、テレビ会議、電話会議等の方法により、各出席者の音声が即時に他の役員に伝わり、適時的確な意見表明が可能であるなど、出席者が開催場所に一堂に会するのと同等の相互に十分な議論を行うことができる環境が確保されていると認められる場合には、理事会の開催場所以外の場所にいる役員についても、理事会に出席しているものと取り扱って差し支えないこと。また、開催場所以外の場所からの出席者については、その出席方法を当該理事会の議事録に明記すること。
２．評議員会のオンライン参加（p19）
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現行 |
改正後 |
|
法令の定め無し |
寄附行為の定めるところにより、書面又は電磁的方法により議決に参加可能（76条5項） ※書面開催による決議は不可、オンライン開催による決議は可 |
今日は、ここまでです。
2024年07月24日
【改正私学法】はっきり知りたい「寄附行為の電磁的記録」とは？
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】はっきり知りたい「寄附行為の電磁的記録」とは？
改正私学法の23条で寄附行為を電磁的記録で作ろうと思っています。この電磁的記録についておしえて下さい。
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（寄附行為の認可） 第23条 ‥‥ ４ 寄附行為は、電磁的記録（電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして文部科学省令で定めるものをいう。以下同じ。）をもつて作成することができる。 |
＜Ａ＞
改正法では、寄附行為は電磁的記録で作成することができることになりました。ただ、電磁的記録のもっと具体的な説明がないとなんとなく心配です。この文章は、どこかで見たことがあると思っていたら学校教育法34条の電子教科書の説明と同じようです。
それと改正私学施行規則5条に追加説明があります。
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（電磁的記録） 第5条 法第23条第4項（法第152条第6項において準用する場合を含む。）の文部科学省令で定めるものは、電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体（電磁的記録に係る記録媒体をいう。以下同じ。）をもつて調製するファイルに情報を記録したものとする。 |
そうすると、電磁的記録とは、だいたいですがパソコンで作りハードディクスやＳＳＤ等に保存したデータ類を言うのがわかります。もう少し書いてみると、
・パソコンやスマートフォンで作成し、ハードディスクに保存された文書、画像、動画などのデータ
・ＣＤ、ＤＶＤ、Blu-rayなどの光ディスクに記録されたデータ
・ＵＳＢメモリ、ＳＤカード、ＳＳＤなどの記憶装置に記録されたデータ
・サーバーに保存されたデータ だいたいこんな感じでしょうか。
そうは言っても各学校法人では、おそらく紙版の寄附行為を作ることになるでしょう。
また、改正私学法施行規則が公表される前の説明ですが、松坂先生の逐条解説（2024.3版）p216〜217に改正法23条の丁寧な解説があります。
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Ｖ電磁的記録による寄附行為の作成（第4項関係） 一 第4項では、寄附行為が「電磁的記録」をもって作成できることを規定している。 二 「電磁的記録」について本項では、「電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの」と定義している。この定義は民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律第2条第4号等と同様である。 三 「電磁的記録」により作成する場合について、文部科学省の所管する法令の規定により民間事業者等が行う耆面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令（平成17年文部科学省令第31号）第4条では、「民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は電磁的記録媒体をもって調製する方法により作成を行わなければならない」と規定している。 「電磁的記録」は、通常、電子計算機（パソコン等の機器）によって作成されるとともに、ハードディスク（ＨＤＤ）やソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）、ＵＳＢメモリ、コンパクトディスクやフロッピーディスクなどのディスクや磁気テープ等のほか、いわゆる「クラウド」を含む「電磁的記録媒体」に保存されるものであり、人が知覚するためには電子計算機（パソコン等の機器）の画面に表示するものである。具体的には、媒体そのものでも記録された情報の内容それ自体でもなく、「媒体上に情報として使用し得る（一定の手順によって読み出すことができる）ものとして、情報が記録・保存された状態にあるもの」をいうものである。 |
今日は、ここまでです。
2024年07月22日
【改正私学法】理事・監事・評議員の任期
こんにちは！今日は、ある高校法人が寄附行為の改正作業を進めています。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事・監事・評議員の任期
改正法の理事・監事・評議員の任期についてのルールをおしえて下さい。
＜Ａ＞
理事・監事・評議員と個別に見ていきます。
１．理事の任期
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現行法 |
改正法 |
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寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は４年まで）（32� � |
＜ポイント＞
�� 理事の任期は寄附行為の必要的記載事項です（23条��5号)。
�� 寄附行為で定める理事の任期は、寄附行為で定める期間（４年以内）以内に終了する会計年度の最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする（32条� 法�→つまり実際の理事の任期は、2年、3年、4年と綺麗な丸まった数字の年数にはならない。
�� しかも、理事の任期は、監事や評議員の任期より長くできない（32条�◆法�（同じ期間は、セーフ）
理由：理事の任期の期間について監事や評議員の任期を越えられないこととするのは、監事による監杳の実効性を高めるためには監事の地位の安定と経営からの独立性の確保を図ることが重要であり、また監事の職務への習熟には一定の期間を必要とするものであることから、任期について長期化を図ることとしたものである。評議員の任期についても同様である。（参考：松坂先生逐条解説四訂版・暫定版P274）
２．監事の任期
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現行法 |
改正法 |
|
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は６年まで）（47� � |
＜ポイント＞
�� 監事の任期は寄附行為の必要的記載事項です（23条��5号)。
�� 寄附行為で定める監事の任期は、寄附行為で定める期間（６年以内）以内に終了する会計年度の最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする（47条� 法�→つまり実際の監事の任期は、4年、5年、6年と綺麗にまるまった数字の年数にはならない。
�� しかも、理事の任期より短くできない（32条��)｡
３．評議員
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現行法 |
改正法 |
|
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は６年まで）（63� � |
＜ポイント＞
�� 評議員の任期も寄附行為の必要的記載事項となっている(23条��8号)。
�� 評議員の任期は、寄附行為で定める期間（６年以内）以内に終了する会計年度の最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする（63条� 法�→つまり実際の評議員の任期は４年、５年、６年と綺麗にまるまった数字にならない。
�� しかも寄附行為で定める評議員の任期は、理事の任期より短くできない（32条��)。
会計監査人もおまけでみておきます。
４．会計監査人
|
現行法 |
改正法 |
|
規定なし |
任期は、選任後一年以内に終了する会計年度に関する定時評議員会の終結の時までとする。 定時評議員会において特段の決議がされなかったときは、当該定時評議員会において再任されたものとみなす。（82） |
＜ポイント＞
�� 会計監査人の任期は寄附行為で定めるのではなく法定されている。すなわち、１年以内に終了する会計年度に関する定時評議員会の終結の時までとなっている（82条� 法�
�� 会計監査人は、別段の決議がない場合は、再任されたものとみなす（82条�◆法�
※ざっくりとしたまとめです。
|
�〕�事の任期 |
寄附行為の定め |
最長４年 |
|
�� 監事に任期 |
同上 |
最長６年 |
|
�� 評議員の任期 |
同上 |
最長６年 |
|
�� 会計監査人の任期 |
私学法で法定 |
約１年 |
今日は、ここまでです。
2024年07月20日
【休憩室】今日から夏休み！！
こんにちは！学校が夏休みに入りました。広場も夏休みに入ります。
夏休みは、7月20日（土）〜9月1日（日）の44日間の予定です。学校での出来事は、不定期で書いていきます。
2024年07月19日
【新基準関係】ワーキンググループ
