2021年12月

2021年12月28日

【休憩室】今日から冬休み!

こんにちは!学校が冬休みに入りました。年明けの開校です。

冬休み(横320)




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2021年12月27日

【重要】改正私学法案の行方(学校法人ガバナンス改革会議のその後)

強調120

こんにちは!今日は、改正私学法の関係です。

先週1221日、末松文部科学大臣が「私立学校ガバナンス改革に関する対応方針」の会見を行いました。

会見の様子はYoutubeにあるので文字起こしをしてみました。文字起こしは必ずしも正確ではありませんが、参考にはなりそうです。

赤色文字青色文字は、事務局の主観で大切と思われる部分です。また、「■ ******」部分の見出しは、事務局が勝手に加筆しています。

 

文部科学省 末松文部科学大臣会見

(令和31221日)

末松文部科学大臣会見(令和3年12月21日):文部科学省

 

<以下、参考程度の文字起こし>

私立学校ガバナンス改革について対応方針についてお話申し上げます。

報告書と私立大学関係者・多くの与党議員の懸念

学校法人望ましい在り方につきまして先週13日、有識者会議の報告を受けております。増田会長先生以下大変お世話になりました事に改めて感謝を申し上げたいと思います。

この報告書を受け取りまして後にですね、いろいろな所にこの案を勉強(?)させていただきましたが、実は私立大学の関係者の方あるいは多くの与党議員から懸念も声も上がってございます。こういう状況でありますので、今回の日大事案(?)を含めまして、これまでの不祥事も踏まえて、制度上の課題や再発防止策につきましてガバナンス改革の中で合わせて検討すべきではないかと考えておるところでございます。

 

文科省が「対応方針」を策定

 このため文部科学省といたしましては、本日、私立学校のガバナンス、私立学校のガバナンス改革に関する方針を策定いたしましたのでご報告申し上げたいと思います。詳しくは事務方から後ほど資料をお配りいたしますので、今回の件につきましては今後の検討の方向性や進め方について改めてお示しを申し上げたいと思います。

資料 私立学校ガバナンス改革に関する対応方針


検討の方向性

 基本的な考え方と致しましては、業務執行のけん制であるとか、違法状態の是正と言う点につきましては有識者会議の報告書と共通の理解に立っているものと考えております。

その上で理事会の業務執行の円滑化であるとか、あるいは教育研究への影響であるとか、あるいは現場の実務的な現状を踏まえまして、こうしたあらゆる観点を踏まえた上で、目配りをしまして、報告書の提言を参考としつつも、必要な見直しを加えていきたいと考えております。

 その他、子法人の扱いであるとか、あるいは過料あるいは特別背任罪、贈収賄の刑事罰等につきましても、これまでの不祥事事案を踏まえまして、私立学校体系の中で の位置づけにつきまして検討をしていきたいと考えております。この点につきましては有識者会議も皆様からいただきました提言の中では含まれておりませんので、ご理解をいただきたいと思っております。

 

今後の進め方

 今後の進め方につきましてで、ございます。本件が大学を設置する法人のみならず幼・小・中・高、単独で設置する法人につきましても私立学校全体にかかわる問題であることを踏まえまして、改めて関係者の合意形成を図る場を設けまして、最終的な改革案を検定してまいります。

 その検討結果、成案が得られ次第、速やかに法案の提出を目指すことといたしております。

 なお、検討の場につきましては決まり次第皆様方に報告を申し上げたいと思います。

 そして、成案が得られましたら広く国民の皆さん方にご意見を聞かなければならないと言う点で、その当たりもどうするかと言うことにつきましては、パブリック・コメント等の〇〇もございますけれども、いろいろな事を念頭に置きたいと考えております(この段落は、正確に文字起こしできていない)。

 私としては、改革の旗を揚げました。学校法人改革の沿革があるとか、あるいは多様性に配慮しつつ、かつ、今の社会の要請はどういうものであるかと言うことを十分に認識しながらですね、速やかに実効性のある改革案を決めまして、法案の提出を進めていくということ。最大限の努力をいたしたいと思っております。以上でございます。

 

 

(共同通信の記者からの質問)

<記者>冒頭の発言に関連して御伺いしたんですけれども、スケジュール感というかですね、新しい合意形成の場と言うのは、一部報道だと来年1月だと出ていますけれども、どういうスケジュール感でやるのかと言うのと、ちょっと言及された来年の通常国会での法改正と言う目標は、これはずらさないという認識なんでしょうか?

 

<大臣>

 スケジュール感につきましては、合意形成の場につきましては速やかにこの場を設定しまして、そして協議を行っていくということであります。

 法案の提出につきましては、当然、通常国会に提出を目指していくと言うことであります。

ただ、会議のことでありますから、いろいろな意見も出てまいりますので所要の時間がどれほどかかるかと言うことについては、定かではございません。しっかりと議論をしていくということが、まず優先です。それから出来るだけ早くということになって参ります。

 

 

(毎日新聞の記者からの質問)

 今のガバナンスの関係で追加で伺いたいんですけれども、一点は「年内に成案を得ると言うところですね。骨物の方針にあったのですが、それが結局実現できなかったわけですけれども、その点に関しての受け止めと言うか御所感と、それから会議体を作ってですね、文部科学省が会議体を作ってそこで得た成案をまた別の会議体でするというのは極めて異例だと思うんですけれども、このような、二転三転しているように映るんですけれども、このようになってしまった原因はどこにあるとお考えでしょうか?」

 

<大臣>

二転三転していると言う訳ではございませんで、先週13日に増田先生からガバナンス改革会議のご提言をいただくことになっておりますので、私自身いただいて30分ほどしっかりとお話をさせていただきまして、キチンと意見の交換も出来てございます。

 その上で(学校法人ガバナンス改革会議は)法律に基づいて作られた審議会のような会ではございませんでしたので、大きな参考にさせていただいた上で、審議会に今後どうはかっていくかと言うことと、改めて党内においての議論も含めなければなりません。皆さんご承知の通り、当然、部会があって、政調審議会があって、総務会があってと言うことですから、一定の手続きが必要でございますので、それを踏まえた上で、改革会議の報告書を踏まえた上での議論を始めているということでありますから、先生方のそのままの御意見をそのままこれを法案にしなさいと言う、それはやはり難しいと言う理屈は申し上げました。ですから私は、別におかしな話になっていないと思っています。

 それと骨太につきましては年内にですね、それは案を作って、そして提案をして行くということでありましたけれども、非常に窮屈なスケジュールだったと思いますけれども、年内と目指しておりましたから、今すでに会議を始めている訳でございます。ただ、年内の策定は難しくなったと言うことは思います。

 

<加筆:2021.1.13>

文科省のホームページより

出典:末松信介文部科学大臣記者会見録(令和3年12月21日)

 

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)

それでは、私からは冒頭2件ございます。

 1つ目、‥‥‥。

 2つ目でございます。私立学校のガバナンス改革についての対応方針についてお話を申し上げます。学校法人の望ましいガバナンスの在り方につきまして、先週13日、有識者会議の報告を受けております。増田会長先生以下大変お世話になりましたことに、改めて、感謝を申し上げたいと思います。この報告書を受け取りまして後にですね、いろいろなところにこの案を提示をさせていただきましたが、実は、私立大学の関係者の方、あるいは多くの与党議員から懸念の声も上がってございます。こういう状況でありますので、今回の日大事案も含めまして、これまでの不祥事も踏まえた制度上の課題や再発防止策につきまして、ガバナンス改革の中で併せて検討すべきではないかと考えておるところでございます。このため、文部科学省といたしましては、本日、私立ガバナンス、私立学校のガバナンスですね、改革に関する対応方針を策定をいたしましたのでご報告を申し上げたいと思います。詳しくは、事務方から後ほど資料をお配りをいたしますので、今回の方針の、本件につきましては、今後の検討の方向性や、進め方について改めてお示しを申し上げたいと思います。基本的な考え方といたしましては、業務執行のけん制であるとか違法状態の是正という点、自律的に速やかになされるべきことにつきましては、有識者会議の報告書と共通の理解に立っているものと考えております。その上で、理事会の業務執行の円滑化であるとか、あるいは教育研究への影響であるとか、あるいは現場の実務的な現状などを踏まえまして、こうしたあらゆる観点を踏まえた上で目配りをしまして、報告書の提言を参考としつつも、必要な見直しを加えていきたいというように考えております。そのほか、子法人の扱いであるとか、あるいは過料、あるいは特別背任罪・贈収賄等の刑事罰につきましても、これまでの不祥事事案を踏まえまして、私立学校法体系の中での位置付けにつきまして検討をしていきたいと考えてございます。この点につきましては、有識者会議からの、皆様からいただきました提言の中には含まれておりませんのでご理解をいただきたいと思っております。今後の進め方につきましてでございます。本件が大学を設置する法人のみならず、幼・小・中・高を単独で設置をする法人につきましても、私立学校全体に関わる問題であることを踏まえまして、改めて関係者の合意形成を図る場を設けまして、最終的な改革案を検討してまいります。その検討の結果、成案が得られ次第、速やかに法案の提出を目指すことといたしております。なお、検討の場につきましては、決まり次第、皆様方に報告を申し上げたいと思います。そして、成案が得られましたら、広く国民の皆様方のご意見も聞かなければならないという点で、その辺りもどうするかということにつきましては、パブリックコメント等のですね、手法がございますけれども、いろいろとそのことを念頭に置きたいと考えてございます。私としては、改革の旗を上げました。学校法人改革の沿革であるとか、あるいは多様性に配慮しつつ、かつ、今の社会の情勢はどういうものであるかということを十分認識しながらですね、速やかに実効性のある改革案を決めまして、法案の提出を進めていくという、最大限の努力をいたしてまいりたいと思っております。以上でございます。

