◎ 寄附行為

2015年03月27日

【運営】監事の職務(寄16)

監査役こんにちは! 予算理事会で監事さんから聞かれました。
 

<Q>監事の職務

今は、頼まれたので監事をしているのですが、本来の監事の仕事はどうなっているのでしょうか?

 

<A>

 現在、学校法人の監事は複数おき、学校法人の公益性が確保できるようになっています。

 さて、監事の職務については、私学法37各号と文科省の寄附行為作成例16条は同じです。そのためかどうかわかりませんが、寄附行為の実例も同じ法定の文言と一緒が多いです。寄附行為作成例からみてみます。

(監事の職務)

16条 監事は,次の各号に掲げる職務を行う。

一 この法人の業務を監査すること。

二 この法人の財産の状況を監査すること。

三 この法人の業務又は財産の状況について,毎会計年度.監査報告書を作成し,当該会計年度終了後2月以内に理事会及び評議員会に提出すること。

四 第1号又は第2号の規定による監査の結果,この法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは,これを文部科学大臣(都道府県知事)に報告し,又は理事会及び評議員会に報告すること。

五 前号の報告をするために必要があるときは、理事長に対して評議員会の招集を請求すること。

六 この法人の業務又は財産の状況について、理事会に出席して意見を述べること。

 

 さて、監事の職務についてよくある関連質問です。学校会計の法規集で対応できないので専門書からの引用が多いです。

<Q1>教学監査も含むの?

<A1>小野先生のP208より

 監事の職務のうち、業務監査についてはその対象が問題になる。この点、監事による監査の対象は学校法人の業務のうち経営的側面に限定すべきとの考え方もあるが、教学的な側面と経営的な側面は、実際には密接不可分であることから、教学的側面についても監事が意見を述べることは排除されていないと解するべきである。

 

<Q2>

監事の財産監査の一部を公認会計士等の専門家に任せていいの?

<A2>

 監事は、個別の職務執行について、公認会計士、税理士、弁護士等の専門家に委任することもできると解される(注釈民法(2)[藤原]396頁)。(出典:俵先生の注釈私立学校法p251

 このことから、財産監査の一部について公認会計士の意見を聞くことができる。最終的な判断は監事がします。

 

<Q3>監事の職務は例示的?限定的?

寄附行為作成例の監事の職務は例示的なものか?限定的なものか?

<A3>

 監事の職務についての私学法の規定が、限定的であるか、例示的であるか、換言すれば、寄附行為で監事の職務を付加できるかどうかは、必ずしも明らかではありません。学説をみると、民法旧59条の列挙する監事の職務は例示的であり、寄附行為によって権限を拡張することができると解されています(7:藤原弘道「新版注釈民法(2)総則(2)」〔林良平・前田達明編〕(有斐閣、1991年)397)

 民法旧規定による法人の監事は、任意機関である点で(同法旧58)、学校法人の監事とは異なりますが、監査機関としての性格に反しない限り、同様に解することができます。出典:「学校法人諸規定の整備と運用(第六版)」p65。俵先生。H25法友社。

 

今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年03月20日

【運営】理事長の職務代理者(寄15)

理事長こんにちは! 専修学校法人でのご質問です。

 

<Q>理事長の職務代理者

当法人は創立者が理事長で健在ですが高齢のため理事長に万が一のことがあった場合が心配です。どうしたら良いのでしょうか。

 

<A>

まず法的な面です。

理事長の職務代理については、私学法や寄附行為に規定があると思います。

まず私学法は、「寄附行為の定めるところにより、学校法人を代表し、理事長を補佐して学校法人の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う」(私学法37)としています。つまり、私学法は寄附行為で理事長の職務代理者を選んでくださいと言っています。

 

そこで、次は標準的と思われる文科省の寄附行為作例例をみてみます。

(理事長職務の代理等)

15条 理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、あらかじめ理事会において定めた順位に従い、理事がその職務を代理し、又はその職務を行う。

寄附行為作例では、理事長に万が一のことがあった場合に備えて、予め理事会で職務代行者と選んでくださいとしています。

 

