2015年05月

2015年05月29日

【税務】収支計算書の提出の要否?

報告書こんにちは! 今日は、専修学校法人でのご質問です。


<Q>収支計算書の提出の要否?

 当法人は収益事業が行っていませんが、税務署に決算書を提出するとのことですが、どういうことですか?


<A>

 学校法人は税務では、「公益法人等」の「等」にあたります。

 国税庁のホームページが上手にまとめているので、少し編集しながら説明していきます。


1.概要

 公益法人等(収益事業を行っていることにより法人税の確定申告書を提出する法人を除きます。)は、年間の収入金額の合計額が8,000万円以下の場合を除き、原則として事業年度終了の日の翌日から4月以内に、その事業年度の損益計算書又は収支計算書を、主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
 簡単に言うと、収益事業をしていなくても年間収入が8000万円を超える学校法人は、収支計算書を税務署に提出することになります。

 この根拠は、租税特別措置法にあります。

(公益法人等の損益計算書等の提出)

第68条の6   法人税法第2条第6号 に規定する公益法人等(同法 以外の法律によって同号に規定する公益法人等とみなされているもので政令で定める法人及び小規模な法人として政令で定める法人を除く。)は、当該事業年度につき法人税法第74条第1項 の規定による申告書を提出すべき場合を除き、財務省令で定めるところにより、当該事業年度の損益計算書又は収支計算書を、当該事業年度終了の日の翌日から4月以内(政令で定める法人にあっては、同日から政令で定める期間内)に、当該事業年度終了の日におけるその主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。


2.提出時期

 原則として各事業年度終了の日の翌日から4月以内


3.提出方法

 公益法人等の損益計算書等の提出書に損益計算書又は収支計算書を添付の上、提出先に持参又は送付します。


4.公益法人等の損益計算書又は収支計算書 1部

(注)

 1 提出する損益計算書又は収支計算書の様式は特に定められておりませんが、おおむね次に掲げる科目に従って作成してください。

(1) 損益計算書に記載する科目

収益の部



 

基本財産運用益、特定資産運用益、受取入会金、受取会費、事業収益、受取補助金等、受取負担金、受取寄附金、雑収益、基本財産評価益・売却益、特定資産評価益・売却益、投資有価証券評価益・売却益、固定資産売却益、固定資産受贈益、当期欠損金等



 

費用の部



 

役員報酬、給料手当、退職給付費用、福利厚生費、会議費、旅費交通費、通信運搬費、減価償却費、消耗什器備品費、消耗品費、修繕費、印刷製本費、光熱水料費、賃借料、保険料、諸謝金、租税公課、支払負担金、支払寄附金、支払利息、有価証券運用損、雑費、基本財産評価損・売却損、特定資産評価損・売却損、投資有価証券評価損・売却損、固定資産売却損、固定資産減損損失、災害損失、当期利益金等


(2) 収支計算書に記載する科目

収入の部

基本財産運用収入、入会金収入、会費収入、組合費収入、事業収入、補助金等収入、負担金収入、寄附金収入、雑収入、基本財産収入、固定資産売却収入、敷金・保証金戻り収入、借入金収入、前期繰越収支差額等



 

支出の部



 

役員報酬、給料手当、退職金、福利厚生費、会議費、旅費交通費、通信運搬費、消耗什器備品費、消耗品費、修繕費、印刷製本費、光熱水料費、賃借料、保険料、諸謝金、租税公課、負担金支出、寄附金支出、支払利息、雑費、固定資産取得支出、敷金・保証金支出、借入金返済支出、当期収支差額、次期繰越収支差額等



 


 2 提出する損益計算書又は収支計算書は、事業収入について事業の種類ごとに区分されている必要があります。また、事業の科目は事業内容を示す適当な名称を付してください。


 3 損益計算書又は収支計算書を他の法令(※学校法人会計基準)により作成している場合には、その損益計算書又は収支計算書を提出して差し支えありませんが、事業収入が事業の種類ごとに区分されているもの又は事業収入の明細書が添付されているものである必要があります。


   公益法人等の損益計算書等の提出書(PDFファイル/25KB)

参考:国税庁のホームページ

   https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/23500061.htm


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)◎ 税務 

2015年05月28日

【税務】法人税・消費税の申告期限

消費税こんにちは!専修学校法人の方からのご質問です。


<Q>税務の申告期限

 3月の決算が終わり、法人税と消費税の確定申告をします。どちらも提出期限は5月末ですか? 申告期限の延長はできないのでしょうか?