 

記者)

 1問、冒頭の発言に関連して伺いたいんですけども、スケジュール感というかですね、新しい合意形成の場というのは、一部報道だと来年1月というのも出ていますけれども、どういうスケジュール感でやるのかというのと、ちょっと、もしも、言及された、来年の通常国会での法改正という目標はずらさないという認識なんでしょうか。

 

大臣)

スケジュール感につきましては、合意形成の場につきましては、速やかに、この場を、設定をしまして、そして協議を行っていくということであります。法案の提出につきましては、当然、通常国会への提出を目指していくということであります。ただ、会議のことでありますから、いろんな意見も出てまいりますので、所要の時間がどれほどかかるかということについては定かではございません。しっかりと議論をしていくということが、まず優先です。それから、できるだけ早くということになってまいります。

 

記者)

今のガバナンスの関係で追加で伺いたいんですけれども、1点は、年内に成案を得るところでですね、骨太の方針の方にあったんですが、それが結局実現できなかったわけですけれども、その点に関しての受け止めというかご所感と、それから、会議体を作って、文部科学省が1回会議体を作って、そこで得た成案をまた別の会議体で議論するというのは極めて異例だと思うんですけれども、このような、二転三転しているように映るんですが、このようになってしまった原因というのはどこにあるとお考えでしょうか。

 

大臣)

二転三転しているというわけではございませんで、先週13日にですね、増田先生からガバナンス改革会議のご提言はいただくということになっておりましたので、私自身、いただいて、30分ほどしっかりとお話をさせていただきまして、きちっと意見の交換もできてございます。その上で、法律に基づいて作られたいわゆる審議会のような会議がございませんでしたので、大きな参考にさせていただいた上で、審議会を、今度どう諮っていくかということでございます。改めて、党内においての議論も進めなければなりません。皆さんご承知の通り、当然、部会があって、政調審議会があって、総務会があってということですから、一定の手続が必要でございますので、それを踏まえた上で、改革会議の方針を踏まえた上での議論を、今、始めているということでありますから、先生方のそのままのご意見を、そのまま、これをいきなり法案にしなさいという、それはやはり難しいということの理屈は申し上げました。ですから、私は、話は、別におかしな話になっていないと思ってございます。それと骨太につきましては、年内にですね、これは、案を作って提出・提案をしていくということでありましたけれども、非常に窮屈なスケジュール感になっておりますけれども、年内を目指しておりましたから、今、既に会議を始めておるわけでございます。ただ、年内の策定は難しくなったということはお話申し上げます。

(了)


 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月24日

【私学法関係】学校法人ガバナンス改革会議の今後

案内こんにちは!今日は、学校法人ガバナンス改革会議の今後です。

 

<Q>【私学法関係】学校法人ガバナンス改革会議の今後

 ガバナンス改革会議の報告書は、再度、法的に根拠のある審議会などで議論されるようですが、改革案の方向性は、どのようになっていきますか?

 

<A>

 まだはっきりしたことは、決まっていないのでお話できません。ただ参考になる情報としては、朝日新聞の1214日号の記事が参考になります。今なら、学校の図書館などに残っていることでしょう。

 ここでは、この新聞に掲載された図表がわかりやすいので、この部分を打ち直して掲載してみます。

 

学校法人の改革をめぐる改革案(参考:朝日新聞2021.12.14

 

現行制度⇒

有識者会議
報告書

文部科学省案

理事会・評議員会の位置づけ

理事会は最高議決機関。

評議員会は理事長の諮問機関

評議員会を最高監督・議決機関に

理事会を意思決定機関として維持。評議員会は諮問機関に加えて監督機関とする

評議員の選任

評議員の選任は教職員や卒業生らから、各校の寄付行為に基づいて定める

評議員は学外者のみで構成し、教職員との兼任は認めない

評議員を構成する教職員数に、一定の上限を設ける

理事の選任・解任

理事の選任は学校長のほか、評議員などから寄付行為に基づいて定める。解任は寄付行為に基づく

理事の選任・解任は評議員会が行う

理事の選任は寄付行為に基づいて行い、評議員会に報告。解任は寄付行為で定めるほか、評議員会も行うことができる

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月22日

【重要】文科省:私立学校ガバナンス改革に関する対応方針

発表 こんにちは!今日は、気になるニュースです。

 

 昨日、文科省は「私立学校ガバナンス改革に関する対応方針」を公表し、末松文部科学大臣が会見を開きました。

 大臣会見のYoutubeでは、該当部分は分程度なのですが、文字起こしを始めたら意外と大変なので今回は諦めました。(会見の内容は、下記のWeb上の毎日新聞ニュースにありました。)

 

 ポイントは、法案提出までの進め方です。

 

進め方

私立学校全体に関わる問題であることを踏まえ、上記の検討の方向性に沿って、関係者の合意形成を丁寧に図る場を設ける。

検討の結果、成案を得られ次第、速やかに法案の提出を目指す。

関係者との意思疎通と実態把握を十分に行った上で、必要な改革方策については、躊躇することなく提示する。

 資料 私立学校ガバナンス改革に関する対応方針

 

 大臣会見(Youtube

  末松文部科学大臣会見(令和3年12月21日):文部科学省 

 

 Web上でも関連のニュース(毎日新聞)がみられます

  私学ガバナンス改革案は越年 関係者交えた会議設置へ 文科省

 

 

 今日は、ここまでです。




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2021年12月20日

【重要】「学校法人ガバナンス改革会議」の最終報告書

発表こんにちは!今日は、128日に文科省のホームページに公表された「学校法人ガバナンス改革会議」の最終報告書をテキストデータに落としてみました。

 原文は、こちらです。↓↓

 学校法人ガバナンス改革会議報告書

 

 事務局が感じる究極のポイントです。

 改正理由は、閣議決定があったから

改正内容は、機関部分については一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(一般法人法)に倣っている全体としては、社会福祉法人制度に近い制度改正の感じがする。

 知事所轄学校法人には一部、規模基準による適用除外が考えられている。

 

 全文データの前に適用対象法人を抑えておきます。

新法人制度の改革案(新たな学校法人の機関設計)

 

 

大臣所轄学校法人

知事所轄法人

機関

1.機関設計の全体像

2.評議員・評議員会

3.理事・理事会

4.監事

5.会計監査人

(規模基準)

6.内部統制システム

(規模基準)

7.事業活動実態に関する情報開示

(規模基準)

8.定款等その他の事項

 

 以下がテキストデータです。

 一部、事務局が重要と思われる部分について勝手にラインマーカーを塗った部分があります。

 

学校法人ガバナンス改革会議

「学校法人ガバナンスの抜本的改革と強化の具体策」

 

 

令和3年12月3日

校法人ガバナンス改革会議

 

 

       

学校法人ガバナンス改革会議報告書

「学校法人ガバナンスの抜本的改革と強化の具体策」

 

近年、大学を設置している学校法人では経営を巡る不祥事が多数起こり、理事長が懲役の実刑判決を受けたり、理事が背任容疑で逮捕されたりする例が相次ぎ、大きな社会問題となっている。学校法人全体に対するガバナンス体制不備も繰り返し指摘されている。