もし、理事会で選んでいなかったら理事長は不在になって学校法人の業務(契約・所轄庁への書類の提出など)ができなくなってしまいます。この場合は、仕方がないので所轄庁に理事長たる仮理事を選んでもらい(私学法403)、この仮理事が理事会を招集して理事会で理事を選ぶことになるでしょう。

 

実務の職務代行者は俵先生の本にあります。
「調査19によると、理事長職務代理・代行について、規定のないものは1法人だけで、残りの学校法人すべて(624法人)が規定を設けている。
その内訳は、「作成例」と同じく、あらかじめ理事会で順位を定める方法が最も多く65.2%、続いて理事長の指名が14.9%、副理事長が代理.代行するものが7.7%、常務理事が代理・代行するものが6.7%となっている。」(解説私立学校法p144H25法友社)となっています。

あと経営的には、理事長の職務代理者には経営手腕が必要なことは言うまでもありません。
 

今日は、ここまでです。

続きを読む

kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年03月13日

【運営】理事長の職務と常務理事の職務(寄12・13)

承認こんにちは! 今日は、理事さんからのご質問です。


<Q>理事長と常務理事

 理事長と常務理事の違いについて教えてください。


<A>

 私学法と寄附行為から理事長と常務理事についてみてみましょう。

 まず私学法です。

(役員の職務)

37   理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理する。

2  理事(理事長を除く。)は、寄附行為の定めるところにより、学校法人を代表し、理事長を補佐して学校法人の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う。

 私学法では、理事長の規定はあるのですが、常務理事は登場しません。

 まず、理事長だけは法人の代表権を持っていて、日常業務を管理する責任者であること明示しています(37 法B召砲睛事長は、理事会を招集する(私学法36)等法定の職務があります。理事長は必置の機関です。

 そして、寄附行為をもって複数の理事に代表権を与えて理事長を補佐することができるとしています(私学法37)。明示されていませんが、この部分が常務理事に相当します。常務理事の設置は任意です。


 私学法に次に、文科省の寄附行為作成例をみてみます。

(理事長の職務)

12条 理事長は,この法人を代表し,その業務を総理する。

〔常務理事の職務

13条 常務理事は,理事長を補佐しこの法人の業務を分掌する。〕  

 作成例の内容は、私学法で説明したとおりです。

 少し追加説明すると、常務理事の職務を見るポイントは2つで、一つ目は代表権をあたえるか、二つ目は、どの業務を常務理事に任せるかです。

 理事長と常務理事の実務は、俵先生の本をお借りいたします。
 寄附行為の調査
■調査16 理事長の職務(回答数625

1 法人を代表し、その業務を総理する(法定)

584

93.4%

 以下、省略



 



 


■調査17 常務理事又は副理事長の職務規定の有無(回答数341

1 規定あり

313

91.8%

2 規定なし

28

91.8%

1.規定ありの内訳

1 理事長補佐

295

94.2%

2 法定業務分掌

219

70.0%

  以下、省略



 



 

(出典:解説私立学校法・新訂版p144145。俵正市先生H25法友社。)


 各校のイメージがわかったと思います。後は、法人の寄附行為を具体的にて理事長と業務理事の業務内容をご確認下さい。

 学校によっては、理事会業務規定で理事長への委任する学校業務定めていたり、常務理事任用規則で常務理事の業務の細則を定めていたりこともあります。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年03月06日

【運営】理事の退任(寄11◆

退職金こんにちは!今日は、役員人事のご質問です。



<Q>役員の退任

 学校法人の非常勤理事をしておりますが、まだ任期が残っています。理事をやめることはできますか。



<A>

 ここでは一般論でのご回答になりあす。

 一般的な退任事由は寄附行為作成例にみることができます。

(役員の解任及び退任)

11条 

 ………

2役員は次の事由によって退任する。

 一 任期の満了

 二 辞任

 三 学枚教育法第9条各号に掲げる事由に該当するに至ったとき。

 退任事由については、他校の寄附行為もほとんどの学校で同じです。

 今回の場合は、2号の「辞任」になります。

 この際は、学校教育法第9条もみておきましょう。

第9条    次の各号のいずれかに該当する者は、校長又は教員となることができない。

 一 成年被後見人又は被保佐人

 二 禁錮以上の刑に処せられた者

 三 教育職員免許法第10条第1項第2号 又は第3号 に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から3年を経過しない者

