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2013年05月17日

【学納金】入学辞退者の学納金の返還

入学辞退者4こんにちは! 専修学校でのご質問です。学校では、特に気になる入学辞退者の学納金の取扱いです。

 

 

 

 

 

<Q>入学辞退者の授業料等の返還の有無

最近は、入学辞退者には授業料を返還する傾向にあると聞いたのですか本当でしょうか?

 

<A>

 入学辞退者の授業料の返還については、学校の学生募集等の政策上の理由で学校が戻す場合は別にして、法的には授業料を入学辞退者に返還する必要はありません。

 

1.入学辞退者については、文科省の通知があります。

「大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校の入学辞退者に対する授業料等の取扱いについて(通知)(平18.12.28 18文科高第536号)」

 ………

 入学辞退者に対する授業料等(授業料のほか、実験実習費、施設設備費、教育充実費などの費目の金員を指す。以下同じ。)及び諸会費等(学生自治会費、同窓会費、父母会費、傷害保険料などを指す。以下同じ。)の取扱いについては、従来の下級審判決において判断が分かれていましたが、平成181127日に「331日までに入学を辞退した者については、原則として大学は返還する義務を負う」旨の最高裁判所判決が下されました。また、1222日には、各種学校に関し、同趣旨の最高裁判所判決が下されました。

 

 これらの最高裁判所判決はそれぞれ私立の大学及び各種学校に関するものでありますが、授業料、諸会費等については、国公私立の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を通じて、今後司法上同様の判断がなされる蓋然性が高くなると考えられます。つきましては、各大学等におかれては、今後の入学者選抜に当たって以下の点について受験生及び保護者に対して明確にしていただくようお願いいたします。

 

  また、各都道府県知事及び都道府県教育委員会におかれては、所管の専修学校及び各種学校に対し、この旨周知くださるようお願いいたします。

 

1331日までに入学辞退の意思表示をした者(専願又は推薦入学試験(これに類する入学試験を含む。)に合格して大学等と在学契約を締結した学生等を除く。)については、原則として、学生等が納付した授業料等及び諸会費等の返還に応じることを明確にすること。

 

21.にかかわらず、入学試験要項、入学手続要項等に、「入学式を無断欠席した場合には入学を辞退したものとみなす」、「入学式を無断欠席した場合には入学を取り消す」などと記載している場合には、入学式の日までに学生等が明示又は黙示に在学契約を解除したときは、授業料等及び諸会費等の返還に応じることを明確にすること。

 

3.平成20年度以降の入学者選抜に当たっては、例えば、あらかじめ入学試験要項、入学手続要項等に記載するなどにより、上記1.及び2.について明確にすること。なお、平成19年度の入学者選抜については、既に入学試験要項等を配付しているなどの事情のある場合には、各大学の判断により、他の方法によって受験生及び保護者に対して明確にすること。

原文:大学短期大学高等専門学校専修学校及び各種学校の入学辞退者 ...

   http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/07011019.htm

 

 

2.現在の法解釈も同じ

 文科省の通知から6〜7年経ちましたので、現在の法解釈も確認しておきます。では、最新の法律書の助けを借ります。弁護士の小國隆輔先生の「私学経営の法律相談■僉A学生・生徒管理」p4445(法友社。H25年。)です。ここでは、入学辞退者の学納金に関する法的な解釈は現在でも同じようです。

 

<Q20>入学を辞退した学生には、学生納付金を返さなければなりませんか?

<A20>

 (1)入学辞退者に対して、入学金を返還する必要はありません。また、入学金以外の授業料等は、一般論としては、3月末日までの辞退者には返還を要し、4月1日以降の辞退者には返還する必要はありません。

 

(2)在学契約は、入学許可と学生納付金(学納金)の支払いによって成立しますが、入学予定者は任意に入学辞退(在学契約の解除)をすることができます。

 従前、多くの学校法人では、学則で、いったん支払った学納金は一切返還しないと定めていました(不返還特約)。これに対し、入学辞退者が、入学金や授業料、施設設備費等の諸費用の返還を求めて訴えを提起したのが、一連の学納金返還訴訟です(最高裁二小平18.11.27判決等)

 

(3)学納金返還訴訟では、複数の最高裁判決が下され、おおむね以下のように判断されました。「◆廚里Δ繊入学金以外の学納金の返還を要するとの判断は、消費者契約法9条1号に基づき、不返還特約の一部を無効としたものです。

‐暖饉垠戚麕〇楾堊(平成13年度以前)の入学に係る学納金については、入学金、授業料、諸費用等のいずれも返還しなくてよい。 

∧神14年度以降の入学に係る学納金については、

・入学金は、いずれの場合も返還しなくてよい。

・入学金以外の学納金は、原則として、3月31日までに入学辞退を申し出た者には返還しなければならず、4月1日以降の申出については返還しなくてよい。ただし、専願、第1志望、入学の確約が出願資格とされている場合、特段の事情がない限り、入学辞退の申出の時期を問わず、返還しなくてよい。

・入試要項等に、入学式を無断欠席した場合には入学を辞退したものとみなす、又は入学を取り消すといった趣旨の記載がある場合、入学式を無断欠席した者には、入学金以外の学納金を返還しなければならない。

 

(4)最高裁の判断を受けて、多くの大学では、学則や入試要項等の記載を最高裁判決に即した内容に改めています。したがって、学納金の返還の可否は、これらの規定に従って判断すればよいでしょう。

 なお、最高裁が判断したのは大学の学納金に関する事案です。幼稚園や小・中・高等学校、専修学校等については、今後の裁判例の蓄積が待たれます。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:23│Comments(0)TrackBack(0) ■■ 収入/学納金収入 | ◎ 法人運営

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