2012年10月

2012年10月29日

【基準】学校法人会計基準の歴史

歴史こんにちは! 専修学校の理事長先生といろいろ昔話をしてしまいました。その時のご質問です。

 

<Q>おかげさまで学校を設立して35年になるのですが、学校法人会計基準の歴史はどうなっているのですか?

 

<A>

 学校法人会計基準(以下、基準と言う)ができる前は、学校法人共通の会計ルールはありませんでした。

 そこで、文部省は昭和43年、学校法人財務基準調査研究会を発足し会計基準の研究を始めました。ここでは、財務の健全性や収支均衡主義などを重視する現在の基準の原型を見ることができます。なお、この当時、モデルになった会計基準は大学の諸団体の会計基準でした。

 

 さて、現在の基準は、主に経常費補助を受ける学校法人の会計ルールとして昭和46年に創設されました。

 その後の大きな改正としては、

□昭和51年基準改正

  経常費補助を受ける一条校に基準の適用が決まりました。

□昭和63年基準改正

  基本金を4つに整理すると共に組入ルールを明確にしました。

□平成17年基準改正

  基本金の取崩要件を緩やかにすると共に、貸借対照表の注記事項を5つから7つに増やして充実させました。

□平成22年基準改正

  認定子ども園の規定が追加されました(39条)。

 

<参考:基準の主な変遷>

年月

内容

出典

 

(S45.5 「学校法人会計基準の設定について」が公表される」)

・学校法人財務基準調査研究会報告

S46.4

基準始まる(大臣所轄学校法人)

・文部省令第18

 

(S47.4 大臣所轄学校法人は基準を全面適用)

 

S51.4

学校法人会計基準改正

・文部省令第14

 

(S51.4 経常費補助金を受ける学校法人は基準を適用)

・私学助成法第14

S63.4

基準改正

・基本金を4つに整理すると共に組入れルールを明確にした

・文部省令第25

・文高法第232号通知

 

(H16.5 私立学校法改正) 

 

H17.4

基準改正

・基本金の取崩し要件を緩やかにした

・注記事項の追加(5つ→7つ)

・文科省令第17

・文科高第122号通知

H22.2

基準改正

・「認定こども園である幼保連携施設を構成する幼稚園及び保育所を設置する社会福祉法人に関する特例(39条)」が追加

・文科省令第2

 

今日は、ここまでです。



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2012年10月26日

【基準】学校法人と学校法人会計基準

案内こんにちは! ある会合で大学法人の理事の方よりご質問をいただきました。

たまに同じご質問を私学の方からいただきます。

 

<Q>なぜ私学の決算書類は、学校法人会計基準で作るのですか?

 

<A>

 現在、私立学校の計算書類は学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)に従って作成されています。学校法人会計基準は、私立学校法には直接、登場しませんが、実務は学校法人会計基準で行われています。

 

 学校法人会計基準を採用する法的な根拠としては、

■私立学校法施行規則で

私学法施行規則第4条の4において、計算書類の作成について「法第47条第1項に規定する書類の作成は、一般に公正妥当と認められる学校法人会計の基準その他の学校法人会計の慣行に従って行わなければならない。」としています。

 

■寄附行為作成例で

「(会計)第32条この法人の会計は、学校法人会計基準により行う。」となっています。(学校法人寄附行為作成例(昭38.3.12私大審議会決定。 最終改正平成16713日、大学設置-学校法人審議会(学校法人分剥会) 決定)

 

■文科省の通知(文管振第153号)で

私立学校振興助成法14条,任蓮◆崑茖款鯊茖厩猖瑤和茖江鬚傍定する補助金の交付を受ける学校法人は、文部科学大臣の定める基準に従い、会計処理を行い、貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならない。」とあります。そして、この場合の「文部科学大臣の定める基準」とは、「私立学校振興助成法等の施行について(昭和51年4月8日文管振第153号)」で

「6 会計書類の作成等

経常的経費について補助を受ける学校法人は、学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)に従い、会計処理を行い、財務計算に関する書類を作成するとともに、当該書類と収支予算書を所轄庁に届け出なければならないこととしたこと。」とあります。

 

 今日は、ここまでです。



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2012年10月24日

【経営】学校法人ができる事業の種類

学校こんにちは! ある会合で大学法人の理事の方よりご質問をいただきました。

 

<Q>私学の場合、学校でできる事業は学業の他にどのような事業があるのでしょうか?

