2019年04月

2019年04月24日

【監査】私学事業団からの残高確認書

登記こんにちは!今日は、初めて学校法人監査をする会計士さんからのご質問です。

 

<Q>【監査】私学事業団からの残高確認書

 残高確認を実施しますが、私学事業団さんからの残高確認は、私学事業団所定の書式で返送されてきます。よいのでしょうか?

 

<A>

 日本私立学校振興・共済事業団(略して、私学事業団)に関しても、通常の銀行用の残高確認書を私学事業団に送付します。

 ただ、私学事業団からは、会計士側の残高確認書の回答欄に記載がなく、回答書とともに私学事業団発行の残高証明書(正式名称は、貸付金残高証明書)が監査人宛てに返送されてきます。この方法は、私学事業団と日本公認会計士協会との申し合わせに決まっている方法です。ですから会計士サイドでは、私学事業団の残高確認は、事業団所定の残高証明書を回答書として扱うことになります。

 なお、「確認について」(学校法人委員会研究報告第25)のQ3を参照のこと。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ◎ 監査 

2019年04月23日

【決算での質問7】お金の寄付と現物寄付の表示の違い

教育基本法こんにちは!今日は、高校の経理の方からのご質問です。

 

<Q>【寄付金】お金の寄付と現物寄付の表示の違い

 事業活動収支計算書の「お金の寄付」と「現物の寄付」の表示方法の違いがよくわかりません。

 

<A>

(1)お金の寄付(寄付金)の表示

 お金の寄付(寄付金)については、寄付者の意思を尊重して会計処理をします。

 施設設備の拡充等のための寄付金は、特別収支の施設設備寄付金に計上します。それ以外の寄付金は、教育活動収支の(大科目)寄付金の(小科供貌段夢麌婉發(小科目)一般寄付金に計上します。

 ここで、寄付者の意思は、寄付金趣意書、寄付金申込書等により、可能な限り明確にすることが望ましいのですが、もし寄付者の意思が明確でない場合は、(割り切って)教育活動収支の一般寄付金とすることに決めています。

 早わかりで言うと、お金の寄付(寄付金)は、寄付者の意思(取引の入口)で判断するわけです。

 

(2)現物寄付の表示

 現物寄付は、事業活動収支計算書だけに登場します。ただ、同じ小科目名は「現物寄付」でも表示場所が、教育活動収支と特別収支に別れます。現物寄付の表示区分に注意です。

 物の寄付(現物寄付)は、いただいた現物寄付を固定資産計上する場合は、特別収支の現物寄付に計上します。それ以外の現物寄付は、教育活動収支の現物寄付に計上します。

 現物寄付の表示は、早わかりで言うと、学校側の会計処理(取引の出口)で決定します。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ■■ 収入/寄付金収入 

2019年04月22日

【決算での質問6】為差損損の表示

換算2こんにちは!今日は、短期大学でのご質問です。

 

<Q>【決算での質問6】為替換算差額(為差損損)の表示

 海外研修の仮払金を精算したところ、為替の損が200出ました。決算書では、どのように表示するのでしょうか?

 

<A>

 事業活動収支計算書では、(大科目)その他の教育活動外支出。(小科目)為替差損又は為替換算差額となるでしょう。

 

<説明>

 為替差損の説明は、学校法人会計基準にはありませんが、実務指針452-1に少し説明があります。ここでは、「21 教育活動外収支に計上される財務活動」の回答で、「外国通貨及び外貨預金の本邦通貨への交換や外貨建債権債務の決済の際に生ずる為替換算差額、外貨建債権債務等につき期末日の為替相場に換算する場合に生ずる為替換算差額等については、「教育活動外収支」に計上する。」とあります。為替換算差額を財務活動の一環として、教育活動外収支に計上するわけです。

 ですが、大科目の指定までありません。教育活動外収支の部の事業活動支出の大科目は、「借入金等利息」と「その他の教育活動外支出」の2つです。ここで「借入金等利息」の小科目は、借入金利息と学校債利息に限定されています。ですから大科目は、(大科目)その他の教育活動外支出になります。

 為替の換算損は、外貨建取引等会計処理基準(大蔵省企業会計審議会)を参考にすると、為替差損と表示されます。ただ、学校法人会計では、為替換算差額の表示でも良いでしょう。実務指針452-1は、(小科目)為替差損と表示を指定していません。

※基準の事業活動収支計算書の教育活動外収支(第五号様式の抜粋)です。

 