 四 教育職員免許法第11条第1項 から第3項(※免許状の取上げ) までの規定により免許状取上げの処分を受け、3年を経過しない者

 五 日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者


 なお、辞任については、「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。(民法651条)」とあります。このため辞任は、実務では引継ぎの問題などがあるかもしれませんが、あくまでも法律上は理事会や理事長の承認です。テレビドラマで、「理事長が理事の辞表を預かっている」という場面があっても法律的には辞任が成立しています。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年02月27日

【運営】役員の解任方法(寄11 

退職金こんにちは!理事さんからのご質問です。今日は、ちょっと物騒なご質問です。



<Q>理事の解任方法

 不祥事が起きて理事が辞任しない場合、どうゆう手続があれば理事の解任ができるのですか?



<A>

 役員の解任方法は、平成16年の私学法改正で寄附行為の絶対的記載事項になりました(私学法305号)。理事の解任などについて紛争があきないように予め寄附行為で役員の解任方法を定めることにしました。ですから、理事の解任方法は各学校法人の寄附行為で確認することになります。



<説明>

 私学法では具体的な役員の解任方法は明示しないで、各法人に寄附行為に任せることにしているので、ここでは文科省の寄附行為作成例をみてみます。

(役員の解任及び退任)

11条 役員が次の各号の一に該当するに至ったときは,理事総数の4分の3

以上出席した理事会において,理事総数の4分の3以上の議決及び評議員会の

議決により,これを解任することができる。

 一 法令の規定又はこの寄附行為に著しく違反したとき。

 二 心身の故障のため職務の執行に堪えないとき。

 三 職務上の義務に著しく違反したとき。

 四 役員たるにふさわしくない重大な非行があったとき。

 

 役員の解任方法の具体的な調査は、俵先生の本を引用します。

(「解説私立学校法・第2版」p141H25法友社)

「調査14,砲茲襪函解任方法について、理事会の特別多数の議決及び評議員会の議決(同意を含む)とするものが最も多く81.1%、次に評議員会の議決を要せず理事会の特別多数の議決とするものが15.4%となっています。」

■調査14 〔魄の解任方法(回答数625

1 理事会の特別多数の決議+評議員会の議決(同意を含む)

507

81.8%

2 理事会の特別多数の決議

96

15.4%

 以下、省略



 



 



 寄附行為作成例の理事総数の3/4決議は少し重すぎるとの判断から実務では、理事総数の2/3以上の決議としている法人もあります。



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年02月20日

【運営】重複する役員の補充規定?(寄10)

疑問こんにちは! 今日は高校の事務長からのご質問です。



<Q>役員の補充

 当法人の寄附行為には、役員の補充規定があるのですが、内容的には私立学校法40条(役員の補充)とまったく同じです。どうして私学法で決まっていることを寄附行為で再掲するのですか?



<A>

 たぶん、所轄庁の寄附行為作成例を参考にして寄附行為を定めたからだと推測されます。

 ちなみに現在の文科省の寄附行為作成例です。

(役員の補充)

10条 理事又は監事のうち、その定数の5分の1をこえるものが欠けたときは、1月以内に補充しなければならない。



 役員の補充規定は、役員の欠員が生じた場合に学校法人が一部理事の専断にならないように、補充すべき事を定めたものです。

  

 なお、「5分の1」とは、理事及び監事のそれぞれについて言います。

「欠けたとき」とは、役員の死亡、辞職、任期満了、失職等の原因により、役員が不在であることをいいます。海外出張、長期入院などの場合でも、理事の身分を有する限り、「欠けたとき」には該当しません。

