2011年04月04日
【新着】震災時決算の留意点
東日本大震災の被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。また、一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。
さて、平成7年の神戸・淡路大震災でも震災対応の文章が日本公認会計士協会から各会員会計士向けに出ました。今回の大震災でも同じような文章が3月30日に出ました。ホントは学校法人担当の会計士向けの文章なのですが、内容的には各学校法人の決算にも役立ちそうな事項が多いのでご紹介いたします。
正式名称は、会長通牒「東北地方太平洋沖地震による災害に関する学校法人監査の対応について」です。
この会長通牒の要点としては、
(1)基本的な考え方
事実確認や会計上の見積もりについて決算では注意して下さい。例えば、
・未収入金等に対する徴収不能引当金の計上
・有価証券の評価
・震災に伴う消費支出の見積もりを過大にしない
(2)震災した学校法人の場合
・受け取った義援金は、特別寄付金。
現物をもらったら現物寄付金とする。
・校舎等の損壊がある場合の資産処分差額は平22年度に織り込む
・被災した生徒への見舞金は教育研究経費の福利費とする
・被災した生徒へ貸付する場合は貸付金規定を整備する
・被災した生徒への授業料などの減免は教育研究経費の奨学費とする
・基本金の検討、注記の検討をする
(3)被災地以外の学校法人の場合
・義援金の支出は、管理経費の震災義援金とする。
・備蓄している保存食を被災地に寄付した場合
→貯蔵品(資産)処理している学校では現物の義援金は管理経費の震災義援金とする。
→通常の非常食として購入時に消耗品費(経費)で処理している場合には、当年度の購入であれば消耗品費を震災義援金に振り替える。過年度に支出済みであれば金額が僅少である場合を除き、雑収入の過年度収支修正差額と震災義援金等を両建てで処理することが考えられる。
・学内の機器備品を被災地に寄付した場合には、資産処分差額の○○震災義援処分差額等で表示する。
・被災地の生徒を一時的に受け入れて授業料の減免などをした場合は教育研究経費の奨学費とする。
なお、各項目の具体的な内容については、日本会計士協会のサイトの下記ページをご参照ください。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1490.html