 

科目

予算

決算

差異

教育活動外収支

事業活動収入の部

受取利息・配当金

 

 

 

 第3号基本金引当特定資産運用収入

 

 

 

 その他の受取利息・配当金

 

 

 

その他の教育活動外収入

 

 

 

 収益事業収入

 

 

 

 (何)←為替差益、為替換算差額

 

 

 

教育活動収入計

 

 

 

事業活動支出の部

借入金等利息

 

 

 

 借入金利息

 

 

 

 学校債利息

 

 

 

その他の教育活動外支出

 

 

 

 (何)←為替差損、為替換算差額

 

 

 

教育活動外支出計

 

 

 

教育活動外収支差額

 

 

 

 

 また、資金収支計算書では、換算差額の分だけ支払資金が減少するので、(大科目)管理経費支出(小科目)為替差損支出又は為替差損のような科目が想定されます。資金収支計算書の小科目なので、為替差損としないで為替差損支出としたいところです。基準の第一号様式や別表第一では、資金収支計算書の支出の部の科目は、すべて「○○支出とな」っているからです。
 最後に資金収支計算書の科目例の実際例のお話を少しします。学校では為替換算差額が僅少なことから実務では為替差益なら(大科目)雑収入の(小科目)その他の雑収入。為替差損なら(大科目)管理経費支出の(小科目)雑費支出に入っていることが多いようです。
  

<発展>

 また、私学事業団の実務問答集の「154 外貨預の評価損益の計上区分」には、同じようなQAがありますので、参考にするのも良いでしょう。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 計算書類 

2019年04月19日

【決算での質問5】基本金の過年度修正の表示

疑問こんにちは!今日は、ある高校でのご質問です。

 

<Q>【決算での質問5】基本金の過年度修正の表示

 昨年度の第一号基本金の計算に誤りがあることが判明したので、今年度の決算で基本金の修正をします。そこで、事業活動収支計算書の様式をみて特別収支の部に「過年度修正額」の科目を使おうとおもいましたが、会計士さんより基本金取崩額を使って下さいと言われました。どういうことですが?

 

<A>

 事業活動収支計算書は、事業活動収入と事業活動支出を、「教育活動収支」と「教育活動外収支」と「特別収支」の3区分にわけました。確かに様式の特別収支の部には、(小科目)過年度修正額があります。しかし、基本金の組入額や取崩額は、事業活動収入にも事業活動支出にも該当しませんので、基本金の過年度修正額は、基本金取崩額や基本金組入額合計に含めて表示することになります。

 

 より具体的には、過年度の基本金の計算に誤りがあった場合には正しい額に修正します。この場合、修正年度の基本金明細表では、過年度に基本金の過大計上があった場合にはその修正額は取崩対象額に含めます。また逆に、基本金の過少計上があった場合には修正額は組入対象額に含めて把握します。その結果、基本金組入額合計か基本金取崩額が算出され、事業活動収支計算書に計上されることになります。

 

 今日はここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 基本金 

2019年04月18日

【決算での質問4】補助活動事業の総額表示と純額表示

疑問こんにちは!今日は、ある高校でのご質問です。

 

<Q>【決算での質問4】補助活動事業の総額表示と純額表示

 今年度の決算では、補助活動収入を純額表示から総額表示にすることになっています。

 昨年度までは、収入と支出(経費・人件費)を相殺して、収入超過の場合は補助活動事業収入、支出超過の場合は補助活動事業支出で表示していました。

 今年度は、補助活動事業の収支はマイナスで、純額表示出れば補助活動支出の状態です。総額表示にすると、人件費はどうなるのでしょうか?経費扱いの事業活動支出の一部が、人件費に移るのは変な感じがします。

※例

事業活動収支計算書

純額表示

補助活動事業の内訳

補助活動支出

200

補助活動収入

人件費

管理経費

1000

 500

 700

 

<A>

 (大科目)管理経費(小科目)補助活動事業支出を表額表示にした場合の人件費部分は、(大科目)人件費に振り返られることになります。こちらが学校法人会計の原則表示です(基準5条)。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ■■ 収入/付随事業収入(前:事業収入) 

2019年04月17日

【決算での質問3】減価償却額の訂正

疑問こんにちは!今日は、ある高校でのご質問です。

 

<Q>【決算での質問3】減価償却額の訂正

 計算書類を確認しています。前年度購入の建物附属設備で耐用年数誤りが発見され、償却不足120,000円が発見されました。

 当年度の減価償却が800,000円なので減価償却額を920,000円計上しようと思います。宜しいでしょうか??