(この段落についての参考文献は、小野先生の私立学校法講座・H21版のp207



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年02月19日

【運営】他校の役員報酬の取り扱い

給料こんにちは! 今日は、ある学校の監事さんからのご質問です。ちょっと他人に聞きづらい役員報酬のご質問です。



<Q>役員報酬の取扱い

 役員報酬についての他校の取扱いを教えてください。



<A>

 役員報酬については、私学法や文科省の寄附行為作成例に取扱いが明示されていませんが、寄附行為や理事会で承認された規程類で明確にしておくことが必要でしょう。



 寄附行為での取扱いについては、私学法の専門書に実務的な解説があります。調査回答法人は625法人です。

「役員報酬について、「作成例」には規定がないが、調査10によると、規定のあるものが13.9%(87法人)となっている。

 その内訳(複数回答)は、地位についてのみ支給しない(役員であるという理由だけで支給することはない)とするものが最も多く73.6%、続いて要した費用を支弁するものが29.9%、常勤の理事にのみ支給するもの、職務(勤務実態)に応じて支給するものが、各23.0%となっている。」

(出典:「解説私立学校法(新訂二版)」p136137H25法友社。俵正市著)



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年02月13日

【運営】役員の任期の実際(寄9)

長期こんにちは! 今日は、専修学校法人の事務長からのご質問です。



<Q>役員の任期の実際

 当法人の役員の任期は3年なのですが、法律や他校はどうなっているのでしょうか?



<A>

 平成16年の私立学校法の改正で役員任期は寄附行為の必要記載事項となりました(私学法30。宜)

 ですから、役員の任期については寄附行為をみて確認することができます。

 一般的な寄附行為は文科省の寄附行為作成例にみることができます。

(役員の任期)

9条 役員(第7条第1項第1号に掲げる理事を除く。以下この条において同じ。)の任期は、○年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任

期間とする。

2 役員は、再任されることができる。

3 役員は、任期満了の後でも、後任の役員が選任されるまでは、なお、その職務を行う。



 これでは、まだ他校の様子がわりません。

 俵先生の「解説私立学校法第2版p138H25法友社」が参考になります。

■役員の任期(回答数625

1  4年

309

49.4%

2  3年

196

31.3%

3  2年

 85

13.6%

4  5年

 16

2.6%

5  1年

  1

0.2%

6  6年

  1

0.2%

7  理事と監事で任期が異なる

 17

2.7%



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年02月06日

【運営】監事の選任方法(寄8)

理事2こんにちは! 今日は、大学の財務部長さん方からのご質問です。



<Q>監事の選任方法

 監事の選任方法は、寄附行為をみるとわかると思うのですが、他校ではどうなっていますか?



<A>

 監事の選任方法については、私学法と寄附行為作成例が参考になります。

 まず、私学法から。

(1)監事の選任方法

 監事は理事長が選任することとされているが,理事長が自らに都合のよい者を監事に選任しないように,監事の選任に際しては「評議員会の同意が得て、理事長が選任する」(私学法38)としています。

(2)兼職禁止規定

 また、「監事は,理事,評議員又は学校法人の職員と兼ねてはならない」(私学法39)として、監事に業務の独立性を要求しています。

 

 これを受けて文科省の寄附行為作成例をみてみます。

(監事の選任)

8条監事は.この法人の理事,職員(学長(校長),教員その他の職員を含む。以下同じ。)又は評議員以外の者であって理事会において選出した候補者のうちから,評議員会の同意を得て,理事長が選任する。

 前段に私学法39条の兼職禁止、後段に監事の選任方法(私学法38い魏檀)が出ています。



 実務は、俵先生の調査結果を引用いたします。

 (「学校法人諸規定の運用と整備」第6p40H25法友社)

■監事の調査方法(回答数625

1 理事会で選出した候補者のうちから評議員会の同意を得て、理事長が選任

491

78.5%

2 評議員会の同意を得て、理事長が選任(法定)

121

19.4%

 以下、省略



 



 



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年02月05日

【運営】親等の数え方?!

