2020年02月10日
【源泉税】ダンス講師への謝礼
<Q>【源泉税】ダンス講師への謝礼金と源泉税
高校の卒業式では、ダンス部がダンスを披露することになり、外部講師の指導を受けることになりました。回数は、2月に2回程度で学校に来てもらい、1回あたり7万円を支給します。
この場合、ダンス講師への謝礼金は源泉税を取るのでしょうか?
<A>
源泉税の対象になる報酬料金は、所得税法第204条や同施行令320条、同基通204−6〜204-10をきちんと読み確認するのが基本なのですが、実務では、手間をかけずに税務署の「令和2年版 源泉徴収のあらまし」で確認します。
そうすると、
区分 | 左の報酬・料金に該当するもの | 源泉徴収税額 |
技芸、スポーツ、知識等の教授・指導料 | 技芸、スポーツその他これらに類するもの(実技指導等)の教授若しくは指導又は知識の教授の報酬・料金(注 )次に掲げるものも含まれます。 生け花、茶の湯、舞踊、囲碁、将棋等の遊芸師匠に対し実技指導の対価として支払う謝金等 編物、ペン習字、着付、料理、ダンス、カラオケ、民謡、語学、短歌、俳句等の教授・指導料 各種資格取得講座の講師謝金等 | 左の報酬・料金の額×10.21% ただし、同一人に対し1回に支払われる金額が100万円を超える場合には、その超える部分については、20.42% |
ダンスの教授は、報酬料金をして源泉税の対象になりました。
<発展>
税法は、租税法律主義なので、原文で確認しておきます。
所得税法204条
(源泉徴収義務) 第204条 居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬若しくは料金、契約金又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならない。 一 原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料及び講演料並びにこれらに類するもので政令で定める報酬又は料金 二 (以下、略) |
↓ 政令は所得税法施行令のことです。
施行令320条をみると
(報酬、料金、契約金又は賞金に係る源泉徴収) 第320条 法第204条第1項第1号(源泉徴収義務)に規定する政令で定める報酬又は料金は、テープ若しくはワイヤーの吹込み、脚本、脚色、翻訳、通訳、校正、書籍の装てい、速記、版下(写真製版用写真原板の修整を含むものとし、写真植字を除くものとする。)若しくは雑誌、広告その他の印刷物に掲載するための写真の報酬若しくは料金、技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料、技芸、スポーツその他これらに類するものの教授若しくは指導若しくは知識の教授の報酬若しくは料金又は金融商品取引法第28条第6項(通則)に規定する投資助言業務に係る報酬若しくは料金とする。 |
所得税法の基本通達でもっと詳しく説明しています。
所得税法基本通達
(原稿等の報酬又は料金)
204−6
報酬又は料金の区分 | 左の報酬又は料金に該当するもの | 左の報酬又は料金に類似するが該当しないもの |
技芸、スポーツその他これらに類するものの教授若しくは指導又は知識の教授の報酬又は料金 | 生け花、茶の湯、舞踊、囲碁、将棋等の遊芸師匠に対し実技指導の対価として支払う謝金等 編物、ペン習字、着付、料理、ダンス、カラオケ、民謡、語学、短歌、俳句等の教授又は指導及び各種資格取得講座に係る講師謝金等 | (注) 法第204条第1項第1号に掲げる講演料及び同項第4号に規定する報酬又は料金に該当するものについては、これらの規定により源泉徴収を行うことに留意する。 |
今日は、ここまでです。