今日は、ニュースです。この度、「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ」の議事録（１回〜３回）が公表されました。ワーキンググループは、あり方検討会の下にある組織で、主に「セグメント情報における配分基準（「経済実態をより適切に表す配分基準」）」を検討するために設けられました。↓↓
学校法人会計基準の諸課題に関するワーキンググループ（令和5年度〜）
学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ
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回 |
日時 |
話題 |
開催 |
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第1回 |
3月13日(水) |
1.本ワーキンググループの運営について 2.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 3.本ワーキンググループのスケジュールについて 4.学校法人会計基準の在り方に関する検討会 報告書について |
済 |
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第2回 |
4月10日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査について 3.本ワーキンググループのスケジュールについて |
済 |
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第3回 |
5月29日(水)
|
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査（アンケート及びヒアリング）の結果3.大学等と病院・診療所 4.国立大学附属病院における教員人件費等の会計処理 |
済 |
|
第4回 |
7月17日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に報告 |
済 |
|
第5回 |
９月２日（月） 16:00〜18:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）に対する各団体への集中ヒアリング（予定） |
|
|
第6回 |
10 月２日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準の検討��（予定） |
|
|
第7回 |
11 月 13 日（水） |
セグメント情報における配分基準の検討��（予定） |
|
|
第8回 |
12 月 18 日（水） |
まとめ案の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に最終報告 |
|
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第9回 |
2025年2月2日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
|
|
第10回 |
2025年3月12日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
|
今日は、ここまでです。
2024年07月18日
私立学校の設置者が学校法人である理由とは？
こんにちは！今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。
＜Ｑ＞私立学校の設置者が学校法人である理由とは？
私立学校の設置者は原則学校法人ですが、どうしてでしょうか？
＜Ａ＞
現行私立学校法の条文から確認です。
|
（定義） 第２条 この法律において「学校」とは、学校教育法第1条に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。 ２ この法律において、「専修学校」とは学校教育法第124条に規定する専修学校をいい、「各種学校」とは同法第134条第1項に規定する各種学校をいう。 ３ この法律において「私立学校」とは、学校法人の設置する学校をいう。 第3条 この法律において「学校法人」とは、私立学校の設置を目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。 |
私学法2条3項や3条から私立学校法の設置者は、学校法人とすることが読み取れます。ただ、その解説は学校会計の法規集では、対応できないので松坂先生の逐条解説私立学校法三訂版p13を参考にします。
私立学校の設置主体を原則として学校法人に限定した趣旨は、私立学校の設置者には、それにふさわしい永続性、確実性、公共性が必要であると考えられたところにあります。
以下は、関連する参考情報です。
・また、私立学校法制定時において、幼稚園の設置主体について当分の間経過的特例（例えば個人立幼稚園）を認めた趣旨は、これが整備充実の途上にあるものであり、学校法人に限定して質的な充実を図るよりは、むしろ設置主体の限定を置かないことにより、その量的な普及を期待したところにあります。
・平成18年6月（2006.6）の学校教育法の一部改正までは、盲学校、聾学校及び養護学校についても学校法人によって設置されることを要しないものとされていました。
・なお、私立専修学校の設置主体については学校教育法第127条で「必要な経済的基盤を有すること」等の要件を定めていて、これらの要件を満たす者であれば設置することができます。
・私立各種学校については設置主体について私学法では特に規定はありません。
・平成14年（2002）に制定された構造改革特別区域法において特区制度が設けられました。この特区制度では、従来学校法人によって設置されなければならないこととされていた私立学校について、株式会社又は特定非営利活動法人（大学及び高等専門学校以外の学校に限る。）が設置することが可能となりました。
今日は、ここまでです。
2024年07月16日
基本金の取崩しの具体的な内容
こんにちは！専修学校法人の経理の方からのご質問です。
＜Ｑ＞基本金の取崩しの具体的な内容
第1号基本金の取崩しについて基準31条1項1号を読んでいるのですが、「その諸活動の一部又は全部を廃止した場合」の文章が抽象的でよくわかりません。具体的に教えて下さい。
|
（基本金の取崩し） 第31条 学校法人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める額の範囲内で基本金を取り崩すことができる。 一 その諸活動の一部又は全部を廃止した場合 その廃止した諸活動に係る基本金への組入額 二 その経営の合理化により前条第1項第一号に規定する固定資産を有する必要がなくなつた場合 その固定資産の価額 三 前条第1項第二号に規定する金銭その他の資産を将来取得する固定資産の取得に充てる必要がなくなつた場合 その金銭その他の資産の額 四 その他やむを得ない事由がある場合 その事由に係る基本金への組入額 |
＜Ａ＞
この取り扱いは、平成17年の基準改正で行われました。当時の文科省通知では、「「諸活動の一部又は全部の廃止」とは， その設置する学部，学科等の廃止，定員の減少等の学校規模の縮小や，奨学事業等の基金事業の縮小又は廃止が該当するものであること。」と説明があります（平17.5.13 17文科高第122号）。
そして、「諸活動の一部又は全部の廃止」に該当した場合には、｢その廃止した諸活動に係る基本金への組入額｣を基本金の取崩対象額とすることになります。
より具体的なことをざっくりとですがお話すると、通常年の学校の場合には、取り壊した建物付属設備、除却した機器備品・図書などの多くが基本金の取崩し対象額になってきます。
今日は、ここまでです。
2024年07月12日
奨学費の割合
こんにちは！今日は、ある研修会終了後、大学法人の方からのご質問です。
＜Ｑ＞奨学費の割合
大学法人では、大学・短大・高校・中学を設置しています。奨学費について他校の平均値を知りたいのですが、情報があれば教えて下さい。
＜Ａ＞
私学事業団の「今日の私学財政」を利用しての回答です。奨学費の割合は、事業活動収入を100とした場合の奨学費の割合です。
奨学費の構成割合（奨学費÷事業活動収入）
参考：今日の私学財政
|
部門 |
H30年度 2018年度 |
Ｒ元年度 2019年度 |
Ｒ2年度 2020年度 |
Ｒ3年度 2021年度 |
R4年度 2022年度 |
|
大学（医 歯 系 大 学 を 除 く） |
3.1% |
3.2% |
7.4% |
5.8% |
6.0% |
|
短大 |
3.3% |
3.7% |
9.0% |
8.2% |
8.5% |
|
高校 |
4.3% |
4.5% |
4.1% |
4.1% |
4.1% |
|
中学校 |
2.1% |
2.1% |
2.5% |
2.3% |
2.3% |
なお、2020年度より大学部門・短大部門には、給付型奨学金の支出を行うことになったために奨学費の割合が高くなっています。
今日は、ここまでです。
2024年07月10日
計算書類の承認権限者は誰？
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞計算書類の承認権限者は誰？
決算書は、理事長が作成の責任者ですが決算書の確定は誰がするのですが？
＜Ａ＞
現行法では、私学法に定めがありません。ですから決算書の確定は、寄附行為で定めるのが望ましいと考えられます。でも、もし寄附行為に定めが場合は、私学法の一般原則に従って考えて理事会決議で決定することになるでしょう。
なお、改正私学法では、計算書類は理事会決議で確定させることになりました（改正私学法104条��）。
ちなみに予算書の取り扱いも同じです。改正私学法では、理事会の決議事項になりました（改正私学法36条��6号）
※図表：早わかり
|
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現行法 |
改正私学法 |
|
計算書類の決定 |
寄附行為の定め |
理事会決議（104条��） |
|
予算書の決定 |
寄附行為の定め |
理事会決議（36条��6号） |
今日は、ここまでです。
2024年07月08日
予算書の修正
こんにちは！今日は、ある幼稚園法人さんからのご質問です。
＜Ｑ＞予算書の修正