同族こんにちは! 今日は、専修学校法人の事務長からのご質問です。



<Q>役員親族の就任制限

 私学法は、「役員のうちには、各役員について、その配偶者又は三親等以内の親族が1人を超えて含まれることになってはならない。」としています(私学法38)。ただ、親等の数え方がよくわかりません。



<A>

 本問は意外と他人に聞きづらいご質問です。

 さて、基本の確認からです。役員(理事及び監事)については,各役員について,その配偶者又は三親等以内の親族が1人を超えて含まれることとなってはならない(私学法38)。これは,学校法人の公共性・公益性を確保するため胃,理事,監事を併せて各役員について1人を超えた親族等の関係があってはならないとする規定です。早わかりで言えば、親族は本人と含め2人までとして学校経営が同族支配となっていないことを確認するための規定です。

 私学法で定められている規定ですが、寄附行為で再掲している学校もあります。



 さて、○○親等の数え方ですが、慣れないと確かに難しそうです。

 親等の数え方ですが、簡単に言うと親族図を書いて、上に動くと1親等、下に動くと1親等。夫婦は横移動「=」で表して一心同体なので0親等と数えます。

 そうすると、本人が役員で、父母は、上へ一つ移動するので1親等。弟は、父まで上がって1親等、それから父から弟に下がって1親等で、合計2親等です。



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年01月30日

【理事】前提たる地位の喪失(寄7◆

親子かめこんにちは! 今日は、高校の事務長からのご質問です。







<Q>前提たる地位の喪失

 当法人の下記寄附行為の第2項の意味を教えてください。

(理事の選任)

7条 理事は、次の各号に掲げる者とする。

 一 校長 1

 二 評議員のうちから評議員会において選任した者2人

 三 学識経験者のうち理事会において選任した者2人

2  前項第1号及び第2号の理事は、校長又は評議員の職を退いたときは、理事の職を失うものとする。



<A>

 法律では「前提たる地位の喪失」と言われる部分です。

 校長理事は、校長に任命されることによって法律上自動的に理事になり、理事就任についての承諾は不要です。そのかわり、校長をやめれば、理事の前提となる校長の地位がないので自動的に理事の職を失います。俗な言い方をすれば「親亀がこければ子もこける」わけです。

 2号理事(評議員理事)も考え方は同じです。評議員理事も、評議員を止めれば自動的に理事でなくなります。「親亀がこければ子もこける」わけです。

 余計なことですが、3号理事についても、充て職による場合は、前提となっている役職を退いた場合には、考え方としては前提となる地位がないので理事の地位を失うことになります。この点は、紛争がないように寄附行為で理事の地位を失う旨を定めておくことがよいでしょう。

 

 
 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年01月23日

【運営】学識経験者理事の選任(寄7 

充て職こんにちは!ある学校の理事の方からのご質問です。


<Q>学識経験者理事の選出

 なぜ、学識経験者理事って何ですか?また、どうやって選ぶのですか?


<A>

 学校法人の理事については私学法に定めがあり、々残考事、評議員理事、4麌躪坩戮猟蠅瓩襪箸海蹐砲茲蠢任された者が定められています。

 このうちの理事を慣例的に学識経験者理事(3号理事)と言いますが、実態は寄附行為で定められた理事なのでバラエティに富んでいます。ちょっと聞こえは悪いのですが、3号理事は1号理事、2号理事以外の「その他理事」と言ったほうが理解が早いかもしれません。

 学識経験者理事の説明や選任方法は寄附行為を見るのが一番です。
 

 さて、他校の実際例も、俵先生の本からみてみましょう。

(出典:解説私立学校法(第2版)p133134H25法友社)

3号(学識経験者)理事の選任対象(回答数625 複数回答)

1 学識経験者

527

84.3%

2 充て職(学園長・事務局長など)

159

25.4%

3 功労者

105

16.8%

4 宗教法人の役員・信者・僧侶

100

16.0%

5 創立者の縁者

 37

5.9%

 以下、省略

 


 


 このように3号理事は、一般的に学識経験者理事と言っても実態はバラエティに富んでいるわけです。

 それでは、もう一つ3号理事の選任方法も俵先生の本を引用いたします。

3号理事(学識経験者)理事の選任方法(回答数625 複数回答)

1 理事会で選任

483

77.3%

2 充て職

179

28.6%

3 理事による選任(互選を含む)

172

16.3%

 以下、省略

 

 


 


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年01月16日

【運営】評議員理事について(寄付7 

聞くこんにちは!ある学校の評議員の方からのご質問です。


<Q>評議員理事の選出

 なぜ、評議員から理事を選出するのでしょうか?また、どうやって選ぶのですか?