<A>

 法人税法上の事業年度は学校法人の場合、4月1日から翌年3月31日までとなっています。そして、法人税の確定申告書の申告期限は事業年度が終了した日の翌日から2ヵ月以内となっているので、5月31日となります。(法人税法74条)。

 ただし、会社法の規定に基づき監査役や会計監査人の監査を受けなければならない等の理由により決算が確定しないため、法人税法では確定申告書の提出期限の1ヶ月延長が認められています(法人税法72条の2)。つまり、法人税の確定申告書の提出期限は通常は5月末ですが、申告期限の延長で6月末まで延長が可能です。


 消費税の確定申告書の申告期限は、課税期間の末日の翌日から2ヶ月以内です(消費税法45条)。つまり学校法人の決算月は3月末なので消費税法の申告期限は5月末です。しかし、消費税法では、法人税法と同様な申告期限の延長の特例は設けられていません。

 もし、会計監査人等の監査により納付すべき税額に異動を生じた場合には、修正申告又は更正の請求を行うこととなります。


税務の申告期限


 

法人税

消費税

申告期限

5月末

5月末

申告期限の延長

あり(6月末)

なし


 


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)◎ 税務 

2015年05月27日

【注記】関係法人とは何?

合併こんにちは!今日は、高校法人の決算理事会でのご質問です。

 

<Q>関係法人とは何?

 決算書の注記に関係法人とありますが、何のことでしょうか?


<A>

 関係法人は、関連当事者に含まれます。

 そこで、まず関連当事者の説明を少しします。

 

 関連当事者との取引は恋意性が介入する余地があるため特に透明性が要求されています。そこで、関連当事者が自己や第三者のために学校法人と取引を行った場合には、取引内容を注記して計算書類の透明性を高めることになっています。

 この関連当事者との取引の注記は、会計士協会の提言が平成16年にあり、文科省の平成17年通知で認められました。(※「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)」H17.5.1317高私参第1号)。通知を少しまとめてみます。


 まず、関連当事者の定義です。

関連当事者

ア.関係法人

イ.当該学校法人と同一の関係法人をもつ法人

ウ.当該学校法人の役員及びその近親者(配偶者又は2親等以内の親族)又はこれらの者が支配している法人



 次は、「ア.関係法人」の定義です。

関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人

一定の人的関係、資金関係等を有する法人をいい、具体的には、



 

ア.一方の法人の役員若しくは職員等が、他方の法人の意思決定に関する機関の過半数を占めていること

イ.法人の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資を行っていること

ウ.法人の意思決定に関する重要な契約等が存在することが該当すること。

 ただし、財務上又は事実上の関係から法人の意思決定に関し重要な影響が及ぼさないことが明らかな場合には対象外とすること。


 ここが通知にある基本形になります。


 次は用語の補足説明です。事業団さんのものです。

用語

内容

ア.の「役員若しくは職員等」の「等」とは

役員・職員(教職員及び事務職員)以外の者で、顧問、相談役その他これに類するもので、法人内における地位、職務等からみて実質的に法人の経営に重要な影響を及ぼしていると認められる者が考えられ、評議員などは各学校法人の実態に応じて判断されたい。なお、役員若しくは職員については、常勤・非常勤を問わない。

ア.の「意思決定に関する機関」とは

株主総会、取締役会、理事会その他これらに準ずる機関を言う。

ウ.の「法人の意思決定に関する重要な契約等が存在すること」における「契約」とは

例えば、重要な施設の無償提供、係属校との協定などが法人の意思決定に関する重要な契約と考えられ、「契約等」の「等」は、覚書、念書等が考えられる。


(参考:事業団学校法人会計基準改正Q&A)


