2018年10月30日
【組織再編】パーチェス法って?持分プーリング法って何?
<Q>パーチェス法って?持分プーリング法って何?
学校の合併を調べてみると、会計処理はパーチェス法か持分プーリング法を使うそうです。どのような方法ですか?
まず、企業の場合の考え方を教えて下さい。
<A>
企業会計のお話なので、少し馴染みがない言葉が出てきます。
企業結合(合併や会社分割などのこと)には、「取得」の場合と「持分の結合」の場合があります。どちらに判定されるかによって採用される会計処理が異なります。会計処理には、パーチェス法と持分プーリング法があります。今は、原則パーチェス法です。持分プーリング法は、ほぼ廃止です。
ちょっとややこしいので、図表でイメージを押さえて下さい。
| パーチェス法 = Purchase method | 持分プーリング法 =Pooling of interests method |
だいたいの意味 | パーチェス(Purchase)は、購入(取得)のこと。つまり、パーチェス法とは、ある企業(取得企業)が、他の企業(被取得企業)を時価で購入したと考えます。 又はなくなる会社の株主がいったん会社を清算し、改めて資産・負債を時価で評価し取得会社に現物出資したとみる。でも良いでしょう。
| 「Pool=溜める。結合する」の意味。「interest=支配力、持分」の意味。 持分プーリング法は、両者の持分を1カ所に集めるイメージ。持ち分は、そのまま継続しているので、会計処理は、シンプルに資産負債を、簿価で引き継ぐと考える。 |
引き継ぐ資産・負債の評価 | 「取得(=持分の非継続)」と見られる場合は、いずれか一方が他方を取得したものとして、取得した会社が取得された会社の資産負債を時価で引き継ぎます。 | 「持分の結合(=持分の継続)」と見られる場合は、合併会社が合併会社被合併会社両社の資産負債を溥価で引き継ぎます。
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暖簾の計上 | 暖簾の計上あり | 暖簾の計上なし |
適用範囲 | 原則 | 例外。対等合併(持分の結合)の場合に採用。 |
今日は、ここまでです。