<A>

 評議員理事については、私学法に定めかあります。

 私学法38,任蓮⇒事となる者として、当該学校法人の評議員のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者(寄附行為をもって定められた者を含む。)を評議員理事といいます。私学法第38条第12号に定める理事なので2号理事と言うこともあります。

 事務局が思うに、評議員理事の存在価値は、諮問機関である評議員会の意向を的確に理事会に反映されることにあるように思います。


 評議員理事の選出方法は寄附行為に定めがあるはずです。評議員理事の選任ついては、寄附行為で定めれば、評議員会で選ぶこともできるし、理事会で選ぶこともできます。

 ご参考までに、評議員理事の選び方の実務は俵先生の本をお借りしてご紹介いたします。

(出典:解説私立学校法(第2版)p131H25法友社)
2号(評議員)理事の選任方法(回答数625 複数回答)

1 評議員会で選任

387

61.9%

2 評議員の互選

103

16.5%

3 理事会で選任

100

16.0%

4 評議員会の推薦者を理事会で選任

 28

 4.5%

5 その他

 13

 2.1%

 上記のどこかに含まれるとは思うのですが、評議員のうち特定の者(例えば後援会長、同窓会長等)を理事とする方法もあります。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年01月09日

【運営】校長は必ず理事になるのか?(寄7 

校長こんにちは!理事さんからのご質問です。


<Q>校長は必ず理事になるのか?

 校長先生は、必ず理事になるのですか?


<A>

 学校法人の理事の選び方は、寄附行為の定めがないと法人内で紛争がことある可能性があるため平成16年の私立学校法改正により寄附行為で定めることになりました(私学法30条‖5号)。

 

 私学法と寄附行為を見てみます。

 
 
 私学法38条に「役員の選任」の定めがあります。

 私学法38条,任蓮↓‥該学校法人の設置する私立学校の校長(学長及び園長を含む。)を理事とするとしています。いわゆる1号理事とか校長理事とか言っています。1号理事は、教育者を法人運営に参加させるための理事です。

 そして、学校法人が私立学校を2校以上設置している場合には校長が2人以上となりそうですが、第2項では、この場合には寄附行為で理事数を制限し、そのうちの1人又は数人を理事とすることができるとしています。つまり、設置学校が複数の場合は、校長理事は1名以上なら良いということです。すべての校長が理事になる訳ではありません。

 


 各校長先生がすべて1号理事になるかどうかは、学校法人の寄附行為を確認することになります。

 文科省の寄附行為作成例です。

(理事の選任)

7条理事は、次の各号に掲げる者とする。

 一 学長(校長)

 二 評議員のうちから評議員会において選任した者 ○人

 三 学識経験者のうち理事会において選任した者 ○人

2  前項第1号及び第2号の理事は、学長(校長)又は評議員の職を退いたときは、理事の職を失うものとする。


 今日はここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年12月26日

【運営】常務理事とは?(寄6)

承認こんにちは! 今日は大学法人の監事さんからのご質問です。


<Q>常務理事について

 大学の常務理事について教えて下さい。


<A>

 ある程度規模のある学校法人をみると副理事長、専務理事、常務理事、常勤理事などを見かけることがあります。


 私立学校法で定められているのは理事と理事長のみですので、常務理事や常勤理事は学校法人が独自に定めた理事です。

 文科省の寄附行為作成例に常務理事が登場します。

(役員)

6

 ………

3 理事(理事長を除く) のうち○人以内を常務理事とし、理事総数の過半数の議決により選任する。常務理事の職を解任するときも、同様とする。

 もともと学校法人の業務決定は出席理事の多数決によって理事会が決定することが原則なのですが、理事会の議決があれば日常の業務決定権を他の理事に委譲することが可能です。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年12月19日

【運営】理事長の選任方法と解任方法(寄6◆

校長こんにちは!今日は、大学の監事さんからのご質問です。


<Q>理事長の選任と解任

 理事長の選び方や解任方法はどうなっているのでしょうか?