 それと、会計士協会から注意点の説明が少しあります。

 関連当事者の注記の対象となる関係法人とは、学校法人の出資割合が1/2超という形式的な支配のみならず、上記のように一定の人的関係、資金関係等も判断基準となります。なお、学校法人の出資割合が1/2以上の会社については、別途注記されるため、関係法人であっても関連当事者との取引の注記事項としては扱わないものとされています。

 また、役員の出資割合が1/2以下であり、それだけでは支配しているとはいえない法人であっても、役員の近親者又はこれらの者が支配する法人の出資割合と合計して1/2超である法人についても、その学校法人の役員及びその近親者(配偶者又は2親等以内の親族)又はこれらの者が支配している法人に該当することとなります。

 このように注記の対象となる関連当事者とは、例えば学校法人の出資割合が1/2超という形式的な支配のみならず、実質的に法人の意思決定に関する機関の構成員の過半数を占めている場合も該当するものと考えられています。

(この段落の参考:研究報告16号のQ25



 今日は、とりとめもなく長くなってしまいました。

 今日は、ここまでです。



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2015年05月25日

【注記】係争事件の注記例

自署こんにちは!今日は、高等学校法人での御質問です。


<Q>係争事件の注記例

 明後日、決算理事会なのですが裁判の注記が正しいか心配です。何か参考になる記載例があれば教えて下さい。


<A>

 注記については、計算書類の注記事項の記載に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第16号)が参考になります。事務所が少し加筆してみます。


7.その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項

(1)偶発債務

〃諺菽罎了件

 当学校法人を被告とする00事件について△△と係争中であり、×××円の損害賠償請求を受けている。

※参考:計算書類の注記事項の記載に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第16号)のQ21


7.その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項

(1)後発事象

〃諺荵件の発生

 平成××年4月×目、本学園を被告とし、△△社から×××円の賠償請求を受ける○○事件の訴訟が提起された。

※参考:計算書類の注記事項の記載に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第16号)のQ29


 御参考になれば幸いです。


 今日は、ここまでです。



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2015年05月22日

【注記】貸借対照表の注記の番号の要否

利益相反こんにちは!今日は、高校法人の理事会でのご質問です。

 

<Q>貸借対照表の注記の番号の要否

 決算理事会で、外部理事からの質問がありました。「貸借対照表の注記には、通し番号がないので、わかりづらいです。」

 注記の通し番号は、付けるべきですか?付けないべきですか?

 

<A>

 基準の34条で貸借対照表には、必ず7つ書くことになっています。

 結論は、注記の通し番号は、付けても付けなくてもどちらもOKです。

 個人的には、通し番号があった方がわかりやすいと思うのですが、学校会計では、注記の通し番号の有無は、両方の方法が認められています。

 

1.「注記の通し番号」を付けない根拠

 「基準の第6号様式(第35条関係)貸借対照表」の注記には、注記の通し番号はありません。

 

2.「注記の通し番号」を付ける根拠

 文科省の注記事項記載例には、注記の通し番号があります。

※従来基準では、学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)(平17.5 .13 17高私参第1号)

※改正基準では、学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)(平25.9.2 25高私参第8号)

 

 今日は、ここまでです。



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2015年05月21日

【法】基本財産である有価証券の処分手続

資金運用こんにちは!今日は、高校法人の理事会でのご質問です。

 

<Q>基本財産である有価証券の処分手続
 当法人では基本財産として有価証券を保有しておりましたが、資金繰りの都合で本年度、売却の予定をしております。有価証券の売却に際して理事会の議決や評議員会の事前諮問は必要ですか?

