【私学法】改正私学法案の国会提出はいつなの?今後の学校法人会計基準の改正予定について

2023年02月06日

【寄付金】寄付金と現金主義採用の理由

寄付金 22595102今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。

 



<Q>寄付金と現金主義採用の理由

 寄付金は、現金主義で計上しますが、どうしてですか?

 

<A>

 まず、学校会計の法規集で、寄付金の計上基準を確認します。ほぼ現金主義です。

寄付金収入に関する実務指針(学校法人委員会実務指針第39)

1 .会計処理》

6寄付金収入の帰属年度は、寄付金品の受領日の属する年度とし、寄付の申込みがあった場合でも寄付金舳を受領するまでは未収人による計上は妥当な処理として認められない。ただし、翌年度入学予定の学生生徒等に係る寄付金は、受領年度においては前受金収入とし、翌年度の事業活動収入とすることができるが、所轄庁の指示がある場合に限られるものとする。

 簡単に言うと、所轄庁から特別な指示がなければ、寄付金は、寄付金品の受領日の属する年度に計上します。お金の寄付なら、現金や現金等価物の受領日に寄付金を計上します。

 

 学校会計で、寄付金の計上基準として現金主義を採用した理由のはっきりとした説明は書いてありません。

 おそらく、寄付金は、寄付者をする者の意思によって行われるものです。民法では、書面によらない贈与は、撤回することができることになっています(民法550)。

 学校ですから通常の寄付は、学校と寄付者で書面のやり取りをしますが、書面による贈与契約があっても一般債権ほど取り立てが容易でない感じがします。このため、学校会計では取引事実がはっきりわかって確実な金品の受領日をもって寄付金収入の計上日と考えたのでしょう。

 

<参考>

 寄付金を現金主義で計上する理由は、分野は少し異なりますが、法人税の損金処理の説明で見たことがあります。学校会計でも参考になります。青字部分は、事務局が勝手に色を付けました。

「体系法人税法」p903H27年 山本守之著)

(2)現金主義による理由

 法人税法において寄附金に限定して現金主義によるのは、次のような理由からであるとされている。

寄附金支出の実情

 寄附金というのは、一般社会的用語であり、法律的には贈与である。「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」(民法549)のであるから、贈与契約を締結することによって権利義務が確定するのである。

 しかし、寄附金の支出に際して契約を結ぶことは少なく、現実にはその資産の引渡し又は所有権の移転があったときに履行されたと解するのが一般的である。そこで、税務においても一般的慣習を尊重して現実に支出したときに寄附金の認識をするのである。

贈与の取消し

 また、「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」(民法550)とされているように、書面によらない贈与は取り消すことができるのである。

(注)取消すことのできない書面による贈与であっても、相手方が履行しない場合に一般債権と同じように取立てることは容易ではない。

 しかも、寄附金の損金算入限度額は事業年度ごとに計算され、指定寄附金等も募金期間が定められているから、口頭で寄附を約束した金額を未払寄附金に計上することを認めれば、その事業年度を経過したあとにこれを取り消すという操作によって租税回避が可能になってしまうからである。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00│Comments(0)

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