<A>

 私学法では、選任された理事のうち1人が、寄附行為の定めるところにより、理事長となることとされています(私学法第35条第2項)

 そこで、寄附行為については文科省の寄附行為作成例をみてみましょう。

3章役員及び理事会

(役員)

6条この法人に、次の役員を置く。

 一理事 ○○人

 二監事 ○人

2 理事のうち1名を理事長とし理事総数の過半数の議決により選任する。

 理事長の職を解任するときも同様とする。

 

 理事長の選任方法の実務は俵先生の本(※)の力をお借りします。

 ※「学校法人諸規定の整備と運用(第6版)p25H25法友社」

 理事長の選任方法は、調査回答法人625法人のうち、〕事会%で選任する法人が89%、⇒事の互選とする法人が7%、充て職が2%となっています。

 このうち「〕事会で選任する」方法は、理事総数の過半数が88%、理事総数の2/3とする4%となっています。この場合、理事の総数が寄附行為の理事の定数を言うのか理事の現在人数を言うのか、何を指すのか明確にしておくことが必要です。

 さて、次に理事長の解任方法です。こちらも俵先生の本では、回答数612法人で、寄附行為に解任方法の定めがある法人は85%、ない法人は15%です。

 解任方法の定めのある法人のうち理事総数の過半数議決をする法人は88%、2/3以上の議決とする法人は7%、3/4以上の議決とする法人は3%となっています。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年12月12日

【運営】役員の定数を知りたい!(寄6 

聞くこんにちは!今日は、監事さんからのご質問です。


<Q>役員の定数

 役員の定数を知りたいのですが何をみたら良いのでしょうか。また、他校の様子も教えて下さい。


<A>

 学校法人では,理事の定数を5人以上と定め(私学法35)また監事の定数を2人以上として複数設けて,少数理事による専断を排除するようにしています。

私立学校法(役員)

35条学校法人には,役員として,理事5人以上及び監事2人以上を置かなければならない。

 さて、戻ること10年前は、学校法人の理事の定数については,従前は法令上の定めがなく,各学校法人の判断に委ねられていた。しかしながら,これらについての定めが設けられていない場合には,理事の解任等をめぐって紛争が生じる可能性が高いため,平成16年の私学法改正で,「役員の定数,任期,選任及び解任の方法その他役員に関する規定」を寄附行為の必要記載事項としました(私学法30条‖茖宜)。ですから、各学校法人の理事の定数を知りたい場合は、寄附行為をみて確認することになります。

 そこで文科省の寄附行為作成例をみてみましょう。

(役員)

6条この法人に,次の役員を置く。

 一理事 ○○人

 二監事 ○人

 

 最後に他校の様子です。

 理事の定数の実例は、俵先生の本に詳しくかかれており、部分的に引用されていただきます(「学校法人諸規定の整備と運用第6版」p24H25法友社)。

 ここでは調査結果が出ており625法人のうち、理事定数の絶対数で決めている法人は261法人(42%)、○○人以上○○人以内と言うように相対数で決めている法人は364法人(58%)となっています。

 学校の規模別ではないのですが、ざっくりと他校の理事定数をみると5人(7%)、6〜10人(64%)、1115(23%)となっています。


 また、監事の定数は絶対数が475法人(76%)で、このうち2人と定める法人が92%になっています。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年12月05日

【運営】学校法人の収益事業って何だ?!(寄5)

補助金こんにちは!民間企業から専修学校に就職された事務長さんからのご質問です。



<Q>学校法人の収益事業って?

 どうも学校で使う収益事業の意味がピンときません。教えて下さい。



<A>

 学校法人の実務で使う収益事業はどうも3つの収益事業があります。



1.各学校が勝手に言う収益事業

 事務局の主観が入りますが学校では、各学校で教育研究事業以外の事業を収益事業と言っていることがあります。正確には、担当者が勝手に日常会話的に収益事業と言っていることがあります。

 さて、これから説明する2つの収益事業(私学法と法人税法)は、学校会計の本にいつも出てくる常連の収益事業です。それでは、スタート!

