2017年08月22日

【教育】義務教育のきちんとした説明とは?(1)

学校教育法こんにちは!今日は、税理士事務所の方からのご質問です。

 







<Q>義務教育のきちんとした説明とは?

 私立中学校では、授業料の滞納があっても中学校は義務教育なので進級させるとのことですが、そもそも義務教育をキチンと説明するとどうなるのですか?

 

<A>

 義務教育は、日常用語では、国民が、子どもに受けさせなければならない教育で、日本では、小学校と中学校の9年間の学校教育を言っています。

 義務教育の説明は、憲法や教育基本法、学校教育法などで見かけます。ただ残念ですが、憲法や教育基本法は、学校会計の法規集にはありません。

 そこで少し補足してみます。

 

憲法

26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 憲法第26条の第1項は、「教育を受ける権利」。第2項は、「教育の義務」について定めています。

 

 この義務教育の内容は、教育の憲法と言われる教育基本法で具体化されています。

教育基本法

(義務教育)

5   国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。

  義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。

  国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。

  国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。

 第1項の「別に法律で定めるところ」が学校教育法になります。

 第2項は義務教育の目的を定めています。

 

 学校法教育法の第2章には「義務教育」があります。

 第2章 義務教育は、16条(就学義務)、17条(就学期間)、18条(就学猶予・免除)、19 条(就学援助)、21条(義務教育の目標)という感じです。

 第2章 義務教育 

16   保護者は、次条に定めるところにより、子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う。

 義務教育は、親の義務。義務教育の期間が9年であることが説明されています。

 17条には新しい義務教育学校も出てきますが、17条以下の説明は、長くなるのでまた別の機会にします。

 以上から、義務教育とは、「憲法や法律によって、就学が義務として定められた6歳から15歳までの9年間の普通教育」をいうことがわかります。

 

 最後は、専門家にまとめてもらいます。きれいに義務教育をまとめています。

新版教育小事典【第3版】p65H23学陽書房 編集代表 西原春好・寺昌男)

 

義務教育 compulsory education

 国民が一定の教育を受けることを国家的に義務づけられている教育とその制度をいう。わが国では、6歳から15歳までの9年の普通教育を子どもに受けさせる義務をその保護者(父母または後見人)に課し、そのための学校の設置を市町村と都道府県に義務づけている。

 

 義務教育の制度的萌芽は、すでに17世紀のドイツやアメリカ(マサチューセッツ)の教育法などにみられたが、近代的義務教育制度は、産業革命後の新しい社会的要請に伴い、19世紀になって各国に発達してきた。わが国では、1872(明治5)の「学制」以後、義務教育の制度化が図られ、1886(明治19)年の小学校令によりその制度的確立をみた。義務教育の年限は、1907年(明治40)に4年から6年に延長され、さらに1941年(昭和16)の国民学校令により8年になったが、戦時特例により8年制の実施は延期され、結局実施されなかった。明治以後、6歳から14歳までの8年間が学齢と定められ、その学齢期間中に尋常小学校の教科を修了するまで就学を義務づける義務教育の課程主義が採用されてきた。しかし国民学校令は、学齢期間の就学を義務づける年齢主義を採用し、現在もその原則を継承している。

 

 世界各国とも、義務教育の年限を歴史的には延長してきた。しかしその年限を何年にするかの理論的根拠は、必ずしも明らかではない。義務教育の制度化は国家社会的必要から実現をみたが、20世紀になって国民の教育を受ける権利の保障に、その制度的意義をもつようになった。日本国憲法も、その理念を明確に宣言している(26)。高等学校等への進学率が98%を超えるようになった現在、後期中等教育の義務教育化が重要な論点の一つになっている。子どもの学習権を保障し、社会的要請にこたえる教育システムを、どのように制度的に再編するかという観点から、義務教育の年限延長の問題も考えられねばならないであろう。→義務教育の無償(金子照基)

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00│Comments(0)

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