《特集》 計算書類作成の留意点

2012年04月19日

【実例】決算:計算書類作成の注意点(4)

注意こんにちは! 学校会計の研修会(4月9日)に出席しました。その場で、計算書類の作成で誤りやすい諸点の説明がありました。基本的な項目ですが、役立ちそうなのでご紹介いたします。なお、口頭での説明を急いでメモしたので、だいたいの再現です。今日は第4回で最終回です。

 

<目次>

 第1回 全般

 第2回 貸借対照表  

 第3回 基本金明細表

 第4回 収益事業  ←今日は、ココ!

 

4.収益事業

項目

内容

「学校会計の広場」事務局説明

収益事業

収益事業に係る計算書類は一般に公正妥当と認められる企業会計の原則に従って作成されているか。

  

 

基準3条

 

 

今日の本題はここまでです。

今日は、スペースが余っているので少し補足します。

教育研究事業を目的とする非営利の教育研究活動の経理は、学校法人会計基準に従います(基準第1条)。

 これに対して、私立学校法の副業とも言える収益事業の会計処理は、企業会計の会計原則によります(基準第3条)。

 ズバリ図解してみます。

 

教育研究事業

収益事業

営利性

非営利

営利

(私立学校法第26条)

部門

学校部門

収益部門

会計ルール

学校法人会計基準

(基準第1条)

学校法人会計基準

(基準第3条)

作成する計算書類

学校法人会計基準に従った計算書類

企業会計の会計原則に従って計算書類

 

 特に民間企業から学校法人業界に入られた方は、この区別が苦手なようです。企業会計の頭で学校会計を考えがちです。

 学校法人会計を理解するコツは、まず学校法人制度、つまり私立学校法を理解することが近道です。学校法人制度を理解しないで企業会計の頭で学校会計を考えると、基本金(消費収支計算書)、資金調整勘定(資金収支計算書)、減価償却引当預金(貸借対照表)などの理解がなかなかできません。



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2012年04月18日

【実例】決算:計算書類作成の注意点(3)

注意こんにちは! 学校会計の研修会(4月9日)に出席しました。その場で、計算書類の作成で誤りやすい諸点の説明がありました。基本的な項目ですが、役立ちそうなのでご紹介いたします。なお、口頭での説明を急いでメモしたので、だいたいの再現です。今日は第3回目です。

 

<目次>

 第1回 全般

 第2回 貸借対照表  

 第3回 基本金明細表 ←今日は、ココ!

 第4回 収益事業

 

3.基本金明細表

項目

内容

「学校会計の広場」事務局説明

組入高か取崩高か

単一部門の学校の場合、基本金は、組入額と取崩額は同一号内で相殺する。

  

 

<根拠>

●文部科学省

「文科省通知(17高私参第1号・H17.5.13)3の(1)」より

 

 「基準第30条の定めで算出された基本金組入額」と「第31条の定めで算出された取崩額」は,第1号基本金・第2号基本金・第3号基本金・第4号基本金の各号の基本金ごとに相殺して,それぞれの号ごとに,組入額が多ければその金額をその号の「基本金組入高」として,取崩額が多ければその金額をその号の「基本金取崩高」として,基本金明細表に表示します。

 

●日本公認会計士協会

学校法人会計基準改正に伴う相談回答事例(学校法人委員会研究資料第1号)Q2

…部門別把握の場合における基本金明細表の記載方法

 

第1号基本金対象資産の範囲

1号基本金の組入対象資産は適切か。広すぎないか。

第1号基本金の対象資産は、校舎(建物)、校地(土地)、教育研究用機器備品、図書など、学校の教育研究を広く解して教育研究活動に直接使用する資産の他、法人本部施設、教職員の厚生施設なども基本金組入れの対象の資産とします。しかし、教職員の福利厚生用のレジャー施設の会員権にように明らかな対象外の資産は除くこと。

 

<参考>

・基本金に係る実務上の取扱いに関するQ&A(学校法人委員会研究報告第15)

基本金の組入れ

 

 

第3号基本金以外の基本金については、前期繰越高の100分の1に相当する金額又は3,000万円超える増減については、事由を記載する。

 

<根拠>

基準第9号様式注2

 

第2号基本金組入計画表

計画変更がある場合、第2号基本金組入計画表は新しい計画表にする

 

<誤りの例>

・基本金残高が組入予定総額を上回っていれば、取崩し、計画変更が失念されている。

・取得予定年度を経過しているか、計画の変更がされていない

・取得年度を超えて組入計画がされている。

 

 

基準様式第1

「第2号基本金の組入れに係る計画表」を参照

 



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2012年04月17日

【実例】決算:計算書類作成の注意点(2)

注意こんにちは! 学校会計の研修会(4月9日)に出席しました。その場で、計算書類の作成で誤りやすい諸点の説明がありました。基本的な項目ですが、役立ちそうなのでご紹介いたします。なお、口頭での説明を急いでメモしたので、だいたいの再現です。今日は第2回目です。

 

<目次>

 第1回 全般

 第2回 貸借対照表  ←今日は、ココ!

