【私学法第57条】(合併の時期)【私学法第61条】(収益事業の停止)

2011年10月07日

【私学法第59条】(助成)

所轄庁こにちは!今日から私立学校法の第5節「助成及び監督」に入ります。

この第5節「助成及び監督」では、助成の規定(59)が置かれ、他に収益事業の停止(61)、解散命令(62)の規定が定められています。。

 今日は59条(助成)です。

 

【私立学校法第59条】(助成)

国又は地方公共団体は、教育の振興上必要があると認める場合には、別に法律で定めるところにより、学校法人に対し、私立学校教育に関し必要な助成をすることができる。

 

【説明】

1.本条の趣旨

 本条は、私立学校に公的補助が出来ることを定めた私学助成の根拠規定です。すなわち、国又は地方公共団体が、教育の振興上必要があると認める場合に、別に法律(→私立学校振興助成法など)で定めるところにより、学校法人に対し、私立学校教育に関し必要な助成をすることができることを規定しています。

 

2.私学助成の根拠規定

 私立学校振興助成法ができる前の私学法は、その第59条第1項に私学助成の根拠規定をおいて、補助を受ける学校法人に対する監督規定等が第2項から第11項に定められていました。

 その後、昭和50年自由民主党の議員立法によって私立学校振興助成法が提案され成立しました。この助成法では、私学助成についての国の基本方針が定められました。具体的には、助成法は、経常的経費に対する補助を定めるとともに、助成に伴う監督規定を定め、私学法59条の内容が助成法に移されました

 

3.憲法89条議論

本条については、法律専門家の間では、従来より、憲法89条の「公の支配」との関係が議論されています。ここでは、詳細は法解釈を論じるつもりは目的ではありませんので、憲法89条議論があることの紹介にとどめます。

 ここでの要点としては、

 ・教育事業者に公費(補助金)を出せるのか

 ・私立学校の自主性を優先するか、補助金を受ける者として「公の支配」(監督)を優先するのか です。

    ↓

 結局、補助金をもらう学校には厳重な監督を加える形で59条が定められました。

 

※憲法 第7章 財政

89条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

 

 第59条の制定は、私学関係者により画期的な条文でした。



kaikei123 at 07:25│Comments(0)TrackBack(0) 【法】 私立学校法・ミニ逐条解説 

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