 

<A>

 私立学校は、学校法人の設置する学校(私学法第2条)ですので私立学校法からみてみます。

 

 私立学校法上では、学校法人が行うことができる事業は「教育研究事業」と「収益事業」の2種類ですが(私学法26条)、教育研究事業の中に純粋な教育研究事業と教育研究に付随して行われる事業があるものと解されています(松坂先生p165)。

 

 実際、文科省の通知を利用すると、学校法人の事業の種類は「教育研究事業」「付随事業」「収益事業」の3種類に整理されています。※「文部科学大臣所轄学校法人が行う付随事業と収益事業の扱いについて(通知)」(20文科高第855号)

 

 ちょっと無理して表で説明してみます。

  私立学校でできる事業の種類

事業の区分

内容

具体例

経理区分

教育研究事業

本業(説明不要)

学生生徒等納付金収入

手数料収入

一般会計

付随事業

本業に付随する事業

→学校教育の一部として又は付随して行われる事業

主として在学者を対象とした「補助活動」

例:食堂・売店・寮

一般会計

「補助活動以外の活動」

例:大学の公開講座

  医大の病院経営

  保育所を経営

収益事業

(私学法26)

学校法人は,その設置する私立学校の教育に支障のない限り,その収益を私立学校の経営に充てるため,収益を目的とする事業(18種)を行うことができます

・不動産の賃貸業

・物品の販売

・図書の出版

・保険の仲介

 

特別会計

(区分経理)

 

今日は、ここまでです。



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2012年10月22日

【固定資産】備忘価額のまとめ

経理こんにちは! 今日は、会計ソフトと資産管理ソフトを導入中の学校さんからのご質問です。

 

<Q>固定資産の減価償却に関して、備忘価額についての整理ができません。

整理して教えて下さい。

 

<A>

 備忘価額は、個別償却資産とグループ償却資産で取扱が異なるので、各別に説明していきます。

 

1.個別償却資産

 学校法人の減価償却の方法は、定額法になっています(基準26条◆法

 算式は、

 「減価償却額=(取得価額−残存価額)÷耐用年数」ですね。

 

 ここで、学校会計では残存価額は0でもよいことになっています。実際は、残存価額は取得価額の0の学校、10%の学校が多いと思います。そうすると、もし残存価額が0で耐用年数がホントに来てしまうと、学校の固定資産の帳簿価額は0になるはずです。でも、学校会計の実務は、残存価額を0にした場合でも、その後固定資産を引き続き使用する場合には、その存在を形式的に示す必要があるので耐用年数の満了時に残存価額を残すことになりました(学校法人委員会報告第28号)。

 

この備忘価額をいくらにするかですが、以前は、残存価額の価額は1円となっていたのですが(旧委員会報告第8号)、今は法人が自主的に決めることができます(28号)。知事所轄学校法人では、別途、所轄庁(都道府県知事)が指示している場合もあります。例えば、東京都では固定資産の備忘価額は1円か100円となっています。

 

2.グループ償却資産

机 さて、この備忘価額ですが、机・椅子などのグループ償却資産については、ちょっと取扱いが違います。復習すると主として、机、椅子等のグループ償却資産の減価償却について、取得年度ごとに同一耐用年数のものをグループ化し、一括して毎会計年度償却をし、耐用年数の最終年度に当該機器備品について、現物の有無にかかわらず一括除却処理をする方法を採用する場合においても、妥当な会計処理として取り扱うものとしました。つまり残存価額は0、つまり備忘価額でOKなのです。28号)。なぜでしょうか??