今年度の当初予算は3月の理事会で承認されました。5月には決算書が理事会で承認されました。そこで、資金収支予算書の前年度繰越支払資金や事業活動収支予算書の前年度繰越収支差額を確定値に置き換えても大丈夫ですか？
＜Ａ＞
少し硬めの回答例になりますが、当初予算の数値を勝手に変えることはできません。予算書に決算の確定値を織り込む場合は、正規の手続きは補正予算書を作り理事会決議を受ける必要があります。又は、3月の予算理事会の際に5月に決算の確定値が決まりしだい、予算書を確定値に置き換える決議を取っておけば、5月の決算確定をもって当初予算の資金収支予算書の前年度繰越支払資金や事業活動収支予算書の前年度繰越収支差額を確定値に置き換えることができたでしょう。
今日は、ここまでです。
2024年07月05日
【新基準関係】ワーキンググループ
今日は、ニュースです。この度、「学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ」の資料が公表されました。ワーキンググループは、あり方検討会の下にある組織で、主に「セグメント情報における配分基準（「経済実態をより適切に表す配分基準」）」を検討するために設けられました。↓↓
学校法人会計基準の諸課題に関するワーキンググループ（令和5年度〜）
学校法人会計基準の諸課題に関する検討ワーキンググループ
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回 |
日時 |
話題 |
開催 |
|
3月13日(水) |
1.本ワーキンググループの運営について 2.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 3.本ワーキンググループのスケジュールについて 4.学校法人会計基準の在り方に関する検討会 報告書について |
済 |
|
|
4月10日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査について 3.本ワーキンググループのスケジュールについて |
済 |
|
|
5月29日(水) |
1.セグメント情報における配分基準に関する論点の整理 2.附属病院等の実態調査（アンケート及びヒアリング）の結果3.大学等と病院・診療所 4.国立大学附属病院における教員人件費等の会計処理 |
済 |
|
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第4回 |
7月17日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に報告 |
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第5回 |
９月２日（月） 16:00〜18:00 |
セグメント情報における配分基準（たたき台）に対する各団体への集中ヒアリング（予定） |
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第6回 |
10 月２日（水） 15:00〜17:00 |
セグメント情報における配分基準の検討� 瞥縦蝓� |
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第7回 |
11 月 13 日（水） |
セグメント情報における配分基準の検討�◆瞥縦蝓� |
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第8回 |
12 月 18 日（水） |
まとめ案の作成（予定） ＊学校法人会計基準の在り方に関する検討会に最終報告 |
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第9回 |
2025年2月2日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
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第10回 |
2025年3月12日 15:00〜17:00 |
予備日�� |
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今日は、ここまでです。
2024年07月03日
【改正私学法】監事の改正ポイント
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】監事の改正ポイント
寄附行為の変更案を作っています。監事制度について、改正私学法ではどう変わりますか？
＜Ａ＞
下記図表で説明します。
|
項目 |
改正前【現行法】 |
改正後【改正法】 |
|
基本的性格 |
定めなし |
学校運営その他の学校法人の業務又は財務管理について識見を有する者（45��） |
|
主な職務等 |
�ヽ惺史／佑龍般魁∈盪困両�況、 理事の業務執行の状況の監査 ��監査報告の作成 �Ｉ埓宜坩拇�の理事会等への報告 �ね�事会、評議員会の招集の請求 �ネ�事の不正行為等の差止め |
同左（521号、53� �56�´◆�57、58� � |
|
�ν�事会への出席、意見 |
�ν�事会、評議員会への出席、意見（55） |
|
|
− |
��理事が評議員会に提出しようとする議案等の調査（54） |
|
|
− |
※子法人に対する調査権を明記（53��） |
|
|
定数 |
２人以上 |
２人以上（18��） |
|
任期 |
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は６年まで）47� � |
|
選解任方法 |
評議員会の同意を得て理事長が選任 |
評議員会の決議（45� �48� � |
|
主な構成の 要件 |
�〕�事、評議員、学校法人の職員との兼職禁止 |
��
理事、評議員、学校法人の職員、子法人役員（監事、監査役等を除く）、子法人職員との兼職禁止（31��、46�◆� |
|
��
理事親族の就任禁止（通知事項） |
�■運涌幣紊陵�事、他の監事又は２人以上の評議員と特別利害関係を有していないこと（46��） |
|
|
常勤監事 |
定めなし |
一定の要件に該当する大臣所轄学校法人等においては、常勤監事の選定義務化（145� � |
今日は、ここまでです。
2024年07月01日
【改正私学法】理事会・理事の改正ポイント
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】理事会・理事の改正ポイント
寄附行為の変更案を作っています。理事や理事会は、改正私学法でどう変わりますか？
＜Ａ＞
下記図表で説明します。
１．理事会
|
項目 |
改正前【現行法】 |
改正後【改正法】 |
|
位置付け |
基本的に意思決定・執行機関 |
基本的に意思決定・執行機関 |
|
主な職務等 |
��学校法人の業務等の決定 |
��
学校法人の業務等の決定（36��１号） |
|
��
理事の職務の執行監督 |
��
理事の職務の執行監督（36��2号） |
２．理事
|
項目 |
改正前【現行法】 |
改正後【改正法】 |
|
基本的資格 |
基本的に意思決定・執行機関 |
基本的に意思決定・執行機関 |
|
主な職務等 |
��
学校法人の業務等の決定 |
��
学校法人の業務等の決定（36��1号） |
|
��
理事の職務の執行監督 |
��
理事の職務の執行監督（36��2号） |
|
|
基本的資格 |
定めなし |
私立学校を経営するために必要な知識又は経験及び学校法人の適正な運営に必要な識見並びに社会的信望を有する者（30� � |
|
定数 |
５人以上 |
５人以上（18��） |
|
任期 |
寄附行為の定めるところ |
寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとする（寄附行為で定める期間は４年まで）（32� � |
|
選解任方法 |
寄附行為の定めるところ |
理事選任機関が選解任（選任の際あらかじめ評議員会の意見聴取が必要）（30�´◆�33� � |
|
主な構成の要件 |
��
設置する学校の校長を含む |
��
設置する学校の校長を含む（31�ぃ厩罅� |
|
��
評議員を含む |
− |
|
|
��
外部理事を含む |
��
外部理事を含む（大臣所轄学校法人等においては２人以上）（31��2号、146� � |
|
|
��
各役員の親族は各１人まで |
�Ｂ召裡何涌幣紊陵�事、１人以上の監事又は２人以上の評議員と特別利害関係を有していないこと（31�Α� |
|
|
�ぁ擲箙腟�制】他の理事と特別利害関係を有する理事の数は、理事の総数の１／３を超えないこと（31�А� |
||
|
その他 |
|
・理事会において、理事長、代表業務執行理事、業務執行理事を選定（・解職）（37� 銑ぁ� ・理事会への職務報告義務（年２回以上、大臣所轄学校法人等は年４回以上）（39� �146�◆� |
今日は、ここまでです。
2024年06月28日
【改正私学法】学校内の重要ポストの選任・解任！
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】学校内の重要ポストの選任・解任権
寄附行為の変更案を作っています。関連して改正私学法には、36条第3項第3号の「その他の重要な役割を担う職員」とは誰のことですか？
|
改正私学法 （理事会の職務等） 第36条 理事会は、全ての理事で組織する。 ２ 理事会は、次に掲げる職務を行う。（以下、略） ３ 理事会は、学校法人の業務に係る次に掲げる事項の決定を理事に委任することができない。 一 重要な資産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 学校法人の設置する私立学校の校長その他の重要な役割を担う職員の選任及び解任 |
＜Ａ＞
皆様がご存知のように改正私学法では、校長（学長・園長）の選解任権は理事会に法定されました（理事会の必要的決定事項）。もう一つ「その他の重要な役割を担う職員」の選解任権も理事会と法定されています。ただ、ここで言う「その他の重要な役割を担う職員」の範囲がはっきりしません。