 

<A>

 学校法人の諸規程をみての回答ではないので、一般論での回答になります。

 

 まず、 私立学校法30条ヽ胴罎砲蓮寄附行為の必要的記載事項が書かれていますが、その一つに「8.資産及び会計に関する規定」があります。ここに、「基本財産の処分の制限」があります。文科省の寄附行為作成例では、具体的に、

寄附行為作成例

(基本財産の処分の制限)

29条基本財産は、これを処分してはならない。ただし、この法人の事業の遂行上やむを得ない理由があるときは、理事会において理事総数の3分の2以上の議決を得て、その一部に限り処分することができる。

とあります。このため少なくとも理事会の議決が必要になります。

 

 それと、私学法42条の評議員会の諮問事項に「重要な資産の処分に関する事項」があります。ここで重要な資産とは何かというと、「重要な資産については、学校法人により異なるが、校地、校舎等の基本財産、積立金等は当然このうちに含めるべきであろう(松坂先生p270)」とあります。これを受けてか寄附行為作成例22条では、評議員会の諮問事項として、「基本財産の処分並びに運用財産中の不動産及び積立金の処分」があります。基本財産の処分では、通常は評議員会の諮問事項にあることが多いでしょう。

 

 以上から基本財産の処分には、処分する基本財産の金額にもよりますが、通常は、評議員会の諮問と理事会の議決が必要になります。

 それから、今回は有価証券の売却などで該当しませんが、校地・校舎の一部売却などの基本財産の処分では、学校の設置基準にも抵触することがあるため必要に応じて所轄庁への事前相談が必要になることがあります。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)◎ 法人運営 

2015年05月20日

【経費】駐輪場の撤去費用の教管区分

駐輪場こんにちは! 今日は、高校の方からのご質問です。



<Q>駐輪場の撤去費用の教管区分

 構築物の駐輪場を撤去することになりました。撤去費用は、教育研究経費なの管理経費のどちらでしょうか?



<A>

 駐輪場が、主に学生用の駐輪場と思われるので、通常は教育研究経費になるでしょう。

 学校会計では、教育研究関係の固定資産の撤去費用は、教育研究経費とし、管理関係の固定資産の撤去費用は、管理経費として処理します。

(参考:教育研究経費と管理経費の区分に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第30号のQ2)



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)□□ 支出/経費 

2015年05月19日

【注記】「関連当事者との取引」の注記がいらない場合

自署こんにちは! 今日は、大学法人の方からのご質問です。昨日に続いて、「関連当事者との取引」のご質問です。決算時に特有のご質問です。



<Q>「関連当事者との取引」の注記がいらない場合

 当法人の役員から「関連当事者との取引」の注記で質問があり、明日の理事会で説明することになっています。関連当事者と学校法人との取引で注記が要らない場合を教えて下さい。



<A>

 関連当事者との取引の注記は、取引の透明性を高めるために平成17年の基準改正で設けられました。

 さて、まず基本は、関連当事者との取引で注記が要らない場合は、文科省の通知で確認できます。(※「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)」平17.5.1317高私参第1号)。

ア.一般競争入札による取引並びに

  預金利息及び配当金の受取り

  その他取引の性格からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引、

イ.役員に対する報酬、貸与及び退職慰労金の支払い、

ウ.当該学校法人に対する寄附金



 それから会計士協会の資料から拾います。(※研究報告16号「計算書類の注記事項の記載に関するQ&A」のQ28)

 その他取引金額及び残高からみて重要性が乏しい取引については、省略することが考えられる。その場合の重要性の判断については、学校法人の規模によって異なるため、学校法人が決定し毎年度継続的に採用することが望ましいが、例えば、以下のように決定することが考えられる。

・役員及びその近親者との取引については、100万円を超える取引についてはすべて注記する。

・その他の関連当事者との取引は、帰属収入の1 /100に相当する金額(その額が500万円を超える場合には、500万円)を超える取引についてはすべて注記する。



 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)☆ 注記 

2015年05月18日

【注記】理事長からの寄付

絵画こんにちは! 今日は、幼稚園法人の方からのご質問です。


<Q>理事長からの寄付
 幼稚園では、平成26年度に理事長から有名画家の絵画の寄付を受けました。しかし、貸借対照表の末日の「関連当事者との取引」として注記に記載をしておりません。監査で指摘されてしまうのでしょうか?

