2020年01月15日
【幼稚園】預かり保育の会計処理の疑問?
<Q>【幼稚園】預かり保育の会計処理の疑問?
幼稚園の園長先生は、「預かり保育も教育の一つ」と言っていましたが、預かり保育の収入は、どうして学生生徒等納付金収入にならないのでしょうか?
<A>
学生生徒等納付金収入は、入園料や保育料のように園則等に従い全在園児(の保護者)から義務的に一律に受領する収入が入ってきます。
しかし、預かり保育は、正規の教育時間の終了後に、希望するものを対象に行う教育活動の対する収入です。預かり保育は、対象者は一部、利用代金も利用者の利用頻度により通常は変わってきます。このため預かり保育の収入は、(大科目)学生生徒等納付金収入はしません。(大科目)付随事業・収益事業収入の(小科目)補助活動収入や(小科目)預かり保育活動収入などに計上しています。
※早わかり:保育と預かり保育の違いのイメージ
| 通常の保育 | 預かり保育 |
対象 | 全員 | 希望者のみ |
金額 | 園則など定め一律料金 | 園の定めによる。多くは利用頻度で金額が変わってくる。 |
性格 | 教育課程に係る教育時間内の教育活動 | 教育課程に係る教育時間終了後の教育活動 |
<少し補足:預かり保育について>
預かり保育は、保護者の希望によって教育課程に係る教育時間の終了後に、希望するものを対象に行う教育活動として位置づけられています。
預かり保育は、あくまでも教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動です。預かり保育は、正規の教育課程外の教育活動とも言えます。
預かり保育の正確な説明は、専門書に譲ります。↓↓
1.改訂新版保育用語辞典(2019.3一藝社)p3より
預かり保育 幼稚園において、教育課程に係る教育時間の前後や休業日などに、地域の実態や保護者の要請に応じて、園児のうち希望者を対象に教育活動を行うことをいう。これは近年、幼稚園に就園させる保護者から、幼稚園において長時間幼児を保育してほしいとの要望が高まってきたことに起因する。2007年6月に学校教育法が改正され、幼稚園での預かり保育が法律上に位置づけられた。2008年3月の幼稚園教育要領改訂において、預かり保育が教育活動として適切な活動となるよう具体的な留意事項が示された。2016年6月時点で預かり保育を実施している全国の幼稚園は85.2%である(公立園66.0%、私立園96.5%)。保護者や社会の多様な子育てニーズに対応するものとして、預かり保育の実施は重要な位置を占めるものであるが、長時間預けられることによる幼児の心身の疲労、不安や負担を与えないよう、内容や方法を吟味するとともに、十分な配慮が求められる。(堀建治) |
2.鈴木先生の逐条学校教育法(第8次改定版)でも学校教育法25条[保育内容]の解説です。
三 文部科学大臣は、本条に基づき、施行規則37条で、毎学年の教育週数は特別の事情のある場合を除き、39週を下ってはならないと定め、同38条で、幼稚園の教育課程については教育課程その他の保育内容の基準として文部科学大臣が別に公示する幼稚園教育要領によるものとすると定めている。一日の教育時間は、四時間を標準とするが、幼児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮するものとされている。なお、社会状況の変化に伴い、この四時間を標準として定められた通常の教育時間の終了後等に、地域の実態や保護者の要請により、希望する幼児に対して引き続き教育活動を行うこと(いわゆる「預かり保育」)についても幼稚園教育要領で規定されている。「預かり保育」は、幼稚園における正規の教育課程外の教育活動であるが、近年保護者のニーズや実施する園は増加しており、幼稚園が行う教育活動として適切な活動となるよう留意事項などについて示されている。 |
なお、現在の幼稚園教育要領では、預かり保育を「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動」と読んでいました。
今日は、ここまでです。