2022年04月11日
評議員報酬の会計処理
<Q>評議員報酬の会計処理
評議員報酬の会計処理を教えてください。
<A>
まず評議員の法的性格を確認します。
1.評議員の法的性格
専門書では、「評議員と学校法人との法律関係は、学校法人が評議員に評議員会の構成員としての職務を行うことを委託する、委任又は準委任の関係であると考えるべきである」とされてます。(解説私立学校法p308。著者俵正市、発行者法友社H27)。
学校法人の評議員は、合議体の評議員会の構成員です。
2.評議員報酬の会計処理
(1)人件費か経費か?
まず、評議員は私立学校法上役員でないのではありません。ですから基準別表第一では「役員報酬支出‥‥理事・及び監事に支払う報酬をいう。」としており、評議員に対する報酬は、役員報酬にはなりません。
また、評議員は、学校と雇用契約があるわけではないので、教員人件費や職員人件費にもなりません。このため評議員報酬は、人件費でなく経費になってきます。
(2)教育研究経費か管理経費か?
経費については、経費は教育研究経費と管理経費に分かれますが、教育研究経費は「教育研究のために支出経費(基準別表第一)」ですが、評議員は理事会の諮問機関である評議員会の構成員である報酬で、教育研究経費には該当しません。
また、文部省の通知では(※「教育研究経費と管理経費の区分について(報告)」について(通知)(昭46.11.27雑管118号))では、評議員会のために要する経費を管理経費と指示していることからも管理経費で問題ないでしょう。
教育研究経費と管理経費の区分について 次の各項に該当することが明らかな経費は,これを管理経費とし,それ以外の経費については主たる使途に従って教育研究経費と管理経費のいずれかに含めるものとする。 1.役員の行なう業務執行のために要する経費および評議員会のために要する経費 ‥‥‥ |
(3)小科目
評議員報酬については、(大科目)管理経費ですが、小科目は、「報酬・委託・手数料」、「支払報酬手数料」、「報酬料金」などの科目で処理します。
また、実費弁償的な交通費や宿泊代を支給する場合は、「旅費交通費」などで支払います。
(4)規程の整備
評議員に支払う報酬・手当については、評議員報酬規程や旅費規程等を整備し、支出額の根拠を明確にしておくことが必要です。
今日は、ここまでです。