また、日本の大学の国際的な評価が低下し、少子化もあいまって現状のままでは私立大学の経営が成り立たなくなる事態の到来が予想され、学校法人の経営力の強化が喫緊の課題になっている。そうした中で、公益法人として破格の税制上の恩典を受け、税を通じた実質的な補助金(tax expenditure)だけでなく、さらに多額の助成金も国から享受する、学校法人の経営の透明性を強化し、アカウンタビリティを徹底する、他の公益法人と同等のガバナンス体制の抜本整備は焦眉の急である。

こうした状況に鑑み、本改革会議は、社会的に影響力の大きい私立大学を中心とする公的役割を担う学校法人におけるガバナンスの改革と強化について、以下に提言する。文部科学大臣におかれては、本提案を受け、学校法人が教育・研究等の責任を十分に果たし得る状況を実現するため、遅滞なく関係法令の改正を行い、早期に強固かつ実効性のある学校法人ガバナンス体制を再構築することを要望するものである。

 

 

目次

I. ガバナンス改革会議設置の経緯、趣旨

II. 新法人制度の改革案(新たな学校法人の機関設計)

1. 機関設計の全体像

2. 評議員・評議員会

(1) 権限等

(2) 招集

(3) 選任・解任、適格基準

(4) 任期、員数

(5) 義務、責任

3.理事・理事会

(1) 選任・解任、適格基準

(2) 任期、員数

(3) 権限、義務等

(4) 理事会

(5) 理事長

4.監事

(1) 選任・解任、適格基準

(2) 任期

(3) 権限、義務等

5.会計監査人

6.内部統制システム

7.事業活動実態に関する情報開示

8.定款等その他の事項

III. 規模等に応じた取扱い

IV. 会議の検討経過

V. 「学校法人ガバナンス改革会議」委員名簿

 

 

I. ガバナンス改革会議設置の経緯、趣旨

 

 学校法人ガバナンス改革会議が設置された経緯及び趣旨は以下のとおりである。

私立大学にあっては、永らく世界ランキングの上位に位置付けられる大学が皆無である中、近時、学校法人に関する司直の手の入る深刻な不祥事事案も続発しており、ガバナンスの抜本改革と強化のための機関設計の大幅見直し及び事業運営に関する情報開示等の徹底の必要性がこれまでにも増して強く認識されている。

こうした認識のもと、政府が2019年6月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、「公益法人としての学校法人制度についても、社会福祉法人制度改革や公益社団・財団法人制度の改革を十分踏まえ、同等のガバナンス機能が発揮できる制度改正のため、速やかに検討を行う」との方向性が明示された。

これを受け、20201月に「学校法人のガバナンスに関する有識者会議」が設置され、20213月に「学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性について」が報告、公表されたが、ガバナンスの抜本強化の具体的提案についてはさらなる検討が必要とされた。

そのため、2021618日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021においてさらなる抜本改革の議論の必要性が示され、文部科学大臣直属の会議として文部科学事務次官決定により外部有識者で構成される「学校法人ガバナンス改革会議」が設置された。

このような経緯で設置された本会議は、公益法人として各種免税等税制上の優遇措置を受けることによる「隠れた補助金(tax expenditure)」を享受するうえに、私立学校振興助成法に基づいて交付される補助金を受け取っている学校法人制度について、社会福祉法人制度改革、公益社団・財団法人制度の改革を踏まえ、それらと同等のガバナンス機能が確実に発揮できる制度改正に向け、鋭意審議を行なってきた。議論によって導き出される「学校法人ガバナンス改革案」の結論については、他の審議会等を経ずに直接文部科学大臣に報告することとされた。

本会議に求められたガバナンス改革案の検討事項は(1)新法人制度の改革案、(2)規模等に応じた取り扱い、(3)「ガバナンス・コード」の抜本改革案であり、そのうちの(1)及び(2)については2021年の年内に結論を得て、(3)についてはその後に検討することとされた。

今回の提言では学校法人ガバナンス改革の全体像を示し、法制度改正に必要な(1)及び(2)について提言するにとどめ、引き続き(3)の「ガバナンス・コード」の抜本改革案についてはその他法制度関連事項として2022年以降の検討事項とした。

 

 

 

II.     新法人制度の改革案(新たな学校法人の機関設計)

 

本ガバナンス改革会議の審議においては、学校法人関係者から要望の強かった「教学の自

治」について、十分に尊重されるべきとの立場を取ったが、そのためには適切な情報開示により十分な説明がなされ「教学の責任を果たしている」ことについて社会的な理解を得られることが肝要であると考えた。そのためには、「強固なガバナンスなくして教学の自治なし」との考え方の下、学校法人運営のプロセス・実態が透明性のある形で適時・適切に情報開示がなされるべきであり、学校法人経営は「評議員」による学校法人の業務の基本方針の決定の役割と、「理事・学長等」の業務執行の役割、「評議員・監事・会計監査人」による監視・監督の役割を明確にしたガバナンス体制を確立することが求められる。

また一方、ここ数年日本の大学の国際的評価のさらなる低下が続き、優秀な教授陣や学生の海外流出に加えて、海外からの教員、研究者や留学生も減少している。世界各国に比べ教育の大半が母国語である日本語のみで提供される中、教育・研究の劣化が懸念され、国際的な競争に伍していけるか、強く心配されるところである。また、少子化等に伴い大学進学志望者数の大幅な減少が今後も続くことが明らかで、入学定員割れ大学の増加などによって、大学を持つ学校法人の経営を取り巻く環境は大変厳しい状況にある。こうした状況下では大学を持つ学校法人の経営は、今後は統廃合も含めて大胆、かつ機動的に実行されることが求められるものと考えられる。

理事長、理事、学長などの執行部門が機動性をもって執行する一方で、独善に陥ることなく広く社会にその姿勢を理解されるためには、評議員・監事・会計監査人などの他の公益法人並のガバナンスが効く諸機関が設置され、監視・監督の体制が十二分に整備・強化される必要がある。加えて大学法人の統合・合併など再編に備えてその法制整備なども早急に検討される必要がある。

このような観点から、本ガバナンス改革会議は新法人制度の改革案を以下のとおり示す。各機関に関する定めの内容の相当部分は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)における規律内容に倣ったものである。

 

1. 機関設計の全体像

 

現行の学校法人の機関設計は、理事及び理事会、監事、評議員会であるが、これに計算書類等の会計監査を行う会計監査人を加え、以下のとおりとする。

評議員会

理事会

監事

会計監査人

 

2. 評議員・評議員会

 

現行の学校法人における評議員会は、理事長が業務に関する一定の重要事項についての意見を聴取する諮問機関という位置付けであるが、理事による業務執行の監督機能を強化するため、評議員会を最高監督、議決機関と定めることとする。また、現行の学校法人では評議員を理事が兼務する例が多く見られるが、監督機能の実効性を担保するため、現役の理事、監事及び職員との兼任は認めず、その選任も理事又は理事会において行うことを認めないものとする。その一方で、評議員については、その任務に適する人材が確保され、適切な議決及び監督が行われるようにするため、条文上、善管注意義務を明記することにしている。

評議員及び評議員会に関する定めは、その性質に反しない限り、一般法人法における評議員及び評議員会に関する定め(同法172条〜196条)に準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

 

(1) 権限等

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ”承聴会を最高監督・議決機関とする。

◆^焚爾粒道項につき評議員会の議決を要する。

・理事、監事、会計監査人の選任・解任

・中期計画

・事業計画

・予算・決算

・多額の借財

・重要な資産の処分

・役員に対する報酬額(定款で額を定めている場合を除く)

・寄附行為(定款)変更

・合併や解散、重要な保証等

・その他学校法人の経営に関する重要な事項

 評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。

ぁ”承聴会の議事録を作成しなければならない。

ァ”承聴会による責任追及の訴え(評議員会の議決により責任追及の訴えの提起を請求し、一定期間以内に責任追及の訴えが提起されないときは、評議員会(の代表者)が学校法人のために責任追及の訴えを提起することができる)を定める。

 その他の意見、方針は以下のとおりである。

  理事の選任に関して諮問委員会をおくことが望ましい(選任・解任の透明性を担保するため、選定理由及びプロセスの公開を求める)。

 

(2) 招集

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ”承聴会の招集は、原則として理事が行う。

◆”承聴は理事に対して目的である事項及び招集の理由を示して評議員会の招集を請求することができる。当該請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合及び請求から6週間以内の日を評議員会の日とする招集通知が発せられない場合、評議員は裁判所の許可を得て評議員会を招集することができる。

