2018年10月15日
【総額表示vs純額表示】基準5条で純額表示ができる場合って??
<Q>基準5条で純額表示ができる場合って??
学校法人会計基準第5条で純額表示できる場合は、どのような場合ですか?
<A>
学校法人会計基準の5条では、計算書類の金額は、総額表示を原則として、一部純額表示を2つのグループに認めています。
まず、原文の確認
(総額表示) 第5条 計算書類に記載する金額は、総額をもって表示するものとする。ただし、 預り金に係る収入と支出その他経過的な収入と支出及び食堂に係る収入と支出その他教育活動に付随する活動に係る収入と支出については、純額をもって表示することができる。 |
この基準第5条は、計算書類の記載科目と金額の表示方法は原則として総額表示と定めています。つまり、総額表示ですから資金収支計算書で収入と支出を勝手に相殺したり、貸借対照表で資産と負債・純資産を勝手に相殺したりしないで、総額で表示して下さいと言っています。
基準5条の後段では、学校法人のすべての会計について画一的に総額で表示することはかえって会計報告の目的に反する場合もあることを考慮して、一般的には総額で表示するほど重要ではなく、総額表示にする必要性も薄いものについては2つの場合の収支について例外的に差額表示を認めています。
1.経過的な収入と収支
まず基準では預り金の収入と支出をあげています。基準制定当時は、給与の源泉税、社会保険料などを想定し、預り金は一時的な預かりなので少額と想定していたようです。ただ現在は基準制定から年月がたち学生からの預り金が多くなっているように感じます。
他にも経過的な収支として仮受金や仮払金等があります。これらの科目の多くは年度末にそれぞれの科目に振り替えられる必要があり、本来はあまり発生しかい科目です。
2.補助活動の収支
食堂に係る収入と支出は、 教育活動に付随する補助活動に係る収入と支出の例示で、学校には他にも売店、学生寮等に係る収入と支出もこれに該当します。
細かなことは、補助活動事業に関する会計処理及び表示並びに監査上の取扱いについて(昭51.3.9 学校法人委員会実務指針第22号)に細かくあります。
ちょっと抽象的な言い方ですが、総額表示にするか純額表示にするからは、会計の明瞭表示と言う報告目的を考えて決めていきます。
今日は、ここまでです。