 

<A>

 前年度の減価償却計算で減価償却額の計算誤りがあり、減価償却額の不足分が発見された場合は、当年度での修正は過年度修正額で修正します。

 今年度分の減価償却額は、減価償却額を計上し、過年度修正収入と区別します。

等の計算誤りを当年度に修正した場合などが考えられる。

 仕訳例です。

借方

貸方

減価償却額

900,000

減価償却累計額

1,200,000

過年度修正額

120,000

 

 

 

 なお、学校法人会計基準での別表第二では、過年度修正額の定義があります。

大科目

小科目

備考

その他の特別収入

過年度修正額

前年度以前に計上した収入又は支出の修正額で当年度の収入となるもの。

その他の特別支出

過年度修正額

前年度以前に計上した収入又は支出の修正額で当年度の支出となるもの。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) □□ 支出/経費 

2019年04月16日

【決算での質問2】資産売却収入と資産売却差額

バスこんにちは!今日は、ある高校でのご質問です。

 



<Q>【決算での質問2】資産売却収入と資産売却差額

 計算書類を確認しています。30年度は車両を40万円(購入価額200万円。簿価1円)で売りました。そこで、期中は次の仕訳をしました。

借方

貸方

普通預金

400,000

車両売却収入

400,000

 ですか、事業活動収支計算書に資産売却差額399,999円が出てきません。どうしてでしょうか??

 

<A>

 決算整理仕訳が入っていません。

 会計ソフトの入力方式にもよりますが、例えば次のような非資金仕訳が追加で必要です。

借方

貸方

車両売却収入

400,000

 

 

減価償却累計額

1,999,999

車両

2,000,000

 

 

車両売却差額

399,999

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 計算書類 

2019年04月15日

【決算での質問1】期末未収入金と未収入金の違い

疑問こんにちは!今日は、ある高校でのご質問です。

 

<Q>【決算での質問1】期末未収入金と未収入金の違い

 計算書類を確認しています。資金収支計算書が期末未収入金300ですが、貸借対照表の未収入金は500あります。うまく両未収入金の違いが説明できません。学校では、徴収不能引当金を計上していないので、両未収入金は、一致して良さそうな気がするのですが?

※イメージ図

資金収支計算書

貸借対照表

差異

期末未収入金

300

未収入金

500

200

 

<A>

 資金収支元帳の期末未収入金と総勘定元帳の未収入金を見て、両未収入金を比べて見ると違うがわかってくるでしょう。

 

 徴収不能額や徴収不能引当金がないのに、両未収入金が違う場合は、おそらく次のような事情です。

 資金収支計算書は、当年度の諸活動の収入の内容と現金預金の顛末を表していますので、期末未収入金300は、当年度の活動から生まれました(当年度分のみ)。

 これに対して、貸借対照表は、設立以来の資産の累積残高を表しています。つまり、未収入金500の内訳は、当年度の活動から生まれた300(当年度分)とそれ以前の年度からの未回収分の残り200(繰越分)からなっていると考えられます。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 計算書類 

2019年04月12日

【人件費】保育園の保育士さんの人件費の会計処理??

保育園こんにちは!今日は、幼稚園法人の顧問税理士さんからのご質問です。

 

<Q>【人件費】保育園の保育士さんの人件費の会計処理??

 幼稚園法人では、認可幼稚園と認可保育所を設置しています。ただ、保育園の先生のお話だと保育所は、教育施設とのことですが、学校法人会計では保育園の先生の人件費を職員人件費にしているのですが、良いのでしょうか?

 

<A>

 保育所の保育士さん人件費は、学校法人会計では職員人件費で会計処理することになっています。

 

<少し解説>

 昨今、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の3法令が同時に改訂されました。ここでは幼稚園も保育所も幼保連携型認定こども園も、日本の大切な幼児教育施設として位置づけられました。

 保育園の園長先生からすると保育園では、従来から教育を行っているとおっしゃることでしょう。

 