文科省の説明資料「私立学校法の改正について」（2024.6.14版）p109では、「具体的にどの職員が該当するかについては、各学校法人の規模や実情に応じて判断することになります。学部長が必ずしも該当するわけではないと考えています。」とあります。しかしもっと具体的な情報があると助かります。そこで松坂先生の「逐条解説私立学校法四訂版(暫定版)」p302を参考にして説明します。
|
３ 学校法人の設置する私立学校の校長その他の重要な役割を担う職員の選任及び解任 「重要な役割を担う職員」の範囲について、会社法第362条第4項第3号に規定する「支配人その他の重要な使用人の選任及び解任」では、その具体的な「重要性の判断基準は（中略）具体的事案ごとの総合的判断（同）」である、一般には、支店長、本店部長等は、その他の重要な使用人に該当する場合が多いであろう（同）」とされている。 学校法人においては、設置する私立学校の校長（学長及び園長を含む。）が該当するほか、大学においては副学長や事務局長など、法人としては理事以外の者が就任している場合の学園長、学院長、総長、法人事務局長などは含まれるものと考えられるが、具体的な「重要な役割を担う職員」の範囲については、法人の内部規程で定めることとなる。 （注）なお、学園長や法人事務局長が評議員となる場合には、これらの者は本項の規定により理事会において選任される者であることから、第62第5項の規定による第1号評議員（職員評議員）となるとともに、第2号評議員（理事会選任評議員）ともなることとなる。 |
なるほど、具体的な「重要な役割を担う職員」の範囲については、法定せず学校法人の自主性を重んじ（私学法1条）、法人の内部規程に実務の運用は任される訳です。最後にまとめの図表を付けておきます。
図表 理事会決議の学内重要ポストの選任・解任権の範囲
|
改正私学法の文言 |
解釈 |
例示 |
|
36条3項3号 「重要な役割を担う職員」 |
具体的な範囲については、法人の内部規程で定める |
・設置する私立学校の校長（学長及び園長を含む。）が該当する ・大学においては副学長や事務局長など ・法人としては理事以外の者が就任している場合の学園長、学院長、総長、法人事務局長など |
今日は、ここまでです。
2024年06月26日
【改正私学法】役員の選任権・解任権について
こんにちは！今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【改正私学法】役員の選任権・解任権について
寄附行為の変更案を作っています。役員の選解任件は、改正私学法でどう変わりますか？学校法人の経営で超重要な課題です。
＜Ａ＞
役員に選任権・解任権については、下記図表で説明します。
１．役員等の選解任手続き等について
|
項目 |
改正前【現行法】 |
改正後 |
|
理事の選任 |
寄附行為の定めによる |
理事選任機関が選任する（30� 法� 理事選任機関は寄附行為で定める。（実務）多くの学校法人が理事選任機関を理事会にするか評議員会にするか、両機関併用にするか迷ったとろこです。 ※理事選任機関が評議員会以外の場合は、評議員会の意見聴取を必須（30�◆� |
|
理事の解任 |
寄附行為の定めによる |
理事選任機関が解任する（33� 法� 理事選任機関は寄附行為で定める。（実務）理事選任機関は通常、理事の解任権を持ちます。 ※評議員会による解任の求め（33�◆法�評議員による解任を請求する訴えの提起を可能とする（33��） |
|
理事長の選定等 |
寄附行為の定めによる |
理事会が選定（・解職）する（37� � |
|
監事の選任 |
評議員会の同意を得て理事長 が選任する |
評議員会の決議によって選任する（45� � ※理事による監事の選任議案の提出には、監事の過半数の同意が必要（49� � |
|
監事の解任 |
寄附行為の定めによる |
評議員会の決議によって解任する（48� � ※評議員による解任を請求する訴えの提起を可能とする（48�◆� |
他にも関連する制限などを拾っておきます。
２．役員等の兼職の制限等について
|
項目 |
改正前【現行法】 |
改正後 |
|
兼職の制限 |
監事は理事・評議員・職員と兼職禁止、1名以上は評議員と兼職している理事が必須 |
監事は理事・評議員・職員・子法人役員（監事、監査役等を除く）・子法人職員と兼職禁止（31��46�◆法� 理事と評議員の兼職禁止（31��）。執行部門の理事会と監督部門の評議員会を分けようと言うガバナンスの考え方が根底にあります。 |
|
評議員の定数 |
理事の２倍を超える数が必要 |
理事を超える数が必要です（18��）。執行部門の理事会が監督部門の評議員会のメンバーを兼務するのはおかしい（まるで自己監査）と言うガバナンスの考え方です。（実務）改正後の理事構成と評議員構成をイメージして評議員の定数を決めてきます。 |
３．役員等の構成の要件等について
|
項目 |
改正前【現行法】 |
改正後 |
|
近親者等に関する制限 |
各役員について近親者等が１人を超えて含まれてはならない |
各役員についての制限を強化するとともに、評議員についても近親者等の制限を設ける（31�Ν�、46��、62�き�）。 |
|
職員である評議員 |
１人以上必要 |
１人以上必要（62��1） 【割合規制】評議員の総数の１／３まで（62��1号）。割合規制は造語ですが、新しいルールです。 |
|
理事・理事会が選任した評議員 |
制限無し |
【割合規制】評議員の総数の１／２まで（62��2号）割合規制は造語ですが、新しいルールです。 |
|
外部理事 |
１人以上必要 |
１人以上必要（31��2号） 大臣所轄学校法人等は、2名以上必要（146� � |
今日は、ここまでです。
2024年06月24日
【改正私学法】私立学校法の改正について（2024.6.14版）
こんにちは！今日は、ニュースです。大学法人では、寄附行為改正の理事会決議が多く見られるようになりました。
さて先週、文科省より改正私学法の施行令・施行規則が公表されたお話をしましたが、
→私立学校法の一部を改正する法律等の施行について（通知）
同日付で「私立学校法の改正について」も改定されました。
→私立学校法の改正に関する説明資料（R6.6.14更新）PDF
今日は、ここまでです。
2024年06月21日
【重要】改正私学法施行令・施行規則が公表される！！！
こんにちは！今日は、ニュースです。
5月にパブコメを求めていいた私学法施行令、施行規則が下記の通り確定し公表されました。これに今後、新・学校法人会計基準が公表されると令和7年4月以降の会計ルールがいったん全て整うことになります。改正私学法施行令や施行規則が早く「e-gov」でも拾えるようになると嬉しいです。
今日は、ここまでです。
2024年06月19日
修学支援制度の会計処理
こんにちは！今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。
＜Ｑ＞修学支援制度の会計処理
当法人は、修学支援制度の認定校です。大学と専門学校の会計処理を教えて下さい。
＜Ａ＞ 大学は、私学事業団より「授業料等減免費交付金」が交付されます。専門学校は都道府県より「授業料等減免費負担金」が交付されます。会計処理は、以下の通りです。
|
|
大学 |
専門学校 |
|
行政が支援する相手 |
法人 |
法人 |
|
給付の名称 |
授業料等減免費交付金 |
授業料等減免費負担金 |
|
収入側 |
国庫補助金（収入） |
地方公共団体補助金（収入） |
|
支出側 |
奨学費（支出） |
奨学費（支出） |
|
備考 |
|
所轄庁の指示があればそれに従う |
参考：月報私学（R2.12.1第276号）
今日は、ここまでです。
2024年06月12日
【要注意！】来年の決算の作成基準？と作成期日？
こんにちは！今日は、ある研修会でのご質問です。
＜Ｑ＞【要注意！】来年の決算の作成基準？と作成期日？
令和７年４月より改正私学法や新しい省令（学校法人会計基準）が施行されるのですが、来年の決算書は新基準で作成し、作成期日は６月末までに作るのですか？
＜Ａ＞
現行私学法は、毎会計年度終了後2か月以内（つまり5月31日まで）に、貸借対照表、収支計算書等を作成しなければならないと定めています(現行法47条��)。これに対して、改正私学法では、計算書類等は、毎会計年度終了後3か月以内（つまり６月30日まで）に作成しなければならないと定めています（新法103条�◆法２�正私学法は会計基準について、学校法人は、文部科学省令で定める基準（これが新・学校法人会計基準）に従い、会計処理を行わなければならないと定めています（改正法101条)。このように確かに改正私学法を読むと、次回の決算は。新・学校法人会計基準で決算を行い、計算書類の作成期日は、6月30日までと読めてしまいます。
ただ、ここからが注意です。改正私学法には、附則が続き、次回の計算書類の作成期日は、従来の通り、だから5月31日までに作成する（改正法附則4条� �。新・学校法人会計基準は、令和7年度決算から適用するとあります（改正法附則4条��)。つまり、来年の決算は、計算書類の作成基準と作成期日は、今回の決算と同じ従来ルールで行います。
※まとめ
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今年の決算 （令和5年度決算） |
来年の決算 （令和6年度決算） |
再来年の決算 （令和7年度決算） |
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会計基準 |
現行基準 |
現行基準 |
新会計基準 |
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作成期日 |
5月末日 |
5月末日 |
6月末日 |
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根拠 |
現行法の 施行規則4条の4 私学法47条�� |
改正法附則4条�´� |
改正法101条、103条 |
今日は、ここまでです。
2024年06月10日
「第4号基本金引当特定資産」繰り入れの可否？
こんにちは！今日は、ある大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞「第4号基本金引当特定資産」繰り入れの可否？
第4号基本金に対する引当特定資産はあまり見かけないのですが、計上したら誤りですか？
＜Ａ＞