<A>
 関連当事者との取引の注記は、取引の透明性を高めるために平成17年の基準改正で設けられました。
 さて、関連当事者との取引の注記については、文科省の通知で確認できます。(※「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)」平17.5.13 17高私参第1号)。
 ここでは、一部の取引は、事項に重要性がないということで、注記を必要としない3つの取引を明示しています。原文の引用です。

い燭世掘

ア.一般競争入札による取引並びに

  預金利息及び配当金の受取り

  その他取引の性格からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引、

イ.役員に対する報酬、貸与及び退職慰労金の支払い、

ウ.当該学校法人に対する寄附金

            は、注記を要しないこと。

 

 理事長からの寄付でいただいた絵画は、この「ウ」に当たりますので、関連当事者の取引の注記に記載は不要となります。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)☆ 注記 | ■■ 収入/寄付金収入

2015年05月15日

【内訳表】学校法人部門の新設なのか?!

疑問こんにちは! 今日は、ある高校法人でのご質問です。他校でもたまに尋ねられるご質問です。


<Q>内訳表の部門

従来、当法人では資金収支内訳表には、「学校法人」部門はなかったのですが、今年度より法人事務局を新設しました。法人事務局の人件費は「学校法人」部門なのでしょうか。


<A>

 まず、部門の定めは基準13条が原点です。

(資金収支内訳表の記載方法等)

13条 資金収支内訳表には、資金収支計算書に記載される収入及び支出で当該会計年度の諸活動に対応するものの決算の額を次に掲げる部門ごとに区分して記載するものとする。

一 学校法人(次号から第5号までに掲げるものを除く。)

二 各学校(専修学校及び各種学校を含み、次号から第5号までに掲げるものを除く。)

三 研究所

四 各病院

五 農場、演習林その他前2号に掲げる施設の規模に相当する規模を有する各施設


 この基準13条の「学校法人」部門の解説は野崎先生の基準詳説を引用します。
 法人本部(法人事務局)職員については、規模の大きな学校法人では大学・短大等の事務局とは別に法人事務局のような集中管理組織を有するところが多いですが、小規模なところでは、大学事務局等が同時に法人事務局の業務を行っているところもあり、省令の第2号様式で要求される「学校法人」部門には、どのような職員の人件費を計上するかが常に問題となるところです。これらの職員については「発令形態」及び「主たる勤務状況」のみの条件では「学校法人」部門に計上される職員人件費の統一的な処理基準とはなり得ないため、同報告では、次の業務を主として行う職員に支払われる人件費支出のみが「学校法人」部門に計上されるべき金額となる、と基準を示しています(野崎先生p57)。

 

 この財研報告が、250号通知で採用されました(※文管企第250号通知。文部省管理局長通知S55.11.14)。ここでは、学校法人部門の業務を限定列挙しています。

3.「学校法人」部門の取扱い

(1) 「学校法人」部門の業務の範囲は、次に掲げる業務とする。

ア.理事会及び評議員会等の庶務に関すること

イ.役員等の庶務に関すること

ウ.登記、認可、届出その他の法令上の諸手続きに関すること

エ.法人主催の行事及び会議に関すること

オ.土地の取得又は処分に関すること(他の部門の所掌に属するものを除く。)

カ.法人運営の基本方針(将来計画、資金計画等)の策定事務に関すること

キ.学校、学部・学科(学部の学科を含む。)等の新設事務に関すること

ク.その他「学校法人」部門に直接かかわる庶務・会計・施設管理等に関すること

ケ.他の部門の業務に属さない事項の処理に関すること

 

 従って、新しい法人事務局が、ア〜ケの業務を行う場合、内訳表の所属部門は「学校法人」部門になります。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)☆ 内訳表・明細表 

2015年05月14日

【株式】有価証券売却差額の表示

株式こんにちは! 高校法人でのご質問です。


<Q>有価証券の売却差額の表示

 今年度、有名企業の株式を売却し儲けがでました。資金収支計算書のひな形では、(大科目)資産売却収入(小科目)有価証券売却収入の指定があります。しかしながら、消費収支計算書では、ひな形に(大科目)資産売却差額しかありません。小科目はどうしたらよいでしょうか?


