2023年02月

2023年02月27日

【為替】為替差益、為替差損の表示

換算2今日は、ある短期大学法人でのご質問です。

 





<Q>【為替】為替差益、為替差損の表示

当法人は、外貨預金を複数持っており、今年度は解約時に為替差益と為替差損が生じています。決算書の表示はどうなりますか?

 

<A>

1.決算書での表示

 為替差益や為替差損の決算書の表示は、資金収支計算書と事業活動計算書では表示方法が異なるので注意が必要です。具体的には、為替差益の場合は雑収入の金額が、為替差損の場合は管理経費の金額が、資金収支計算書と事業活動収支計算書で変わってきます。  

 

資金収支計算書

活動区分資金収支計算書

事業活動収支計算書

為替差益

(大科目)雑収入

(小科目)為替差益

(区分)その他の活動による資

(科目)為替差益

(区分)教育活動外収入

(大科目)その他の教育活動外収入

(小科目)為替差益

為替差損

(科目)管理経費

(小科目)為替差損

(区分)その他の活動による資

(科目)為替差損

(区分)教育活動外支出

(大科目)その他の教育活動外支出

(小科目)為替差損

 為替差損益の表示については、実務指針45号の2-1に定めがあります。

2 事業活動収支計算書

2−1 教育活動外収支に計上される財務活動

Q 教育活動外収支に計上される経常的な財務活動に係る事業活動収支には、どのようなものが該当するのですか。

A 第8号通知2.(3)において、財務活動とは、資金調達及び資金運用に係る活動をいうとされており、事業活動収入としては、第3号基本金引当特定資産の運用により生ずる「第3号基本金引当特定資産運用収入」や、これ以外の預金、貸付金等の利息、株式の配当金等の「その他の受取利息・配当金」が該当する。また、事業活動支出としては、借入金利息や学校債利息が挙げられる。

 また、外国通貨及び外貨預金の本邦通貨への交換や外貨建債権債務の決済の際に生ずる為替換算差額、外貨建債権債務等につき期末日の為替相場に換算する場合に生ずる為替換算差額等については、「教育活動外収支」に計上する。

 ここで為替差損益を事業活動収支計算書の教育活動外収支に計上する理由は、代金決済までの期間の為替変動が金融取引としての性格を有することを重視したためです。(この理由説明の参考:私学事業団の実務問答集Q154)。

 

2.総額表示

 また、為替差益と為替差損は、基準5条の但書きに該当しないため、両社は相殺せずに総額表示になるでしょう。

基準(総額表示)

第5条 計算書類に記載する金額は、総額をもつて表示するものとする。ただし、預り金に係る収入と支出その他経過的な収入と支出及び食堂に係る収入と支出その他教育活動に付随する活動に係る収入と支出については、純額をもつて表示することができる。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月24日

【改正私学法案】新旧対照表を作ってみました!

強調120こんにちは!今日は、私立学校法の改正法律案です。

 

 広場の事務局で勝手に目次の新旧対照表を作ってみました。現行法は67条までですが、改正法律案は条文数が164条であり、条文構成が大幅に変わる改正法律案です。

 改正法律案は、内閣法制局から衆議院に送られて審議が開始されているようです。
 
 まず簡易版の新旧対照表です。
 私立学校法の新旧対照表
【簡略版】 

改正案

現行

目次

目次

第1章  総則

第1章  総則

2 私立学校に関する教育行政

2 私立学校に関する教育行政

第3章  学校法人

第3章  学校法人

第1節  通則

第1節  通則

第2節  設立

第2節  設立

第3節  機関

第3節  管理

第1款 理事会および理事

第1款  役員及び理事会

第2款  監事

 

3 評議員及び評議員会

2 評議員及び評議員会

4 会計監査人

 

5 役員、評議員又は会計監査人の損害賠償責任

第3款  役員の損害賠償責任等

第4節  予算及び事業計画等

→現行は第5款

第5節 会計並びに計算書類等及び財産目録等

 

第6節  寄附行為の変更

第4款  寄附行為変更の認可等

 

第5款 予算及び事業計画並びに事業に関する中期的な計画等

第7節  解散及び清算並びに合併

第4節  解散

第8節  助成及び監督

第5節  助成及び監督

第9節  訴訟等

 