第4号基本金に対する引当特定資産は、繰入が強制されていませんが繰り入れることはできます。実際、大学法人では繰り入れている大学法人の割合としては少ないのですが、見かけることがあります。具体的に第4号基本金引当特定資産を繰り入れる場合は、支払資金として有している現預金、現金預金に類する金融商品を第４号基本金に対応した特定資産に繰り入れることになります。
＜参考＞会計士協会の実務指針45号（正式名称：「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について（通知)」に関する実務指針-学校法人委員会実務指針第45号)５−９では、第4号基本金引当特定資産の説明があります。
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５−９ 第４号基本金に対応した特定資産の計上区分
Ａ 「第４号基本金に対応する名称を付した特定資産」は、支払資金としての機能を有している資産であるため、短期的に決済されるものが想定されている。 学校法人では、原則としていわゆるワンイヤールール（１年基準）により、「流動資産」と「固定資産」の区分を行っているが、「学校法人会計基準別表第三
貸借対照表記載科目」備考において、特定資産は「使途が特定された預金等をいう。」とされ、「固定資産」として計上される。 したがって、短期的に決済可能な資金であっても、特定資産であることから「固定資産」として計上することになる。 |
今日は、ここまでです。
【専門学校】学校教育法の改正案が成立
こんにちは！今日は、専門学校のニュースです。今後の専門学校の経営に影響しそうな学校教育法の改正です。
【専門学校】学校教育法の改正案が成立
2024年6月7日、今国会に提出されていた「学校教育法の一部を改正する法律案」が参議院本会議において採決され、全会一致で可決し、成立しました。
今回の学校教育法改正は、以下の３点を内容としています。
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１単位制 |
大学等との制度的整合性を高める措置として、専修学校専門課程、いわゆる専門学校の入学資格を見直すとともに、学習時間に関する基準を「単位数」により定めることができるようにします。 |
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２専攻科 |
専門課程修了者の学修継続の機会確保や社会的評価の向上のための措置として、一定の要件を満たす専門課程に専攻科を置くことができることとし、当該専門課程の修了者は専門士と称することができることとします。 |
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３学校評価 |
教育の質の保証を図るための措置として、大学と同等の項目での自己点検評価を義務付けるとともに、外部評価を受けることを努力義務とします。 |
文部科学省では、令和８年４月１日の施行に向けた具体的な準備を進め、専門学校が、地域に根ざした身近な実践的な職業教育機関としての役割をしっかりと果たし、将来的にも、我が国の社会的基盤を支える人材を輩出していけるよう、必要な施策の推進に取り組んでいく予定です。
追記しました。（2024.6.30事務局）
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出典：専門学校新聞2024年6月15日号 p1より、青字は事務局が加筆 改正学校法が成立 専門学校に関する内容で「単位制」「専攻科」など規定 （前文：リード） 文部科学省が今国会に提出していた「学校教育法の一部を改正する法律案」が６月７日、参議院本会議にて採決され、全会一致で可決、成立した。内容はすべて専修学校専門課程（専門学校）に関するもので、�‘�学資格を見直すとともに学習時間の基準を「単位数」により定めることができる��一定の要件を満たす専門課程に専攻科を置くことができる��自己点検評価を大学と同等の項目において義務付け、外部評価の受審を努力義務とする−の３点が改正される。文部科学省では今後、令和８年４月１日の施行に向け具体的な準備を進めるとしている。 （記事） 法改正ではまず大学等との制度的整合性を高める措置として、入学資格と学習時間の条文を改める。入学資格は高等学校等を卒業した者に「準ずる学力があると認められた者」から「同等以上の学力があると認められた者」に改正する（第125条第3項関係）。 また専修学校となるために必要な要件のうち、「授業時数が文部科学大臣の定める授業時数以上であること。」の「授業時数」を「授業時数又は単位数」に改める（第124条関係）。ニュースのヘッドラインでは各社が「単位制に移行」と報じているが、文言を見る限り実質的に完全移行されるかは現時点で不透明だ。大学編入学等の円滑なアクセスの点からニーズのある専門学校では単位化が進むと推測できる。 専攻科は「特定専門課程」に置くことができ、「専修学校の特定専門課程を修了した者等に対して、精深な程度において、特別の事項を教授し、その研究を指導することを目的とし、その修業年限は1年以上とすること。」の項目が新設される（第125条の2関係）。特定専門課程は「修業年限が2年以上であることその他の文部科学大臣の定める基準を満たす専門課程」とされており、職業実践専門課程と見られるが現時点では定かではない。また第131条の2として「専修学校の特定専門課程を修了した者は、文部科学大臣の定めるところにより、専門士と称することができる」という項目が新設される。 自己点検評価は「教育、組織及び運営並びに施設及び設備の状況」に関して点検・評価および結果の公表が義務付けられる。また「学校の職員以外の者で専修学校に関し広くかつ高い識見を有するものによる評価を受け、その結果を公表するよう努めるものとする」（第132条の2関係）と、第三者評価を努力義務とすることが明記される。 今回の改正の趣旨はリスキリングやリカレント教育など職業教育の重要性が高まっていること等を踏まえ、専門学校教育のさらなる充実を図ることが目的。専門学校生の呼称が「学生」に改まる点も含め、大学と並び立つ高等教育機関として法の枠組みを整える。 |
2024年06月05日
【私学助成園】無償化の会計処理
こんにちちは！今日は、ある幼稚園でのご質問です。
＜Ｑ＞【私学助成園】無償化の会計処理
都内の幼稚園ですが当幼稚園は、まだ新制度園に移行していません。今年度から最寄りの市が幼児教育の無償化について法定代理受領となりました。ですが会計処理がわかりません。施設等利用給付費の受け入れは、補助金収入ですか？学生生徒等納付金収入ですか？
＜Ａ＞
施設等利用費の法定代理受領を行う場合、市から施設等利用費の支給があった時に、幼稚園では一旦預り金として受け入れ、その利用料についての納付期限の到来に応じて、大科目は「学生生徒等納付金収入」として取り扱うことを基本とし、小科目は「施設等利用給付費収入」とします。
内閣府 幼児教育・保育の無償化に関するFAQ【2023年3月31日版】17-4
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17-4 施設型給付を受けない幼稚園の会計処理 Ｑ 施設型給付を受けないの私立幼稚園が利用料（入園料・保育料）にかかる施設等利用費を法定代理受領した場合の会計処理はどのようにすればよいですか。 Ａ 市町村から施設型給付を受けない幼稚園に利用料（入園料・保育料）にかかる施設等利用費の支給があった場合、幼稚園では一旦預り金として受け入れ、当該利用料に係る納付期限の到来に応じて大科目は「学生生徒等納付金収入」として取り扱うことを基本とし、小科目は「施設等利用給付費収入」に振り替える取り扱いになります。 この場合、入園料が発生する初年度においては、一般的に納付期限が先である入園料相当分から施設等利用給付費収入に振り替えることになりますが、事務処理の簡便化を図る観点から、保育料相当分を先取りして振り替えることも考えられます。いずれの場合も所轄庁の指示がある場合はその指示により処理することに留意してください。 なお、施設等利用費は、各施設が園則に定めた保護者に支払を求めるべき利用料について、その一定額まで保護者に支給される性質であることを踏まえ、「学生生徒等納付金収入」と取り扱うものであり、「補助金収入」とすることは想定されません。 |
また、東京都知事所轄の幼稚園は、下記の事務連絡で最終確認して下さい。国の会計処理と同じです。
幼児教育・保育の無償化に係る学校法人の会計処理について（令和2年1月20日事務連絡）
※図解
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大科目 |
小科目 |
備考 |
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学生生徒等納付金収入 |
保育料収入 |
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入園料収入 |
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施設設備資金収入 |
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施設等利用給付費収入 |
法定代理受領の施設等利用費の受け入れ |
今日は、ここまでです。
2024年06月03日
いろいろな私学社団・財団からの退職資金
こんにちは！今日は、ある大学でのご質問です。
＜Ｑ＞いろいろな私学社団・財団からの退職資金
当法人では、大学の他、数県にわたり高校を設置しています。大学は私立大学退職金財団に加入しています。高校は、各県の私立学校退職金社団や財団や私学協会等に入っています。この各団体から交付される退職資金をまとめて表示したいのですが何という科目で表示するのが良いでしょうか？現在は、私学退職金資金（収入）で表示していました。
＜Ａ＞
大学だけなら「私立大学退職金財団交付金（収入）」が綺麗ですが、高校も含める場合は「私学退職金団体交付金（収入）」のような科目になるでしょう。
今日は、ここまでです。
2024年05月29日
理事長が行う債務保証の注記
こんにちは！今日は、ある大学法人の監事さんからのご質問です。
＜Ｑ＞理事長が行う債務保証の注記
