2015年11月27日
【CF】活動区分資金収支計算書に予算欄がない理由??
こんにちは! 今日は、大学法人の理事さんからのご質問です。
<Q>活動区分資金収支計算書に予算欄がない理由??
活動区分資金収支計算書が新設されましたが、この計算書には、なぜ予算欄がないのですか?
※活動区分資金収支計算書のイメージ
| 科目 | 金額 |
| | |
| | |
<A>
それでは、まず基本の確認です。
資金収支計算書では、なぜ予算欄があるのでしょうか??
資金収支計算書の予算欄の根拠は、基準9条にあります。
(資金収支計算書の記載方法) 第9条 資金収支計算書には、収入の部及び支出の部を設け、収入又は支出の科目ごとに当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。 |
※資金収支計算書イメージ
科目 | 予算 | 実績 | 差異 |
補助金収入 | 3,000 | 2,800 | 200 |
…… | | | |
消耗品費支出 | 100 | 110 | △10 |
…… | | | |
学校法人の諸計画は、予算に基づいて運営されるものなので、計画どおり予算に基づいて運営されているかどうかを明らかにするために、資金収支計算書は、予算の額と決算の額との比較が可能なように記載することとなっています。事業活動収支計算書も同じ考え方です。(参考:野崎先生の基準詳説p39等)
次に、活動区分資金収支計算書は、実績を示す「金額」欄のみで、「予算」欄、「差異」欄がない理由ですが、学校会計の法規集に特に説明はありません。
そこで、通常考えられる説明をしてみます。
まず、活動区分資金収支計算書は、あくまでも資金収支計算書に附属するである計算書であることから(基準4条及び第四号様式)、予算欄までは求められなかったと考えられます。
だから、内部管理用に勝手に予算欄、差異欄を設けることは問題ありません。むしろ経営的には、優れた資金管理方法と言えます。ただし、この場合でも正式の計算書類を作成する場合の活動区分資金収支計算書は、第四号様式に従い、実績を示す「金額」欄だけを表示することになります。
今日は、ここまでです。