<A>

 資産処分差額の「小科目」は、基準の第4号様式(消費収支計算書)に(大科目)資産売却差額がありますが小科目は(何)となっており、資金収支計算書の資産売却収入のような具体的な小科目の列挙がありません。

 そこで、消費収支計算書の小科目は、資産売却収入の小科目にならい「有価証券処分差額」とするのが通例です。

 このため、会計士協会の科目別チェックリストでは「有価証券売却差額」が使われています(研究報告第8号)。


【参考:改正基準】 

 改正基準の事業活動収支計算書では、有価証券売却差額は特別収支の区分に表示されます。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)★ 有価証券 

2015年05月13日

【経過的収支】 「預り金などの経過的な収支」の表示

質問こんにちは!ある私立高校でのご質問です。



<Q>「預り金などの経過的な収支」の表示

 資金収支計算書で純額表示できる「預り金などの経過的な収支」について教えてください。


<A>

 ご質問の内容は基準の第5条関連です。

(総額表示)

第5条 計算書類に記載する金額は、総額をもって表示するものとする。ただし、預り金に係る収入と支出その他経過的な収入と支出及び食堂に係る収入と支出その他教育活動に付随する活動に係る収入と支出については、純額をもって表示することができる。


 しかし、この基準5条の解説は学校会計の法規集には、ありません。そこで野崎先生の基準詳説p39を「預り金に係る収入と支出その他経過的な収入と支出」の解説部分を引用します。

ア 預り金とは、学校法人が取り扱う必要のある収支に関して受け入れた預り金のことであり、主に教職員から源泉徴収した所得税、社会保険料や修学旅行費等、支払委託の性格を持つものが多い。

 また経過的な収入と支出には、仮受金や仮払金等があるが、これらは期末において該当科目に振り替えられる必要があり、あまり発生することはない。

 そうすると経過項目には、「預り金」「仮受金」「仮払金」が説明されています。また、野崎先生の本には明示されていませんが、「仮受金や仮払金等」の「等」には立替金が含まれると考えられます。

 もともと学校法人会計は総額表示が原則です(5条)。しかし、これを全勘定に適用するとかえって金額だけが両建てでふくらんで決算書のわかりづらくなり、むしろ残高の方が重要な「預り金などの経過的な収入と支出」については純額表示を認めることにしたのです。

 なお、企業会計で似た言葉に、経過勘定項目(前払費用、未収収益、未払費用、前受収益)がありますが(企業会計原則注解5)、こちらとは別の概念です。

 今日は、ここまでです。



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2015年05月12日

【引当金】「未収入金」vs「期末未収入金」の違い

比べるこんにちは! 今日は、専門学校の方からのご質問です。



<Q>「未収入金」vs「期末未収入金」の違い

 試算表で、例えば授業料の未収入金が100、徴収不能引当金が20の場合のご質問です。この場合、貸借対照表での未収入金は徴収不能引当金20を控除して80となり、資金収支計算書の期末未収入金は100となり、一致しませんが良いのですか?



<A>

 今回の場合、貸借対照表の未収入金は80、資金収支計算書の期末未収入金は100となり一致しません。

<説明>

 貸借対照表では、不確実な未収入金の金額(徴収不能引当金の金額)を未収入金の額から差し引くこととして、資産の確実な有高を把握し、表示しようとします。このため、学校会計では 未収入金、長期貸付金などの金銭債権について、徴収不能引当金の額を控除した残額を貸借対照表価額とします。そして、控除した徴収不能引当金の合計額を貸借対照表に注記します。(学校法人会計基準34ぁ法

 もし表示したければ、次の貸借対照表の表示も可能です。

   未収入金      100

    徴収不能引当金  △80  20

 会計的には、徴収不能引当金は、未収入金等の差引項目として表示されるもので評価性引当金と言われています。



 一方、資金収支計算書では、徴収不能引当金は、すべての教育研究活動を表示するので教育研究活動が終了した100の部分は授業料収入100と計上されており、この部分は「みなし入金」の部分です。このため資金収入調整勘定の期末未収入金で授業料収入100の「みなし入金」を減額修正します。