 

簡単便利このような機器備品の「グループ償却」は、事務手続の簡素化のため、多くの学校法人で採用しているものと思います。「グループ償却」を採用している場合であっても、備品がある限り、その存在を明らかにするため、また備品等の管理目的の上からも、備忘価額を付して、会計上も記録を残すべきであるという意見も有力ありました。論理的には、この意見は正しいと思われます。

 

しかし、「グループ償却」を採用している場合に、備品等に備忘価額を付すとすれと、1点ごとに備忘価額を付さなければならないであろうし、備品等の除却の際の手続も煩雑となります。そこで、事務手続の簡素化という目的からまとめて減価償却をする「グループ償却」を採用しているのに、備忘価額の個別管理をしては逆に事務手続の簡素化のためと言う目的が達することができなってしまいます。

 

そこで「グループ償却」を採用している学校では、償却が完了した会計年度に備品等の除却処理をしても、現にある備品について、固定資産台帳の中に「簿外管理台帳」を設ければ、現品の管理目的も達せられるということで、備忘価額を0としました。(参考:28号解説)。

 

 

<まとめ>

 

備忘価額

理由

個別償却資産

学校が決める

※所轄庁の指示に注意

資産の管理目的

グループ償却資産

ない(=0円)

※要:簿外管理台帳

事務手続の簡素化

 

今日は、ここまでです。



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2012年10月19日

【速報】在り方検討会(第3回)が開催される。

聞く文科省で学校法人会計基準の改正の要否について、有識者を集めて具体的に検討を進める「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」(第3回)が昨日(10月18日)開催されました。

 

名簿にある有識者の他に文科の方が5名出席されていました。傍聴の方は40名程度でした。

第3回のテーマは「財務三表の体系について◆廚任后G柯媚駑舛蓮近々、文科省のホームページに公開される予定です。

※関連のホームページは↓↓↓

学校法人会計基準の在り方に関する検討会平成24年度):文部科学省

 

次回の第4回は11月7日(水)です。

下記は配付された第3回議事次第です。

 

在り方3 



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2012年10月17日

【基本金】第4号基本金の取崩し?!

案内こんにちは!昨日に続いて大学法人の方からのご質問です。

 

<Q>4号基本金は、絶対、取崩すことができないのですか?

 

 

<A>

 もしかしたら、基本金明細表のひな型をご覧になったのでしょうか。

 学校法人会計基準の第9号様式「基本金明細表」では、

   第4号基本金

前期繰越高

当期組入高

当期末残高

 となっています。つまり、基準のひな型には「当期取崩高」がないです。

 説明すると、基準は、通常は第4号基本金の取崩は予定しません。つまり、第4号基本金は、「原則法人全体で考えるので、法人がある限り第4号基本金もあるはず」なのです。

 

 さて、第4号基本金の組入は、法人全体で考えるのが原則ですが、部門別に考えることができます。ここで、学校法人が第4号基本金を部門別に組入れており考えており、設置している学校、学部、学科を廃止するなど学校法人の諸活動の一部を廃止した場合には、第4号基本金の取崩をしなくてはなりません(基準31条)。(「基本金に係る実務上の取扱いに関するQ&A」学校法人委員会研究報告第15号 Q3-2がほぼ同じ趣旨の説明をしている)

 つまり、4号基本金を部門別に考えていて、その部門が消滅したら第4号基本金は所属する部門がなくなるので、取り崩すのです。



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2012年10月16日

【基本金】組入は部門別?法人全体?どっち??

案内こんにちは! ある会合で大学法人の方からいただいたご質問です。

 

<Q>基本金は第1号基本金から第4号基本金までありますが、基本金の組入は法人全体で考えるのか? 部門別に考えるのか? どちらですか。

 

 

<A>

 まず、原則論です。

 第1号基本金から第3号基本金までは、部門別の組入を原則とし、第4号基本金は法人全体で考えるのが原則です。 

 つまり、

 

原則

認容

1号基本金の組入

 

部門別

 

 

法人全体

2号基本金の組入

第3号基本金の組入

4号基本金の組入

法人全体

部門別

 