第4章 大臣所轄学校法人等の特例

 

第5章  雑則

第4章  雑則

第6章  罰則

第5章  罰則

附則

附則


 
次は条文などを入れた通常の新旧対照表です。

 私立学校法の新旧対照表【通常版】 

改正案

現行

目次

目次

第1章  総則(1条-4条)

第1章  総則(1条-4条)

第2章 私立学校に関する教育行政(5条-15条)

第2章 私立学校に関する教育行政(5条-23条)

第3章  学校法人

第3章  学校法人

第1節  通則(6条-22条)

第1節  通則(24条-29条)

第2節  設立(23条-28条)

第2節  設立(30条-34条)

第3節  機関

第3節  管理

第1款 理事会および理事

第1款  役員及び理事会(第35条-第40条の5)

第1目  理事の選任及び解任等(29条-35条)

 

第2目  理事会及び理事の職務等(36条-40条)

 

第3目  理事会の運営(41条-44条)

 

第2款  監事

 

第1目  選任及び解任等(45条-51条)

 

第2目  職務等(52条-60条)

 

第3款  評議員及び評議員会

第2款  評議員及び評議員会(第41条-第44条)

第1目  評議員の選任及び解任等(61条-65条)

 

第2目  評議員会及び評議員の職務等(66条-68条)

 

第3目  評議員会の運営(69条-79条)

 

第4款  会計監査人

 

第1目  選任及び解任等(80条-85条)

 

第2目  職務等(86条-87条)

 

第5款 役員、評議員又は会計監査人の損害賠償責任(88-97条)

第3款  役員の損害賠償責任等(第44条の2-第44条の5)

第4節 予算及び事業計画等(98-100条)

→現行は第5款

第5節 会計並びに計算書類等及び財産目録等(101-107条)

 

第6節 寄附行為の変更(108条)

第4款  寄附行為変更の認可等(第45条)

 

第5款 予算及び事業計画並びに事業に関する中期的な計画等(第 45条の2-第49条)

第7節 解散及び清算並びに合併(109-131条)

第4節  解散(第50条-第58条)

第8節 助成及び監督(132-137条)

第5節  助成及び監督(第59条-第63条の2)

第9節  訴訟等

 

第1款 学校法人の組織に関する訴え(138-139条)

 

第2款  責任追及の訴え(140-141条)

 

第3款 会計帳簿等の提出命令(142条)

 

第4章  大臣所轄学校法人等の特例(143-151条)

 

第5章  雑則(152-156条)

第4章  雑則(第64条-第65条の4)

第6章  罰則(157-164条)

第5章  罰則(第66条・第67条)

附則

附則


今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月21日

【閣議決定】私立学校法の「改正法律案」!

強調120 こんにちは!今日は、ニュースです。先週の新聞報道にあったように217日(金)閣議決定された私立学校法の改正法律案が公表されました。

 

 私立学校法改正案によると、学校法人のガバナンスは、基本的に株式会社や社会福祉法人に近いガバナンスになってきました。

 今回の私立学校改正案で、事務局が個人的に思う影響が大きいと考えられる点は、

・役員、理事長の選任権
・評議員会の権限強化
・理事と評議員の兼任禁止 の3点が気になります。

 施行は、2025年(令和7年)4月。

 総じてガバナンスの強化を目指した改正ですが、法人としては他方で迅速・効率的な法人運営を目指すことが必要になるでしょう。

 会計面では、大臣所轄学校法人では会計監査人を設置する。その後に学校法人会計基準の変更が予定されています。

 今後は、おそらく3月に国会審議(衆議院)が始まり、5月に国会決議(参議院)で法律として成立する流れになるでしょう。
■議案審議経過情報 
閣法 第211回国会 21 私立学校法の一部を改正する法律案 
参議院 議案情報

■法案提出理由です。(内閣法制局)

 私立学校の健全な発達に資するため、理事、理事会、監事、評議員、評議員会及び会計監査人の職務その他の学校法人の機関に関し必要な事項について定めるとともに、予算、会計その他の学校法人の管理運営に関する規定の整備等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

第211回国会における文部科学省提出法律案(R5.1.23〜)