 

(3) 選任・解任、適格基準

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事会・理事による評議員選任(解任)は認めない。

◆_鯒じ限は評議員会に与える。

 所轄庁による解任勧告の対象とする。

ぁ仝縮鬚陵事や職員との兼任は認めない。

ァ〕事及び職員の地位にあった者は、5年経過後は評議員に就任することができる。

Αヽ凸魄・各評議員の親族・特殊関係者については、評議員への就任を禁止する。

А‖召瞭団蠅涼賃痢λ/佑隆愀玄圓一定数を占めることを禁止する。

   その他の意見、方針は以下のとおりである。

   評議員を選定するための諮問委員会を設置することが望ましい(選任・解任の透明性を担保するため、選定理由及びプロセスの公開を求める)。

 

(4) 任期、員数

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事の任期よりも長いもの(倍以上)とするよう定める(再任は妨げない)。

◆〆把祕数(3 名以上)を定める。

 

(5) 義務、責任

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 )/佑箸楼冉ご愀犬任△蝓∩唄秒躇婬遡海鯢蕕Α

◆)/裕擇啾荵絢圓紡个靴涜山嫁綵責任を負う。

 

3. 理事・理事会

 理事及び理事会については、その性質に反しない限り、一般法人法における理事及び理事会に関する定めに準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

 

(1) 選任・解任、適格基準

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 理事の選任・解任は評議員会が行う(いつでも評議員会の決議によって解任することができる)。

◆‖召瞭団蠅涼賃痢λ/佑隆愀玄圈瞥事又は職員である者等)が一定数を占めることを禁止する。

 

(2) 任期、員数

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする(再任は妨げない)。

◆〆把祕数(5 名以上)を定める。

 

(3) 権限、義務等

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事(及び監事)は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。

 

(4)理事会

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事会は重要な業務執行の決定を理事に委任してはならない。

◆〕事会の議事録を作成しなければならない(議事録は評議員にも提供する)。

 「理事会は、理事長が招集する」(私立学校法363項)が、理事長以外の理事は、理事長に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。当該請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。

ぁ〕事会の招集通知は各理事及び各監事に発する。

 

(5) 理事長

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事長は、理事会が選定・解職する。

◆〕事長は、3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。

 

 

4. 監事

監事については、その性質に反しない限り、一般法人法における監事に関する定めに準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

 

(1) 選任・解任、適格基準

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ヾ道の選任・解任は評議員会が行う(いつでも評議員会の決議によって解任することができる)。

◆ヾ道は、当該法人の理事又は職員を兼ねることができない(子法人の役員、職員についても同様とする)。

 各理事の親族・特殊関係者については、監事への就任を禁止する。

ぁ”承聴会において監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。

   その他の意見、方針は以下のとおりである。

  外部監事の独立性(監事就任前に理事又は職員でなかった期間)の強化について、公益法人の例を踏まえて検討するものとする。

  監事の中に常勤の監事をおくことが望ましい。

 

(2) 任期

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ヾ道の任期は、理事の任期の倍以上の期間とする(再任は妨げない)。

 

(3) 権限、義務等

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ヾ道は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。

◆ 福峩般概擇唳盪困両況の監査」の趣旨・対象を明確化する観点から)財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書を監査する。

 実質的に支配する子法人の業務・財産の状況も調査することができる(連結・実質支配グループについて対象とする)。

ぁ)/諭ν事間の訴えで法人を代表する。

ァ〕事会の招集通知の対象に監事を加える。

Α〕事会に出席して意見を述べることができる。

А〕事会の議事録は監事も確認することとする。

 

 

5. 会計監査人

 計算書類等の会計監査機能を強化するため、新たに学校法人の機関として会計監査人の設置を義務付ける。

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

  併篶学校振興助成法に基づく会計監査制度は維持した上で)機関として会計監査人の設置を義務付ける。

◆ヽ惺史/佑虜盪彩槝拭β濕畋仂班重の作成期限は、毎会計年度終了後3ヶ月以内とする。

 会計監査人の選任・解任、権限・義務、任期等については、その性質に反しない限り、一般法人法における会計監査人に関する定めに準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

  評議員会の決議により選任・解任する。

・一定の事由(/μ馨紊竜遡海飽稟燭掘∨瑤録μ海鯊佞辰燭箸、会計監査人としてふさわしくない非行があったとき、心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに耐えないとき)に該当する場合、監事が解任することができる。

・公認会計士又は監査法人でなければならない。

・評議員会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。

・会計監査人は監査意見が異なるとき、或いは出席要求決議があるとき評議員会に出席して意見陳述することができる。

・評議員会において会計監査人の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。

・実質的に支配する子法人の業務・財産の状況も調査することができる(連結・実質支配グループについて対象とする)。

・任期は原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。

・学校法人と会計監査人との関係は委任とする。

・法人及び第三者に対して損害賠償責任を負う(会計監査報告の重要事項の虚偽については過失責任とする)。

・理事は、会計監査人の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。

  その他の意見、方針は以下のとおりである。

  「私学法に基づく監査」と「私立学校振興助成法に基づく監査」が重複しないように「助成法」に基づく計算書類等も私学法に基づく計算書類等に取り込み、作成と監査の一元化を図る。

  学校法人会計基準は、根拠法令を私立学校振興助成法から私立学校法に変更し、両法律の趣旨に適合した学校法人会計基準を策定する。

 

 

6. 内部統制システム

業務の適正を確保するため、内部統制システムの整備(構築)を行うことを義務付ける。法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事の職務の執行が、法令及び定款(寄附行為)に適合することを確保するための体制その他法人の業務の適正を確保するために必要な体制を整備する義務を課する(監事の職務を補助すべき職員に関する事項等、必要な体制の具体的内容は政省令において定める)。

◆ヾ道は、内部統制システムの実効性を監査する(監査報告書の内容に含める)。

 

 

7. 事業活動実態に関する情報開示

外部からの牽制が適切に機能するようにするため、学校法人の事業活動実態、業務の状況に関する情報開示を拡大することとする。

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〆睫馨霾鶺擇啝業報告書は、統一した様式に基づいて作成する(評議員会の構成や理事の選任方針、理事長退任者の経営への関与、内部統制システム等の学校法人のガバナンスに関する情報を積極的に開示する)。

◆〆睫馨霾鵑蓮▲札哀瓮鵐函奮惺察附属施設等の部門)等に分けて記載する(具体的内容は政省令において定める)。

財務情報及び事業報告書は、学校法人共通のプラットフォームで開示する。

   その他の意見、方針は以下のとおりである。

  事業報告書の統一様式、計算書類の作成基準、開示基準、開示場所等の事項は、別途設置する委員会又は本委員会の分科会において検討すべきである(検討組織は、日本公認 会計士協会等の公的な機関を中心に、当事者でないメンバーで組成し、私大関係者など の当事者からはヒアリングにとどめるべきである)。

 

 

8. 定款等その他の事項

法定事項として以下の事項を定めるべきである。

  「寄附行為」との名称を「定款」と変更する。

   その他の意見、方針は以下のとおりである。

・ 合併、清算、事業承継等については、現在の法整備のみでよいのか別途検討すべきである。

 

 

III. 規模等に応じた取扱い

 

「新法人制度の改革案」は、原則として、上記供イ傍載する全事項について、文部科学

大臣所轄学校法人(大学、短期大学及び高等専門学校を設置している学校法人)に対して適用する。

 

それ以外の都道府県知事所轄学校法人(都道府県が所轄する学校・専修学校等のみを設置している学校法人)については、上記供イ傍載する事項のうち、法人の基本的な機関設計に関する事項(供14及び8)を原則として適用し、施行までに十分な準備期間が確保されるよう配慮する。会計監査人の設置などそれ以外の事項(.57)は、公益法人等に倣い、児童・生徒数、職員数、収支など規模による社会的な重要性と影響度を勘案した一定規模以上の学校法人に適用するとともに、施行後の状況や他法人制度の見直しの状況も踏まえ、規模に関する基準の引き下げ(適用範囲の拡大)を検討する。

 

なお、上記の規模に満たない学校法人も、私立学校振興助成法に基づく監査を受ける場合が多いことも踏まえ、任意に会計監査人を置くことができるようにする。

 

 

 