2.私立学校上の収益事業

 学校法人の本来の収益事業です。学校法人では、私立学校経営の財政的基盤を強化するために収益事業を認めています(私学法26条)。

 学校法人は、設置する私立学校を通じて教育研究事業を行います。ただ、私立学校の教育活動に支障がなく、獲得した収益は学校経営に充てるためのものであり(私学法26)、所轄庁が告示で定めた一定の事業であれば(26)、会計を通常の学校会計と区分して(26)、収益事業を行うことができます。手続的には、寄附行為を変更して所轄庁の認可を受けて収益事業を行います。

 では具体的に文科省の寄附行為作成例をみてみましょう。

(収益事業)

5条 この法人は、その収益を学校の経営に充てるため.次に掲げる収益事業を行う。

一 書籍・文房具小売業

二 各種食料品小売業

 私学法の収益事業の実務で多いのは、不動産賃貸業、小売業(購買部など)、出版業、保険業などが多いです。
 実務で寄附行為の規定がある学校は2割程度です(参考:俵先生「解説私立学校法」第2版p122。H25法友社)。
 また、所轄庁は一定の場合、収益事業の停止を命ずることができます(私学法61)
 
 私学法上の収益事業については、学校法人会計基準にも定めがあります。

(収益事業会計)

第3条 私立学校法第26条第1項に規定する事業に関する会計に係る会計処理及び計算書類の作成は、一般に公正妥当と認められる企業会計の原則に従って行わなければならない。

2 収益事業会計については、前2条及び前項の規定を除き、この省令の規定は、適用しない。

 また、学校会計の法規集で大切だと思われる文科省の通知を拾っておきます。

・文部科学大臣の所轄に属する学校法人の行うことのできる収益事業の種類を定める件(昭25.11.8文告第68号)

・文部科学大臣所轄学校法人が行う付随事業と収益事業の扱いについて(通知)(21.2.2620文科高第855)



3.法人税法上の収益事業

 私学法の収益事業と同音異義語で法人税法上の収益事業があります。

 法人税法では、法第2条で「収益事業とは、販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいう。」とされ、法人税法施行令第5条で各種の事業が列挙されている。課税の公平の観点から、学校法人が法人税法上の収益事業を営む場合には法人税の課税がなされるわけです。



 今日は、少し欲張って長くなってしまいました。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年11月28日

【運営】学校法人の目的とは?!(寄3)

校舎こんにちは! 今日は、大学の方からのご質問です。



<Q>学校法人の目的

 学校法人の目的は、教育研究事業だと思うのですが、良いのでしょうか?



<A>

 一般論としては、良いのですが、少し基本を遡ってみます。

 学校法人の目的は、私立学校の設置を目的にしています(私学法3条)。そして、設置した私立学校が教育研究事業を行って行くわけです。



 もう少し言うと、私立学校法では設立にあたり学校法人の目的を寄附行為で定めて下さいとしています(私学法301号)

 そこで、代表例として文科省の寄附行為作成例をみてみます。

(目的)

3条 この法人は、教育基本法及び学校教育法に従い、学校教育を行い、○○な人材を育成することを目的とする。

 

 寄附行為の実例調査については俵先生の本を引用させていただきます。

 「調査1(複数回答)によると、学校教育を行うとするものが69.3%、続いて○○な人材を育成するとするものが51.7%、建学の精神。校則に言及するものが32.5%、宗教教育を行うとするものが26.9%となっています。

 宗教教育(168法人)の内訳は、キリスト教が最も多く75.0%となっています。」

(「解説私立学校法(第2版)」P120H25法友社)





 単純に考えると学校法人の目的は、私立学校を設置して、設置学校で教育研究事業を行うと思っていますが、寄附行為をみるともう少し学校法人ごとの特色が見えてきました。

 学校会計的に言うと、学校法人はこの寄附行為の目的の範囲内で教育研究事業を行い必要な支出が出来るわけです。



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)