私立学校法の一部を改正する法律案(概要)

私立学校法の一部を改正する法律案(要綱)

私立学校法の一部を改正する法律案(案文・理由)

私立学校法の一部を改正する法律案(新旧対照表)

私立学校法の一部を改正する法律案(参照条文)

 

 概要を掲載します。赤い印字は、事務局が勝手に付けました。

私立学校法の一部を改正する法律案の概要

趣旨

 我が国の公教育を支える私立学校が、社会の信頼を得て、一層発展していくため、社会の要請に応え得る実効性のあるガバナンス改革を推進するための制度改正を行う。

 幅広い関係者の意見の反映、逸脱した業務執行の防止を図るため、理事、監事、評議員及び会計監査人の資格、選任及び解任の手続等並びに理事会及び評議員会の職務及び運営等の学校法人の管理運営制度に関する規定や、理事等の特別背任罪等の罰則について定める。

概要

「執行と監視・監督の役割の明確化・分離」の考え方から、理事・理事会、監事及び評議員・評議員会の権限分配を整理し、私立学校の特性に応じた形で「建設的な協働と相互けん制」を確立。

1.役員等の資格・選解任の手続等と各機関の職務・運営等の管理運営制度の見直し

 

理事・理事会

理事選任機関を寄附行為で定める。理事の選任に当たって、理事選任機関はあらかじめ評議員会の意見を聴くこととする。 (29条、第30条関係)

理事長の選定は理事会で行う。 (37条関係)

監事

監事の選解任は評議員会の決議によって行い、役員近親者の就任を禁止する。(31条、第45条、第46条、第48条関係)

評議員・評議員会

理事と評議員の兼職を禁止し、評議員の下限定数は、理事の定数を超える数まで引き下げる。(18条、第31条関係)

理事・理事会により選任される評議員の割合や、評議員の総数に占める役員近親者及び教職員等の割合に一定の上限を設ける。 (62条関係)

評議員会は、選任機関が機能しない場合に理事の解任を選任機関に求めたり、監事が機能しない場合に理事の行為の差止請求・責任追及を監事に求めたりすることができることとする。(33条、第67条、第140条関係)

げ餬彜萄鎖

大学・高等専門学校を設置する大臣所轄学校法人等では、会計監査人による会計監査を制度化し、その選解任の手続や欠格要件等を定める。 (80条〜第87条、第144条関係)

 

2.学校法人の意思決定の在り方の見直し

大臣所轄学校法人等においては、学校法人の基礎的変更に係る事項(任意解散・合併)及び寄附行為の変更(軽微な変更を除く。)につき、理事会の決定に加えて評議員会の決議を要することとする。 (150条関係)

3.その他

監事・会計監査人に子法人の調査権限を付与する。(53条、第86条関係)

会計、情報公開、訴訟等に関する規定を整備する。(101条〜第107条、第137条〜第142条、第149条、第151条関係)

● 役員等による特別背任、目的外の投機取引、贈収賄及び不正手段での認可取得についての罰則を整備する。 (157条〜第162条関係)

施行日・経過措置

令和7年4月1日(評議員会の構成等については経過措置を設ける。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 03:00|PermalinkComments(0)

2023年02月20日

【財務比率】聞きなれない基本金比率とは?

基本金こんにちは!今日は、ある研修会でのご質問です。

 

<Q>【財務比率】聞きなれない基本金比率とは?

 学校法人の決算説明資料を見ていたら「基本金比率」が出てきました。基本金比率って何ですか?決算説明資料には、「基本金比率=基本金÷基本金要組入額」とあります。

 

<A>

 最新版ではないのですが、私学事業団の「令和2年度 今日の私学財政」(大学・短期大学編)p87を参考にして説明します。

【計算式】

 「基本金比率=基本金÷基本金要組入額」ですが、ここでの基本金要組入額は「基本金+基本金未組入額」と定義されています。

 基本金比率=     基本金           

       基本金要組入額(=基本金+基本金未組入額)

 

【比率の解説】

 基本金比率は、基本金組入対象資産額である要組入額に対する組入済基本金の割合を示しています。イメージで言うと、内容的には基本金組入済比率といった方がわかりやすいでしょう。