IV. 会議の検討経過

第1回(7月19日)学校法人のガバナンスについて

第2回(8月6日)学校法人のガバナンスについて

第3回(8月20日)学校法人のガバナンスについて

         海外事情等に関し、冨山和彦氏からヒアリング

第4回(8月23日)学校法人のガバナンスについて

第5回(9月9日)学校法人のガバナンスについて
         私立学校団体からのヒアリング・意見交換

第6回(9月22日)学校法人のガバナンスについて
         全国知事会からのヒアリング・意見交換

第7回(1015日)学校法人のガバナンスについて
         学校法人に対する指導等について

第8回(1028日)学校法人のガバナンスについて
         内部統制システム・会計監査人について

第9回(1111日)学校法人のガバナンスについて
         内部統制システム・会計監査人について情報開示について

10回(1119日)取りまとめ()について

11回(12月3日)学校法人ガバナンス改革会議報告書案について

 

 

V. 「学校法人ガバナンス改革会議」委員名簿

(※◎印は座長)

安西祐一郎      独立行政法人日本学術振興会顧問、
        学術情報分析センター所長

石井尚子        桜通り法律事務所弁護士

岡田譲治        日本航空()社外監査役

久保利英明      日比谷パーク法律事務所代表弁護士

酒井邦彦        TMI総合法律事務所顧問弁護士

戸張実      日本公認会計士協会常務理事、戸張会計事務所所長

西村万里子      明治学院大学法学部教授

野村修也        中央大学法科大学院教授

八田進二        大原大学院大学教授

◎増田宏一      日本公認会計士協会相談役

松本美奈        ジャーナリスト、一般社団法人Qラボ代表理事

本山和夫        学校法人東京理科大学会長

(五十音順、敬称略)

(職名は令和3123日現在)



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2021年12月17日

総額表示と貸借対照表

案内 こんにちは!今日は、ある高校でのご質問です。

 

<Q>総額表示と貸借対照表

資金収支計算書の収入や支出は総額表示をしますが、貸借対照表を総額表示する根拠は、どこにありますか?

 

<A>

 学校法人会計では、総額表示の原則が基準5条にあります。

 ここでは、「計算書類に記載する金額は、総額をもつて表示するものとする。」とありますので、貸借対照表も総額表示で作成し、みだりに資産と負債・純資産を総裁表示してはなりません。

 基準5条が「第1章 総則(1条〜5条)」に書かれていることからも貸借対照表に総額表示が適用されることは明らかです。

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月16日

【高校】定時制、通信制の生徒数

こんにちは!高校法人の監事さんからのご質問です。

 

<Q>【高校】定時制、通信制の生徒数

 今、高校では定時制や通信制の生徒さんはどのくらいいるのでしょうか?

 

<A>

 令和元年度の文部科学省「学校基本調査」のデータですが、高等学校の生徒数(令和元年度)について、全日制高校は3,086,434人(全体の91.7%)、定時制高校は81,935人(全体の2.4%)、通信制高校は197,696人(全体の5.9%)でした。

(人)

 

国立

公立

私立

全日制

8,476

2,052,788

1,025,170

3,086,434

定時制

79,290

2,645

81,935

通信制

56,373

141,323

197,696

総計

8,476

2,188,451

1,169,138

3,366,065

※専攻科・別科に属する生徒数を含む。

参考:文部科学省「高等学校教育の現状について」令和2年 10月1日

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/20201027-mxt_kouhou02-1.pdf

 

 グラフだと分かりやすいでの掲載しておきます。

高校生の割合



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2021年12月15日

評議員会への諮問と短期借入金

理事会今日は、ある専修学校法人でのご質問です。

 

<Q>評議員会への諮問と短期借入金

 学校法人では、地元の地銀と5000万円が枠の当座借越契約を結んで、年度中に利用することがあります。今年度は、12月に3000万円かりて翌年の3月末に返済の予定ですが、評議員会の事前諮問事項となりますか?

 

<A>

 評議員会の諮問事項は私学法42条にありました。

私学法

42条 次に掲げる事項については、理事長において、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならない。

一 第45条の21項の予算及び事業計画

二 第45条の22項の事業に関する中期的な計画

三 借入金(当該会計年度内の収入をもつて償還する一時の借入金を除く。)及び重要な資産の処分に関する事項

四 役員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)の支給の基準

五 寄附行為の変更

  ‥‥(以下、略)

 

 通常であれば、学校法人の借入金については、私学法42〇姐罎派承聴会の諮問事項となりますが、借入金にカッコがついて、「(当該会計年度内の収入をもつて償還する一時の借入金を除く。)」とあります。

 借入金のうち、「当該会計年度内の収入をもって償還する一時の借入金」とは、「会計年度の途中で借り入れて、その年度中に返済するものをいう。したがって、年度末に作成する貸借対照表中に残高があらわれるものは、借入期間が一年未満等であるかないかにかかわらず、「一時の借入金」ではなく、評議員会の意見を聴かなければならないこととなる。」(参考:松坂先生の逐条解説p360361)と解されています。

 したがって、今回は私学法42条〇姐罎亮敍金についての評議員会の諮問は必要ありません。

 ただ、当初予算に盛り込まれていない場合は、私学法42^豺罎痢嵳住察廚砲弔い討了靆笋行われることが望ましいでしょう。

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月13日

【注記】関連当事者の注記

合併こんにちは!今日は、ある学校法人でのご質問です。

 

<Q>【注記】関連当事者の注記

 当法人は、グループに清掃会社があります。持分は、法人40%、理事長40%、第三者20%になっています。この場合、関連当事者の注記はいりますか?

 

<A>

 関連当事者の注記の根拠は、文科省通知(「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)平17.5.13 17高私参第1号」にあります。

 この通知をみると文面上は、関連当事者の注記を書けとはなりませんが、その後公表された会計士協会の「学校法人会計基準改正に伴う相談回答事例」(学校法人委員会研究資料第1号)のQ11では、「通在の通知等からすると必ずしも記載が必要とはいえないが、関連当事者の注記の趣旨からすると記載することが望ましいと考えられる。」との議論があり、悩ましいご質問です。

 

 少しだけ復習しておきます。上記文科通知です。

 

 今日は、ここまでです。

(6)関連当事者との取引の取扱いについて

ヾ慙当事者とは、ア.関係法人、イ.当該学校法人と同一の関係法人をもつ法人、ウ.当該学校法人の役員及びその近親者(配偶者又は2親等以内の親族)又はこれらの者が支配している法人をいうこと。

関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人とは、一定の人的関係、資金関係等を有する法人をいい、具体的には、

ア.一方の法人の役員若しくは職員等が、他方の法人の意思決定に関する機関の構成員の過半数を占めていること、

イ.法人の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資を行っていること、

ウ.法人の意思決定に関する重要な契約等が存在することが該当すること。ただし、財務上又は事実上の関係から法人の意思決定に関し重要な影響を及ぼさないことが明らかな場合には対象外とすること。

F辰法関連当事者との取引が無償の場合又は有償であっても時価に比して著しく低い金額等による場合には、原則として第三者間において通常の取引として行われる場合の金額等によって重要性を判断し、注記すること。

い燭世掘▲◆グ貳牟チ萋札による取引並びに預金利息及び配当金の受取りその他取引の性格からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引、イ.役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払い、ウ.当該学校法人に対する寄附金は、注記を要しないこと。

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月10日

【News】学校法人ガバナンス改革会議報告書

発表

 こんにちは!今日はニュースです。

 学校の皆様からは、いろいろな意見を耳にしますが、学校法人ガバナンス改革会議の報告書が128日に公表されました。

 



令和3128

学校法人ガバナンス改革会議報告書

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月09日

【私学法】どうしてまた私学法の改正なの??

質問こんにちは!今日は、ある学校の理事の方からのご質問です。

 

<Q>【私学法】どうしてまた私学法の改正なの??

 先週末のある新聞には、「私大理事会の権限縮小案、目立つ不祥事、文科省会議提言、統治改革に大学側反発。」と見出しが出ていましたが、どうしてまた私学法の改正をするのですか?

