2023年04月12日
【保育所】市から入金される委託費の会計処理
<Q>【保育所】市から入金される委託費の会計処理
当学校法人では、保育所を設置しています。市には、毎月「子ども・子育て支援教育・保育給付費等請求書」を発行し、市から委託費が園に入金されます。今月の請求は、公定価格分950万円、市加算分が350万円で合計額1300万円が入金されました。入金仕訳はどうなりますか?
<A>
さて、認可保育所の会計処理は、「学校法人の設置する認可保育所等に係る会計処理に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第21号)」に定めがあります。
これによると、市から入金される委託費収入は、補助金収入の大科目区分の、例えば保育給付費収入などの小科目で処理することになっています(2−2保育所部門の科目処理)。
<補足>
会計処理を理解するために保育制度を少し復習しておきます。
(1)保育制度
保育所については、児童福祉法24条1項の市町村の保育実施義務が定められています。
このため、保護者が保育所での保育を希望する場合は、現在と同様、施設ではなく市町村に申し込み、保護者が市町村と契約して利用する仕組みになります。私立保育所に対しては、
保育の実施義務を担う市町村から委託費が支払われ、保育料の徴収も市町村が行うこととします。委託費は公定価格をもとに算定され、委託という性格上、一定の使途範囲が定められています。
(2)公定価格の仕組み
子ども・子育て支援新制度では、国が定める子ども1人あたりの保育に必要な月額費用を公定価絡と呼んでいます。公定仙格の算定は「積み上げ方式」を採用しています。市町村は、国基準額を上限にして保育料額を定めて、市町村が徴収します。国の保育料基準額については所得に応じた額を定めています。2019年10月以降「無償化」が実施され、3歳以上児、住民税非課税世帯の0〜2歳児の市町村設定の保育料額がゼロになりました。
私立保育所には、市町村から公定価格に相当する保育費用全額が委託費として支給されます。委託費は、保護者への給付ではなく、施設への補助負担金となっています。
今日は、ここまでです。