 基本金比率は、必要な基本金のうち、何%の基本金を既に組み入れているかという比率なので、100%が上限です。基本金は必要額を超えて組み入れることはできません。

 基本金比率が100%に近いほど未組入額が少ないことを示しています。学校法人に未組入額があることは、借入金や未払金で基本金組入対象資産(≒基本財産)を取得していることを意味しています。このため基本金比率は100%に近いことが基本財産を自己資金で確保したということなので、財務的には健全であり、望ましいと考えらます。

 しかし注意点もあります。仮に基本金比率が100%である場合でも繰越収支差額において支出超過となっている場合、累積した支出超過が基本金を毀損していることとなるため、繰越収支差額の状況も併せて評価する必要があります。

【平均値】

 大学法人の場合、基本金比率は、平均値で例年97%程度になっています。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月17日

【大学】公立大学の歴史について

質問こんにちは!今日は、大学法人の評議員さんからのご質問です。

 






<Q>【大学】公立大学の歴史について

 大学の設置者には、国公立がありますが、公立大学法人の歴史について少し教え下さい?

 

<A>

 学校会計の法規集では対応できないご質問なので、文科省の「学制150年史」(2022p602を参考してのご回答です。

公立大学の法人化 

 公立大学法人制度については、平成16年4月に、地方独立行政法人とその一類型としての公立大学法人について定める「地方独立行政法人法」が施行され、これによって公立大学は、設置者である地方公共団体の判断により法人化することが可能となりました。

 公立大学の法人化は、国立大学の法人化と同様、大学の教育研究の特性を踏まえつつ、自律的な環境の下、地域社会の要請に応えて、優れた教育や特色ある研究に積極的に取り組む個性豊かな魅力ある大学づくりを図ることを目的としています。一方で、公立大学法人の具体的な組織運営などについては、国立大学法人制度とは異なり、設置者である地方公共団体の状況に応じて裁量を持たせる弾力的な制度となっています。

 公立大学法人は、16年4月に1法人が設立され、翌年以降一貫して増加傾向にあります。令和3年4月現在で、法人化している公立大学は全98大学中88大学(79法人)となっており、自主自律的な環境の下、魅力ある教育研究を積極的に展開しています。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月15日

【大学】大学の種類とは??

大学 22146075 (1) こんにちは!今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。

 




<Q>【大学】大学の種類とは??

 大学には、短期大学を含めたり、専門職大学が含まれるといいますが、どう理解したらよいのでしょうか?大学の種類を教えてください。

 

<A>

 今日は、割り切った説明です。大学の種類は、学校教育法「第9章大学(第83条―第114条)」編に出てくる学校を大学のくくりで理解してはどうでしょうか。だいたいの整理です。

図表1:大学の種類1

 

大学の分類

学校教育法

備考

 

大学

大学

83

 

専門職大学

83条の2

2019年度よりスタートで新しい

・専門学校とは違って学士(専門職)がとれる

短期大学

短期大学

108条 ➂

 

専門職短期大学

108

2019年度よりスタートで新しい

 

 

大学院

大学院

99

 

・学部のある大学院

97

 

・独立大学院(学部のない大学)

103

 

専門職大学院

99条➁➂

2003年よりスタート

・大学院のうち高度専門職業人を育てる

・専門職大学院、法科大学院、教職大学院に分かれる


 この表を少し変形します。こちらの方がわかりやすいでしょうか?勝手に事務局がまとめた図表です。個人的には、こちらの整理の方がわかりやすいです。
図表2:大学の種類2

 

大学の分類

学校教育法

備考

一般的な大学

大学院

99

 

・学部のある大学院

97

 

・学部部のない大学

 (独立大学院)

103

 

大学

83

 

短期大学

108

 

質の高い職業教育の大学

専門職大学院

99➁➂

2003年よりスタート

・大学院のうち高度専門職業人を育てる

・専門職大学院、法科大学院、教職大学院に分かれる

専門職大学

83条の2

2019年度よりスタートで新しい

・専門学校とは違って学士(専門職)がとれる

専門職短期大学

108

2019年度よりスタートで新しい

 

 参考の図表をつけておきます。文科省の「諸外国の教育統計」(2022年度版)P3の図表より大学に関係しそうな部分を切り取りました。
大学の種類 




 


今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月13日

【収益事業】寄附行為認可決定前の収益事業の予定費用

校舎こんにちは!今日は、ある大学法人でのご質問です。

 

<Q>【収益事業】寄附行為認可決定前の収益事業の予定費用

 学校では学生寮を転用して、賃貸物件として収益事業を行う理事会決議が承認されました。このため修繕工事が始まったのですが、まだ所轄庁の収益事業についての寄附行為変更の認可決定がおりていません。修繕費の会計処理は、どうなりますか?

