2013年08月21日
【基本】支払資金って何だ?!
<Q>支払資金って何だ?
学校会計の本を読んでいると「支払資金」と言う勘定科目が頻繁に出てくるのですが、実際のところ学校では支払資金と言う科目はありません。どういうことですか?
<A>
学校会計では、資金収支計算書が支払資金の増減や残高を表す計算書になっています。このため、資金収支計算書の仕訳については、必ず借方か貸方に支払資金が来ることになります。
(借方)支払資金 100(貸方)授業料収入 100
(借方)消耗品費支出 10(貸方)支払資金 10 と言う具合です。
このように支払資金と言っても当然、入金もあれば支出もあります。
支払資金は、ざっくり言えば学校の現金預金のことです。もっと具体的に言えば現金と普通預金が該当します。
支払資金の正確な定義は、基準6条に「現金及びいつでも引き出すことができる預貯金」となっています。
この支払資金の範囲は、現金その他当座預金、普通預金、郵便貯金等のほか、学校法人の意、思で、随時に又は短時日のうちに支払手段となしうるものであれば、通知預金や定期預金もこの範囲に含めまれます。ただし、特定の使途を有する預金(○○引当特定預金)等や、支払手段として用いることを予定していない預金(例えば第3号基本金引当資産)等は、支払資金の範囲にはなりません(この部分の参考文献:「学校法人会計基準詳説」H2野崎弘先生。)
少し補足すると、定期預金は5年定期で学校が満期まで解約するつもりがなければ、いつでも引き出せる支払手段の預金とは言えないので支払資金にはなりません。
上記以外に、金銭信託も支払資金になります。
文字面は似ていますが、貸付信託は金融商品取引法にいう有価証券に該当するため、支払資金に該当しません。
中期国債ファンドは、実質的にはいつでも引出し可能であり預貯金に近いものですが、内容は追加型公社債投資信託であり、金融商品取引法上の有価証券に該当するため、支払資金としては扱いません。
今日は、ここまでです。