1号から第3号基本金については、基本金の要組入額は、原則として基本金の設定対象資産と結び付けて算定され、基本金の組入計算も各法人の実態に応じて部門別に行うこととなっていることから各号ごとに部門別の組入が原則です。

 

4号基本金の組入を法人全体で考えるのは、文部大臣裁定が、法人全体の消費収支計算書を基に計算されることに基づいています。ただし、第4号基本金でも「会計単位及び資金が部門別に独立している場合は計算を部門別に行うこともできよう」(CPA研究報告第15号。「基本金に係る実務上の取扱いに関するQ&A」Q2-14)とされています。



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2012年10月15日

【基準】大臣所轄学校法人が設置する幼稚園の会計ルール

経理こんにちは! 研修会の時に、大学法人が設置する幼稚園さんからのご質問をいただきました。

 

<Q>私どもの高校は、大学法人に設置する都内の私立幼稚園です。学校法人会計基準で計算書類は作成していますが、文科省から出る会計の通知類の他に、東京都から出る会計の通知類があります。どちらを優先させたらよいのですが。

 例えば、保育料を3万円もらうとすると

 学校法人会計基準   授業料収入 3万円(別表第1)

 都の通知      保育料収入 3万円(284号通知)

               と微妙に会計処理が違います。                            

<A>

1.知事所轄学校法人の会計基準は三階建て

 知事所轄学校法人対象の研修会でしたので、学校会計の会計基準を3階建てで説明しました。

 

 知事所轄学校法人の会計ルール

3階

学校の経理規程類

2階

東京都の通知・告示

1階

文科省の省令(学校法人会計基準)、

文科省の通知・告示

    

 

2.大学法人の設置校

 次は、ご質問のケースです。

 大学法人の所轄庁は文部科学大臣なのですが、知事所轄学校法人の所轄庁は都道府県知事になります。この場合は、大臣ルールと知事ルールのどちらが優先するのでしょうか。

 原点に戻って、私立学校振興助成法に遡ってみてみましょう。

 

助成法第14条

経常費補助金の交付を受ける学校法人は文部科学大臣の定める基準(学校法人会計基準)に従い、会計処理を行い、貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならない。

 

2 前項に規定する学校法人は、同項の書類のほか、収支予算書を所轄庁に届け出なければならない。

 

 つまり、会計ルールは、学校法人の所轄庁の会計ルールを優先することになります。従って、大学法人の設置する学校法人の会計ルールは、文科省の告知・通知類を利用します。

 分かりやすく言うと大臣所轄学校法人の会計ルールは2階建てと言うことになります。ただし、経常費補助金などの実績報告書は、都の書式に従うことになります。

 

  大臣所轄学校法人の会計ルール

2階

学校の経理規程類

1階

文科省の省令(学校法人会計基準)、

文科省の通知・告示

 

 

 今日は、ここまでです。 



kaikei123 at 07:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)☆ 計算書類 

2012年10月09日

【評議員】 役員・評議員と同族経営

同族 こんにちは!今日は、ある高等学校での役員・評議員の同族規定に関するご質問です。

 

 

 

<Q>学校法人では、役員になれる親族は法律で2人までと聞きますが、評議員の場合は何か親族の制限規定はありますか?

 

<A>

 役員や評議員の資格については、学校運営で大切な所です。特に、中小規模の学校法人では同族規定はとても気になるところでもあります。

 この際、整理しておきましょう。

 

1.役員(理事、監事)の同族禁止規定

 役員(理事、監事)については、私立学校法で決まっています。

 【私立学校法第38条А

「役員のうちには、各役員について、その配偶者又は三親等以内の親族が1人を超えて含まれることになってはならない。」

 つまり、役員に選任できる三親等内の親族は2人までです。「役員のうちには」という場合の「役員」は、理事及び監事を併せた全員をいいます。

 この規定の意味することは、同族経営の少数理事により学校法人が専断経営されることを排除し、学校法人の公益性を確保するためです。

 むしろ、役員については、いわゆる外部理事,外部監事を加えることが義務づけられていて(38)、学校法人の運営に多様な意見を取り入れるような配慮がなされています。

では、評議員の場合はどうでしょうか。

 