当法人では、銀行借入について理事長が個人保証をしています。これは、貸借対照表の注記にならないんでしょうか？
＜Ａ＞
理屈で言えば、貸借対照表末尾の関連当事者の注記に記載することが望ましいのですが、実務では注記をしない学校法人が多いように感じます。
＜少し解説＞
学校法人が銀行から借り入れをする場合、理事長が個人保証する場合がみられます。この場合に貸借対照表に注記が必要かどうかです。考えられるのは、関連当事者の注記です。理事長の債務保証について、関連当事者の注記が必要かどうかは議論が分かれています。
１． 関連当事者の注記を必要とする考え方
関連当事者の注記は、「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について（通知）（平17.5.13 17高私参第1号）」で求められています。ここでは、その取引が「無償の場合又は有償であっても時価に比して著しく低い金額等による場合には、原則として第三者間において通常の取引として行われる場合の金額等によって重要性を判断し、注記すること」としています。つまり、金額等に重要性があれば、理事長の債務保証を注記することになります。通常は、借入金は、金額等に重要性があると考えられます。注記した方が、学校法人と役員との取引の全体を開示することで情報の透明性を高める等の趣旨からも注記が望ましいと考えるのです。
２． 注記不要とする考え方
他方で、前記の通知では、下記の場合は注記を要しないとしています。
|
�＾貳牟チ萋�札による取引並びに預金利息及び配当金の受取りその他取引の性格からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引 |
|
��
役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払い |
|
��
その学校法人に対する寄附金 |
ここで��で学校法人に対する寄付金が注記を要しない取引とされていることから、借入金に対する被保証も学校法人にとっては不利にならないので、また、自己又は第三者のために行う取引ではないため、注記しなくともよいという考え方もあります。
＜関連＞
学校法人会計基準改正に伴う相談回答事例（学校法人委員会研究資料第1号）
Q10 借入金に対する理事長の債務保証の注記の要否
今日は、ここまでえす。
2024年05月27日
基本財産と運用財産について
こんにちは！今日は、ある高校法人の監事さんからのご質問です。
＜Ｑ＞基本財産と運用財産について
財産目録には、基本財産や運用財産が出てきますが、基本財産や運用財産はどこで紹介されている言葉ですか？学校法人会計基準には、出てきませんが。
＜Ａ＞
基本財産や運用財産は、寄附行為に出てきますし、毎年、学校法人が作成する財産目録にも出てきますので馴染が深い用語に思います。今日は、そのもともとの出典を説明します。
基本財産や運用財産は私立学校法よりの言葉です。どういうことかと言うと、現行私学法25条には下記の定めがあります。
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現行私立学校法 （資産） 第25条 学校法人は、その設置する私立学校に必要な施設及び設備又はこれらに要する資金並びにその設置する私立学校の経営に必要な財産を有しなければならない。 ２ 前項に規定する私立学校に必要な施設及び設備についての基準は、別に法律で定めるところによる。 |
そして、この２つの財産について、私立学校法施行規則第2条4項においては赤字を基本財産、青字を運用財産と読んでいます。
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現行私立学校法施行規則 （寄附行為認可申請手続） 第2条 ‥‥‥ ６ 第2項第1号の財産目録は、基本財産（学校法人の設置する私立学校に必要な施設及び設備又はこれらに要する資金をいう。）と運用財産（学校法人の設置する私立学校の経営に必要な財産をいう。）とを区分して記載するものとする。ただし、学校法人が収益を目的とする事業を行う場合には、収益事業用財産（収益を目的とする事業に必要な財産をいう。）を、さらに区分して記載するものとする。 |
つまり、
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私学法25条 |
私学法施行規則2条6項 |
|
学校法人の設置する私立学校に必要な施設及び設備又はこれらに要する資金 |
基本財産 |
|
学校法人の設置する私立学校の経営に必要な財産 |
運用財産 |
と言う関係にあります。
今日は、ここまでです。
2024年05月20日
【決算】授業料等減免費交付金の精算処理
こんにちは！今日は、ある短期大学でのご質問です。
＜Ｑ＞【決算】授業料等減免費交付金の精算処理
修学支援新制度の給付型奨学金の会計処理の確認です。令和５年度では最終の変更交付決定により補助金を返金することになりました。会計処理は、どうなりますか？
＜Ａ＞
交付された５年度の最終の変更交付決定により発生した補助金の返還については、返金すべき金額を補助金収入から減額し、同額を未払金として計上することになります。
今日は、ここまでです。
2024年05月17日
【決算】償却済減価償却資産の備忘価額は必須？
こんにちは！今日は、ある大学でのご質問です。
＜Ｑ＞【決算】償却済減価償却資産の備忘価額は必須？
当法人では、固定資産の減価償却は残存価額を０にして償却しますが、償却済になっても備忘価額１円を必ず残しています。備忘価額を残すのは、決まっていることなのでしょうか？
＜Ａ＞
減価償却資産の備忘価額については、会計法規集を見ると定めがあります。学校法人の減価償却に関する監杳上の取扱い（学校法人委員会報告第28号)では、
|
(2)
有形固定資産の減価償却額の計算に当たっては、残存価額を零として行った場合であっても、妥当な会計処理として取り扱うものとする。この場合、最終年度に備忘価額を付するものとする。 |
とあります。つまり、備忘価額を残すのは個別償却資産の場合は必須です。
ただし、機器備品のグループ償却の場合は、こちらは減価償却のウルトラ簡便法なので割り切って備忘価額は残しません。
※図表 減価償却資産と備忘価額
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償却方法 |
備忘価額 |
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個別償却 |
必須 |
|
グループ償却 |
不要 |
今日は、ここまでです。
2024年05月15日
【決算】基本金明細表でも第4号基本金の表示
こんにちは！今日は、ある短期大学でのご質問です。
＜Ｑ＞【決算】基本金明細表でも第4号基本金の表示
今年度は、第4号基本金について組入れも取り崩しもありませんでした。基本金明細表の表示は下記の通りで良いですか？
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基本金明細表 |
|||
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事項 |
要組入高 |
組入高 |
未組入高 |
|
第４号基本金 |
|
|
|
|
前期繰越高 |
１００ |
１００ |
０ |
|
当期組入高 |
０ |
０ |
０ |
|
当期取崩高 |
０ |
０ |
０ |
|
当期末残高 |
１００ |
１００ |
０ |
＜Ａ＞
基本金明細表の様式は、基準第十号様式にあります。ここでは、注意書きとして「（注）１
この表に掲げる事項に計上すべき金額がない場合には、当該事項を省略する様式によるものとする。」とあります。そうすると、当期組入高と当期取崩高は、計上すべき金額がないので、その事項（当期組入高と当期取崩高）を省略する様式になります。
回答例です。
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基本金明細表 |
|||
|
事項 |
要組入高 |
組入高 |
未組入高 |
|
第４号基本金 |
|
|
|
|
前期繰越高 |
１００ |
１００ |
０ |
|
当期末残高 |
１００ |
１００ |
０ |
本当がどうか心配な方は、文科省の通知に添付されている基本金明細表を見てみると良いでしょう。「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について（通知）
17高私参第1号平成17年5月13日」の別添で基本金明細表の記載例をみてみます。ここでは、基本金の当期組入高がなかったので基本金明細表では、カットされています。
（別添１）基本金明細表の記載例（抜粋）
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事 項 |
要組入高 |
組入高 |
未組入高 |
|
第４号基本金 |
|
|
|
|
前期繰越高 |
300,000,000 |
300,000,000 |
0 |
|
当期組入高 |
9,000,000 |
9,000,000 |
0 |
|
当期末残高 |
309,000,000 |
309,000,000 |
0 |
細かいことですが、基準の第十号様式の（注）は遵守したいものです。
今日は、ここまでです。
2024年05月13日
人件費支出内訳表でも役員退職慰労金の表示
こんにちは！今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞人件費支出内訳表でも役員退職慰労金の表示
今回始めてや役員に退職慰労金を支給しました。ですが、人件費支出内訳表のどこに表示したらよいかわかりません。役員報酬支出に含めるべきか？それとも、退職金支出の（何）にするか？どちらでしょうか？
|
人件費支出内訳表 役員報酬支出 ←ここ？？ 退職金支出 教員 職員 （何） ←ここ？ |
＜Ａ＞
役員に対する退職金は、一般の教職員に対する退職金とほぼ同様のものとして一般に認識されており、その性格から、人件費支出内訳表の「退職金支出」のうちの「職員」の次に「役員」の細分科目を設けて記載することが妥当と考えられています。つまり「退職金支出の（何）」の（何）に役員がくるわけです。
※「人件費関係等について（学校法人委員会研究報告第26号）Ｑ１０が同趣旨。