 さて、教育施設の側面を持つ保育所ですが、保育士さんの人件費を職員人件費にする理由としてすぐ思い浮かぶのは、2つです。

1.学校法人会計基準の定義から

 別表第一 資金収支計算書記載科目(第10条関係)の抜粋です。教員人件費と職員人件費の説明があります。

小科目

備考

教員人件費支出

教員(学長、校長又は園長を含む。以下同じ。)に支給する本俸、期末手当及びその他の手当並びに所定福利費をいう。

職員人件費支出

教員以外の職員に支給する本俸、期末手当及びその他の手当並びに所定福利費をいう。

 これをみると、経費の教育研究経費と管理経費の区分のような分け方を人件費はしていません。教員の人件費は、教員人件費。それ以外の職員の人件費は職員人件費となっています。

 保育士は、児童福祉法の第7節に出てきます。保育士の定義は18条の4にあります。

児童福祉法第18条の4
 この法律で、保育士とは、第18条の181項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。

 保育士資格は、国家資格の一つですが、教員免許状(幼稚園教諭免許状)はありません。学校法人会計では、保育士さんは教員でないので、基準・別表での定義から職員人件費と扱うことになります。

 

2.研究報告21

 「学校法人の設置する認可保育所に係る会計処理に関するQ&A」(学校法人委員会研究報告第21)4-6では,保育士の人件費は職員人件費で処理することとしています。

 ここでの説明は、

「児童福祉施設最低基準」(昭和231229日厚生省令第63号)により、保育所には、乳幼児の数に応じて定められた数の保育士を置かなければならないとされているが、保育事業は教育事業そのものではなく付随事業であり、保育士の人件費は、第330号通知により、職員人件費として処理する。

とあります。

 しかし、実際、第330号通知を読んでも、「保育士の人件費は、職員人件費として処理する」とは、はっきりとは書いてありません。330号通知では、学校法人の設置する認可保育所は、認可保育所は学校法人が行う教育研究事業と密接な関連を有する、いわゆる「附帯事業」と位置付け、「認可保育所に係る収支は、資金収支計算書及び消費収支計算書に教育研究に関連する科目としては計上しないこと」とは書かてありますが。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ◎ 就学前教育(初等教育) 

2019年04月11日

【チェック】計算書類を確認したい。

疑問こんにちは!今日は、ある県の専修学校法人さんからのご質問です。

 

<Q>【チェック】計算書類を確認したい。

 平成30年度は、県に計算書類を提出することになりました。初めての県への提出です。学校法人会計の専用ソフトで決算書を作りますが、少し心配です。計算書類がきちんと出来ているか確認する方法がないでしょうか?

 

<A>

 計算書類の形式的なチェックをするなら、「計算書類の様式等のチェックリスト及び科目別のチェックリスト」(学校法人委員会研究報告第8)が便利です。最新版の研究報告を日本公認会計士協会のホームページから入手するのが良いでしょう。

 できたら今年度は、学校法人会計の法規集を購入するとまた役立ちます。代表的な、法規集です。

書名

学校法人会計監査六法

2019年版

学校法人会計要覧

〈平成31年版〉

編集者

日本公認会計士協会【編】

学校経理研究会【編】

価格

\5,400(本体\5,000

\5,184(本体\4,800

出版社

日本公認会計士協会(2019/03

学校経理研究会(2019/03

お薦め度

・専門家向け

・公認会計士向け

・読みやすい
・学校関係者向け

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 計算書類 

2019年04月10日

【注記】継続法人の前提の注記とは??

参考事項こんにちは!今日は、ある大学の銀行出身の理事さんからのご質問です。

 

<Q>【注記】継続法人の前提の注記とは??

 学校法人でも経営困難な法人では、決算書に継続法人の前提の注記が書かれるとのことですが、少し説明して下さい。

 

<A>

 企業会計では「継続企業の前提」に関する注記を決算書に記載します。

 学校法人の決算書は、法人が倒産することなく将来に渡り教育研究事業を継続するという前提で作成されています。継続法人の前提と言います。しかし、実際は、経営破綻が迫っている法人があるかも知れません。そこで単純に法人の通常の決算書を公表させるだけでは,利害関係者への情報提供として十分とは言えません。そこで、継続法人の前提に重要な疑義を抱かせる事象や状況が決算日にあって、それを解消したり、改善対応応したりしてもなお決算日が過ぎた後にも重要な不確実性が認められる場合には、決算書の利用者に特別に注意喚起するため決算書に「継続法人の前提」の注記を書くことが望ましいとされています。簡単に言うと、継続法人の前提の注記は、学校法人では、財務指標が極端な悪化したり、財政破綻の可能性が高い場合に決算書に書くことになる強烈なイエローカードです。