2.評議員の同族禁止規定

 評議員の同族規定については、私立学校法では、特に定めはありません。

しかしながら、実務上の運営には注意が必要です。

このことについては、私学法の専門書では

「評議員については、役員のように、欠格事由に関する規定(38条─砲篁或禿以内の親族の制限に関する規定(38条А法欠員の補充に関する規定(40条)は置かれていないところである。これは、評議員会が原則として諮問機関たる性格の機関であることにかんがみ、役員ほどには厳格に規定することをしなかったものであると思われるが、評議員もまた、学校法人の公共性を高めるために置かれた機関であることから、これらの役員についての欠格事由等の規定が「評議員についても尊重されることが望ましい」と考えられる。(松坂先生。逐条解説私立学校法P276)。とあります。

 

また、H16年改正私立学校法が施行されるに当たって公表された文科省の通知では、

「評議員会制度の改善

ウ 学校法人の運営に多様な意見を反映し、学校法人の公共性の高揚を図ることを目的とする評議員会制度の趣旨にかんがみ、評議員会の構成について、当該学校法人の役員及び職員が大多数を占めたり、特定の同族が多く選任されたりすることのないようにされたいこと。」とあります。

※「私立学校法の一部を改正する法律等の施行について(通知) 

16文科高第305号。平成16723日」

 私立学校法の一部を改正する法律等の施行について(通知

 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/004/003.htm

 

 

この通知は、文部科学省の事務次官通知として文部科学大臣所轄各学校法人理事長と各都道府県知事向けに出ています。

 

と言うことは、私立学校法では評議員の同族禁止規定はないのですが、文科省の通知による指導としては、評議員も「特定の同族が多く選任されたりすることのないよう」注意することになります。

 

今日は、ここまでです。



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2012年10月02日

【評議員】 評議員の欠員補充?!

聞くこんにちは! 今日は、ある専修学校の経理の方からのご質問です。

 

<Q>1号評議員(職員評議員)の人が2名退職し、定足数に足りません。法律ではどうなっているのでしょうか。

 

<A>

 学校法人の役員(理事・監事)と評議員を併せてご説明いたします。

1.学校法人の理事・監事の欠員補充

 学校法人の役員(理事・監事)に欠員補充については、私立学校法に定めがあります。

 【私立学校法第40条】(役員の補充)

理事又は監事のうち、その定数の5分の1をこえるものが欠けたときは、1月以内に補充しなければならない。

 

 ここで役員の定数については,寄附行為の必要記載事項とされている(私学法第30条第1項ァ砲里粘麌躪坩戮魍稜Г靴泙后そして補充すべき欠員が判明したら1月以内に補充することになります(40条)。この40条の趣旨は、役員の定数が欠けると学校法人の一部理事による専断が起こりかねず、学校法人の公益性を維持するためにあります。

 

40条で「欠けたとき」とは、役員の死亡、辞職、任期満了、失職等の原因により、役員が不在であることをいいます。海外出張、長期入院などの場合でも、理事の身分を有する限り、「欠けたとき」には該当しません(小野先生p207。)

 

2.評議員の欠員

 評議員については、私立学校では役員の欠員補充(40条)のような規定ありません。この理由は、

「評議員については、役員のように、これは、評議員会が原則として諮問機関たる性格の機関であることにかんがみ、役員ほどには厳格に規定することをしなかったものであると思われるが、評議員もまた、学校法人の公共性を高めるために置かれた機関であることから、これらの役員についての欠格事由等の規定が「評議員についても尊重されることが望ましい。」(松坂先生。逐条解説私立学校法p276)とあります。

 

 つまり、第1号評議員(職員評議員)の欠員補充は、私立学校法では明記されていませんが、やはり速やかに補充することが大切になります。

 

役員(理事・監事)の欠員補充

評議員の欠員補充

1月以内(私学法40条)

私学法に規定なし

↓ でも

(考え方)

学校法人の公益性を確保するために役員の欠員補充の規定を尊重する

 

 今日は、ここまでです。



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