 今日は、ここまでです。



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2015年05月11日

【人件費】本務と兼務の分け方

給料こんにちは!今日は、よくあるご質問をまたいただきました。


<Q>人件費の本務と兼務

 決算監査を受けているのですが、人件費の本務の兼務の分け方を確認させて下さい。


<A>

 本務・兼務の考え方は、学校種によって違っているので迷うことがあります。

 本務・兼務の区分は人件費支出内訳表の細分科目に出てきます。

 学校法人会計基準や文科省の通知には、本務・兼務の直接的な説明はありません。ただ、会計士協会からの発出物に説明がみられます。研究報告26号(前QA3号、4号)です。

Q12 本務教員と兼務教員、又は本務職員と兼務職員の区分はどのような基準で行うか。


A 本務兼務の区分は、学校法人の正規の教職員として任用されているか否かによる。


 私立大学経常費補助金取扱要領では、専任の教職員として発令され、当該学校法人から主たる給与の支給を受けているとともに、当該私立大学等に常時勤務している者を専任教職員としている。私立大学等の場合、この専任教職員は原則として本務者となる。


 知事所轄学校法人では、各都道府県における私立学校経常費補助金交付要綱に基づいて定められる専任教職員の要件が、私立大学等の場合と必ずしも同一ではなく、また各都道府県によっても異なるため、専任の教職員か否かをもって、本務、兼務の区分の基準となし得ない場合が考えられる。

 例えば、東京都においては、専任の教職員の要件を備えた者であっても学枚法人が正規の教職員として雇用した者でない場合は本務者ではない旨を定めている。


 したがって、本務、兼務の区分は基本的には学校法人との身分関係が正規であるかどうかによることが妥当と考えられる。

 「身分関係が正規がどうかによる」と言うのは少しわかりづらい言葉に感じます。

 もう少し情報がほしいので野崎先生の基準詳説をみてみます。(人件費支出内訳表)基準第14条の解説です(p6869)

教職員の別及び本務・兼務の別は、この計算書類作成の目的から、所轄庁より受ける経常費補助金の交付要綱などに準拠すべきである。

 例えば私立大学等経常費補助金についていえば、「教員人件費支出」に含める教員には、学長、校長、副学長、教授、助教授、講師、助手があり、また高等学校以下については、一般的に各都道府県の補助金の交付要綱などでは校長、副校長、園長、教諭、助教諭、講師、養護教諭、養護助教諭などが含まれている。その他の者に係る人件費は「職員人件費支出」に計上する。したがって、副手、実習助手等は職員に含めることとなる。

ニ槎魁Ψ麑海諒未歪名発令の形態によって区分することとなる。私立大学等経常費補助金取扱要領では、このほか、当該学校法人から主たる給与の支給を受けており、かつ当該私立大学等に常時勤務していることを専任教員の要件に加えている(「本務」と「専任」は、この場合同義に解して差し支えない。)。また専任職員については、主たる給与を受けており、かつ当該学校法人の設置する私立大学等に常時勤務している者(当該私立大学等に係る職務に主として従事している者を含む。)としている。


 高等学校以下についてもこれに準じて各都道府県のそれぞれの交付要綱による区分に従うべきである。

 野崎先生の本をみると本務・兼務の区分を発令基準(ざっくり言うと「辞令」)で説明することもあるのですが、正確には所轄庁基準(多くは補助金基準)と言った方が分かりやすいです。


学校種

本務・兼務の基準

具体的には

大学・短大

・私立大学等経常費補助金取扱要領

“令

給与…主たる給与は

6侈碍疎屐直鏤勤務か

高校・幼稚園

・各都道府県のそれぞれの交付要綱

・各都道府県の通知



 


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)□□ 支出/人件費 

2015年05月08日

【税金】消費税は未払計上するのか?