 

<A>

 今年6月に公表された閣議決定が根拠になっています。

 2021年6月に閣議決定した「経済財政運営の基本方針」「手厚い税制優遇を受ける公益法人としての学校法人に相応しいガバナンスの抜本改革につき、年内に結論を得、法制化を行う。」とありました。そこで、文科省は7月に学校法人ガバナンス改革会議を設けて12月に報告書案を公表しました。当初の予定では、学校法人ガバナンス改革会議の報告書をもとに、来年の通常国会で私立学校法改正案の提出を目指すとのことでした。

 

<少し説明>

 現在施行中の私学法は、20195月の国会で決まりましたが、何とその翌月の閣議決定「経済財政運営と改革の基本方針2019」で、

また、新公益法人制度の発足から 10 年が経過したことから、公益法人の活動の状況等を踏まえ、公益法人のガバナンスの更なる強化等について必要な検討を行う。公益法人としての学校法人制度についても、社会福祉法人制度改革や公益社団・財団法人制度の改革を十分踏まえ、同等のガバナンス機能が発揮できる制度改正のため、速やかに検討を行う。

とありました。そこで、文科省は「学校法人のガバナンスに関する有識者会議」と開催し、2021年3月に「学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性について」を公表しました。

 学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性について

 

 2021年6月に閣議決定した「経済財政運営の基本方針」(骨太の方針)「手厚い税制優遇を受ける公益法人としての学校法人に相応しいガバナンスの抜本改革につき、年内に結論を得、法制化を行う。」とありました。そこで、文科省は7月に学校法人ガバナンス改革会議を設けて報告書案を公表しました。

 資料 学校法人ガバナンス改革会議報告書案 (PDF:1.6MB) PDF

 

経済財政運営と改革の基本方針2021 について

令和3年6月 18

閣 議 決 定

(抜粋)

4.デジタル化等に対応する文教・科学技術の改革

教育・研究環境のデジタル化の遅れや関連する社会課題への対応を加速するため、教育内容・制度の転換を迅速に図りつつ、科学技術・イノベーション政策を戦略的に推進する。 GIGAスクール構想や小学校における 35 人学級等の教育効果を実証的に分析・検証する等の取組を行った上で、中学校を含め、学校の望ましい教育環境や指導体制の在り方を検討するとともに、感染症により対面教育が困難な地域を含め、災害等が生じた場合にいつでもオンライン教育に移行できる態勢を年内に全国で整える。以上の進捗状況と今後の工程管理を年内に示し、教育の質の向上と学習環境の格差防止に取り組む。

デジタル化に伴う学生の多様な学びのニーズに対応するため、施設等の基準、定員管理、授業方法等に関する大学設置基準等の見直しについて本年度内に結論を得て、順次改訂する。国は、真に独立した、個性的、戦略的自律経営を行う、世界に伍する国立大学を実現するため、国立大学との新たな自律的契約関係の法的枠組みにつき、年内に結論を得る。ガバナンス抜本改革等と合わせ、法制化を行う。手厚い税制優遇を受ける公益法人としての学校法人に相応しいガバナンスの抜本改革につき、年内に結論を得、法制化を行う。国立大学法人運営費交付金について、客観・共通指標による成果に基づく配分の見直しを更に進めながら、新たな配分ルールを本年度内に策定し、私学助成等を含めた大学への財政支援の配分のメリハリを強化する。国公私立の枠を超えた大学の連携・統合を促進する。

Society5.0 の実現や社会課題の解決に向け、民間資金を拡大しつつ、「第6期科学技術・

イノベーション基本計画」143をエビデンスに基づき着実に実行する。世界の学術フロンティア等を先導する国際的なものを含む大型研究施設144の戦略的推進や官民共同の仕組みで大型研究施設の整備・活用を進める。競争的研究費の一体的改革や情報インフラ145の活用促進、施設・設備の共用化等による基盤構築を図り、生産性向上を目指す。

 

今日は、ここまでです。

 

 

 



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2021年12月08日

【個人立こども園】設置者からの借入

登記こんにちは!今日は、ある認定こども園でのご質問です。

 

<Q>【個人立こども園】設置者からの借入

 当方は、個人立の幼稚園型認定こども園です。12月の賞与資金を設置者(個人)から借りたいと思うのですが。科目は、何になりますか?

 

<A>

 個人立の認定こども園で、個人である設置者からの借入金は、短期借入金であるとか長期借入金の科目を使いたいところですが、会計士協会からの公表物「個人立幼稚陳|の会計処理に関する実務問答集(中間報告)昭57.8.4」の「11.事業主からの借入金」では、例えばと言うことで「事業主借入金」を推奨しています。

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月07日

【原文】学校法人ガバナンス改革会議報告書案

発表こんにちは!今日は、新聞報道でも話題になった「学校法人ガバナンス改革会議(第11回)」から報告書案を打ち直したのでテキストデータ掲載しておきます。

正確な原文は、こちら

資料 学校法人ガバナンス改革会議報告書案 (PDF:1.6MB) PDF

 

*******************************

 

資料

        学校法人ガバナンス改革会議(第11回)

令和3123日(金)

 

学校法人ガバナンス改革会議報告書

「学校法人ガバナンスの抜本的改革と強化の具体策」

 

近年、大学を設置している学校法人では経営を巡る不祥事が多数起こり、理事長が懲役の実刑判決を受けたり、理事が背任容疑で逮捕されたりする例が相次ぎ、大きな社会問題となっている。学校法人全体に対するガバナンス体制不備も繰り返し指摘されている。

また、日本の大学の国際的な評価が低下し、少子化もあいまって現状のままでは私立大学の経営が成り立たなくなる事態の到来が予想され、学校法人の経営力の強化が喫緊の課題になっている。そうした中で、公益法人として破格の税制上の恩典を受け、税を通じた実質的な補助金(tax expenditure)だけでなく、さらに多額の助成金も国から享受する、学校法人の経営の透明性を強化し、アカウンタビリティを徹底するガバナンス体制の抜本整備は焦眉の急である。

こうした状況に鑑み、本改革会議は、社会的に影響力の大きい私立大学を中心とする公的役割を担う学校法人におけるガバナンスの改革と強化について、以下に提言する。文部科学大臣におかれては、本提案を受け、遅滞なく関係法令の改正を行い、早期に強固かつ実効性のある学校法人ガバナンス体制を再構築し、教育・研究という特性の下で他の公益法人と同等のガバナンス機能を発揮できる体制を整備されんことを要望するものである。

 

目次

I. ガバナンス改革会議設置の経緯、趣旨

II. 新法人制度の改革案(新たな学校法人の機関設計)

1.機関設計の全体像

2.評議員・評議員会

(1)権限等

(2)招集

(3)選任・解任、適格基準

(4)任期、員数

(5)義務、責任

3.理事・理事会

(1)選任・解任、適格基準

(2)任期、員数

(3)権限、義務等

(4)理事会

(5)理事長

4.監事

(1)選任・解任、適格基準

(2)任期

(3)権限、義務等

5.会計監査人

6.内部統制システム

7.事業活動実態に関する情報開示

8.定款等その他の事項

III. 規模等に応じた取扱い

 

 

 

I.ガバナンス改革会議設置の経緯、趣旨

 

学校法人ガバナンス改革会議が設置された経緯及び趣旨は以下のとおりである。

私立大学にあっては、永らく世界ランキングの上位に位置付けられる大学が皆無である中、近時、学校法人に関する司直の手の入る深刻な不祥事事案も続発しており、ガバナンスの抜本改革と強化のための機関設計の大幅見直し及び事業運営に関する情報開示等の徹底の必要性がこれまでにも増して強く認識されている。

こうした認識のもと、政府が2019年6月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、「公益法人としての学校法人制度についても、社会福祉法人制度改革や公益社団・財団法人制度の改革を十分踏まえ、同等のガバナンス機能が発揮できる制度改正のため、速やかに検討を行う」との方向性が明示された。

これを受け、20201月に「学校法人のガバナンスに関する有識者会議」が設置され、20213月に「学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性について」が報告、公表されたが、ガバナンスの抜本強化の具体的提案についてはさらなる検討が必要とされた。

そのため、2021618日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」においてさらなる抜本改革の議論の必要性が示され、文部科学大臣直属の会議として文部科学事務次官決定により外部有識者で構成される「学校法人ガバナンス改革会議」が設置された。

このような経緯で設置された本会議は、公益法人として各種免税等税制上の優遇措置を受けることによる「隠れた補助金(tax expenditure)」を享受するうえに、私立学校振興助成法に基づいて交付される補助金を受け取っている学校法人制度について、社会福祉法人制度改革、公益社団・財団法人制度の改革を踏まえ、それらと同等のガバナンス機能が確実に発揮できる制度改正に向け、鋭意審議を行なってきた。議論によって導き出される「学校法人ガバナンス改革案」の結論については、他の審議会等を経ずに直接文部科学大臣に報告することとされた。