 

<A>

 収益事業は、私学法26条や基準3条に会計ルールが書いてありました。まず収益事業の基本ルールの確認です。

私学法

26

ゞ軌蕕忙拆磴里覆じ造蠎益事業ができる

⊆益事業の種類は文部科学省告示(又は各都道府県の告示等)で定める

収益事業会計は特別の会計として経理する

基準

3

ー益事業会計の会計処理及び計算書類の作成は、一般に公正妥当と認められる企業会計の原則に従う

⊆益事業会計は、学校法人会計基準を使わない(基準123,鮟く)

 ここで、特別会計に区分する理由を少しだけ説明しておきます。「収益事業会計を学校会計から「区分」することとした理由としては、「収益事業の会計を特別の会計とするのは、私学法第61条の収益事業の停止命令と関連して、収益が果して学校経営の目的に使用されたかどうかを知る便宜があり、また、第60条の規定により、収益事業に対して課税をなす場合等に便宜があることに基く」ものと解されています(松坂先生p176参考)。学校会計の法規集で説明がない部分なので覚えておきたい立法趣旨です。

 さて、収益事業のスタートは、所轄庁からの寄附行為変更の認可決定がないと効力を発生しません(私学法45条)。ですから、所轄庁から寄附行為の認可決定で決められた効力発生日までは私学法の収益事業は概念上ありません。

 このため所轄庁の寄附行為の認可決定で決まった効力発生日までの修繕費は、(大科目)管理経費支出(小科目)修繕費支出になるでしょう。

 また、この修繕費の所属部門ですが、収益事業に使う予定の経費は、現段階では、他の部門の業務に属さない経費なので、「他の部門に属さない」経費として、学校法人部門に計上されます(文管企第250号)。 

資金収支内訳表等の部門別計上及び配分について(通知)(昭55.11.4文管企第250)

 ‥‥

3. 「学校法人」部門の取扱い

(1) 「学校法人」部門の業務の範囲は、次に掲げる業務とする。

 ア 理事会及び評議員会等の庶務に関すること

 イ 役員等の庶務に関すること

 ウ 登記、認可、届出その他の法令上の諸手続に関すること

 エ 法人主催の行事及び会議に関すること

 オ 土地の取得又は処分に関すること(他の部門の所掌に属するものを除く。)

 力 法人運営の基本方針(将来計画、資金計画等)の策定事務に関すること

 キ 学校、学部・学科(学部の学科を含む。)等の新設事務に関すること

 ク その他「学校法人」部門に直接かかわる庶務・会計・施設管理等に関すること

 ケ 他の部門の業務に属さない事項の処理に関すること

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月08日

今後の学校法人会計基準の改正予定について

質問こんにちは!今日は、ある研修会でのご質問です。

 

<Q>今後の学校法人会計基準の改正予定について

 最近、学校法人会計の改正点が少ないと思うのですが、どうしてですか?

 

<A>

 私立学校法が改正途中のため学校法人会計のルール変更が控えられています。私学法改正後は、現在の学校法人会計基準をベースにした、私立学校法の会計基準が創設される予定です。
 改正私学法の施行予定が令和7年4月ですので新しい学校法人会計基準の施行は、その後ということになるでしょう。

参考:学校法人のガバナンス改革に関するQ&A(令和5年1月版)

Q63 会計監査人による会計監査など、学校法人会計基準の根拠は、私立学校振興助成法から私立学校法に移るのですか。その上で、全ての学校法人が学校法人会計基準に拠るという理解でよいですか。