消費税こんにちは! 大学法人の方からのご質問です。


<Q>消費税の計上方法

 決算にあたり消費税の未払計上について会計士さんと議論しています。制度的にはどうなっているのでしょうか?


<A>

 消費税の会計処理については、消費税法が平成元年41日から適用されることに伴い、学校法人が採用すべき当面の消費税の会計処理及び監査上の取扱いについて審議した結果を委員会報告(中間報告)が公表されました。※「学校法人における消費税の会計処理及び監査上の取扱いについて(中間報告)」(学校法人委員会報告第34)。


 これによると「当該年度分の納付すべき消費税又は逮付を受ける消費税はいずれの方式を採用する場合でも、未払金又は未収入金に計上するものとする。」となっています。

 つまり、「当該年度分の納付すべき消費税又は還付を受ける消費税については、学校法人会計基準第6条及び第7条の規定から当然に未払金又は未収入金に計上しなければならない。すなわち、平成元年度分の消費税は平成25月末日までに申告納税又は還付請求するのであるが、その納付すべき消費税又は還付を受ける消費税については平成元年度の計算書類において未払金又は未収入金に計上しなければならない。」となりました。


 従って、制度上は、消費税は、現金主義でなく未払計上することになります。


 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)★ 負債 

2015年05月07日

【役員】ズバリ!監事の職務とは?

監督こんにちは!今日は高等学校法人でのご質問です。



<Q>監事の仕事

5月の決算理事会で、新監事が選任されます。新監事に監事の仕事を簡単に説明したいのですが、どう説明したら良いでしょうか?



<A>

 学校法人には、監事を2人以上置かなければならないとされています(私学法35)。私立学校法は、学校法人が学校の経営主体としてふさわしい法人となるよう、監事を必置機関とし、さらに複数制として、その公共性が確保されるよう配慮しているからです(参考:小野先生p207)。



 さて、監事の職務は、私立学校法に定めがあります。ここでは、法律上の必須の職務が6つあります(私学法第37条第3項)。監事の6つの職務は、例示的列挙であると解されていますので、寄附行為で監事の職務として理事の業務執行を監査するのに必要な事項を追加して掲げることは差し支えないと考えられています(参考:松坂先生p242)。



監事の6つの職務

(私学法37

事務局コメント

学校法人の業務を監査すること



 


 

・いわゆる業務監査。

・教学的な側面と経営的な側面は、実際には密接不可分であることから、教学的側面についても監事が意見を述べることは排除されていないと解されています(小野先生p208)。

学校法人の財産の状況を監査すること

・いわゆる財産監査。

・監事が公認会計士や監査法人、あるいは法人事務局内部の監査担当者等と連携して監査を行うことも当然にあり得えます(小野先生p208)。

・会計士サイドでは、監事との連携を呼びかけています(研究報告17号)。

学校法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後2月以内に理事会及び評議員会に提出すること

・監事の決算理事会前に監査を行い、監査報告書を作成します。

・この規定は、平成16年私学法改正により新たに追加されました。

・監査報告書は、監事が学校法人の業務及び財産の状況を監査した結果について記載した書類のことをいいます。法定のひな形は、特にありません。

監査の結果、不正の行為又は法令若しくは寄附行為に違反する重大な事実のあることを発見したとき、これを所轄庁又は理事会及び評議員会に報告すること

・監事が監事監査を実効あらしめるものとするための手段です。

・監事は、「所轄庁」か「理事会及び評議員会」のいずれかに報告することとなりますが、同時に双方に対して報告することも差し支えありません(松坂先生p241)。

の報告をするために必要があるとき、理事長に対して評議員会の招集を請求すること

・監事がその監査を実効あらしめるものとするための手段です。

学校法人の業務又は財産の状況について、理事会に出席して意見を述べる

・監事が理事会に出席する根拠と解釈されています。



 以上は、法律に定められた監事の職務です。また実務では、前任監事の監査計画書や監事報告書が閲覧できれば、それも役に立つでしょう。それと必ず、寄附行為は確認して下さい。寄附行為には、私立学校法とは別の定めがあることもあります。

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)◎ 法人運営