|
人件費支出内訳表 退職金支出 教員 職員 役員 ←ここでした！ |
今日は、ここまでです。
2024年05月10日
評議員の退職慰労金の科目表示
こんにちは！今日は、ある大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞評議員の退職慰労金の科目表示
当法人の「役員及び評議員の報酬等に関する規程」に従い、評議員に退職慰労金を支払うことになりました。会計処理の科目は人件費ですか？経費ですか？
＜Ａ＞
まず基本の確認です。「基準」別表第一（資金収支計算書の記載科目）や別表第二（事業活動収支計算書の記載科目）では、役員報酬（支出）とは「理事及び監事に支払う報酬」と定義されています。ですから学校法人会計の世界では、評議員報酬は、明らかに役員報酬になりません。このことは、私学法でも役員は、理事及び監事に限定されていましたので（私学法35条� 法∋箜慄‥�にも評議員報酬を役員報酬に表示することは無理があります。このため学校法人会計では、評議員の報酬は、役員報酬に表示しないで消去法的に考えて経費科目で表示します。具体的には、（大科目）管理経費（小科目）報酬委託手数料、報酬 等の科目で学校法人部門に計上されることになります。今回の評議員の退職慰労金も同じように人件費ではなく、（大科目）管理経費（小科目）報酬委託手数料、報酬 等の科目で学校法人部門に計上されることになるでしょう。
今日は、ここまでです。
2024年05月08日
再リースの会計処理と基本金
こんにちは！今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞再リースの会計処理と基本金
部活動で使うマイクロバスのリース契約期間（リース料総額７００万円）の満了がきたのですが、学校では再リースしてバスを継続して利用することにしました。この場合の会計処理は、どうなりますか？
＜Ａ＞
１．再リース料の会計処理
再リース料の会計処理は、文科省のリース通知3(1)��で決まっています。
|
�ズ謄蝓璽肯舛僚萢� 再リースを行う場合の再リース料は、経費として処理する。 |
※リース取引に関する会計処理について（通知）（平20.9.11 20高私参第2号)
リース期間が満了すると、リース資産は償却済となりなくなります。リース未払金もなくなります。
２．基本金の取扱い
さて、次は基本金の取り扱いです。リースの会計ルールでは、「リース契約（再リース契約を含む。）が終了し、リース資産を返還したときには、その会計年度でバスの基本金は取崩対象となります」（基本金に係る実務上の取扱いに関するQ&A(学校法人委員会研究報告第15号）3-4-2）。ですから逆に言うとリース資産を返還するまでは、基本金は取崩対象とならないことになります。ここは見解がわかれるかもしれませんが、制度的には基本金の取崩対象としないことが望ましいと書かれています。
これは、もし部活用のバイクロバスを現金で購入していた場合、減価償却が終了してもバスを継続して使うのであれば、基本金は取り崩しません。リース資産も同じように考えたわけです。ただリース取引の場合、基本金対象資産であるバスの簿価は、帳簿から消えていますので、基本金を繰り延べるような会計処理がわかりやすいでしょう。
今日は、ここまでです。
2024年04月30日
食堂のレジ精算システム
今日は、ある高校でのご質問です。
＜Ｑ＞食堂のレジ精算システム
この度、生徒食堂でレジの精算システムを購入しました。支出の内容を見積書で確認してのですが、ハードのレジの部分にソフトが一体になって組み込まれていて、ハードとソフトをわけることが困難です。この場合、レジ精算システムは、管理用機器備品ですか？それともソフトウエアですか？
＜Ａ＞
機器備品等に組み込まれているソフトは、両者が別個では機能せず一体としてはじめて機能するものであり、経済的耐用年数も相互に関連性が高いことから、原則として両者を区分せず、当該機器備品等に含めて処理するでしょう。
参考：ソフトウエアに関する会計処理について（通知） （平20.9.11
20高私参第3号)
今日は、ここまでです。
2024年04月28日
【ﾆｭｰｽ】私学法施行令などのパブコメ募集開始！！
こんにちは！今日は、ニュースです。
この度は、確定が遅れていた令和7年4月施行の私立学校法に関連する「私立学校法施行令等の改正に関するパブリックコメント」の募集が始まりました。募集期間は1か月です。だんだん私学法施行令・施行規則の中身が固まっていきます。↓↓
※私立学校法施行令等の改正に関するパブリックコメント（意見公募手続）の実施について
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カテゴリー |
教育 |
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案件番号 |
185001370 |
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定めようとする命令などの題名 |
私立学校法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令 |
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私立学校法施行規則の一部を改正する省令 |
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学校法人の寄附行為及び寄附行為の変更の認可に関する審査基準の一部を改正する告示 |
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大学、短期大学又は高等専門学校を設置する学校設置会社に関する審査基準の一部を改正する告示 |
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根拠法令条項 |
別紙のとおり |
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行政手続法に基づく手続か |
行政手続法に基づく手続 |
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案の公示日 |
2024年4月26日NEW |
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受付開始日時 |
2024年4月26日14時0分 |
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受付締切日時 |
2024年5月26日14時0分 |
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意見募集要領（提出先を含む） |
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命令などの案 |
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関連資料、 |
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その他 |
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資料の入手方法 |
インターネット以外の方法による掲載資料の入手方法：文部科学省高等教育局私学部私学行政課にて資料配付 |
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問合せ先 |
文部科学省高等教育局私学部私学行政課 |
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（所管省庁・部局名等） |
電話：０３−５２５３−４１１１（内線２５３１） |
今日は、ここまでです。
2024年04月26日
財産目録の様式？
こんにちは！今日は、ある大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞財産目録の様式？
毎年、財産目録を作るのですが、本学の財産目録は、正味財産の部がなくておかしいように思うのですが、大丈夫ですか？？
※現在の様式
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財産目録（超要約版） １ 資産額 （１）
基本財産 ✕✕✕ （２）
運用財産 ✕✕✕ ２ 負債額 |
＜Ａ＞
事務局的には、「３ 正味財産」として、金額は「１資産額−２負債額」とするのが綺麗だと思います。どうしてかというの「資産の総額」の登記は、正味財産の額で登記をするからです。それと寄附行為に認可申請に必要な財産目録の様式にも、正味財産の記載があります。
ただ、正味財産の記載のない様式は、文科省通知「私立学校法の一部を改正する法律等の施行に伴う財務情報の公開等について（通知）（平16.7.23 16文科高第304号）」の(別添1）様式参考例に従っているので、制度的に認められた財産目録の様式になっています。思うに私学法施行規則2条では、基本財産、運用財産が見られますが、正味財産を書けとは書いてありません。
今日は、ここまでです。
2024年04月24日
注意！【東京都】私立高等学校等授業料軽減助成金の会計処理
こんにちは！今日は、都内の高校を回っていて勘違いが散見されたので、注意喚起としてお伝えします。
＜Ｑ＞注意！【東京都】私立高等学校等授業料軽減助成金の会計処理
東京都内の高校ですが、今年は私立高等学校等授業料軽減助成金の入金がありませんでした。補助金収入は、計上しなくて大丈夫ですか？
＜Ａ＞
毎年、東京都内の私立高校に都私学財団から入金されていた私立高等学校等授業料軽減助成金ですが、今年度は通常分の助成金は、学校を通さないで直接保護者に入金されています。ですが、この助成金は、学校法人に対して交付される助成金であり、高校では助成金の交付決定通知が届いたら交付決定通知の日付をもって補助金収入を計上することになります。注意です。
結局、授業料軽減助成金が高校の通帳を通さなくても決算書の表示は昨年と同じになります。
【令和5年度の会計処理】
授業料軽減に関する会計処理を説明します。