本会議に求められたガバナンス改革案の検討事項は(1)新法人制度の改革案、(2)規模等に応じた取り扱い、(3)「ガバナンス・コード」の抜本改革案であり、そのうちの(1)及び(2)については2021年の年内に結論を得て、(3)についてはその後に検討することとされた。

今回の提言では学校法人ガバナンス改革の全体像を示し、法制度改正に必要な(1)及び(2)について提言するにとどめ、引き続き(3)の「ガバナンス・コード」の抜本改革案についてはその他法制度関連事項として2022年以降の検討事項とした。

 

 

II. 新法人制度の改革案(新たな学校法人の機関設計)

 

本ガバナンス改革会議の審議においては、学校法人関係者から要望の強かった「教学の自治」について、十分に尊重されるべきとの立場を取ったが、そのためには適切な情報開示により十分な説明がなされ「教学の責任を果たしている」ことについて社会的な理解を得られることが肝要であると考えた。そのためには、「強固なガバナンスなくして教学の自治なし」との考え方の下、学校法人運営のプロセス・実態が透明性のある形で適時・適切に情報開示がなされるべきであり、学校法人経営は「評議員」による学校法人の業務の基本方針の決定の役割と、「理事・学長等」の業務執行の役割、「評議員・監事・会計監査人」による監視・監督の役割を明確にしたガバナンス体制を確立することが求められる。

また一方、ここ数年日本の大学の国際的評価のさらなる低下が続き、優秀な教授陣や学生の海外流出に加えて、海外からの教員、研究者や留学生も減少している。世界各国に比べ教育の大半が母国語である日本語のみで提供される中、教育・研究の劣化が懸念され、国際的な競争に伍していけるか、強く心配されるところである。また、少子化等に伴い大学進学志望者数の大幅な減少が今後も続くことが明らかで、入学定員割れ大学の増加などによって、大学を持つ学校法人の経営を取り巻く環境は大変厳しい状況にある。こうした状況下では大学を持つ学校法人の経営は、今後は統廃合も含めて大胆、かつ機動的に実行されることが求められるものと考えられる。

理事長、理事、学長などの執行部門が機動性をもって執行する一方で、独善に陥ることなく広く社会にその姿勢を理解されるためには、評議員・監事・会計監査人などの他の公益法人並のガバナンスが効く諸機関が設置され、監視・監督の体制が十二分に整備・強化される必要がある。加えて大学法人の統合・合併など再編に備えてその法制整備なども早急に検討される必要がある。

このような観点から、本ガバナンス改革会議は新法人制度の改革案を以下のとおり示す。

 各機関に関する定めの内容の相当部分は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)における規律内容に倣ったものである。

 

1.機関設計の全体像

 現行の学校法人の機関設計は、理事及び理事会、監事、評議員会であるが、これに計算書類等の会計監査を行う会計監査人を加え、以下のとおりとする。

評議員会

理事会

監事

会計監査人

 

 

2.評議員・評議員会

現行の学校法人における評議員会は、理事長が業務に関する一定の重要事項についての意見を聴取する諮問機関という位置付けであるが、理事による業務執行の監督機能を強化するため、評議員会を最高監督、議決機関と定めることとする。また、現行の学校法人では評議員を理事が兼務する例が多く見られるが、監督機能の実効性を担保するため、現役の理事、監事及び使用人(教職員)との兼任は認めず、その選任も理事又は理事会において行うことを認めないものとする。

評議員及び評議員会に関する定めは、その性質に反しない限り、一般法人法における評議員及び評議員会に関する定め(同法172条〜196条)に準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

 

(1)権限等

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ”承聴会を最高監督・議決機関とする。

◆^焚爾粒道項につき評議員会の議決を要する。

・理事、監事、会計監査人の選任・解任

・中期計画

・事業計画

・予算・決算

・多額の借財

・重要な資産の処分

・役員に対する報酬額(定款で額を定めている場合を除く)

・寄附行為(定款)変更

・合併や解散、重要な保証等

・その他学校法人の経営に関する重要な事項

 評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。

ぁ”承聴会の議事録を作成しなければならない。

ァ”承聴会による責任追及の訴え(評議員会の議決により責任追及の訴えの提起を請求し、一定期間以内に責任追及の訴えが提起されないときは、評議員会(の代表者)が学校法人のために責任追及の訴えを提起することができる)を定める。

 

その他の意見、方針は以下のとおりである。

・理事の選任に関して諮問委員会をおくことが望ましい(選任・解任の透明性を担保するため、選定理由及びプロセスの公開を求める)

 

(2)招集

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ”承聴会の招集は、原則として理事が行う。

◆”承聴は理事に対して目的である事項及び招集の理由を示して評議員会の招集を請求することができる。当該請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合及び請求から6週間以内の日を評議員会の日とする招集通知が発せられない場合、評議員は裁判所の許可を得て評議員会を招集することができる。

 

(3)選任・解任、適格基準

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

〕事会・理事による評議員選任(解任)は認めない。

解任権限は評議員会に与える。

所轄庁による解任勧告の対象とする。

じ縮鬚陵事や教職員との兼任は認めない。

ネ事及び教職員の地位にあった者は、5年経過後は評議員に就任することができる。

Τ凸魄・各評議員の親族・特殊関係者については、評議員への就任を禁止する。

他の特定の団体・法人の関係者が一定数を占めることを禁止する。

 

その他の意見、方針は以下のとおりである。

・評議員を選定するための諮問委員会を設置することが望ましい (選任・解任の透明性を担保するため、選定理由及びプロセスの公開を求める)

 

(4)任期、員数

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

〕事の任期よりも長いもの(倍以上)とするよう定める

∈把祕数(3名以上)を定める。

 

(5)義務、責任

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

)/佑箸楼冉ご愀犬任△蝓∩唄秒躇婬遡海鯢蕕Α

∨/裕擇啾荵絢圓紡个靴涜山嫁綵責任を負う。

I承聴は計算書類等の謄写の請求をすることができる。

ど承聴による役員の解任の訴え、理事の違法行為の差し止め請求等の仕組みを導入する。

 

 

3.理事・理事会

理事及び理事会については、その性質に反しない限り、一般法人法における理事及び理事会に関する定めに準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

(1)選任・解任、適格基準

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事の選任・解任は評議員会が行う(いつでも評議員会の決議によって解任することができる)

◆‖召瞭団蠅涼賃痢λ/佑隆愀玄圈瞥事又は使用人である者等)が一定数を占めることを禁止する。

 

(2)任期、員数

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする(再任は妨げない)

◆〆把祕数(5名以上)を定める。

 

 (3)権限、義務等

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事(及び監事)は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。

 

(4)理事会

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事会は重要な業務執行の決定を理事に委任してはならない。

◆〕事会の議事録を作成しなければならない(議事録は評議員にも提供する)

「理事会は、理事長が招集する」(私立学校法363項)が、理事長以外の理事は、理事長に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。当該請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。

ぁ〕事会の招集通知は各理事及び各監事に発する。

 

(5)理事長

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事長は、理事会が選定・解職する。

◆〕事長は、3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。

 

 

4.監事

監事については、その性質に反しない限り、一般法人法における監事に関する定めに準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

 

(1)選任・解任、適格基準

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ヾ道の選任・解任は評議員会が行う(いつでも評議員会の決議によって解任することができる)

◆ヾ道は、当該法人の理事又は使用人を兼ねることができない(子法人の役員、使用人についても同様とする)

 各理事の親族・特殊関係者については、監事への就任を禁止する。

ぁ”承聴会において監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。

 

その他の意見、方針は以下のとおりである。

・外部監事の独立性(監事就任前に理事又は教職員でなかった期間)の強化について、公益法人の例を踏まえて検討するものとする。

・監事の中に常勤の監事をおくことが望ましい。

 

 (2)任期

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ヾ道の任期は、理事の任期の倍以上の期間とする(再任は妨げない)

 

(3)権限、義務等

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 ヾ道は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。

(「業務及び財産の状況の監査」の趣旨・対象を明確化する観点から)財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書を監査する。

 実質的に支配する子法人の業務・財産の状況も調査することができる(連結・実質支配グループについて対象とする)

ぁ)/様事間の訴えで法人を代表する。

ァ〕事会の招集通知の対象に監事を加える。

Α〕事会に出席して意見を述べることができる。

А〕事会の議事録は監事も確認することとする。

 

 