 

 企業会計では、「継続企業の前提」。社会福祉法人では、「継続事業の前提」と言っています。学校法人の場合は、学校法人会計基準の枠内では、強制力ある継続法人の前提の規定はありません。しかし、会計士協会の研究報告第16号「計算普類の注記事項の記載に関するQ&A」のQ30(その他考えられる注記事項)で記載が望ましいとされています。↓

(2) その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項

  ………

継続企業の前提について

 いわゆる「継続企業の前提」については、従来、学校法人では該当事例がほとんどなく開示の慣行も成熟していない。また、どのような状態が、いわゆる「継続企業の前提」に重要な疑義を生じさせるような場合に該当するのか等の詳細な検討が行われていない。しかし、学校法人がいわゆる「継続企業の前提」に重要な疑義を生じさせるような場合に該当しているという状況を自ら認識し、何らかの対策等を自主的に行っている場合には、自主的に講じている対策等を注記することが望まれる。

 

 もし、現状の会計ルールから継続企業の前提に関する注記の記載を検討する場合は、学校財規を参考にするのが良いでしょう。

(継続法人の前提に関する注記)

17条 貸借対照表日において、債務超過等財務指標の悪化の傾向、重要な債務の不履行等財政破綻の可能性その他有価証券発行学校法人が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在する場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。

一 当該事象又は状況が存在する旨及びその内容

二 継続法人の前提に関する重要な疑義の存在

三 当該事象又は状況を解消又は大幅に改善するための経営に携わる者の対応及び経営計画

四 当該重要な疑義の影響を財務諸表に反映しているか否か

 より具体的な記載例は、企業会計の決算書が参考になるでしょう。例えば、大塚家具さんには、継続企業の前提に関する注記が記載されています(平成3012月期)。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 注記 

2019年04月09日

【会計ルール】実務指針45号の強制力について

参考事項こんにちは!今日は、大学の経理の方からのご質問です。

 

<Q>実務指針45号の強制力について

 会計士さんが、「実務指針45号※は決算に当たり強制力をもっています」と言うのですがどういうことですか?

 ※実務指針45号について

略称

正式名称

実務指針45

「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)」に関する実務指針(H26.1.14 学校法人委員会実務指針第45)

 

<A>

 平成253月に改正省令(改正学校法人会計基準)が公表されました。

 この省令については、この省令発出の後、文部科学省の私学部長通知や参事官通知は発出れました。この両通知で、実務上の取扱い等は日本会計士協会で公表される予定とされました。この文部科学省の諸通知の付託を受けて日本公認会計士協会が実務指針45号を公表しました。つまり、簡単に言うと、日本公認会計士協会の学校法人委員会が公表した実務指針第45号は、文部科学省の付託を受けた公表物なので、会計処理の適用に当たり強制力を持つことになります。

 

<少し解説>

 公認会計士協会の公表物は、法律でも文部科学省令でもないのですが、会計処理の適用に当たり強制力をもつことが、あります。どうしでしょうか? 今回は、日本公認会計士協会が公表した実務指針45号についてのご質問です。

 実務指針45号が強制力を持つのは、文部科学省の付託を受けた会計処理適用の公表物だからです。時系列で検証してみます。

 まず、平成27330日に文部科学省令13号(簡単に言うと平成27年改正学校法人会計基準)が公表されました。

 そして、翌月文部科学省の私学部長から90号通知が発出されました。ここでは、

 なお、本省令の施行のために必要な通知等については、今後発出することとしています。また、日本公認会計士協会においても、実務上の取扱い等を公表する予定ですので、御承知おき願います。

 

 さらに、半年後の92日に文部科学省の高等教育局私学部参事官から8号通知、9号通知が発出されました。ここでは、

 なお、日本公認会計士協会においても、実務上の取扱い等を公表する予定ですので、御承知おき願います。

 そして、翌年の平成26114日に実務指針45号が「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)」に関する実務指針が公表されたと言う流れです。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 計算書類 

2019年04月08日

【科目】過年度修正額と過年度修正収入・支出の相違

疑問こんにちは!今日は、高校法人さんでのご質問です。

 

<Q>過年度修正額と過年度修正収入・支出の相違

 科目で過年度修正額と過年度修正収入・支出の違いが良くわかりません??

