2020年03月02日
【研修会での質問1】前払金の計上について
こんにちは!今週は、2月28日開催予定の学校法人会計の研修会(ある都道府県の私学部主催)が開催中止になったので、事前に頂いていたご質問について広場の事務局の立場でですが、回答することにしました。
一括払いの保険料等は年度ごとに按分して処理しています。例えば、3月や5月支払いの1年間システム保守料などの件数が多くなると、相応の事務負担となりますが、按分する期間の長短に応じた処理の考え方があればご教示ください。
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1.大学法人の場合
「3月や5月支払いの1年間システム保守料」ですが、原則は月割にして各会計年度に計上する必要があります。
学校の立場だと実務的には、「月割にしても、通常年度は、毎年保険料が12ヶ月分入るから、そのまま全額経費だから、年度別に月割按分不要じゃないか?!」と言いたい所です。
会計的には、正しくは月割按分。金額的に重要性がなければ、支払い時に全額経費処理ということになります。
2.知事所轄学校法人の場合
知事所轄学校法人の場合は、文部省通知「小規模法人における会計処理等の簡略化について(報告)」について(通知)(昭49.3.29 文管振第87号)で特例が認められています。
ここでは、小規模法人(知事所轄学校法人)においては、その事務体制等の実態にかんがみ、学校法人会計基準の要請する基本的事項を逸脱しない範囲内において、次のような会計処理の簡略化の措置を行うことができるものとしています。一般的な会計原則で言うと「重要性の原則」の適用です。
(2)一定の契約に基づいて継続的に受ける用役に対する支出(電気、ガス、水道、電話、保険料の料金)の処理については、会計年度末における前払金や未払金の計上を省略し、当該用役に対する支払資金の支出をした会計年度の消費支出として処理することができる。 また、一定の規約に基づいて継続的に受ける収入(受取利息等)についても、上記に準じて処理することができる。 |
年間一括払いの保険料やシステム保守料は、この通知の「一定の契約に基づいて継続的に受ける用役に対する支出(電気、ガス、水道、電話、保険料の料金)」に該当すると考えられるので、大学法人よりの一括払いの経費処理がしやすいでしょう。知事所轄学校法人の場合でも、あくまでも「できる通知」ですが、実務処理は支払い時一括処理も多々見かけます。
今日は、ここまでです。