少額重要資産の範囲【気になるNews】「学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性について(案)」

2021年03月10日

【収支計算書】予算から決算額を差し引く理由

選択こんにちは!今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。

 




<Q>予算から決算額を差し引く理由

 資金収支計算書や事業活動収支計算書では、どうして予算から決算の額を差し引いて差異欄を書くのですか。国立大学の在職当時は、決算額から予算額を引いて差額を書いていましたので私立大学は逆ですか??

学校法人の資金収支計算書の抜粋イメージ

科目

予算

決算

差異

〇〇収入

100

120

△20

…………

…………

…………

…………

〇〇支出

60

50

10

 

<A>

 日本公認会計士協会の研究報告8号や33号で、差異欄には、予算から決算額を控除した金額を書くことになっています。

 まず研究報告第8号です。貸借対照表にも触れておきます。

計算書類の様式等のチェックリスト及び科目別のチェックリスト(学校法人委員会研究報告第8号)

 

資金収支計算書

4.差異欄の金額は予算から決算の金額を控除した金額(この場合マイナスとなった場合は△印を付す。)となっているか。

 

事業活動収支計算書

5.差異欄の金額は予算から決算の金額を控除した金額(この場合マイナスとなった場合は△印を付す。)となっているか。

 

貸借対照表

2.「増減」の欄の金額は、「本年度末」から「前年度末」の金額を控除した金額となっているか。

 

 もうひとつ研究報告33号です。

学校法人計算書類の表示に関する研究報告(学校法人委員会研究報告第33)

 

I 資金収支計算書等の表示

(2) 資金収支計算書及び事業活動収支計算書の様式のうち、「差異」欄の表示方法については、予算額の過不足を表示する建前であることに鑑み、予算額から決算額を控除し、予算額が不足しているときは△印を付して表示する。

 

<少し説明>

 今日は、学校法人会計基準の変遷で考えてみます。

 

1.昭和464月 学校法人会計基準施行

  昭和464月に文部省令18号の学校法人会計基準が施行されました。

   

  2年が経ちました。

2.昭和484月 学校会計委員会報告13

  基準が施行されて2年後、日本公認会計士協会から「学校会計委員会報告第13号 学校法人監査手続一覧表」(昭和48年4月)が公表され、差異の算出方法が示されました。

V 計算書類の様式のチェックリスト

共通事項

1.省令の示す様式に準拠しているか。

2.計算書類の用紙は日本工業規格B4判となっているみ、。

3.大科目および中科目についても金額の記載がなされているか。

4.各科目のうち計上すべき金額のない科目については、その記載が省略されているか。

5.差異および増減の欄の金額は左欄から右欄の金額を控除した金額(この場合マイナスとなった場合は△印を付す)となっているか

6.円単位で記載されているか。

 

   また2年が経ちました。

3.昭和50年5月 学校会計委員会報告第20

  また、2年がたち日本公認会計士協会から「学校会計委員会報告第20号 学校法人計算書類の表示について(その1)」(昭和50年5月7日)が公表され、上記赤字の説明がなされました。

   解説 

2.資金収支計算書等の表示について

(2)「計算書類の様式のチェックリスト」は、『差異および増減の欄の金額は左欄から右欄の金額を控除した金額(この場合マイナスとなった場合は△印を付す)となっているか。』(共通事項5)と定めている。この指針に対して、予算決算の「差異欄」の記載方法については、右欄から左欄の金額を控除してマイナスとなった場合に△印を付すべきであるという反対意見もあるが、たんに形式的なことであるから、前者の方法に統一してほしいという要望の方が強いようである。

学校法人の予算制度は、予算編成および予算の実行の結果報告に関して、所定の承認を経ることなど厳しい措置をとらなければならないことになっている。これらのことを勘案して、『基準』は、予算額の過不足を表示する建前を求めているものと解されること、反対意見の根拠は薄弱であること、また、他の増減欄と同様の表示方法をとった方が簡便であること等にかんがみ、「計算書類の様式のチェックリスト」の方法によるべきことを再確認した。

なお、『基準』は、左欄に「予算」を右欄に「決算」を記載する様式になっているにもかかわらず、左右欄を逆に記載している例がある。このような例は、『基準』に反する様式であるから監査人は注意すべきである。

 ………

 

3.現在

 「2.昭和484月 学校会計委員会報告13号」と「3.昭和50年5月 学校会計委員会報告第20号」は、それぞれ現在の日本公認会計士協会の研究報告に引き継がれています。

 

従来

廃止

現在

学校会計委員会報告第13号 

学校法人監査手続一覧表

(昭48.4.17

廃止・移行

(平18.1.16

研究報告8

計算書類の様式等のチェックリスト及び科目別のチェックリスト

(平18.1.16

学校会計委員会報告第20

学校法人計算書類の表示について(その1)

(昭50.5.7

廃止・移行

(平28.1.13

研究報告第33

学校法人計算書類の表示に関する研究報(平28.1.13

 

今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00│Comments(0)

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