 

<A>

 過年度修正額は、学校法人会計基準「別表第二 事業活動収支計算書記載科目」に出てきます。つまり、過年度修正額は、事業活動収支計算書の科目です。

 過年度修正収入と過年度修正支出は、「収入」や「支出」が付く科目です。収入、支出が付く科目は、資金収支計算書の科目です。過年度修正収入と過年度修正支出は、8号通知で指示されました(平25.9.2 25高私参第8号)。

 

<早わかり>

 8号通知を図解します。

資金

収支

 

資金

収支計算書

活動区分資金
収支計算書

事業活動

収支計算書

あり

収入

過年度修正収入

その他活動

過年度修正収入

特別収支

過年度修正

支出

過年度修正支出

過年度修正支出

過年度修正

なし

収入

過年度修正

支出

過年度修正

 

8号通知

4.過年度修正額

「過年度修正額」のうち、資金収入又は資金支出を伴うものについては、事業活動収支計算書においては小科目「過年度修正額」で処理することとなるが、資金収支計算書及び活動区分資金収支計算書においては、次のとおり処理するものとする。

(1)資金収支計算書においては、資金収入又は資金支出があった年度において、資金収入は大科目「雑収入」に小科目「過年度修正収入」を設け、資金支出は大科目「管理経費支出」に小科目「過年度修正支出」を設けて処理するものとする。

(2)活動区分資金収支計算書においては、資金収入又は資金支出があった年度において、「その他の活動による資金収支」に小科目「過年度修正収入」又は「過年度修正支出」を設けて処理するものとする。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 計算書類 

2019年04月05日

【平成30年度決算】認定こども園の会計処理の変更は、あり?なし?

教育実習生こんにちは!今日は、学校法人立の認定こども園さんからのご質問です。

 

<Q>【平成30年度決算】認定こども園の会計処理の変更は、あり?なし?

 これから決算作業を進めるのですが、認定こども園関係の会計処理で今年、変わった部分はありますか?

 

<A>

 学校法人立の認定こども園さんについて平成30年度は、特に会計処理の変更はありませんでした。

内閣府関係

決算前に内閣府のFAQのチェックは、必須です。内閣府では「自治体向けFAQ【第17版】」を、2019(平成31)213日に公表しました。ただ、ここでは会計基準の変更はありませんでした。

会計士協会関係

平成30年度は、認定こども園関係で、会計士協会からの新たな公表物はありませんでした。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ◎ 就学前教育(初等教育) 

2019年04月04日

【特定資産】特定資産と積立金の相違?

外貨預金こんにちは!今日は、高校の校長先生とのやりとりです。

 

<Q>特定資産と積立金の相違?

 学校の決算書で、特定資産というのは、積立金の理解で良いですか>

 

<A>

 会計用語の特定資産は、日常用語の積立金の理解で良いでしょう。

 

<A>

 積立金は、日常使う言葉です。敢えて辞書で調べてみると、【積立金】\僂瀘てておく金銭。つみきん。(広辞苑第六版より引用)とあります。

 

 学校法人会計では、特定資産は、「使途が特定された預金等」(基準別表第三)と定義されています。ですから、使途が特定された預金以外にも国債などの有価証券の含むわけです。代表は、減価償却引当特定資産、退職給与引当特定資産と言うように引当特定資産も前に〇〇〇と目的を明示することになっています。

 

 企業会計の詳しい人は、例えば、任意積立金と言うように積立金は貸借対照表の純資産の部。積立預金や保険積立金は資産の部に来ますが、名称が似ているだけで、純資産と部と資産の部の科目なので両者の内容は全く別です。ややこしくなるので、もうここでは止めます。

 

 ところで、積立金ですが、私学法の関係では、たまにみかける用語です。すこしうっかりの部分でしょうか。

 大学法人向けの寄附行為作成例です。

(諮問事項)

22条次の各号に掲げる事項については、理事長において、あらかじめ評議員会の意見を聞かなければならない。

(1) 予算、借入金(当該会計年度内の収入をもって償還する一時の借入金を除く。)及び基本財産の処分並びに運用財産中の不動産及び積立金の処分

 

(積立金の保管)

30条 基本財産及び運用財産中の積立金は、確実な有価証券を購入し、又は確実な信託銀行に信託し、又は確実な銀行に定期預金とし、若しくは定額郵便貯金として理事長が保管する。

 

(経費の支弁)

31条 この法人の設置する学校の経営に要する費用は、基本財産並びに運用財産中の不動産及び積立金から生ずる果実、授業料収入、入学金収入、検定料収入その他の運用財産をもって支弁する。

 

 もっとシンプルなのは、情報公開通知(※私立学校法の一部を改正する法律等の施行に伴う財務情報の公開等について(通知) H16.7.23 16文科高第304)の財産目録の様式参考例です。

(二)運用財産

 1 預金、現金

   現金 現金手許有高

   普通預金

 2 積立金

 3 有価証券

   利付国債

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ★ 固定資産 

2019年04月03日

【人件費】ややこしい本務・兼務の区別??