A 私立学校法に基づく会計監査人の監査が制度化されることに伴い、学校法人会計基準を私立学校法に基づくものとして位置付ける必要があります。

 その上で、全ての学校法人に学校法人会計基準を適用する方向で検討しています。

Q64 学校法人会計基準の改定まで予定しているのですか。

A 私立学校法において会計監査人による監査を制度化するためには、私立学校法に基づく会計基準を整備することが必要となります。

 このため、現在の私立学校振興助成法に基づく学校法人会計基準を改正し、私立学校法に基づく会計基準として位置付けることを予定しています。

Q65 大臣所轄学校法人においては、会計監査人による監査が規定されるようですが、会計帳簿の作成・保存・閲覧の義務化についても規定されるのですか。

A 他の法人制度も参考にしながら、会計帳簿の作成・保存・閲覧の義務化についても検討していきます。

Q66 「計算書類のセグメント別の情報表示」とは、現在の計算書類内訳表で部門ごとの内訳を表示しているものではなく、セグメント別で単独の計算書類を作成するということですか。

A 私立学校法により作成が必要な計算書類の内容については、現在の学校法人会計基準をベースとしながら、セグメント別の情報表示の在り方を含め、今後検討していく予定です。(現時点では、セグメント別で単独の計算書類を作成することは予定しておりません。)


 
また、文科省の大学法人向けの監事研修会のQ&Aも役立ちます。

「私学行政の最新動向について」質疑応答 

事前質問ァヽ惺史/猷餬彜霆爐硫正について

 会計監査人の私学法の会計監査制度化に伴い、適用される学校法人の「会計基準」の作成(改正)を検討されるようですが、その具体的な内容(改正方針等)についてはどこまで具体的に検討されているのでしょうか。

 また、それはどこで(文科省内のどのような組織で)検討されているのでしょうか。現在の状況での方向性でも結構ですので、教えてください。

 

 私学法において会計監査人による監査が制度化されることに伴い、学校法人会計基準を私学法に基づく基準として位置付ける必要があり、そのための改正を予定しています。

 現在の学校法人会計基準をベースとしながら、開示に適した内容とするための改正を行う予定です。

 なお、改正私学法の施行までの期間や、学校法人における事務負担も踏まえ、学校法人の過度な負担が生じないよう、配慮します。

 私学法の改正法案の成立後に、文科省に会計基準改正のための検討会議を設置し、検討する予定です。検討会議には私学関係者や公認会計士等に参画頂くことを予定しています。

 

 今日は、ここまでです。





kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月06日

【寄付金】寄付金と現金主義採用の理由

寄付金 22595102今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。

 



<Q>寄付金と現金主義採用の理由

 寄付金は、現金主義で計上しますが、どうしてですか?

 

<A>

 まず、学校会計の法規集で、寄付金の計上基準を確認します。ほぼ現金主義です。

寄付金収入に関する実務指針(学校法人委員会実務指針第39)

1 .会計処理》

6寄付金収入の帰属年度は、寄付金品の受領日の属する年度とし、寄付の申込みがあった場合でも寄付金舳を受領するまでは未収人による計上は妥当な処理として認められない。ただし、翌年度入学予定の学生生徒等に係る寄付金は、受領年度においては前受金収入とし、翌年度の事業活動収入とすることができるが、所轄庁の指示がある場合に限られるものとする。

 簡単に言うと、所轄庁から特別な指示がなければ、寄付金は、寄付金品の受領日の属する年度に計上します。お金の寄付なら、現金や現金等価物の受領日に寄付金を計上します。

 

 学校会計で、寄付金の計上基準として現金主義を採用した理由のはっきりとした説明は書いてありません。

 おそらく、寄付金は、寄付者をする者の意思によって行われるものです。民法では、書面によらない贈与は、撤回することができることになっています(民法550)。

 学校ですから通常の寄付は、学校と寄付者で書面のやり取りをしますが、書面による贈与契約があっても一般債権ほど取り立てが容易でない感じがします。このため、学校会計では取引事実がはっきりわかって確実な金品の受領日をもって寄付金収入の計上日と考えたのでしょう。

 

<参考>

 寄付金を現金主義で計上する理由は、分野は少し異なりますが、法人税の損金処理の説明で見たことがあります。学校会計でも参考になります。青字部分は、事務局が勝手に色を付けました。