（１）授業料の滞納がない場合
例：授業料１００（既納の授業料１００）、軽減助成額３０→財団から直接保護者に振込まれ高校には、助成金は入金されない。
|
|
借方 |
貸方 |
|
��
保護者が授業料１００を高校に振込んだ |
預金 １００ |
授業料収入１００ |
|
��
高校に助成金交付決定通知が到着した |
授業料収入３０ |
都私学財団補助金収入 ３０ |
注意点は、�△任蝋盥擦猟鳴△坊攜砂�成金が通っていません。高校では、都私学財団からの助成金決定通知をもって�△了徒�を計上することになります。
（２）私学財団が学校の生徒の滞納分を高校に振り込む場合
例：授業料１００（既存の授業料８０、滞納額２０）、軽減助成額３０
→私学財団は、滞納額の２０を高校に振込み、残りの軽減額１０は直接保護者に振り込む場合
|
|
借方 |
貸方 |
|
��
保護者が授業料を８０振込んだ（滞納額２０） |
預金８０ |
授業料収入８０ |
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��
私学財団より高校に軽減額２０が振込まれる |
預金２０ |
都私学財団補助金収入 ２０ |
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��
私学財団が軽減額１０を直接保護者に振込む |
授業料収入１０ |
都私学財団補助金収入１０ |
注意点は、��では、高校に助成金１０の入金がなくても都私学財団補助金収入１０を計上します。
今日は、ここまでです。
2024年04月22日
【寄付】バスの寄付
今日は、ある高校法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【寄付】バスの寄付
野球部のコーチより部で使うマイクロバスを寄付でもらいました。中古車としての取引相場は、古い車のため３０万円程度です。会計処理や注意点があれば教えて下さい。
＜Ａ＞
初めに車両の受入処理についてコメントし、次に会計処理の説明をしていきます。
１．受入手続
�ー嵶召慮淑�寄付は、学校で定められた所定の手続を経て受取、経理担当責任者へ報告すること（経理では、現金の入出金がない取引は把握できない）
��現物寄付について経理では、寄付申込書、寄付金受領書控え等を証憑として整える
�Ｅ佻深蠡�
車両など登録等が行われる物品の寄付を受けた場合は、車検証等により登録名義を学校法人に移す。
�じ淑�確認
必要に応じて実際にバスを見に行きます。現物・現場確認です。
２．会計処理
（１）評価
車両を現物寄付として受け入れた場合は、寄付のときにその車両を取得のために通常要する価額（今回は３０万円）で現物寄付を計上します（基準25条）。
（２）表示
現物寄付金は支払資金の収入が伴わないため、資金収支計算書の収入科目はありません。事業活動収支計算書特有の収入科目です。事業活動収支計算書では、現物寄付が２箇所に出てくるのですが、車両の現物寄付は（大科目）その他の特別収入（小科目）現物寄付となります。２つの現物寄付の表示を復習しておきます。
※（復習）事業活動収支計算書
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区分 |
大科目 |
小科目 |
内容 |
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教育活動収支 |
寄付金 |
現物寄付 |
貯蔵品、固定資産に計上しない機器備品、雑誌等の受入れのように施設設備以外の受贈額 |
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特別収支 |
その他の特別収入 |
現物寄付 |
施設設備の受贈額 |
（３）会計処理の時期
現物寄付は、取引の都度、会計帳簿に反映することが望ましいのですが、知事所轄学校法人では、事務体制等の実態にかんがみて、受入処理を計年度末において一括して処理することが認められています。※「小規模法人における会計処理等の簡略化について（報告)」について（通知）（昭49.3.29文管振第87号)
今日は、ここまでです。
2024年04月19日
【短大】マイナスの退職給与引当金繰入額の表示
こんにちは！今日は、地方の短期大学法人でのご質問です。
＜Ｑ＞【短大】マイナスの退職給与引当金繰入額の表示
当短期大学法人は、私立大学退職金財団に加入しています。今回の決算で退職給与引当金繰入額を計算したら、マイナスの繰入額になりました。決算仕訳はどうなりますか？
また、計算上の注意点は何かありますか？
＜Ａ＞
退職給与引当金が繰入超過の状態にあるので、仕訳は
「（借方）退職給与引当金 ✕✕ （貸方）退職給与引当金戻入額 ✕✕」になります。退職給与引当金戻入額は、事業活動収支計算書の（大科目）雑収入（小科目）退職給与引当金戻入額に計上することになります。
私立大学退職金財団に加入している場合、退職金の期末要支給額の１００％を基にして計算した引当金の額については、期末要支給額に掛金の累積額と交付金の累積額（財源が掛金であること。）の差額である繰入調整額を加減した額を退職給与引当金繰入額又は戻入額として計上します。ここで、（ ）書きしましたが、交付金の累積額は財源が掛金である部分のみを拾うことになります。
※関連：「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について（通知)」に関する実務指針（学校法人委員会実務指針第44号)の１−１、１−１−２
例：交付金の累積額は2種類あります。
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掛金による退職資金の累計額 |
２００ |
←掛金が財源 |
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退職資金支払準備特定資産による退職資金 |
２ |
私立大学退職金財団が保有している利息等蓄積額を財源としたもの←掛金が財源でない |
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計 |
２０２ |
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↓
退職給与引当金繰入額の計算で使う交付金の累積額は２００
※関連：月報私学平成23年2月号
今日は、ここまでです。
2024年04月17日
【減価償却の方法】定率法が利用できる場合
こんにちは！今日は、高校法人の銀行出身の事務長さんからのご質問です。
＜Ｑ＞【減価償却の方法】定率法が利用できる場合
学校の会計では、減価償却の計算は定額法を用いていますが、定率法を使うことはないのですか。
＜Ａ＞
通常の学校法人では定率法を使えるのは私学法上の収益事業を営む場合の収益事業会計の場合だけです。個人立幼稚園は、定率法の適用が可能です。
＜発展＞
学校会計では、減価償却額の計算方法は定額法によっています。これは、基準26条2項に「2 減価償却資産の減価償却の方法は、定額法によるものとする。」とあるからです。ただ、例外的に定率法が認められる場合もあります。細かく言うと基準では、減価償却の方法で定率法を認める場合を３つあげています。
（１）
収益事業(私立学校法第26条による収益事業)の会計
収益事業会計については、基準3条2項で、基準１条・２条・３条第１項の規定を除いて学校法人会計基準に従わなくてもよいことになっています。ですから基準26条2項の適用除外となっていますので定率法も可能と言うわけです。
次の（２）（３）は昭和51年に私立学校振興助成法の制定に伴って基準の改正が行われ加えられた附則３、４で基準の例外的な取り扱いです。
（２）基準適用初年度の知事所轄学校法人
まず基準附則３です。ここでは、知事所轄学校法人で、学校法人会計基準が初めて適用される場合、その年度末において有している減価償却資産については、定額法以外の方法によることができるとしています。もう少しわかりやすく言うと、初めて学校法人会計基準を適用する知事所轄学校法人では、基準適用初年度末に所有している資産で既に定率法で減価償却を実施しているものについては、その資産に限り、償却が終わるまでの間は定率法によって償却することができることとしました。
（３）学校法人立ではない個人立の幼稚園など
基準の附則4では「当分の間、‥‥学校法人以外の私立学校の設置者に対する第26条第2項の規定については、同項中「定額法」とあるのは、「定額法又は定率法」とする｡」との定めがあります。ですから例えば、個人立の幼稚園は学校法人立ではないので定率法の適用が可能と言うことになります。基準を使っていない幼稚園は通常、税法会計を利用していることが多く、この点を考慮して定率法を認めました。ただ、ここでの「当分の間」は昭和51年に始まって現在でも続いています。
今日は、基準附則の解釈は、野崎先生の新版学校法人会計基準詳説（H2年第一法規）をパラパラと参考にさせていただきました。
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学校法人会計基準 （減価償却） 第26条 固定資産のうち時の経過によりその価値を減少するもの（以下「減価償却資産」という。）については、減価償却を行なうものとする。 ２ 減価償却資産の減価償却の方法は、定額法によるものとする。 附 則 ３ 学校法人が前項に規定する会計年度の末日に有している資産に係る評価及び減価償却の方法については、第25条及び第26条第2項の規定によらないことができる。 ４ 当分の間、学校法人のうち、法附則第2条第項に規定する学校法人以外の私立の学校の設置者に対する第26条第2項の規定の適用については、同項中「定額法」とあるのは「定額法又は定率法」とする。 |
今日は、ここまでです。
2024年04月15日
【決算】今年の決算の留意点
こんにちは！今日は、短期大学法人の経理の方からのご質問です。
＜Ｑ＞【決算】今年の決算の留意点
今年も決算作業を進めています。今年度は決算で特に気をつける諸点はあります。
＜Ａ＞
令和5年度の決算は、令和7年4月施行の私学法版の学校法人会計基準の公表を控えており、会計ルールの変更はありませんでした。ですから今年度の決算は、従来の決算上の留意点を継続して気をつけることになります。
今日は、ここまでです。