5.会計監査人

 計算書類等の会計監査機能を強化するため、新たに学校法人の機関として会計監査人の設置を義務付ける。

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

(私立学校振興助成法に基づく会計監査制度は維持した上で)機関として会計監査人の設置を義務付ける。

◆ヽ惺史/佑虜盪彩槝拭β濕畋仂班重の作成期限は、毎会計年度終了後3ヶ月以内とする。

 会計監査人の選任・解任、権限・義務、任期等については、その性質に反しない限り、一般法人法における会計監査人関する定めに準じた内容を定めるべきであるが、特に重要な点は以下のとおりである。

・評議員会の決議により選任・解任する。

・一定の事由(/μ馨紊竜遡海飽稟燭掘∨瑤録μ海鯊佞辰燭箸、会計監査人としてふさわし<ない非行があったとき、心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに耐えないとき)に該当する場合、監事が解任することができる。

・公認会計士又は監査法人でなければならない。

・評議員会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。

・会計監査人は監査意見が異なるとき、或いは出席要求決議があるとき評議員会に出席して意見陳述することができる。

・評議員会において会計監査人の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。

・実質的に支配する子法人の業務・財産の状況も調査することができる(連結・実質支配グループについて対象とする)

・任期は原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。

・学校法人と会計監査人との関係は委任とする。

・法人及び第三者に対して損害賠償責任を負う(会計監査報告の重要事項の虚偽については過失責任とする)

・理事は、会計監査人の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。

 

その他の意見、方針は以下のとおりである。

・「私学法に基づく監査」と「私立学校振興助成法に基づく監査」が重複しないように「助成法」に基づく計算書類等も私学法に基づく計算書類等に取り込み、作成と監査の一元化を図る。

・学校法人会計基準は、根拠法令を私立学校振興助成法から私立学校法に変更し、両法律の趣旨に適合した学校法人会計基準を策定する。

 

 

6.内部統制システム

 業務の適正を確保するため、内部統制システムの整備(構築)を行うことを義務付ける。法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〕事の職務の執行が、法令及び定款(寄附行為)に適合することを確保するための体制その他法人の業務の適正を確保するために必要な体制を整備する義務を課する(監事の職務を補助すべき使用人に関する事項等、必要な体制の具体的内容は政省令において定める)

◆ヾ道は、内部統制システムの実効性を監査する(監査報告書の内容に含める)

 

 

7.事業活動実態に関する情報開示

外部からの牽制が適切に機能するようにするため、学校法人の事業活動実態、業務の状況

に関する情報開示を拡大することとする。

法定事項として以下の各事項を定めるべきである。

 〆睫馨霾鶺擇啝業報告書は、統一した様式に基づいて作成する(評議員会の構成や理事の選任方針、理事長退任者の経営への関与、内部統制システム等の学校法人のガバナンスに関する情報を積極的に開示する)。

◆〆睫馨霾鵑蓮▲札哀瓮鵐函奮惺察附属施設等の部門)に分けて記載するよう努める(具体的内容は政省令において定める)。

 財務情報及び事業報告書は、学校法人共通のプラットフォームで開示する。

 

その他の意見、方針は以下のとおりである。

・事業報告書の統一様式、計算書類の作成基準、開示基準、開示場所等の事項は、別途設置する委員会又は本委員会の分科会において検討すべきである(検討組織は、日本公認会計士協会等の公的な機関を中心に、当事者でないメンバーで組成し、私大関係者などの当事者からはヒヤリングにとどめるべきである)。

 

8.定款等その他の事項

法定事項として以下の事項を定めるべきである。

・「寄附行為」との名称を「定款」と変更する。

 

その他の意見、方針は以下のとおりである。

・合併、清算、事業承継等については、現在の法整備のみでよいのか別途検討すべきである。

 

 

III. 規模等に応じた取扱い

「新法人制度の改革案」は、原則として、上記2.に記載する全事項について、文部科学大臣所轄学校法人(大学、短期大学及び高等専門学校を設置している学校法人)に対して適用する。

 

それ以外の都道府県知事所轄学校法人(都道府県が所轄する学校・専修学校等のみを設置している学校法人)については、上記供イ傍載する事項のうち、法人の基本的な機関設計に関する事項(供14及び8)を原則として適用し、施行までに十分な準備期間が確保されるよう配慮する。会計監査人の設置などそれ以外の事項(.57)は、公益法人等に倣い、児童・生徒数、教職員数、収支など規模による社会的な重要性と影響度を勘案した一定規模以上の学校法人に適用するとともに、施行後の状況や他法人制度の見直しの状況も踏まえ、規模に関する基準の引き下げ(適用範囲の拡大)を検討する。

 

なお、上記の規模に満たない学校法人も、私立学校振興助成法に基づく監査を受ける場合が多いことも踏まえ、任意に会計監査人を置くことができるようにする。



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2021年12月06日

【役員関連】理事長のアドバイザーに対する支出科目は?

アドバイザーこんにちは!今日は、ある大学の総務の方からのご質問です。

 

<Q>【役員関連】理事長のアドバイザーに対する支出科目は?

 当学園の理事長に専属のアドバイザーがつきました。この顧問への支払いは、役員報酬ですか? それとも顧問料ですか?

 

<A>

 まず学園の理事・監事ではないので、役員報酬にはなりません。支出科目は、2つ考えられます。

 一つ目は、アドバイザーと言うお仕事から、契約方法が顧問契約であれば、報酬委託手数料として経費処理します。通常は、こちらが多いでしょう。

 二つ目は、もし雇用契約の形であれば、(小科目)職員人件費(細分科目)兼務職員になることもあるでしょう。

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月03日

【注記】「重要な会計方針」を注記する理由??

質問こんにちは!今日は、学校会計の研修会でのご質問です。

 

<Q>【注記】「重要な会計方針」を注記する理由??

 貸借対照表の注記の一番目は「1.重要な会計方針」、二番目は「2.重要な会計方針の変更等」ですが、この注記はどうしてあるのですか? 何だか余計な注記のように思うのですが?

<A>

 決算書を作る場合の会計処理の方法や表示方法は、一つだけでなく複数の方法がある場合があります。このような場合に、会計処理の方法や表示方法を「1.重要な会計方針」として注記します。そして一度、決めた会計処理や表示方法は、毎会計年度、継続して採用します。こうすると毎会計年度の経理内容の比較が同一条件で出来るわけです。

 

 しかし、何か事情が変わりより良い会計処理の方法や表示方法が認められる場合、会計処理や表示方法を変更する場合が、あります。これが二番目の注記の「2.重要な会計方針の変更等」です。

 

 このように決算は、一番目の注記で、決算の仕方を宣言して、もし事情変更があった場合は、二番面の注記で決算の仕方を変えたことを宣言します。こうすることによって、決算書は学校法人の資金の状況や経営の状況、財務の状況を的確に表すことが確保されるわけです。

(少し関連:研究報告16号のQ4)

 

 今日は、ここまでです。



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2021年12月01日

【ICT】授業目的公衆送信補償金の会計処理は?

オンライン学習03こんにちは!今日は、ある会合で出た話題です。オンライン授業の関係です。

 



<Q>【ICT】授業目的公衆送信補償金の会計処理は?

 学校が授業目的公衆送信補償金を払った場合の会計処理はどうなりますか?

 

<A>

 著作権法第35 条が改正されて、授業目的公衆送信補償金制度が20214 月から有償化されました。授業目的公衆送信補償金制度のご利用に当たっては、制度を利用される教育機関の設置者(教育委員会、学校法人など)が補償金を支払うことが著作権法で定められています。

 学校法人からすれば、オンデマンド型の遠隔授業などでの公衆送信について、学校法人が「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS=サートラス)へ補償金を支払うことで、個別に著作権者等の許諾を得ることなく利用可能となりました。

 金額ですが、一人当たり料金です。

 

学生・生徒・児童・幼児

1人当たり金額

大学

720円

高校

420円

中学校

180円

小学校

120円

幼稚園

60円

 

 会計処理ですが、ある団体の研修会では、「授業目的公衆送信補償金を支払った場合には、教育において著作物を利用する対価としての性格を有することから、(大科目)教育研究経費(支出)の(小科目)手数料(支出)等に計上することが適当である。」としています。

 

 個人的にコメント加筆すると、学校法人が著作権の利用料であることを考えて最終的に小科目を決めますので、「手数料(支出)」の他にも「出版物費(支出)」や「諸会費(支出)」でも取引内容を表している感じがします。

 

 今日は、ここまでです。



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