「体系法人税法」p903H27年 山本守之著)

(2)現金主義による理由

 法人税法において寄附金に限定して現金主義によるのは、次のような理由からであるとされている。

寄附金支出の実情

 寄附金というのは、一般社会的用語であり、法律的には贈与である。「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」(民法549)のであるから、贈与契約を締結することによって権利義務が確定するのである。

 しかし、寄附金の支出に際して契約を結ぶことは少なく、現実にはその資産の引渡し又は所有権の移転があったときに履行されたと解するのが一般的である。そこで、税務においても一般的慣習を尊重して現実に支出したときに寄附金の認識をするのである。

贈与の取消し

 また、「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」(民法550)とされているように、書面によらない贈与は取り消すことができるのである。

(注)取消すことのできない書面による贈与であっても、相手方が履行しない場合に一般債権と同じように取立てることは容易ではない。

 しかも、寄附金の損金算入限度額は事業年度ごとに計算され、指定寄附金等も募金期間が定められているから、口頭で寄附を約束した金額を未払寄附金に計上することを認めれば、その事業年度を経過したあとにこれを取り消すという操作によって租税回避が可能になってしまうからである。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月03日

【私学法】改正私学法案の国会提出はいつなの?

国会議事堂2244201 こんにちは!今日は、学校関係者からのご質問です。

 





<Q>【私学法】改正私学法案の国会提出はいつなの?

 新聞報道では、国会に改正私学法案が出たとまだ見ていないのですが、今年の国会に本当に提出されるのでしょうか?

 文科省の国会提出法律というサイトを見るとまだ、国会に私学法が出ていないように見えるのですが?どうなっていますか?

 

<A>

 特別な情報を持っているわけではありませんが、永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年1月23日)に下記のようなやり取りがありましたので、改正私学法案は今国会に提出されるでしょう。

記者)

今日から通常国会が始まりますけれども、改めて文科省所管の法律成立に向けて大臣の意気込みなどをお願いします。

 

大臣)

本日、第211回の通常国会が開会をいたします。文部科学省からは提出を予定しております法律案がございます。私立学校法の改正案2つ目が日本語教育機関の認定等に関する法律案、そして3つ目が特定先端大型研究施設の共用促進法の改正案、そして4つ目が著作権法の改正案と4つの法律案の提出を予定をしております。また令和5年度の予算案、これは文部科学省のでございますが、前年の対比にしますと123億円増の総額52,941億円を計上しているところでございます。これらの提出法案、提出予定法案ですね、ですとか、また予算案、これは教育、科学技術・イノベーション、スポーツ、そして文化芸術の各分野の振興に必要でございますので、与野党の先生方と様々な議論を積み重ねまして、文部科学行政を着実に進めていくために法案の成立、そして予算案の成立、しっかりとさせていただきたいと思っております。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)

2023年02月02日

【重要】改正私学法の施行時期はいつから?

施行時期2 23498076こんにちは!今日は、ある大学の監事さんからのご質問です。

 





<Q>
【重要】改正私学法の施行時期はいつから?

 今年の通常国会に提出予定の改正私学法は、いつから施行されるのですか?

 

<A>

 改正私学法の施行の時期ですか、昨年の秋頃は、令和6年4月施行との噂もあったのですが、文科省の「学校法人のガバナンス改革に関するQA(令和51月版)」のQ75では「令和741日施行とする方向で検討を進めています」とあります。

学校法人のガバナンス改革に関するQ&A(令和5年1月版)

Q75
 今後の法改正のスケジュールはどうなるのですか。新制度はいつから施行されるのですか。


A 特別委員会報告書を踏まえ、文部科学省において報告書に基づく私立学校法改正法案の骨子案を作成し、その内容について広く国民の皆様から御意見を伺う意見募集を実施し、法案骨子を公表しました。

 国民の皆様から頂いた御意見も踏まえた上で、法制化の作業を進め、法案を国会に提出できるよう努力していきます。

 新制度の施行時期については、現時点で未定ですが、現状から変更が生じる事項について負担の軽減と運営の継続性を確保する観点から、十分な準備期間を設けることが必要であるため、令和741日施行とする方向で検討を進めています。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)