選択こんにちは!学校の監事さんからのご質問です。

 

<Q>【人件費】ややこしい本務・兼務の区別??

 学校法人の経理では、どうも本務兼務の区別がシックリきません。どうしてでしょうか?

 

<A>

 学校会計では、人件費の本務と兼務、経費の教育と管理の区分は、わかりづらい場合があります。今日は、人件費の方です解説です。

 

 学校法人の教職員の人件費は、本務と兼務に分けます。日常用語では、本務と兼務は、常勤か非常勤かと言う勤務形態の違いでしょうか。

 ただ、学校法人会計では、経常費補助金の交付要綱などの指示がある場合、本務兼務を交付要綱などに従って本務と兼務と区別します。ですが、この交付要綱の指示が全国統一でなく微妙に異なるため、本務・兼務の定義も微妙に異なってきます。ここが、本務と兼務の区分が少しややこしくなる原因になっています。

 

 少し復習しておきます。解説は研究報告26号「人件費関係等について」(H26.7.29)のQ12にあります。

■一般的なルール

 本務兼務の区分は、学校法人の正規の教職員として任用されているか否かによる。

   ↓正直、まだ不親切な説明かも??

   ↓補助金の交付要綱の指示があれば、そちらが優先。例えば

■大学

 私立大学経常費補助金取扱要領では、専任の教職員として発令され、当該学校法人から主たる給与の支給を受けているとともに、当該私立大学等に常時勤務している者を専任教職員としている。私立大学等の場合、この専任教職員は原則として本務者となる。

 

 ただ、知事所轄学校法人では、各都道府県の私立学校経常費補助金交付要綱の専任教職員の要件が、私立大学の場合と必ずしも同じではありません。また各都道府県によっても異なります。このため専任教職員か否かで、本務、兼務の区分の基準とならない場合が出てきます。「専任≒本務」と言う訳です。

 

 例えば、東京都は、次のように本務教職員の要件を下記にようにはっきりと定めています。

■東京都

 東京都においては、私立学校経常費補助金交付要綱において、本務教職員とは、正規の教員又は職員として雇用され、当該学校法人が加入している私立学校共済組合等に加入している者で、教員の場合、学校に1週間あたり5日(定時制にあっては4日)以上勤務し、当該学校種の普通免許状、特別免許状又は臨時免許状を有する者(平常勤務の際における給与の2割相当額以上の給与の支給を受けないものを除く)となっています。

 単純化してしまうと、東京の本務者は、

 「本務者=私学共済加入+週5日勤務+教員免許」と言うことになります。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) □□ 支出/人件費 

2019年04月02日

【内訳表】資金収支計算書と資金収支内訳表の違い?

こんにちは!今日は、大学法人の監事さんからのご質問です。

 

<Q>資金収支計算書と資金収支内訳表の違い?

 資金収支内訳表と資金収支計算書を比べると、資金収支内訳表では資金収支計算書の科目が途中から省略されています。どうしてですか?

 

<A>

 今日の回答は、基準が誕生した当時に解説資料でお答えします。

 三角先生の基準詳説(昭478月)の

 資金収支計算の目的は二つあるが、内訳表は、第13条第1項にも明示されているとおり、当該会計年度の活動に対応する収入支出の部門ごとの状況を表示するためのものあって、支払資金の収入支出のてん末を部門ごとに表示する目的まではもたない。従って、支払資金の収支のてん末をみるためにのみ必要とされる科目は、資金収支計算書にのみ必要であって、内訳表では必要でないとして削除されている。

 なおこのため、内訳表においては、収入の部と支出の部の合計額は一致することを当然に予定していない。

 

 図解しておきます。

※資金収支計算書と内訳表の目的の違い

2大目的

資金収支計算書

資金収支内訳表

1.諸活動のすべての表示

2.支払資金の顛末表示

×

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0) ☆ 計算書類