 第3回 基本金明細表

 第4回 収益事業

 

2.貸借対照表関係

項目

内容

「学校会計の広場」事務局説明

第2号基本金の引当資産

第2号基本金に対応する第2号基本金引当資産に具体的名称が書かれていない

第2号基本金に対応する引当資産は、学校法人会計基準に例示がないので「新校舎建築引当特定預金」というように具体的な積立目的を示して積み立てます。

 

計画が複数ある場合は、「体育館建設引当特定預金」、「新校舎建築引当特定預金」というように個々の計画ごとに科目を表示します。これは、それぞれの計画ごとに取得を予定する固定資産の種類や金額等が異なり、引当特定資産の増加と減少の状況も異なるからです。

 

第3号基本金の引当資産

第3号基本金が計上されている場合は、同額の第3号基本金引当資産を計上する

第3号基本金引当資産は、運用の果実を奨学金や海外交流事業などに充てる目的で設定し、元本を維持すべき基金の金額として処理します。第3号基本金の対象資産は、例えば「○○奨学基金」などの具体的な運用目的を有する基金が該当しますが、資産としての記載科目は「第3号基本金引当資産」を用い、複数の基金を持つ場合でも、貸借対照表上、この科目で一括表示することが望ましいとしています。これは、学校法人会計基準で記載科目が明示きれているからです。

 

有価証券

有価証券の時価が著しく下落した場合は評価減をする

有価証券の時価が、取得価額より高いところで変動しているかぎり財務的に不安はないのですが、「時価が著しく下落し」、「その評価額までの回復の目処が立たない場合」には、資産の確実な価値を把握し表示するため、時価によって評価すべきこととしました。(基準27条)

 

注記

「2.重要な会計方針の変更」は、該当事項なくても書く。

 

 

 

 

法定の注記は7つなので7つすべてを書きます。(基準34)

<忘れやすい例>

2.重要な会計方針の変更等

  なし

注記

関連当事者の注記に取引条件等が書かれていない、又は記載が不十分

関連当事者が学校法人と取引を行った場合には,取引の透明性を確保するため取引内容を注記して開示します。

具体的な注記内容は、

(1)当該関連当事者が会社等の場合には,その名称,所在地,資本金または出資金,事業の内容(及び当該会社等の議決権に対する当該学校法人の所有割合)

(2)当該関連当事者が個人の場合には,その氏名,職業

(3)当該学校法人と当該関連当事者との関係

(4)取引の内容

(5)取引の種類別の取引金額

(6)取引条件及び取引条件の決定方針

(7)取引により発生した債権債務に係る主な科目別の期末残高

(8)取引条件の変更があった場合には,その旨,変更の内容及び当該変更が計算書類に与えている影響の内容 

<根拠>

●文部科学省

学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)(平17.5.1317高私参第1号)

●日本公認会計士協会

計算書類の注記事項の記載に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第16号) Q18

 

注記

有価証券の時価評価の注記では、時価が著しく下落して有価証券は評価減をするのでチェックすること。

 

有価証券の時価が、取得価額より高いところで変動しているかぎり財務的に不安はないのですが、「時価が著しく下落し」、「その評価額までの回復の目処が立たない場合」には、資産の確実な価値を把握し表示するため、時価によって評価すべきこととしました。(基準27条)

 



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2012年04月16日

【実例】決算:計算書類作成の注意点(1)

注意こんにちは! 学校会計の研修会(4月9日)に出席しました。その場で、学校の計算書類の作成で誤りやすい諸点の説明がありました。基本的な項目ですが、役立ちそうなのでご紹介いたします。なお、口頭での説明を急いでメモしたので、だいたいの再現です。

 

1.全般的な事項

項目

内容

事務局の追加説明

計算書類

計算書類は基準の様式によること

  基準の本文に続いて計算書類の様式が第1号様式から第9号様式まで定められています。

  知事所轄学校法人では、別途、所轄庁の指示がある場合があります。

 

計算書類

「記載の省略」を守る。

例えば、第9号様式(基本金明細表)の(注)1.では、「この表に掲げる事項に計上すべき金額がない場合には、当該事項を省略する様式によるものとする。」となっています。

 

基準様式第9(基本金明細表)の注1に書いてあります。

 

基準第1条(明瞭性の原則)からわかりやすい計算書類を作るのですね。

計算書類

貸借対照表と附属明細表(固定資産明細表・借入金明細表・基本金明細表)との数字の整合性を確認する。

 

貸借対照表の重要科目を附属明細表で説明するので、貸借対照表との明細表とのつながりは大切ですね。

部門

人件費支出内訳表の部門名称は、資金収支内訳表の部門名称と同じ。

資金収支内訳表の部門は2階層になっています。

 

まず、【第1階層】は、学校法人、各学校、研究所、各病院、農場などの施設に分けます。ただ、実務的には、普通の学校では学校法人と各学校が中心となることが多く、学校法人部門と大学、短期大学、高等学校、中学校、小学校、幼稚園などの部門になります。学校法人部門は、いわゆる法人本部のことです。

 

【第2階層】の部門は、大学・短期大学・高校の部門を細分化します。

大学であれば学部、短期大学であれば学科に分けます。高等学校では課程別(全日制、定時制、通信制の区分をいう)に分けます。

 

注記

注記の記載事項が不十分でないか。

学校法人会計基準では、貸借対照表の末尾に7つの注記事項を定めています(基準34)

どの学校法人も共通に注意すべき最低限の7つです。

 

大科目

大科目は追加できません

学校法人会計基準では、大科目に該当する記載事項がない場合は省略できますが、自由に追加することは禁止されています。

様式の(注)で定まられています。

 

様式

様式にない欄を追加していないか。

例えば、様式はない

「摘要」欄

「備考」欄

 

 



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