2007年04月23日
【基準6条】資金収支計算の目的
こんにちは! 学校法人会計基準を読み込んで行きます。今日は、基準第6条(資金収支計算の目的)です。第6条から、「第2章 資金収支計算及び資金収支計算書」に入ります。
第6条 (資金収支計算の目的)
学校法人は、毎会計年度、当該会計年度の諸活動に対応するすべての収入及び支出の内容並びに当該会計年度における支払資金(現金及びいつでも引き出すことができる預貯金をいう。)の収入及び支出のてん末を明らかにするため、資金収支計算を行なうものとする。
【解説】
1.本条の趣旨
本条は、資金収支計算の2つの目的について規定しています。
2.資金収支計算の2つの目的
基準6条は、資金収支計算の目的を2つあげています。
(1)諸活動のすべてを表示(半発生主義)
第1の目的は、学校法人が、当該会計年度の教育研究その他の諸活動を行なうことにより、これに対応して発生したすべての収支の内容を明らかにすることである。すべての収支の内容とは、実際は、入金すべき内容、支出すべき内容なので、はっきり言うと発生主義に近い考え方です。
(2)支払資金の顛末を表示(現金主義)
第2の目的は、当該会計年度の学技法人の諸活動との対応関係の有無にかかわらず、現実に当該会計年度中に収納、または支払った支払資金の収支のてん末を明らかにすることです。
支払資金は、下記に説明しますが簡単に言うと貸借対照表の現金預金です。資金収支計算書では、現金預金の収支の顛末を明らかにします。顛末とは、初めから終わりまでと言うことです。学校会計では、支払資金の始めから最後までまでの動きすべてをいいます。ですから、資金収支計算書の一番下の次年度繰越支払資金は、貸借対照表の現金預金残高と一致します。
3.支払資金
「支払資金は、現金及びいつでも引き出すことができる預貯金をいう。」と定義されています。
ここで、「いつでも引き出すことのできる預貯金」を具体的に言えば、当座預金、普通預金、郵便貯金等はもちろんですが、そのほか、学技法人の意思で随時または短期間のうちに解約等により支払い手段となし得るものであれば、通知預金や定期預金もこの範囲に含めるものと解されています。
4.注意点
資金収支計算書は、企業会計のキャッシュフロー計算書に近い計算書と言えます。資金収支計算書は、純粋の資金繰表とは違います。いわば、修正資金収支計算書と考えていた方が、資金収支計算書の理解は早まります。